令和6年の新規梅毒報告数~4年連続で過去最多更新~
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2025年1月31日
京都市における令和6年の梅毒報告数は令和5年の110件をさらに上回る125件(速報値)で、現在の集計方法になってから最も多く、4年連続で過去最多を更新しました。
梅毒は自然には治らず、治療が必要ですが、感染していても症状が軽くなったり消えたりする時期があり、感染していることに気づきにくい特徴があります。また、妊娠中に感染していると、流産や死産、赤ちゃんに重い障害が残ることもあり、注意が必要です。
症状がある方はできるだけ早く医療機関を受診していただき、症状がなくても気になる行為のあった方は、本市が実施する無料・匿名の「HIV・性感染症検査」を、受検してみてください。
本市における新規梅毒報告数について
年次別報告数
平成26年からの10年で11倍以上、令和元年からの5年で約2倍に増加しています。
年次 |
H26 |
H27 |
H28 |
H29 |
H30 |
R1 |
R2 |
R3 |
R4 |
R5 |
R6 (速報値) |
京都市 |
11 |
38 |
51 |
71 |
66 |
66 |
61 |
78 |
95 |
110 |
125※ |
全国 |
1,661 |
2,690 |
4,575 |
5,826 |
7,007 |
6,642 |
5,867 |
7,978 |
13,221 |
15,055 |
14,663※ |
※ 令和6年(第52週)時点速報値
感染経路別報告数
令和6年の報告(125件)のうち、感染経路が性的接触であるもの(105件)が約8割を占めています。また、性的接触のうち異性間(88件)であるものが約8割を占めています。
性的接触 |
針等の 鋭利なものの刺入 |
静注薬物 常用 |
輸血・ 血液 製剤 |
母子 感染 |
その他 (不明 含む) |
合計 |
|||
異性間 |
同性間※1 |
不明 |
|||||||
令和2年 |
46 |
8 |
4 |
1 |
0 |
0 |
0 |
2 |
61 |
令和3年 |
60 |
8 |
5 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
78 |
令和4年 |
66 |
7 |
16※2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
6 |
95 |
令和5年 |
72 |
15 |
10 |
0 |
0 |
0 |
0 |
13 |
110 |
令和6年 |
88 |
9 |
8 |
0 |
0 |
0 |
0 |
20 |
125 |
※1 両性間の性的接触も含む。 ※2 経口接触(異性、同性不明)含む。
男女別・年齢別報告数
男性は、幅広い年代で感染者がみられ、昨年と比較して40代以上の感染者が増加しました。
女性は、20代の感染者が最も多く女性の感染者数の半数以上を占めています。
妊婦の梅毒感染については4件の報告がありました。また、10代の感染者が9件と男女ともに昨年と比較して増加しています。
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 以上 |
合計 | ||
令和2年 | 男 | 0 | 14 | 5 | 10 | 4 | 3 | 36 |
女 | 3 | 10(3) | 7(1) | 3 | 2 | 0 | 25(4) | |
令和3年 | 男 | 3 | 9 | 15 | 10 | 9 | 5 | 51 |
女 | 0 | 13(1) | 7(1) | 5 | 1 | 1 | 27(2) | |
令和4年 | 男 | 0 | 12 | 11 | 16 | 8 | 6 | 53 |
女 | 0 | 30(3) | 8 | 3 | 1 | 0 | 42(3) | |
令和5年 | 男 | 2 | 14 | 16 | 16 | 12 | 9 | 69 |
女 | 3(1) | 20(2) | 11(2) | 1 | 5 | 1 | 41(5) | |
令和6年 | 男 | 3 | 15 | 11 | 17 | 15 | 11 | 72 |
女 | 6(1) | 31(2) | 8(1) | 5 | 2 | 1 | 53(4) |
注:( )内は、妊婦であった件数(再掲)
病期(梅毒の進行度)別の報告数
男性は早期Ⅰ期での報告が最も多く、女性は早期Ⅱ期での報告が最も多く、女性は感染後時間が経ってから受診・診断される方が多い傾向にあります。
早期Ⅰ期 |
早期Ⅱ期 |
晩期 |
無症状 |
合計 |
||
令和2年 |
男 |
18 |
10 |
