平成27年9月号 救急の窓
ページ番号186962
2015年9月1日
9月9日は「救急の日」です。救急医療及び救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深め,救急医療関係者の意識の高揚を図ることを目的として昭和57年に定められました。また,「救急の日」を含む1週間(日曜日から土曜日まで)を「救急医療週間」とされています。この期間中は,全国各地において救命講習など救急に関する様々な行事が開催されます。この機会に一次救命処置の重要性を再確認してみましょう。
救命のために必要な行動「救命の連鎖」
心停止の傷病者やその危機に瀕している傷病者を救命し,社会復帰に導くための一連の行動として「救命の連鎖」という考えがあります。
1.心停止の予防
突然死の可能性のある病気を未然に防ぐことや,その初期症状に早く気付き,心停止になる前に病院での治療を開始するようにします。また,子どもでは,けがや溺水,窒息等の不慮の事故を防ぎます。
2.心停止の早期認識と通報
突然倒れた人や反応のない人を見たら,直ちに心停止を疑います。心停止の可能性を認識した場合は大声で応援を呼び,119番通報とAEDの手配を依頼し,救急隊が少しでも早く到着するように行動します。
3.一次救命処置
心肺蘇生法とAEDの使用による救命処置を救急隊員が到着するまで続けます。
4.二次救命処置
救急救命士や医師が薬剤や器具を使用すること,また,病院で集中治療を行うことによって社会復帰を目指します。
一次救命処置の重要性
心停止の傷病者の命を救うためには,その場に居合わせた人が素早く119番通報をし,応急手当を行った後,救急隊や医師へと引継ぎ,高度な医療処置が行われる必要があります。
京都市内の平成26年中の救急出動件数は81,743件で,救急隊が現場到着するまでの平均所要時間は6分35秒でした。救急車が到着するまでの間に,その場に居合わせた人により心肺蘇生法やAEDの使用などの救命処置が行われていた場合の救命率は,行われていなかった場合と比べるとはるかに高いことが全国統計からも明らかであり,この一次救命処置を行うことが,救命率の向上のためにはとても重要です。
一次救命処置を身に着けるために
一次救命処置を身に着けるための講習として,京都市では,「普通救命講習Ⅰ」,「普通救命講習Ⅲ」,「上級救命講習」,「救命入門コース」を実施しています。
「普通救命講習Ⅰ」は成人の救命を対象とし,「普通救命講習Ⅲ」は小児,乳児,新生児の救命を対象とした心停止の早期認識と119番通報,心肺蘇生法やAEDの取扱い,異物除去法や止血法を学ぶ3時間の講習で,平成26年度には合わせて約37,000人が受講しました。
「上級救命講習」は「普通救命講習Ⅰ」や「普通救命講習Ⅲ」の内容に加え,傷病者管理法,けがの手当てと搬送方法,心肺蘇生法等に関する知識の確認や,実技の評価が加わる8時間の講習です。
「救命入門コース」は,胸骨圧迫とAEDの取扱いを学ぶ90分の講習で,京都市では小学5・6年生を対象に実施しています。
大切な命を救うために
お問い合わせ先
京都市 消防局消防学校教育管理課
電話:075-682-0119
ファックス:075-671-1195