平成28年7月号 京都市消防音楽隊のあゆみ
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2016年7月1日


京都市消防音楽隊は,市民の消防音楽隊として心のふれあいを大切に,音楽を通して広く市民の皆様に防火・防災を呼び掛けています。長年にわたる多くの方の温かい御支援により,平成27年12月には発足60周年を迎えることができ,隊員一同決意を新たにしています。
皆様と共に歩んできた消防音楽隊の60年を,発足当時から現在まで,振り返ってみようと思います。

昭和24年に京都市警察音楽隊が結成されましたが,昭和30年7月に京都市警察部が府県警察に移管したのに伴い,京都府警察音楽隊となりました。そのため,これに代わるものとして消防音楽隊の結成を望む声が上がり,同年11月に結成に向けて動き出しました。
消防職員から希望者を募集し,京都音楽短期大学(現・京都市芸術大学)教授 蔵田 春平 氏と消防局内の選考委員によってオーディションが行われました。選ばれた隊員には担当する楽器が手渡され,消防音楽隊として産声を上げることになりました。


<京都市消防音楽隊発足式>(昭和30年12月1日)
初代隊長に市川 喜一郎 氏が任命され,島消防局長から隊員一人一人に楽器が手渡されました。隊員一同,音楽隊員としての決意を胸に抱き,ここに消防音楽隊が誕生しました。
当時は,市内各消防署の署員が消防音楽隊員を兼務しており,週2回消防学校に集合して蔵田先生をはじめとする講師の方々の熱心な指導を受け,隊長以下一丸となって練習に励みました。

<消防出初式で初演奏>(昭和31年1月)
猛練習の結果,発足翌月の二条城前で実施された消防出初式で,その晴れ姿を市民の皆様に披露することができました。当時は現在のような演奏服はなく,紺の消防制服の肩に金のモール,腕に消防音楽隊のワッペンを付け,足元は白脚絆(しろきゃはん),帽子に白覆いという大変洒落(しゃれ)たスタイルで,市民の注目を浴びました
演奏曲のレパートリーは,行進曲の「トム・タフ」と「ブルタニア」の2曲のみで,どこの演奏会場に行ってもその2曲だけを演奏し,防火パレードを中心に活動していました。



<日本万国博覧会(大阪万博)開催>(昭和45年4月)
昭和45年に,大阪府吹田市千里丘陵で盛大に開催され,多くの人が訪れる中,私たち消防音楽隊も,太陽の塔の下でドリル演奏を披露しました。


<音楽劇で防火指導>(昭和55年3月)
幼児向けに,音楽を生かした防火指導がないものかと考えた結果,演奏に合わせた手作りの指人形劇を発案しました。幼稚園や保育園で上演し,翌年には着ぐるみを使用した劇でも防火指導を行うなど,子どもたちに,楽しみながら火の用心の大切さを学んでもらいました。


<発足30周年>(昭和60年1月)
消防音楽隊は発足30周年を迎え,当時の京都会館第1ホールで記念演奏会を開催しました。市民の皆様の日頃の御支援・御協力に対し感謝の意を表すとともに,市民生活の安全を守るという消防の使命達成に向けて決意を新たにしました。
<カラーガード隊の誕生>(昭和61年5月)
女性消防団員で構成され,市内各地で消防音楽隊と共に防火・防災広報の啓発を行う,京都市消防カラーガード隊,愛称「きょうとファイヤーエンジェルス」が誕生しました。平成28年5月には発足30周年を迎え,隊員の士気も新たに,これからも「愛され,親しまれるカラーガード隊」を目標に活動を続けていきます。

<サマーナイトコンサート>(平成元年7月)
平成元年から15年間にわたり,夏と夜の音と光のファンタジーとして開催されたサマーナイトコンサートには,カラーガード隊と共に毎回出場し,西京極球場のグラウンドをいっぱいに使った演奏・演技で市民の皆様から好評を博しました。コンサートのクライマックスには,京都市消防局特別消防隊の水幕放水が行われ,夏の夜空を彩る虹の架け橋のようでした。

