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京都市緊急経済・雇用・生活対策本部 本部長(市長)訓示(平成20年度)

ページ番号56143

2020年3月5日

京都市緊急経済・雇用・生活対策本部 本部長(市長)訓示

 米国発の金融危機を契機とする世界的な景気の後退,そしてそれが我が国の実体経済にも,大きな影響を与えていることにつきましては,連日報道もされており,また,皆さん方が,仕事を通じ,感じておられることだと思います。市民生活が,京都の中小零細企業,伝統産業等が,深刻な状況になろうとしております。国に対して,本市独自で,また政令指定都市共同で様々な要望活動も,京都の実態を踏まえながら進めて参りました。

 そういった中で,12月12日に,総理が記者会見を開きまして,「生活防衛のための緊急対策」を発表し,第2次補正予算及び21年度の予算の編成方針が示され,国においても,我が国の実体経済に重大な影響が広がっていることを踏まえ,国家の危機として,それに対して迅速な対応をすべく,今取組が進んでいるところであります。

 京都市域におきましても,雇用調整が行われつつあり,製造業,あるいは非製造業問わず雇用調整が実施されようとしております。仕事を失うということは,生活の基盤がなくなる,立ち行かなくなるということです。市民生活にとって,最も深刻な問題であります。

 10月31日には,産業観光局内に「京都市中小企業支援緊急対策本部」を設置し,国の緊急対策も含めて,京都市独自の融資等々について,万全を期していこうということで,相談窓口を4人から12人の体制に,また,年末に向けて土曜日,日曜日含めた相談に応じていく,などの取組を進めて参りました。この間,セーフティネット融資の認証が去年1年間で839件であったものが,この1箇月半で,3,100件を超えるという状況であります。事態の厳しさを物語っていると,そう思っています。

 雇用情勢の悪化,生活不安の増大が,今後ますます厳しさを増すことが予想される現下の状況において,中小企業支援のみならず,雇用の確保,生活不安の解消などに向けて,総合的かつ確実な対策を,スピード感を持って推進することが求められております。

 そこで私は,市民の生活の安定のために,機能的かつ効率的な取組を推進すべく,全庁的な体制を取ることとし,私を本部長とする「京都市緊急経済・雇用・生活対策本部」を設置致しました。

 本日の会議では,経済対策,雇用対策,生活対策の3部門について,確認することとしますので,確実に取り組まれるよう,お願いします。

 産業観光局,保健福祉局だけの取組ではありません。区役所含めて,全庁体制で,この事態に取り組んでいくということでお願いします。

 

 1点目は,中小企業支援対策であります。

 中小企業は,雇用者の7割に職場を提供しています。中小企業が活動を継続することが,市民生活を守ることとなります。これまでに制度融資の充実など,全国トップの取組をスピード感を持って実施してきたところではありますが,今回,新たな中小企業支援緊急対策として,来年1月から,倒産防止を主な目的とした「経営安定特別相談」体制の拡充を,京都商工会議所と連携して実施することと致しました。

 

 2点目は,工事請負契約におけるダンピング受注の防止であります。

 今日までも様々な取組をしてきましたが,更に徹底するために,最低制限価格制度の適用範囲の拡大について,早急に電算システムを改修のうえ,当初,来年4月
1日からとしておりましたが,来年2月16日入札公告分から実施することと致しました。

 

 3点目は,国の経済・雇用対策等の積極的な活用であります。

 地域活性化・緊急安心実現総合対策として,まず国の第1次補正予算で創設された交付金を活用します。先ほどの「経営安定特別相談」体制の拡充や,既に中小企業支援センターにおいて実施している相談・受付体制の強化などについて,引き続き,確実に,心のこもった,丁寧な,きめ細かい取組ができるように,お願いをしたいと思っております。

 

