事業所自衛消防隊の充実指導について
ページ番号81531
2024年9月26日
事業所自衛消防隊の充実指導について
(昭和46年3月19日発消予第1559号)
上記のことについては,局の重点事業にもこれをとり上げ,その充実強化を図ることとしたところであるが,最近の交通過密や危険物の激増等の問題とも関連して,真の意味での自衛消防隊の育成は,現段階における大都市消防行政の最も重要な課題の一つである。
ついては,今後その指導を行っていく上において,重点事業に掲げる事項のほか,特に下記事項についても留意し,自衛消防隊の質的向上を図るよう,所属職員に徹底されたい。
なお,このほど,別に「自衛消防隊の手引」を作成し,自衛消防隊のあり方を示したので,事業所指導に際し活用されたい。
記
1 指導上の基本指針
事業所自衛消防隊の指導育成は,従来本市において重点的に指導してきた防火管理制度の充実とともに,今後の事業所指導の2本柱となるべき基本的な業務として,これをとりあげていくものであること。
したがって,この趣旨に基づいて,事業所側の認識を高めさせ,実質的な自衛消防体制の確立を図るよう,適切な指導が望まれること。
2 指導対象事業所及び指導事項
指導対象事業所及び指導事項の大綱については,重点事業推進方策にも掲げるとおりであること。(別紙⑴参照)
3 指導に当たっての主な留意事項
事業所に対する具体的な指導に際しての主な留意事項は,次のとおりであること。
⑴ 消防計画との関係について
消防計画の中の自衛消防体制については,今後提出されるものについては,この通達に定めるところにより指導すること。
また,現に提出されているものについては,特に必要性の高いものから,自衛消防組織,防御計画等関係事項について再検討させ,本通達の趣旨に適合したものに改めさせること。
⑵ 自衛消防隊の編成について
自衛消防隊の編成は,別紙⑵に掲げる編成表に準じ,これに当該事業所の業態,規模,人員等の諸要素を加えて,実際の活動に最も適した組織とさせること。
なお,夜間,休日の編成については,そのときの人員等の実態に応じ,別途編成させること。
⑶ 自衛消防本部長及び副本部長について
自衛消防隊の本部長は,事業所の管理権原者又はこれに準ずる者(共同防火管理関係事業所においては,協議会の代表者)を,また副本部長には防火管理者(統括防火管理者)を充てさせること。
⑷ 自衛消防隊による消防用設備等,建築防火施設の点検等について
従来,消防用設備等や建築防火施設(防火区画,空調設備等)の点検,維持管理は事業所防火管理組織の業務とされていたが,今後はこれと併行して事業所自衛消防組織,すなわち,自衛消防隊にも,これら設備,施設の中で,特に火災発生時の防御活動に際して活用するものについては,定期的に点検を行わせ,また軽易な改修を行わせることとすること。
⑸ 動力消防ポンプ等の設置指導について
別紙⑴に掲げる特定事業所に対する動力消防ポンプ又は大型消火器の設置指導については,別紙⑶の指導基準に基づき指導すること。
⑹ 動力消防ポンプの水利について
動力消防ポンプの水利については,次により指導すること。
ア 構内水利(防火水そう,私設消火せん,池,井戸等)の設置
イ 付近の自然水利の活用
ウ 公設消防水利の活用(災害発生時の防御活動に限る。)
エ 付近の私有水利について,所有者との協定による活用
⑺ 自衛訓練に際しての動力消防ポンプの操法について
自衛訓練に関する各種の指導のうち,特に動力消防ポンプの基本操法については,消防ポンプ自動車の場合は局の消防操法,その他のものについては国の消防操法準則に基づき指導すること。
4 自衛消防隊指導に関する事務分担について
自衛消防隊の指導については,一般的事項は署の予防課,自衛訓練に関する事項は署の警防課がそれぞれ担当するものとする。
