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京都市消防局

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平成27年11月号 調査マンからのメッセージ

ページ番号189651

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2015年11月2日



 季節は冬本番となり,朝,布団から出るのがおっくうになってきました。皆さんの御家庭でも,そろそろ暖房器具を出そうかと思われている頃だと思います。ということは…。

 そうです!皆さんの頭に浮かんだとおり,「暖房器具火災」増加の季節でもあります。

 火災原因の中でも常に上位に位置する暖房器具。電気ストーブ,石油ストーブ,ガスストーブといった暖房器具は,正しい認識を持って正しく使用していれば,まず,火事になることはないのですが,悲しいことに火災は発生しています。

 京都市では,平成22年から平成26年までの過去5年間で,暖房器具火災が67件発生しており,その発火源の大まかな内訳は,電気ストーブが42件,石油ストーブが16件,その他(練炭等)が9件となっています。

 この内訳を見て,少し疑問に思われるかも知れません。確かに,以前は,石油ストーブが原因となる火災のほうが電気ストーブの件数を上回っていました。しかし,近年では,石油ストーブが安全性の高い石油ファンヒーターに替わったことや灯油の値上がり等の影響から,石油ストーブが原因となる火災は減少傾向にあり,逆に,安価で,給油等の手間が掛からず,石英管ヒーターやハロゲンヒーター,カーボンヒーターなど,様々な種類の電気ストーブが出現していることから,電気ストーブの需要が増え,電気ストーブが原因となる火災の件数は増加傾向にあります。

 そこで今回は,数多くある暖房器具の中で家庭での使用頻度が高く,暖房器具火災の中でも火災の発生率が高い「電気ストーブが原因となる火災」について,注目したいと思います。



◆ 深夜から早朝にかけて発生!死者も… 

 電気ストーブが原因となる火災は,時間を問わず一日を通じて発生していますが,特に夜間の就寝時間帯から早朝に掛けて多く発生しているのが特徴で,電気ストーブ以外の暖房器具が原因となる火災は就寝時間帯以外に多く発生していることから,この点が大きな違いと言えます。

 なぜ,電気ストーブが原因となる火災は,就寝時間帯に多いのでしょうか?

 電気ストーブは,石油ストーブやガスストーブといった他の暖房器具に比べ,直接「炎」が見えないこと,使用時に灯油などの「におい」や「すす」が発生しないため空気が汚れない,クリーンなイメージが強いこと,使用方法が手軽であることなどから,使用する人の安心感が他の暖房器具に比べて高く,就寝時の暖房として安易に使用されるからだと思います。

 しかし,電気ストーブは,特性として近くで使用しないと暖かく感じられないことから,つい,身体の近くに引き寄せて使用するケースが多いようです。

 では,就寝中に使用すると,どのような危険性があるのでしょうか?

 そうです!皆さんの御想像どおり,電気ストーブが原因となる火災の「着火物」は布団等の寝具類が多く,寝返りを打った際に布団が電気ストーブに接触しても,寝ていたため気付かずに避難が遅れ,死亡するケースが多く発生しているのです。寝相の悪い方は,特に御注意を…。

 昨年,京都市では,暖房器具火災で11人の方がお亡くなりになっていますが,そのうち電気ストーブが原因となる火災では7人の方が主に就寝時間帯に,電気ストーブ以外の暖房器具が原因となる火災では4人の方が就寝時間帯以外に亡くなっておられます。このことからも,電気ストーブを就寝時に使用することがいかに危険か,分かると思います。




◆ 出火責任者の年齢は? 

 次に,直接,火災の発生に関係した人(出火責任者)の年齢を見てみましょう。昨年発生した,電気ストーブが原因となる火災42件のうち,65歳未満の方が出火責任者となった火災が21件,65歳以上の高齢者が出火責任者となった火災が21件と,同数でした。 


◆ 電気ストーブが原因となる火災を防止するには…

 暖房器具火災は,12月から翌年3月までの冬季に集中して発生していますが,取扱いが手軽な電気ストーブが原因となる火災については,石油ストーブなど他のストーブとは異なり,秋口から初夏まで,長い期間で発生している状況です。

 電気ストーブが原因となる火災を防止するためには,当然ですが,「ストーブの近くに可燃物を置かない」「ストーブの上に洗濯物などの可燃物を吊ったりしない」「就寝時は必ずスイッチを切る」ことで火災減少につながるのですが,残念なことに,なかなか実践されていないのが実情です。しかし,この当たり前のことを,我々消防職員は市民指導等,様々な機会を通じて市民に周知し,火災の減少を目指しましょう。


