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京都市消防局

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平成28年2月号 わが社の防火防災自慢

ページ番号192523

2016年2月1日



 当社は,1919(大正8)年11月に大阪酸水素株式会社として現在の京都工場の場所に創立,水の電気分解による酸素水素製造販売と溶接切断請負の事業を掲げ,出発しました。「事業は公益たるべし」,「企業は公器たるべし」とした創業者たちの志に加えて,酸素ガス業を志した直接的な動機は,当時,全世界で猛威を振るったスペイン風邪で併発する肺炎の治療用酸素需要が,公共的意義も含めて大きかったことにあります。

 その後,第一次世界大戦後の不況下で酸素ガス業が振るわない事情から,副生する水素ガスを積極活用することになり,当時,近海で豊漁であったイワシやニシンの油から硬化油製造(水素添加技法)へとつながりました。この油脂加工業が当社の根幹部門となって様々な関連技術へ発展し,各種樹脂添加剤,界面活性剤,合成樹脂原料等を製造する化学品メーカーに成長しました。

 現在,当工場の周辺には一般住宅,マンション,駅,公園があり,多くの市民の方が生活しておられます。その中での操業は「安全第一」を最優先とし,日々,保安活動への取組を進めています。


 防災訓練として,工場内では次のことを行っています。

 1.総合防災訓練(1回/年)…伏見消防署の協力を得て,事業所全体で自衛消防隊各班(消火・誘導・警備・工作・救護・行動・庶務広報)の訓練を実施

 2.高圧ガス漏洩時の応急処置訓練(1~2回/年)…可燃性ガス漏洩時の処置・通報・消火の各訓練を関係部署で実施

 3.漏えい緊急事態訓練(2回以上/年)…危険物に限らず,全ての漏洩事故を対象とした処置・通報の各訓練を関係部署で実施

 また,社外では次のことを行っています。

 1.昭和シェル石油株式会社防災訓練ステップアップコース(2年に1度1~2名,水霧局限化・消火訓練等)に参加

 2.伏見自衛消防隊訓練大会(毎年,屋外消火栓操法訓練)に参加

 数年前まで,総合防災訓練は緊急時を想定し,自衛消防隊各班の訓練を同時進行で実施していましたが,現在は,各班の訓練を従業員にしっかり認識させるため,個別に進行させています。特に,救助及び消火訓練は,伏見消防署との連携が重要なポイントになります。広域で大きな災害が発生した場合,1事業所で確実に減災することが求められており,各種防災訓練で不具合を改善し,体制を整えていくことを継続して行っています。



 各部署の点検とは別に,事業所全体の予防活動として,毎月2つのパトロールを実施しています。

 1.安全パトロール(安全・衛生に関するパトロール。月間重点項目を点検。消火設備・救急用具・火気・危険物の点検月も設定。点検を通じ,次世代の安全管理者を育成。)

 2.環境パトロール(環境点検・5Sに関するパトロール。不要物の撤去等,防火に関する項目も含まれている。)

 予防活動は現場任せにせず,事業所全体でも取り組んでいます。


 災害に対して,消防水利として400㎥の貯水池,停電時のエンジン放水用ポンプの設置,緊急連絡網・京都工場近隣従業員連絡網の作成,漏洩・拡散防止用品(土のう,油吸着マット,油専用ブームとオイルフェンス),災害備蓄用品(従業員用に飲料水3日分,非常食2日分,救急用品セットと非常用ラジオ),AED(自動体外式除細動器)を備えています。

 近年発生している様々な大災害についても,その備えを継続して見直していきます。

 当工場も,例外なく多くの団塊の世代が退職し,若い世代が中心となっています。経験不足を製造設備の自動化でカバーする仕組みも取り入れていますが,過度の自動化は従業員の危険を察知する能力の低下や緊急事態の対応力,応用力の低下を招くことになります。従業員の能力を向上させるためには,教育や訓練を繰り返すしかないと考えています。日々の安全操業は,原材料や製品の性状をよく理解して安全に取り扱うことが基本です。この基本を守り,地域から信頼される化学工場として,日々,努力していきます。皆様,今後共,よろしくお願いします。

  • 目次

お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195