腸管出血性大腸菌感染症等の発生状況
ページ番号342890
2025年6月26日
腸管出血性大腸菌感染症は、三類感染症の中でも、腸管出血性大腸菌で汚染された食べ物を摂取して感染することが多い感染症で、年間20件から40件程度の発生報告があります。また、腸管出血性大腸菌感染症以外の三類感染症については、海外からの輸入感染が多くみられます。
この度、京都市では、京都市保健所健康危機対処計画に基づき、腸管出血性大腸菌感染症の発生が多く、海外への渡航が増える夏前に、三類感染症の発生状況を公表します。
市民の皆様におかれましては、手洗いをはじめとした感染対策の徹底をお願いします。
1 令和6年の三類感染症発生状況
本市において、令和6年は、腸管出血性大腸菌感染症38件及び腸チフス1件の発生報告がありました。このうち、腸チフスは、海外での感染事例と考えられます。腸管出血性大腸菌感染症の感染経路は、経口感染が多くみられました。
感染症名 |
コレラ |
細菌性 赤痢 |
腸管出血性 大腸菌感染症 |
腸チフス |
パラチフス |
---|---|---|---|---|---|
令和6年 (暫定値) |
0 |
0 |
38 |
1 |
0 |
2 腸管出血性大腸菌感染症の発生状況
(1)発生報告数の推移(令和2年から7年)
年 |
令和2年 |
令和3年 |
令和4年 |
令和5年 |
令和6年 (暫定値) |
令和7年 (速報値) |
---|---|---|---|---|---|---|
報告数 (京都市) |
22 |
34 |
23 |
38 |
38 |
1 |
報告数 (全国) |
3,094 |
3,243 |
3,370 |
3,826 |
3,748 |
632 |
(補足)令和7年の数は、令和7年6月1日時点の速報値
(2)月別報告数(令和2年から令和6年の合計)
例年、夏期(6月から8月)に多く発生する傾向にあります。
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
報告数 合計 |
2 |
0 |
10 |
7 |
9 |
17 |
23 |
30 |
13 |
21 |
16 |
7 |
3 参考(腸管出血性大腸菌感染症)
(1)腸管出血性大腸菌感染症とは
大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢等の消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。腸管出血性大腸菌感染症は、О157をはじめとするべロ毒素産生性の腸管出血性大腸菌で汚染された食物などの経口摂取によっておこる感染症です。
(補足)溶血性尿毒症症候群(HUS)とは、破砕状赤血球を伴った貧血、血小板減少、腎機能障害を特徴とする急性腎不全。子どもと高齢者に起こりやすく、初期には、顔色不良、乏尿、浮腫、意識障害等の症状が見られる。(2)症状
多くの場合では、3日から8日の潜伏期をおいて、激しい腹痛を伴う頻回の水様便の後に、血便を呈します。発熱は軽度で、多くは37度台であることが多いです。有症者の6%から7%において、下痢などの初発症状発現の数日から2週間以内に、溶血性尿毒症症候群(HUS)、または脳症などの重症な合併症が発症することがあります。腸管出血性大腸菌感染症を疑う症状がでたら、早めに近くの医療機関を受診しましょう。
(3)予防方法
腸管出血性大腸菌で汚染された食べ物や水の摂取による感染が主体であるため、食品を十分加熱し、調理後の食品はなるべく食べきるようにしましょう。とくに抵抗力が弱い乳幼児や高齢者に対しては、重症事例の発生を防止する観点から、生肉又は加熱不十分な食肉を食べさせないよう注意が必要です。
また、ヒトからヒトへの二次感染は、手洗いの徹底等により予防が可能です。排便後、食事の前、下痢をしている子どもや高齢者の排泄物の世話をした後等は、せっけんと流水で十分に手洗いをしましょう。
報道発表資料
発表日
令和7年6月26日
担当課
保健福祉局医療衛生推進室医療衛生企画課 健康危機対策担当(電話:075-222-4244)
報道発表資料
- PDFファイルの閲覧には Adobe Reader が必要です。同ソフトがインストールされていない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Reader をダウンロード(無償)してください。
お問い合わせ先
保健福祉局 医療衛生推進室 医療衛生企画課
電話: 075-222-4244 ファックス: 075-251-7233