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「1.5℃を目指す京都アピール」について

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2020年9月8日

1.5℃を目指す京都アピール

 令和元年5月11日,本市は,環境省,総合地球環境学研究所,イクレイ日本,京都大学,地球環境戦略研究機関と共同で,IPCC第49回総会京都市開催記念シンポジウム「脱炭素社会の実現に向けて~世界の動向と京都の挑戦~」を開催しました。

 シンポジウムの中では,京都市長が「2050年までの二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す覚悟」を表明し,その表明を受けて,シンポジウムに同席した原田義昭環境大臣をはじめとする関係者が登壇し,「IPCC1.5℃特別報告書」を踏まえ,世界の平均気温の上昇を1.5℃以下に抑えるべく,2050年ごろまでに二酸化炭素排出量の「正味ゼロ」に向けて,あらゆる方策を追求し具体的な行動を進めていくことを決意し,世界に訴える「1.5℃を目指す京都アピール」を発表しました。

シンポジウムの内容はこちらから

⇒ IPCC第49回総会京都市開催記念シンポジウム「脱炭素社会の実現に向けて~世界の動向と京都の挑戦~」

1.5℃を目指す京都アピール発表の様子

1.5℃を目指す京都アピール発表の様子

1.5℃を目指す京都アピール(全文)

1997年12月,国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)(日本・京都)において,温室効果ガス排出削減について法的拘束力を伴う数値目標を定めた人類史上初の国際的約束である「京都議定書」が誕生しました。

2015年12月,その「京都議定書」が大きく飛躍し,COP21(フランス・パリ)において採択された「パリ協定」により,世界は工業化以前からの世界の平均気温の上昇を2℃より十分低く抑え,1.5℃以下に抑えるための努力を追求することに合意しました。2018年12月,COP24(ポーランド・カトヴィツェ)においてパリ協定実施ルールが合意され,すべてのステークホルダーが参加する脱炭素社会実現に向けて着実に進んでいます。

そのCOP24に先立つ2018年10月,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がとりまとめた「IPCC1.5℃特別報告書」は,1.5℃と2℃の気温上昇による影響には大きな違いがあること,気温上昇を1.5℃以下に抑えるためには2050年ごろまでに二酸化炭素排出量をほぼ「正味ゼロ」にする必要があること,そのためには人間の行動様式及び生活様式といった社会全体やエネルギー,土地,都市・インフラ及び産業システム全体の,根源的な移行と変革が伴うことを示しました。

こうした中,我々は,

過去30年以上にわたるIPCCの取組と今後の不断の努力による科学的知見の蓄積を尊重し,

脱炭素で持続可能な社会への転換を実現するためには,これまでに類を見ない規模での社会的及び経済的なシステム全体の転換が早急に必要であることを認識し,

このタイミングにおいて,パリ協定の着実な進展を支え,世界の気候変動対策を加速するために欠かすことのできない温室効果ガスの排出・吸収量算定ガイドラインの改良版,いわゆる「IPCC京都ガイドライン」の採択を目指すIPCC第49回総会が,この京都の地において開催されることの意義を強調し,

各国がパリ協定に基づき策定する長期低排出発展戦略や,各企業,地方自治体等非政府主体の取組においても,1.5℃目標の実現を目指し脱炭素化のための方策を真摯に追求する姿勢が多数示されている現状に敬意を表し,

本日のIPCC第49回総会京都市開催記念シンポジウム「脱炭素社会の実現に向けて~世界の動向と京都の挑戦~」において,脱炭素化のために,

・ より良い未来を将来世代に継承していくため,「IPCC1.5℃特別報告書」を踏まえた取組を推進していくこと

・ そのためには,京都議定書誕生20周年記念「地球環境京都会議2017」において発表された「持続可能な都市文明の構築を目指す京都宣言」が描く2050年の都市のあるべき姿を実現していくことが極めて重要であること

・ 気候変動対策が困難な課題であるとしても,市民,事業者,地域,大学,研究機関,NPO,行政等,我々が力を合わせることにより,知恵を結集してイノベーションを促進し,自ら持続可能な社会を構築する担い手を育成し,目標達成に向けた取組意欲を向上させ,社会・経済・環境が統合的に向上する持続可能な未来を実現できること

の認識を共有し,

とりわけ,京都市長が2050年までに二酸化炭素実質排出ゼロを目指す覚悟を表明したことを端緒として,「もったいない」,「しまつ」の精神をはじめとする自然と共生する「暮らしの文化」が息づいており,あらゆる危機を乗り越え,千年を超えてしなやかに持続してきた,ここ京都から,「IPCC1.5℃特別報告書」を踏まえ,世界平均気温の上昇を1.5℃以下に抑えるべく,2050年ごろまでに二酸化炭素排出量の「正味ゼロ」に向けて,あらゆる方策を追求し具体的な行動を進めていくことを,世界に向けてアピールします。

また,志を同じくする国内外の地方自治体と各国の政府が共通の目標の実現に向けて,制度,政策,資金,人材などのあらゆる面における連携を強化することを歓迎します。

さらに,国内及び海外の多くの皆様が本アピールに賛同し,できる限り早期の脱炭素社会の実現に向けて共同で取組が広がることを願います。

2019年5月11日 

IPCC第49回総会京都市開催記念シンポジウム

「脱炭素社会の実現に向けて~世界の動向と京都の挑戦~」

登壇者有志

 

1.5℃を目指す京都アピール

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1.5℃を目指す京都アピールを発表した登壇者有志一覧(登壇順・敬称略)

安成 哲三  総合地球環境学研究所所長

原田 義昭  環境大臣

石川 智子  地球環境戦略研究機関 知識とコミュニケーションユニット ジョイントディレクター

江守 正多  国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長

田村堅太郎  地球環境戦略研究機関 気候変動とエネルギー領域研究リーダー

新川 達郎  京のアジェンダ21フォーラム元代表・同志社大学大学院教授

山極 壽一  京都大学総長

西本 清一  京都市産業技術研究所理事長・京都高度技術研究所理事長

門川 大作  京都市長

浜中 裕徳  イクレイ日本理事長

高月  紘  京都市環境保全活動推進協会理事長

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京都市 環境政策局地球温暖化対策室

電話:075-222-4555

ファックス:075-211-9286

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