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京都市消防局

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平成27年9月号 わが社の防火防災自慢

ページ番号186963

2015年9月1日



 京都刑務所の歴史は平安時代に遡り,その後,天下人が変わろうとも囚獄機能は連綿と引き継がれ,明治維新以降も現在に至るまで,その系譜を受け継いだ伝統ある施設です。昭和初期,二条城付近に所在していた京都刑務所が,かつての宇治郡山科村に移転して以来,90年近い歳月が経ちました。移転当時の職員は,苦辛しながらも農村での生活に溶け込んでいったと言います。以来,当所は常に地域と共にあり,少なからず山科発展の礎となり得たことは,私たちの誇りとなっています。



 京都刑務所を含む矯正施設では,勤務するうえで防止するべき事故が多数あります。その中でも,最も注意しなければならない事故は「自殺・逃走・火災」と言われる三大事故です。この事故のうち,最も事態が拡大する懸念がある事故は「火災」です。刑務所では,原則,受刑者は鍵の掛かっている部屋で生活しているため,自らの力では外に出ることができません。つまり,ひとたび火災が発生すれば,人命を伴う甚大な被害を及ぼしかねない事態に発展するため,私たち職員は火災を常に意識して勤務しています。


 自衛消防組織の編成は,所長(本部長)をはじめ,各部門・課にそれぞれの任務(消防,救護,避難誘導,補給・輸送等)を担っており,各火災予防週間では,受刑者の避難誘導訓練や各種設備点検,消防・防災機器の取扱い等,職員全員参加での訓練を実施しています。

 また,毎年9月には山科自衛消防隊訓練大会に参加しており,昨年は小型動力ポンプ操法の部で優秀賞を受賞しました。これも事前訓練指導での山科消防署の御協力の賜物であり,本年の訓練大会に参加するに当たっても,一層の努力で取り組みます。



 京都刑務所では,受刑者が行う作業の種類に「自営作業」というものがあり,炊事・清掃・建物の補修等,施設の維持管理に必要な作業を受刑者が行っています。中には火気を取り扱う作業もあるため,施設は火災事故等の発生に備えて受刑者の中から「消防係受刑者」を選定し,出火防止と初期消火の重要性を徹底するため,計画的に消防訓練を実施しています。


 今日,阪神・淡路大震災や東日本大震災以降,私たち矯正職員も防災意識は高くなっています。先の東日本大震災では,戦後初めて一般人への支援を行うため,矯正職員が被災地へ派遣されました。その際,当所からも職員が派遣され,被災地での人道支援に当たりました。私たちは,このような経験を通じて,日頃から防災意識を高めておくことの重要性を改めて認識しています。今後も災害が起こりうる場面を想定し,そのために必要な訓練や機器の取扱い方を修練し,不測の事態に常に万全を期すことができるように励んでいきます。

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お問い合わせ先

京都市 消防局消防学校教育管理課

電話:075-682-0119

ファックス:075-671-1195