しかしながら,実際に個々の事業所指導を行う場合は,両課に共通する事項も多いことから,相互に緊密な連絡を保ち,統一的な指導を図るよう努めること。
別紙⑴
重点事業推進方策(昭和46年)に基づく自衛消防隊(組織)の指導対象事業所等
1 自衛消防隊(組織)を充実強化する指導対象事業所
⑴
収容人員50人以上の事業所(共同住宅及び地域住民が主体である自衛消防組織を有する事業所を除く。)
⑵
屋内(外)消火せん設備若しくは連結送水管設備を有するもの又はこれらの設備の設置基準に該当する業態,規模等の防火対象物を有する事業所
⑶
危険物施設を有する事業所
⑷
高圧ガスの供給施設を有する事業所
(5)
その他署長が特に必要と認める事業所
2 自衛消防のため動力消防ポンプ又は大型消火器を設置指導する事業所
⑴
屋外消火せん設備の義務設置に係る防火対象物又は設置基準に該当する業態,規模等の防火対象物を有する事業所
⑵
地階を除く階数が5以上で述べ面積が6,000平方メートル以上の建築物を有する事業所
⑶
指定数量の1,000倍以上の危険物,準危険物又は特殊可燃物を貯蔵し取り扱う事業所
⑷
収容人員が1,000人を超える事業所
⑸
その他署長が特に必要と認める事業所
3 自衛消防隊の充実強化のための一般的指導事項
自衛消防隊充実強化のための指導事項は,上記の特定事業所に対する動力消防ポンプ
等の設置指導のほか,一般的事項としては,次のとおり
⑴ 自衛消防体制に関する消防計画の再検討及び改正
⑵ 無火災推進日における定期的な消防訓練の実施又は消防用設備等の点検,整備
⑶ 消防用設備等の活用と適正な維持管理
⑷ 避難誘導体制の充実
⑸ 建築防火施設,特に防火戸,防火シャッター等の有効な管理
⑹ 災害発生時における消防隊との連けい活動
⑺ その他,自衛消防隊の装備の充実,自衛消防隊相互の連絡協議の推進等
別紙⑵
自衛消防隊編成表
⑴ 多数勤務所関係事業所
○本部指揮所の設置
指揮班 ○情報の収集
○自衛消防活動全般の指揮統制事項の伝達
○消防計画書,医薬品等の資器材の準備
○消防隊への情報提供,必要事項の報告
○関係機関等への連絡
自衛消
防本部 通報連 ○消防機関への通報(方面別消防隊に通報
絡班 施設がない場合のみ)
○構内全般への火災報知
○消防活動危険物質に対する防護措置
安全班
○排煙設備の活用
救護班 ○負傷者等に対する応急措置
整理誘 ○消防隊の誘導
導班 ○飛火等の警戒,群集整理
本部消防隊 ○動力消防ポンプによる消火
通報連 ○消防機関への通報
絡班 ○自衛消防本部への通報
○隣接棟,直近階への火災報知
第1方面別 消火班 ○消火器具,消火設備による消火
消防隊
棟別,階別,又 避難誘 ○避難誘導
は管理系統別 導班 ○避難口の開放
○避難器具の操作活用
第2方面別 ○防火戸の閉鎖
消防隊 安全班 ○消防活動危険物質に対する応急的防護措置
○自衛消防活動障害物の排除
第3方面別 ○重要物件の搬出
消防隊 搬出班 ○搬出物件の水損防止
⑵公衆集合所関係事業所
共同防火管理関係事業所
○救護本部の設置
○情報の収集
○避難誘導を中心とした自衛消防活動の指揮
指揮班 統制事項の伝達
○消防計画書,医薬品等の資器材の準備
○消防隊に対する情報提供及び要救助者の有
無,その他必要事項の報告
○関係機関等への連絡
通報連 ○消防機関への通報(方面別消防隊に通信施
絡班 設がない場合のみ)
自衛消 ○構内全般への火災報知
防本部 ○公衆に対する避難指示,その他関係事項の
伝達放送
救護班 ○負傷者等に対する応急措置
○防火戸の閉鎖
安全班 ○消防活動危険物質に対する防護措置
○排煙設備の活用
誘導班 ○消防隊の誘導
○公衆の整理
搬出班 ○重要物件の搬出