 火災に至るまでの出火経過は,人為的なもの,機械的なもの…と様々なものがあります。火災原因の調査業務を行う中でも,火災統計や火災報告を作成するに当たり,皆さんも疑問に思われたり,迷われたりすることが少なからずあると思います。

 そこで,今回,少しですが,過去に発生した電気ストーブが原因となる火災の中から,実際に発生した火災の出火経過と火災報告の際に適用した統計コードについて,紹介したいと思います。

 なお,今回文中に記載している「コード№」は,総務省消防庁が定める「火災報告取扱要領」の別表第3「出火原因分類表」の2表「出火経過」に記載されているものです。

◆ 火源あるいは着火物が運動により接触する

 1.可燃物が火源の上に転倒落下する(コード№41)

 可燃物が距離のある発火源の上に落下して出火した場合は,「可燃物が火源の上に転倒落下する(コード№41)」を選びます。落下や転倒の原因は,自然(物理的)に起こるか,人が関わって(意図的ではない)起こるかは問いません。

 過去5年間に暖房器具火災で9件発生し,そのうち電気ストーブが原因となる火災で4件発生しています。


 2.可燃物が動いて火源に触れる(コード№42)

 可燃物が距離のある発火源に触れて出火した場合は,「可燃物が動いて火源に触れる(コード№42)」を選びます。可燃物が接触するときに自然(物理的)に接触するか,人が関わり(意図的ではない)接触するかは問いません。ガスこんろに点火したところ,天ぷら鍋の中の油に着火してしまい,その原因が天ぷら鍋が傾いていて中の油がこぼれたため着火したと分かった場合は,この「42」を選択します。

 この出火経過は,過去5年間で発生した暖房器具火災67件中34件と最も多く,電気ストーブ火災では42件中の32件と76%を占め,ダントツの第1位となっています。


 3.火源が転倒落下する(コード№47) 

 発火源が距離のある着火物(可燃物)の上に落下して出火した場合は,「火源が転倒落下する(コード№47)」を選びます。発火源が落下や転倒することが,自然(物理的)に起こるか,人が関わって(意図的ではない)起こるかは問いません。

 過去5年間に,電気ストーブが原因となる火災で1件発生しています。


 通常,市販されている電気ストーブには,地震などにより器具が転倒した場合,自動的に電源が切れて火災を防止する「転倒OFFスイッチ」が取り付けられていますが,使用者がこのスイッチを作動しないよう,故意に細工していたため,転倒しても電源が切れず出火した火災も発生しています。

◆ 使用方法が不良に基づく

 4.意図なしにスイッチが入る

 器具のスイッチが意図なしに入ってしまい,着火物(可燃物)に着火し,出火した場合は,「意図なしにスイッチが入る(№60)」を選びます。スイッチが入る原因が,自然(物理的)に入るか,人が意図せずに誤って入れたかは問いません。


◆ その他

 そのほかにも,熱的な原因で発火した場合の「ふく射熱を受けて発火する(コード№35)」,器具機械の材質や構造が不良であったことに基づく「構造不完全・デザイン不良(コード№53)」,使用方法が不良であったことに基づく 「本来の用途以外の不適の用に用いる(コード№66)」といった出火経過による火災も発生しています。

 出火原因を決定していくなかで,出火経過の見極めは非常に重要なものとなってきます。出火原因は一つでも様々な出火経過がありますので,火災現場等で関係者から聞き込みをする際には,広い目線で見聞きし,日々の研さんを通じて正確に出火原因を追究すると同時に,火災予防の知識として身に着け,火災の減少に反映させましょう。


 最後に,皆さんの中にも最近感じている方がいらっしゃると思いますが,暖房器具火災の中には,ストーブの周囲にスプレー式の殺虫剤,カセットガスボンベ等を置いて使用していたところ,容器が熱せられて破裂し,内部の可燃性ガスに引火して出火するという事例が起こっています。これまでは,件数的には少なかったのですが,石油ファンヒーターの普及とともに件数が増加する傾向が見受けられます。石油ファンヒーターは炎が見えないことから,器具の前にうっかりと物を置いてしまっている場合があり,一つ間違えば命にも関わる火災につながってしまいます。

 市民指導を行う際には,一般的な暖房器具の注意事項と合わせて,スプレー缶の破裂による火災の防止についても,積極的に注意喚起をお願いします。



 暖房器具火災のほとんどは,使用者のミスにより発生しています。器具本体は,年々,安全になってきていますが,使用者が誤った方法で使用すれば,火災に直結するということを市民の皆さんに訴え,火災のないまちづくりの推進をお願いします。

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