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2026年7月21日

松上げは、京都市の北部山間地域で行われている有名な火祭りで、左京区では花脊の他に、広河原、久多宮の町で行われています。
「おつぎのまつり」(左京区役所制作)によると、松上げは「火伏せの神を祀る愛宕神社への信仰から来ており、お盆の送り火と結びついたと考えられている柱松行事の一つ」なのだそうで、防火と五穀豊穣の祈願、そしてお盆に迎えた先祖を送る精霊送り、様々な思いが込められた民俗行事です。
花脊では8月15日の夜に行われ、松上げ場の中央にそびえる燈籠木(トロギ)の周辺に立てられた約1,000本もの地松に火を灯し、トロギの先端に付けた笠に向かって男たちが火のついた松明を投げ入れます。
そんな花脊松上げの、準備から本番までを取材させていただきました。
(内容は特に断りがない限り、2025年の花脊松上げについての内容です。)
だいたい6月の終わり頃から、上げ松や地松づくりが始まります。
上げ松は、松上げに参加する男たちがトロギの笠に向かって放り投げるもので、一人2つ作ります。また、地松は、花脊八桝町の各家が33本ずつ用意します。
長さをそろえたヒノキの割り木などをしっかりと束ねて作ります。
鉈でヒノキを細かく割っていきます。
割ったヒノキを束ね、稲わらをかませ、巻いていきます。
私も上げ松を作りました。この3つのうち、地域の方にいただいた見本が1つ、私が作ったのが2つですが、私が作ったものはヘタクソ過ぎて一目瞭然・・・
8月になると、松上げ場の草刈りをしたり、トロギに付ける笠を作ります。
松上げ場がきれいになりました。
竹で枠を作るために、節を削って整えます。
枠ができました。
束ねたカヤを巻き付けていきます。
竹で固定し、
笠の底を折りたたんでいく。これで完成です。
できあがったトロギの笠が松上げ場に出発します。
笠をトロギの先に取り付けます。
笠の支柱には藤づるでくくっています。
すべて人力です。
重機を使ってトロギを立てます。
手前に写っている竹は、地松を取り付けるためのものです。
地松。万一雨で濡れたりしないように、ビニールを付けています。
トロギが立ちました。
トロギも地松も立ち、結界の中の松上げ場。これで夜を待ちます。
夜の8時頃。八桝の公民館(お堂)に男たちが集まってきました。
私もこんな感じ。まあ馬子にも衣装ってことで。

集落にある春日神社で授けられた火を、松明に灯します。
だんだんと空気の中に緊張感がみなぎってきました。
男たちはそれぞれ松明を手に、松上げ場に向かいます。
地松に火が灯っていくと、松上げ場は幻想的な雰囲気に包まれます。

始まりました。火のついた上げ松が飛び交う。下に丸く見える火は、男たちが回す上げ松です。
トロギの笠までの高さは約20メートル。これは実際かなり高く、私が投げてもなかなか届きません。
誰かが投げた上げ松が飛んできて私の左肩に命中。気が高ぶっているので、まったく熱さも痛みも感じませんでしたが、これが戦場だったら即死・・・

松明が笠に入った!歓声と拍手が起こります。
その後何発か入り、燃え落ちる笠。(2024年の写真)
燃え盛る笠とともにトロギを倒します。轟音。周囲は歓声に包まれます。
男たちは列をなして、伊勢節を歌いながら公民館に戻り、そこで伊勢音頭が躍られます。
アーレヨーォオー ホイナァーエー
めでためでーたーイナァ
アーわーかまつーゥウー ナァエさーまはヨォー
アーヨーホォイセー ソウラセー・・・
花脊松上げ保存会の会長、仲井憲男さんにお話を伺いました。
-仲井さんにとって松上げとは何ですか。
仲井さん:もう60年やっている。青春の続きやな。
-松上げを続けていくのにどんなご苦労がありますか。
仲井さん:人材と材料。花脊八桝町だけでは人がどんどん少なくなっている。近くの町から参加してくれる若者たちがいるので助かっている。
笠を作る材料のカヤや稲わら、松明のヒノキ、トロギに笠を固定する藤づるもそう。昔から使っていた材料はできるだけ使っていきたいが、入手するのがだんだん難しくなっている。いい材料のいい部分を、昔からのいい使い方をするのが、伝統だと思っている。
-松上げにかける思いは?
仲井さん:これからも続けていくことやな。
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花脊の松上げは、今年も8月15日に行われます。
いろんな課題はありながらも、地域の方たちの底力、松上げのためにふるさとに帰って来られる方たちの愛着、地域は違っても応援したい方たちの思い、そんないろいろによって、受け継がれていく、花脊松上げです。
夜空を彩る火の祭典、ぜひ一度みなさまの目でご覧ください!

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