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京都市消防局

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平成28年2月号 ザ☆消防

ページ番号192526

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2016年2月1日



 今までは拝読させていただくばかりだった「ザ☆消防」の原稿依頼が,とうとう私のところにも回ってきました。消防士を拝命してからまだまだ経験の浅い若輩者ですので,何を書いていいのやらと悩みましたが,強く記憶に残っている現場活動について書かせていただこうと思います。


 何かと忘れっぽい私ですが,やはり,初出動のことだけは,忘れ難い記憶として強烈に残っています。それは,消防学校での初任教育を修了後,K消防署に配置となり,ようやく単独勤務が許された4月初旬のある深夜のことでした。

 「ピィ ピィ ピィ 出動予告 K区○○」…耳慣れない指令が聞こえてきました。あれ?教えてもらっていた指令音と違うぞ。指令は「ピィー」という長一点の音のはずだよな…。頭の中に「?」マークが浮かびました。周りでバタバタとベッドから起き上がる音に連られ,事務所へ向かうと,先輩たちがすぐさま現場の位置確認を行っていました。飛び交う話し声から,これが予告指令というもので,もしかしたらこれから隣接区の火災に出動するかもしれないということが,ようやく理解できました。次の瞬間,切り裂くような本指令が庁舎内に響き渡り,無我夢中で私は消防車に飛び乗って行ったのを覚えています。

 車両内では,一言の水利誘導もできないまま現場到着してみると,木造2階建て5戸1棟430㎡の長屋建物が全面燃焼中で,周囲の家屋に延焼する勢いでした。慌てふためく私に先輩職員が指示を出してくれますが,何を指示されているのか全く頭に入ってきません。ただただ,先輩方の後ろを付いていくのがやっとという状態でした。

 私たちの隊は長屋北端の背面から北側及び東側の延焼阻止と主火制圧を命じられました。私は筒先の補助員をしながら,迫りくる火炎や不意に飛んでくる対面注水,ヒュンヒュン飛んでくる瓦に,現場活動はなんて危なくて怖いんだろうと思い知らされました。

 その火災もようやくほぼ鎮圧状態となったところで,隊長から「予備のとび口を持ってきてくれ。」と指示されました。すぐさま取りに車両へ戻ったところで問題が発生!予備のとび口をどこに積載しているのかを把握しておらず,うろうろと探し回って時間を浪費してしまいました。運転員の方が見かねてとび口を渡してくれました。持って行ったとび口で何をするのか観察していると,活動危険となる落ちそうな瓦をあらかじめ落としていました。なるほど,これが安全管理かと,納得しました。


 何もできないまま終えてしまった初出動でしたが,失敗の中にも多くのことを学ばさせてもらいました。

 「水利誘導」…声を出さなければ,私は邪魔な置物と一緒です。水利誘導に限らず,普段から声を出してコミュニケーションを図ることが大事です。

 「頭は常に冷静に」…何が起こるかわからない災害現場だからこそ,周囲の状況をしっかりと見極め,冷静に素早く判断することが重要です。

 「資器材の把握」…災害現場で使用する資器材の点検を疎かにする者は,消防士でいる資格がないです。

 「わからないことはすぐに聞け」…待ったなしの災害現場で長考するのは,時間の無駄です。

 「怖いという感覚は大事に」…危険が多く潜む災害現場だからこそ,危険に慣れてはいけないのです。危ない,怖いと感じることは,どうすれば安全に活動できるのかを考える第一歩になります。


 私には当たり前のことを書き連ねることしかできませんが,「基本が大事!」この言葉に尽きると思います。基本がなければ応用があるはずもなく,基本ができていなければ災害現場でも役に立つはずがありません。先輩方から口酸っぱく教えられた「基本」を大切にし,後輩職員にもきちんと伝えていくことが大事だと感じています。

 まだまだ勉強させられること,していくことが無数にありますが,教えていただいた「基本」を大事にし,これからも精進していきたいと思います。


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