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京都市消防局

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BKB(バランスとって,ケガなく,便利)!!  

ページ番号182924

2015年7月1日



 今回の研究内容は,小型動力ポンプ用台車の補助輪についてです。

 京都市内に配備されている小型動力ポンプの台車には,大きな2輪がついており,搬送する際には人力でしっかり支えないと台車が傾き,「危ない!」と感じることが多くあり,負傷事案も起きています。

 この危険性を排除するためには,台車を3輪または4輪にすれば安定して搬送ができると思い,器材改良に着手しました。


 最初は台車を固定する鉄棒(前1本,後ろ2本)の先に車輪をつければ良いのではと安易に考えましたが,強度面の不安(動力ポンプの重量が約100㎏)や溶接などの特殊な作業の必要があり,考えが行き詰ってしました。しかし, 上司に相談すると建築現場用の「足場用キャスター」使用でできるのではないかと意見があり,調べてみるとこのキャスターは鉄棒の先に車輪が付いており,足場用であるため強度も十分(今回採用したものは市販品で一番大きいもの。耐荷重約250㎏。車輪径200mm)あります。また,車輪をロックするレバーも付いており,ポンプの積み下ろしの際の固定に最適です。ただ,キャスターの鉄棒部分の直径が35mmあり(既存の鉄棒の直径は30mm),台車の鉄棒の固定部分を調整しようと思いましたが,なかなかうまくいきませんでした。そこでグラインダーでキャスターのねじ山部分を削りました。作業は苦労なく30分で出来ました。



 台車はポンプの積み下ろしのためのスライドレールが取り付けられており,重心は基本的に後ろ側にあるので,後ろの鉄棒2つをキャスター(補助輪)に取り換え,3輪よりも安定する4輪にして検証を行いました。

 まず,搬送は4輪のため,えん木(台車を引くための持ち手)から手を放しても台車が傾くことはなく,またキャスターの車輪は回転するので,方向転換もスムーズに行うことができます。


 台車の積み下ろしの際ですが,前述のとおり,車輪をロックすることができるので,今までの鉄棒と同じように安定して積み下ろしを行うことができます。

 悪路などの補助輪が障害となるような場所では,補助輪の位置を上げ,従来の2輪で走行すれば補助輪が走行の障害になることはないと思われます。


 小型動カポンプ用台車の支えである「鉄棒」の代わりに,市販品で強度が十分にある「足場用キャスター」を使用することで,「支え」の役目はそのままで,台車を引く作業者の負担軽減を含め操作性が格段に改善されました。小型動カポンプを運搬中に感じる危険を排除するという一番の目的について効果がある手段であると考えます。

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