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区民ライターがゆく!頑張る中京人・魅力再発見(伝統産業)河政印房

ページ番号332557

2024年9月17日

河政印房 (令和6年9月17日更新)


 「河政印房」は丸太町通釜座にあり、昭和21年に創業された印章店です。現在は、3代目店主の河合良彦さんと祥子さんのご夫妻で経営されています。ご夫婦ともに、「一級印章彫刻技能士」であり、厚生労働省の「ものづくりマイスター」や、京都府の「京もの認定工芸士」、京都市の「未来の名匠」など、様々なところでその技術が認められています。今回はそんなお二人に取材させていだきました。

 まず、印章店には3つの形態があります。1つ目は自分の店ではんこを彫り、販売する形態で、2つ目は職人さんに依頼(外注)したはんこを自分の店で販売する形態、3つ目は自身ではんこを彫るが店は持たない形態です。もともと河政印房は、2つ目の職人さんに外注する形態を取っており、はんこ作りに関する技術などは教わったことがなかったそうです。しかし、良彦さんと祥子さんは高齢化による職人さんの減少から、はんこ作りの技術が失われることを危惧し、京都府印章業協同組合によるはんこ作りの講習会に参加しました。その後、良彦さんと祥子さんは職人の道を歩き始められ、お店は1つ目の形態のような自分の店ではんこを彫り、販売する今の河政印房の形になりました。

 もともと祥子さんは大阪にある歌劇団の劇団員をされていました。全く別の業界に飛び込むことになりましたが、「印譜集」という昔の名人が彫ったはんこの印影の図鑑のような本を見るのがお好きだったそうで、まずは趣味から、様々なはんこの文字やデザインを学ばれていたそうです。


 店内にはお二人の彫られたはんこがあちこちに置かれており、ひとえにはんこと言っても様々なものがあることがわかります。繊細な技と努力の結晶を目にすることができますので、お立ち寄りの際はぜひご覧になってください。



 河政印房でははんこの制作を依頼した際、印材・印面のサイズ・彫刻方法、書体を自分で選ぶことができます。「はんこは各人のオリジナルなものなので、お客様に悩んでいただき、思い入れのあるものにしてほしい」と良彦さん。「一生モノ」のはんこへの思いと、お二人がお客様に寄り添おうとしている姿勢を、インタビューを通して強く感じました。

 また、行政手続きや契約書への押印に使用される実用的な面でのはんこだけではありません。博物館や美術館での展示会等で書や画に作者を示す印が押されているのをご覧になったことがあるかと思います。はんこには芸術作品・趣味の中で活用されるものも存在します。「消しゴムはんこ」の作成なども人気で、趣味で作られる方もいらっしゃるそうです。


 さらに、良彦さんと祥子さんは祇園祭の際、放下鉾(ほうかほこ)のお手伝いをされています。曳き手さんの安全な巡行の補助や会所のお手伝いなど、地域の活動にも精力的に取り組まれています。河政印房では、はんこづくりの実演や体験を京都の様々なところへ出向き行っており、積極的にはんこの大切さや楽しさ、技術を伝承する取組をされているため、「地域との関係づくりや技術を後世に繋げることを大切にしています」と話されました。

 皆さんも世界に一つの自分だけのはんこをつくってみませんか?
★お二人が彫られたはんこの実物を、電車でも見ることができます!

 京都市営地下鉄烏丸線の新型車両には伝統産業のPRスペースがあり、そこで京都府印章業協同組合の組合員、技能士会員の方々が彫った地下鉄の駅名32駅の実物展示が行われています。令和6年7月19日からその新型車両が走り出していますので、京都市営地下鉄烏丸線に乗られる際には是非展示にも注目してみてください。

 印影のデザインや書体、形などが違い職人さん達の個性が溢れていて、見ていてとても楽しいです!

⇒詳しくはこちら(https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000328959.html

河政印房 代表 河合 良彦(かわい よしひこ)さんからのメッセージ

 コロナ禍でデジタル化が進み、実用的なはんこを不要に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、車や家など、大きな買い物をする際には今もまだ実印が必要です。本人の証明や意思の確認はもちろん、気持ちのストッパーという役割も担っていると思います。また、日本には世界で唯一の全国で統一された印鑑登録制度があるという自負もあるため、世の中にはんこを必要とする人がいる限り、彫り続けたいと思っています。ぜひ一度お店にお越しください!


<詳細情報>
   京印章 河政印房(かわまさいんぼう)
 場所:中京区丸太町通釜座(府庁前交差点)東南角
 電話番号:075-241-3311


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