本部消防隊 ○動力消防ポンプ,その他の消火設備による
消火
○避難口の開放
避難誘導隊 ○避難器具の操作
○方面別消防隊誘導班との連けい
第1方面別 棟別,階別,又
消防隊 は管理系統別 ○消防機関への通報
通報連絡班 ○自衛消防本部への通報
○火元直近区域に対する火災の
第2方面別 報知及び避難指示
消防隊 避難誘導班 ○避難誘導担当区域の公衆誘導
○避難器具の活用
第3方面別 消火班 ○消火器具による応急消火
消防隊
別紙⑶
動力消防ポンプ設備等の設置指導基準
動力消防ポンプ設備又は大型消火器の設置指導に当たっては,次によること。
1 設置指導に当たっての考え方
動力消防ポンプ設備又は大型消火器の設置指導については,原則的にあくまで法令の基準を上回って任意設置させるという趣旨のものであること。
ただし,大型消火器に限り,これを設置した場合,法令に定める消火器の設置単位減免規定を適用しても差し支えないこと。
2 既設の事業所に対する設置指導
動力消防ポンプ設備又は大型消火器を法令の基準に基づき又は任意により概に設置している事業所に対しても必要によりその増強又は更新等の指導を図っていくこと。
3 動力消防ポンプ設備についての指導要領
⑴ 動力消防ポンプの範囲
ここで取り上げる動力消防ポンプは,次に掲げる移動又は可搬式のものをいい,主として固定又はすえ付けた状態で使用する動力消防ポンプは,指導対象ではないこと。
なお,動力消防ポンプは,当該事業所の業態,規模,立地環境その他従業者等の状況から,もっとも効果的と思われる種別のものを設置指導すること。
ア 普通ポンプ自動車
イ 水そう付ポンプ自動車
ウ 化学自動車
エ 手引動力ポンプ
オ 可搬動力ポンプ
⑵ 動力消防ポンプ設備の設置維持
設置指導する動力消防ポンプ設備は,消防法施行令第20条第3項及び第4項に定める基準に準じ設置し,維持させること。
⑶ 動力消防ポンプ設備の設置が望ましい事業所
指導対象として揚げているそれぞれの事業所ごとについて次によること。
ア 屋外消火せん設備の義務設置に係る防火対象物又は設置基準に該当する業態,規模等の防火対象物
・従業者数が50人以上のもの
イ 地階を除く階数が5以上で延べ面積が6,000㎡以上の建築物
・1,2階を店舗,事業所,倉庫,作業場等に使用し,これらの階の火災において動力消防ポンプ設備の機動性が発揮できるもの
ウ 指定数量の1,000倍以上の危険物,準危険物,特殊可燃物を貯蔵し,取り扱う事業所
・危険物等の貯蔵取扱い量は構えで算定するものとし,次のいずれかに該当するもの
(ア) 従業者が100人以上の化学工場
(イ) 指定数量の300倍以上の屋外タンク貯蔵所を1以上有する事業者数が50人以上の事業所
(ウ) 特殊可燃物を貯蔵し,取扱う従業者数が50人以上の製材所,木工場等
エ 収容人員が1,000人を超える事業所
・収容人員は,構えで算定するものとし,敷地面積が20,000㎡以上の多数勤務所
オ その他署長が特に必要と認める防火対象物
・おおむね次に掲げるものの中から選定するものとする
(ア) 木造建物がほとんどを占める大規模な工場,作業場,社寺
(イ) 多量の可燃物を貯蔵し,取り扱う大規模な工場,作業場
(ウ) 広大な敷地に建物等が散在する事業所
(エ) 前記アからエに掲げるものに準ずる事業所
お問い合わせ先
京都市 消防局予防部予防課
電話:075-212-6672 ※「消防用設備等に関する相談等」は、消防指導センターにお問い合わせください。 (075-212-6925(第一係)左京・下京担当)(075-212-6926(第二係)北・上京・伏見担当)(075-212-6927(第三係)中京・山科・右京担当)(075-212-6928(第四係)東山・南・西京担当)
ファックス:075-252-2076