<防火ふれあいコンサート>(平成2年11月)
多くの市民と音楽を通してふれあい,防災意識を高めてもらうため,消防音楽隊の自主的な演奏会として,防火ふれあいコンサートを始めました。平成2年11月の市役所前広場での演奏を皮切りに,現在,市内5箇所(キタオオジタウン,ゼスト御池,京都駅前地下街ポルタ,イオンモール京都桂川,パセオ・ダイゴロー)で毎月開催しています。防火・防災の啓発をコンサートの合間に織り込み,市民の皆様に楽しみながら学んでいただくため,毎回,趣向を凝らしています。

<マーチングフェスティバル>(平成6年3月)
第1回全国消防音楽隊マーチングフェスティバルを京都市で開催し,全国から28隊の消防音楽隊が集結して,音と動きの迫力あるパフォーマンスを披露しました。
<発足40周年>(平成8年3月)
消防音楽隊発足40周年記念演奏会は,阪神・淡路大震災を教訓にして「安全に暮らせる都市づくり」をテーマに開催しました。この頃から消防音楽隊の演奏活動においても,火災予防中心の啓発から,防災についても訴えていくようになりました。

<発足50周年>(平成18年1月)
京都市消防音楽隊発足50周年記念演奏会では,市民の皆様にも演奏会に参加していただくなど,京(みやこ)の安心・安全を目指す「消防」と,自分たちの命やまちを守ろうと取り組む「市民の皆様」との「絆」を強固にすることができました。

<音楽隊の強化>(平成24年4月~)
隊員数と演奏技術の確保のため,非常勤嘱託員(消防音楽隊業務)の一般採用を開始しました。現在,隊長以下24名のうち18名の非常勤嘱託員が消防音楽隊として勤務しています。
<発足60周年>(平成28年2月)
平成28年1月に開館したロームシアター京都において,京都市消防音楽隊発足60周年記念演奏会を開催しました。消防音楽隊と消防カラーガード隊によるステージドリル,市内の中学生や消防団,京都学生消防サポーターとのコラボレーションステージ,神戸市消防音楽隊との合同演奏など,多彩な演奏で市民の皆様に楽しんでいただき,市民の皆様との「絆(きずな)」を更に深める演奏会となりました。



(平成11年7月~)
パネルシアターとは,幼児向けの視聴覚教材として使われているもので,表面が毛羽立った布地を張ったパネル(舞台)の上に,不織布に絵を描いて作った絵人形を「貼る・外す・裏返す・重ねて貼る・回転する」などしながらストーリーを展開させていくものです。
火災予防を楽しく学べるように音楽を織り交ぜ,独自のパネルシアターを作製しました。これにより,臨場感あふれるものとなっています。また,ストーリーの後半には,実際に防火衣を着装した隊員が登場するなど消防をより身近に感じてもらうことができます。
第1作 幼少年向け(火遊び防止)
第2作 幼少年向け(119番啓発等・後に火遊び防止中心に改変)
第3作 一般向け(天ぷら鍋火災防止)
第4作 一般向け(住宅用火災警報器設置促進)
第5作 幼少年向け(火遊び防止・小スペース対応)


(平成24年7月~)
東日本大震災が発生したことで防災教育の重要性が改めて指摘されたことから,音楽に合わせて子どもたちが楽しく安全行動(地震及び火災に対する身体の動き)を習得するための指導用DVD等が,京都市消防局において制作されました。火災や地震などの危険に遭遇した際に,子どもたちが大人の指示を待つことなく,自らの判断で自分の身を守れるようにするため,京都市消防音楽隊では,DVDに収録された地震や火災を表現する曲を演奏し,初動措置について指導しています。


(平成14年7月~)
京都市消防局では,多発する放火火災を防止するため,放火防止の具体的な取組について普及に努めています。消防音楽隊では,平成14年7月から放火火災を防ぐ取組を市民の方が楽しく覚えられるように,坂本 九さんの「明日があるさ」を替え歌として,演奏及び歌唱による普及活動を行っています。


(平成27年2月~)
防炎品(火がつきにくく,もし火がついても,際限なく燃え上がらない性質を持った製品)を市民の皆様の生活の中に取り入れていただき,安全な生活を送っていただけるように,消防音楽隊では,アップテンポな曲に乗せて防炎品を身にまとった隊員がファッションショー形式で紹介しています。





お問い合わせ先
京都市 消防局消防学校教育管理課
電話:075-682-0119
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