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京都市消防局

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優秀賞 ◆ 事業所消防士の育成について ◆

ページ番号192981

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2016年2月1日


 突然ではありますが,皆さんが消防訓練指導をされる際は,何を意識して指導をされていますか。私は,今年の10月に予防課に異動をするまでは,2年間消防隊で勤務をしておりました。消防隊のときに指導をしていた際は,消火器の取扱方法や避難誘導方法を説明するだけでした。私は,予防課勤務は数箇月ですが,その中で上司,諸先輩方の指導方法を学んだことがきっかけで,災害の怖さを伝え,防災に対して強い意識を持った人を増やすことが,多くの命を守ることにつながるということに改めて気付かされました。

 そこで,私は防災に対して強い意識を持った人を増やすために,防火管理者の選任義務のない小規模施設に,事業所防災リーダーを作ることを提案したいと思います。防火管理者の選任義務のない施設に的を絞った理由には二つあります。

 一つ目は,防火管理者の選任義務のない小規模施設になると,従業員がアルバイトやパート従業員の方が多く,防災に対する教育もなされておらず意識が低いということです。どうしても,アルバイトになると正社員に比べて責任感が低いということもあり,今まで指導した消防訓練でも,消極的な動きで熱意が感じられない姿が多々見受けられました。また,従業員もよく変わることから,毎年訓練をしている事業所でも訓練内容がステップアップしていないと感じました。実際に,以前あった宿泊施設での消防訓練で,訓練に参加した3人のうち2人が消火から避難誘導までずっと一緒に同じ行動をとっていました。訓練後も,危機意識は低く,災害があったときに,お客様をスムーズに避難させることができるのだろうかと不安に感じた経験があります。

 二つ目は,防火管理者の選任義務のない小規模施設は,自衛消防組織を置く義務がないことです。つまり,少人数で働く従業員の初動活動がとても重要であり,それができていないことが,大きな被害につながっています。

 そこで私は,いち早く災害に強い事業所を増やしていくために,防災リーダーを育成し,訓練経験がない人もリーダーが中心となって指示をし,万が一のときにも安全に初期消火から避難誘導までできる仕組みを作る必要があるのではないかと考えました。

 そこで,具体的に防災リーダーを育成するための方法を二つ提案します。

 一つ目は,出前防災リーダー研修です。自衛消防隊や自主防災リーダーのように集めて研修をする方が効率が良いかもしれませんが,法律義務がなく,アルバイトやパート従業員の方に全員集まっていただくのは困難です。そこで,今までどおり事業所の消防訓練を行った後で,防災リーダーの研修を行います。防災リーダーは,事前に管理者の方,又は従業員の中で協議をして選任していただきます。研修の内容は,設置されている消防用設備の把握及び使用方法,またそれぞれの事業所の特性に合った指導を行います。

 二つ目は,防災リーダーバッジを着けることです。消防の世界にも階級章があり,それを着けることにより自覚や責任感が生まれるのと同じように,防災リーダーバッジを着けることにより自覚と責任感を持っていただくことが狙いです。これにより,災害時にリーダーシップを取ってもらい適格な指示を出して,安全に初動活動ができるようにします。また,事業所を利用されるお客様も,そのバッジを見ることで防災に力を入れているお店であると安心して利用ができるのではないかと考えます。

 私は,これらの方法で防災リーダーを育成し続けることにより,災害に強いまちづくりと,多くの人の命を守ることにつながるのではないかと考えます。

 最後に,消防訓練の指導の際,私の上司が「消防訓練はこの1回で終わりではありません。事業所がこれから成長していかれるのと同時に,自分たちの事業所は自分たちで守るという強い気持ちを持って,災害に強い事業所に成長させて行ってください。」ということを話しておられ,私は今後,災害発生時の最初の消防士は従業員の方々であるということを自覚していただき,災害に強い事業所になるよう指導をしていきたいと思います。

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京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195