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「京都モデル」と「観光・文化京都宣言」について

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2019年12月17日

「京都モデル」について

 令和元年12月12日から13日にかけて開催された「国連 観光・文化京都会議2019」において,京都市長から,「京都モデルでSDGsを達成 ―観光と文化の力であらゆる社会的課題を解決!― 」をテーマとした特別講演を行いました。

 その中で,「京都モデル」とは,「観光」と「文化」の力であらゆる社会的課題の解決,SDGsの達成を目指すものであるとし,以下の3つのポイントについて説明を行いました。

説明要旨

1 「文化」と「地域コミュニティ」を大切に守り育てるまちづくり

 京都は観光のために作られた都市ではありません。寺院,神社,四季折々の自然,景観,食文化,文化芸術,そして,「暮らしの美学」「生き方の哲学」などの価値観も含めた「暮らしの文化」が京都の魅力となり,観光面でも評価されてきました。

 また,京都は歴史的に「地域コミュニティ」の結束が強く,まちづくりや文化の担い手として,重要な役割を果たしてきたまちでもあります。

 この「暮らしの文化」と「地域コミュニティ」の継承・発展にとって,「観光」が理想的な「プロモーター」となることが重要であり,その一例として,祇園祭が挙げられます。

 

<祇園祭を例とした,暮らしの文化,地域コミュニティ,観光の理想的な関係図>


 祇園祭という「暮らしの文化」の主な担い手は「地域コミュニティ」です。祭が多くの観光客から高く評価されることで,コミュニティに誇りが生まれ,絆の強化につながり,更なる祭の維持・継承の原動力となります。

 一方,観光客にとっても,祭を楽しむ中で,コミュニティへの憧れを抱き,新たな文化や価値観に触れることで,自らの生活を豊かにすることができます。そして,その対価として観光客や事業者から支払われる収益は,祭の維持・継承に充てられます。

 さらに,「暮らしの文化」とその担い手である「地域コミュニティ」との間で,「観光」が「プロモーター」となって,こうした好循環を生み出す理想的な関係を維持するためには,行政がコミュニティの活動を下支えすることも必要です。例えば祇園祭では,環境に配慮した「ごみゼロ大作戦」や,収益向上のための有料観覧席の設置等,持続可能な祭の実現に向けて取り組んできました。

2 観光課題「解決」先進都市・京都

 このように,観光は,地域固有の文化とコミュニティを継承・発展させる力となるべきであり,文化の消費者となってはなりません。しかし,昨今の外国人観光客の急増等により,観光が市民生活に様々な影響を及ぼしているのも事実です。そこで,京都市では,「市民生活との調和を最重要視した持続可能な観光都市」の実現に向けて,「混雑への対応」「宿泊施設の急増に伴う課題への対応」「観光客のマナー違反への対応」の3つの柱について,50の事業を展開しています。

 例えば,混雑緩和に向けた「季節・場所・時間」による観光客の分散化,市民の安心・安全と地域文化の継承を重要視しない宿泊施設の参入を断る「お断り宣言」,旅行会社等と連携した旅前・旅中のマナー啓発の徹底など,観光課題の解決に取り組んでいます。(→取組の詳細はこちら:令和元年11月20日発表「『市民生活との調和を最重要視した持続可能な観光都市』の実現に向けた基本指針と具体的方策について(中間とりまとめ)」)

 また,これらの課題解決のためには,今後,UNWTO世界観光倫理憲章を補強するような行動規範等を作り,実践していくことも必要であると考えます。

3 担い手の育成

 さらに,観光と文化の持続可能な発展に向けては,担い手の育成も大変重要です。そのため,京都市では,「京都観光おもてなしコンシェルジュ」の認定や,「京都市認定通訳ガイド」の育成・支援等を行っているほか,京都大学経営管理大学院に観光MBAコースが設立されるなど,大学による担い手育成も進んでいます。

 観光の担い手は,文化の担い手,文化の体現者と言えます。観光サービス業に従事する方への敬意や社会的評価を高めるとともに,労働環境を向上することにより,観光を担う方が誇りを持って働けるような取組を進めることが,文化の継承にもつながると考えます。

京都モデルとは(まとめ)

 以上のことから,「京都モデル」とは,「観光」は「文化」と「地域コミュニティ」の継承・発展に向けて,三者の間に好循環を生み出す「プロモーター」となるべきであり,そのために,行政は観光課題の解決や,担い手の育成等の下支えを行うことが必要であるという理念及び実践のことであると言えます。

<京都モデル概念図>


参考資料

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「観光・文化京都宣言」について

 「国連 観光・文化京都会議2019」では,閣僚級会合や分科会での議論を踏まえ,今後の各国・地域における取組指針となる「観光・文化京都宣言」が取りまとめられました。

 本宣言には,本会議に向けて設置した国内の専門部会での議論をはじめ,京都市長特別講演の内容も多数盛り込まれました。特に,「京都モデル」については世界から高く評価され,「観光,文化及び地域コミュニティの関係を適切にマネジメントする『京都モデル』の活用を推進する」(1.6)と明記されたことをはじめ,「観光客の分散化(時期・時間・場所)」(1.4)や,「生活文化の担い手である住民の意見を尊重」(3.4)など,これまで進めてきた京都の取組・理念のほか,京都市長から提案した「UNWTO世界観光倫理憲章を補強する行動規範等の構築」(1.5)なども盛り込まれました。

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