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京都市消防局

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平成27年11月号 下京消防署通信

ページ番号194380

2015年11月2日


 下京区の修徳学区では,室町時代以来の自治の伝統が今も息づいています。明治2年5月21日,日本で最初に授業を始めた修徳小学校とその跡地の福祉施設を核に,修徳ふれあい広場実行委員会の「サマーナイト in 修徳」(夏祭り)には,洛央校区の住人を含む1,300人前後の人たちが集い,「学区民ふれあい大運動会」や「総合防災訓練」では,毎年,300人以上の学区民が競い,訓練にいそしんでいます。

 本稿では,防災減災活動をはじめ,地域の活性化を図るため,我々が,日々,取り組んでいる事例について,いくつか紹介したいと思います。


 今年度は,京都大学防災研究所教授の牧 紀男先生の御指導を得て,防災減災対策と避難所ルールを策定し,「避難所マニュアル」を製作しています。これは,防災減災の基底にある学区民の絆を強める「まちづくり活動」を進めることによって,「自助」も「共助」も共に強化されていくという考えで進めているものです。

 第1回の防災ワ―クショップでは,学区民の皆さんが,日常生活の中で,どの場所にいる確率が高いか,参加者に実例を挙げてもらいました。「ガラス窓の多いビルの下を歩いている」「スーパーの中で買い物をしている」「トイレにいる」「入浴中」「家具の多い部屋にいる」などが挙げられ,その場面での安全性や地震発生時の緊急の対応の仕方などを参加者に具体的に検討してもらいました。

 第2回(9月16日)と第3回(10月22日)の防災ワークショップは,牧教授の講演と御指導をいただきました。

 現在ある「修徳学区防災マップ」は,5年前から改定していません。しかし,これに,災害の発生が予測される場所や救助・救命器材のおかれている箇所,災害弱者のおられる御家庭等,共助の色彩をより強く,また,自助のための危険個所や危険家屋などの記載を追加する必要があります。そのため,第2回防災ワークショップでは,「防災マップやハザードマップをどのようにすべきか」について,参加者全員で考えました。そして,改定した防災マップで,今後,より実践的な図上訓練も実施していくつもりです。

 第3回防災ワ―クショップでは,災害発生時に混乱をきたさないように,「避難所のルール」づくりと「避難所マニュアル」の内容を検討しました。また,傷病者のトリアージと病院への搬送手段も福祉施設「修徳」の協力を得て,独自の対応について記載するつもりです。


 平成22年,「修徳まちづくり憲章(第2部)町並み編」を策定し,まちづくり委員会(建築分科会)と町内会が,支援団体(京都大学大学院建築学専攻の門内 輝行教授研究室や京都府建築士会)や行政(京都市都市計画局 まち再生・創造推進室及び景観政策課,京都市景観・まちづくりセンタ―)と協働し,修徳らしい町並み形成を話し合う組織を作りました。これは,京都市が進める「地域景観づくり協議会(地域の景観を保全・創出するため,地域住民が主体となって景観づくりに取り組まれる組織を京都市が認定し,当該地域で建築活動等を行う建築主等と,より良い景観形成に向けて意見交換をしていただく制度)」の仕組みそのもので,修徳学区は,平成24年6月に本市の第1号に認定されています。修徳学区では,平成25年度から,江戸・明治型町家,洋館・大正モダン・昭和型町家,平成の町家などの選定を開始し,平成26年度までの2年間に59軒のお宅を表彰しました。選定された建物は,今後,新築される建物の模範として,学区民に注目され始めています。




 平成26年度から,京都市の空き家流通促進事業に賛同し,空き家の利活用の活動も開始しました。

 まずは,学区民が空き家をどのように問題視しているのかの意見交換を行いました。「裏庭の雑草,害虫がひどい」「屋根の一部が落ち込んできている」「親戚の人が入りこんでたばこを吸っている」などの意見が出され,空き家は地域の安心・安全の課題であるとの共通認識を持つことからはじめました。

 修徳消防分団の団員の方々も,防火の立場から強く発言してくれています。

 空き家対策を進めるには,学区民が空き家の利活用に夢を描き,その時々の対策に必要な人材や資金を提供していく流れを形成していく必要があります。今年度はすでに,旧日曜学校の地権者の了解を得て,50年以上たまっている塵芥を清掃し,家屋の測量をして,この空き家を含む通りの1/50の模型と利活用の将来像の模型とを,先の「修徳まちづくり憲章」策定時から支援いただいている京都大学大学院の門内研究室の学生さんたちが作ってくれました。第1回空き家問題ワークショップでは,模型を見ながら検討を重ねました。この旧日曜学校が,学区挙げての参加と通りや近隣のにぎわいにつながることが,今後の課題です。



 まちづくり委員会,社会福祉協議会,民生児童委員会,女性会,修和会(シルバー会)及び福祉施設「修徳」がネットワークを組んで,一昨年から,認知症を地域で見守る活動を行っています。「早い発見と治療」「ひとりの人格として接する」をモットーに,京都大学医学部木下教授研究室の協力を得て,相談会や講演会を開催しています。

 このように,修徳自治連合会では,地域の活性化とコミュニュティの連携を強化するための取組をいろいろ進めています。

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お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195