 4点目は,第2次補正予算及び2009年度当初予算についてであります。

 12日に明らかになりました「生活防衛のための緊急対策」には,それまでに発表されました「生活対策」に加え,1兆円増額の地方交付税あるいは1,500億円の緊急雇用創出事業などが示されております。これ以外にも様々な事業が,補正予算及び来年度当初予算の編成方針に掲げられています。まだ詳細についてその実態がよく分からない部分が正直あります。これらの情報を速やかに把握していただいて,関係団体に周知していただき,そして,京都市として積極的かつ有効に活用すべく,直ちに実行に移せるように準備を進めることが大事であります。

 同時に,京都市民の声,中小零細企業の実態が制度に生かされるかどうかが大事であります。間接行政を担当しているところが制度を作っておりますから,京都市民の生の声,中小零細企業の実態,それらを国の制度に生かしていくことが,私たちの仕事であります。国に対して言うべきことはしっかりと言っていくということが,大事であります。

 スピードが重要視されています。きめ細かさが重要視されています。その点に対応することが,京都市の職員の強みであります。あらゆる情報にアンテナを張りながら,国の政策,京都府の政策,そして京都市の政策が,融合していくように,そして確実な成果を上げられるように,お願いしたいと思っております。

 

 5点目は,セーフティネットの取組として,市民の生活相談等であります。

 原油等価格高騰対策緊急貸付,これは京都市独自で実施しました。また,歳末特別生活資金の貸付事業も今,実施していることころであります。雇用の悪化や生活不安が増大する中で,福祉事務所における生活相談が適切に行われるよう,生活保護の実施についても,留意していただきたいと思っています。

 また,保育所,あるいは就学の相談など,すべての現場できめ細かい取組を,よろしくお願いしたいと思っております。

 過去に例のなかった急激な金融不安,雇用不安から様々な事態が今後予想されますので,万全を期すように,よろしくお願いします。

 

 雇用対策や経済対策,これは国の政策や,京都府の政策によるところが大きいことは事実であります。しかし,私ども京都市は,基礎自治体として市民生活に一番近いところで仕事をしております。

 その市民の生活の実態,あるいは中小企業の実態をきっちりと私どもが把握し,国の政策,府の政策に反映させ,同時に京都市の政策を融合,活用して,この危機を乗り切っていく必要があります。

 

 以上の5点に加えまして,需要の喚起が重要であります。

 それぞれの持ち場で仕事を進めていただいておりますけれども,年度末が押し迫っており難しい状況ではありますが,できるだけ発注等が前倒しできるような努力を,重ねてお願いします。同時に,事業の前倒しだけではなしに,きめ細かな検討によりまして,需要が喚起できないか。中小企業の方たちにあるいは小さな電気屋さんとか,ペンキ屋さんなど,色々な仕事をしておられる方が,仕事が減って困っておられるときに,そういった仕事が今作り出せないか,それぞれの職場で,創意工夫して考えていただきたい。

 厳しい財政状況の中で,予算の執行が厳しいことも分かっておりますが,ここは知恵を出すべきときだと思います。よろしくお願いします。

 

 アメリカを中心としたマネーゲーム,虚業が出発点の金融危機,経済危機だと言われています。私もそのように思っています。そうしたときに,京都はものづくりのまちであります。心のこもったサービスを創造してきたまちであります。そうした京都のある意味強みが発揮できる,そうした時機でもあろうかなと思っております。

 「ほんまもの」が問われている,「ほんまもの」の価値が発揮できるときであります。

 今きっちりとセーフティネットを張って,市民と共に,このピンチを乗り超えていく,同時に,未来に展望のある,京都ならではの強みを発揮した,知恵産業,ものづくり産業あるいは観光産業の推進,そうしたことも合わせて,全局で,全庁体制で取り組み,未来への展望を開いて参りたいと考えておりますので,引き続きよろしくお願い致します。

お問い合わせ先

京都市 産業観光局産業企画室ひと・しごと環境整備担当

電話:075-222-3756

ファックス:075-222-3331

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