1 |
7 |
36 |
女 |
4 |
10 |
0 |
11 |
25 |
|
令和3年 |
男 |
27 |
16 |
0 |
8 |
51 |
女 |
4 |
10 |
0 |
13 |
27 |
|
令和4年 |
男 |
28 |
14 |
2 |
9 |
53 |
女 |
7 |
19 |
1 |
15 |
42 |
|
令和5年 |
男 |
29 |
24 |
2 |
14 |
69 |
女 |
8 |
16 |
0 |
17 |
41 |
|
令和6年 |
男 |
34 |
21 |
1 |
16 |
72 |
女 |
12 |
22 |
0 |
19 |
53 |
<病型ごとの症状>
梅毒は病期によって症状の出現する場所や特徴が異なります。症状が消失している期間も治ったわけではなく、病気は進行していきます。放置すると、心臓・血管・脳などに病変が生じ、障害が残る可能性があります。気になる症状があれば、泌尿器科や婦人科、産婦人、皮ふ科などを受診してください。また、過去に梅毒に感染したことがある場合でも、再び感染する可能性があります。
Ⅰ期:感染後約3週 | 感染部位の赤いしこりや潰瘍(陰部や口の辺りなど)、感染部位のリンパ節の腫れ |
Ⅱ期:感染後数か月 | バラ疹(手のひら、足の裏、身体全体にうっすらと赤い発疹が出ます) |
晩期:感染後数年 | 皮膚や筋肉、骨などの腫瘍、心臓、血管、脳などの複数の臓器の病変 |
「梅毒および性感染症に関する研修会」の動画配信について
梅毒が急増している状況を踏まえ、京都市、京都府、京都府医師会の3者共催で、令和6年12月に「梅毒および性感染症に関する研修会」を開催しました。
研修動画は、京都市医療衛生企画課チャンネル(YouTube)で令和7年2月10日 月曜日 から配信予定です。
京都市が実施しているHIV・性感染症検査について(令和6年度)
京都市では、無料・匿名で受けられるHIV・性感染症検査を実施しています。
梅毒の検査は採血で行い、結果は約2週間後に面接にてお伝えします。心配なことがあれば、一度検査を受けてみましょう。検査はパートナーも受検することをお勧めします。
※ すでに症状がある方は、医療機関を受診してください。
|
平日昼間 |
平日夜間 |
土日 |
|||
受付時間 |
毎週 |
午後2時 |
月2回 |
午後5時30分 |
月2回 土曜日 |
午後3時15分 |
月2回 日曜日 |
午後2時 |
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場所 |
一般財団法人 京都工場保健会(〒604-8472 京都市中京区西ノ京北壺井町67番地) |
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予約 |
【要予約】電話番号:0120-636-040 |
|||||
検査項目 |
HIV、性感染症(梅毒、淋菌、クラミジア)※ 性感染症は単体受検不可 |
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結果返却 |
面接にて返却(HIVは即日、性感染症はおおむね2週間後の検査日) |
(参考)梅毒について
(1)原因、特徴
梅毒トレポネーマという病原体により引き起こされる感染症で、主にセックスなどの性的接触により、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)などでも感染します。また、一度治っても再び感染することがあります。
(2)予防方法
予防方法として、感染部位と粘膜や皮膚が直接接触をしないように、コンドームを使用することが勧められます。ただし、コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染が起こる可能性があるため、コンドームを使用しても、100%予防できるわけではありません。感染しているかどうか心配なときは、検査で確認することができます。
(3)治療について
処方された抗菌薬(内服薬や注射薬)で治療します。内服期間等は病期により異なり、医師が判断します。病変の部位によっては入院し、点滴で抗菌薬の治療を行うこともあります。医師が治療を終了とするまで、処方薬を確実に服用し続けることが重要です。
報道発表資料
発表日
令和7年1月31日
担当課
保健福祉局医療衛生推進室医療衛生企画課(電話:075-222-4244)
報道発表資料
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お問い合わせ先
保健福祉局 医療衛生推進室 医療衛生企画課
電話:075-222-4244 ファックス:075-251-7233