受賞作品概要

【作品概要】

　誰でもいつでもどこでも命を守るための情報を知ることができるアイデアを考えた。スマホ等を持っていない子どもや外国人旅行客，目や耳などに障害のある人などすべての人にいつでもどこでも情報を伝えられる手段を考案した。また，LEDにすることで，省エネについても考慮した。

【審査員コメント】

　電柱を非常時の案内に使用しようとする発想がユニーク。

　また，どこにでもある電柱を利用して，子どもや高齢者，外国人観光客，障害のある人などすべての人に対し情報提供できるアイデアは素晴らしい。

【作品概要】

　今までの新幹線の車いす対応座席は2席しかなく，大変不便なものであった。

　このような座席を使う方は，ドアのセンサーがよく反応してしまい，あまり動けない場合があることを知り，使う面積を2倍にし，広く使えるよう工夫した。

【審査委員コメント】

　現在の新幹線の課題を的確にとらえ，解決法を提案していて，表現もすばらしい。

　車いすでの利用がしやすいというだけでなく，そこを利用する人の居心地の良さや気遣いへのストレスまで考えられている点もよい。

【作品概要】

　ツルツル滑って開けにくいペットボトル。友達や家族に頼まないと開けられないのって少し気が引けてしまう。そんな悩みを解決する指に引っかかる突起を付けた。引っ掛かりを作ることで，握力の弱い子どもや老人の方でも開けられるように工夫した。

【審査委員コメント】

　開けやすくする器具は色々あるが，キャップ自体を開けやすい形状にするという点が良い。

　また，アイディアの単純さが素晴らしい。

【作品概要】

　車を運転する人は，事故を起こさないようにすることはできるが，自分が突然病気をしてしまえば防ぐことは難しい。そのため，ハンドルの部分に脈拍を測る機械を埋め込み，突然の不整脈や車を停車した後の脈拍とその前の脈拍の変化を調べて，飲酒運転による事故を防ぐ。

【審査委員コメント】

　昨今，高齢者の運転による交通事故が多い。車には，様々な機能が付いているが，健康状態を本人に知らせ注意喚起することで，事故防止につながれば，本当に素晴らしく思う。

　車の安全装置の一つとして開発されることに期待したい。

【作品概要】

　摩擦を軽減し，少しの力で動くことを可能にするため，床ずれ防止のための体位を「少しずらす」ことを容易にする。

　シンプルで分かりやすいデザインであり，誰でもすぐに使うことができる。

　中身は，人体に安全なもの（医療用ローションなど）を使い，洗える素材を使用する。

　自分の力で「必要な数cmの移動」が可能となり，同じ悩みを抱える多くの人にこのアイデアを伝えたい。

【審査委員コメント】

　似たような製品は出ているが，既成品から本当に自分に合うものを探すのが難しいこともあり，身の回りの物で工夫した点を評価した。また，本人にとって，何が一番快適で適切かという視点の重要性を示唆してくれている。

【作品概要】

　高齢化や手のけが，障害などで絵や字を書きたくても書けない人のために，手を最小限しか使わずに絵や字が書けるよう考案した。

接合部分がマジックテープになっているため，簡単に付け外しができ，サイズも自由に調整することができる。

年齢や障害に関係なく，多くの人が絵や字に親しみを持ち続けられるところがユニバーサルデザインである。

【審査委員コメント】

　ペンを持つのが難しくなっても，自己表現をすることの可能性を広げ，人生を楽しめるようにという配慮や気付きがよい。

　マジックテープで，その人の状態に応じた使い方ができるという点が優れている。

【作品概要】

　座席をすべて斜めにすることで，前にスペースの余裕ができ，骨折している人，大きい荷物の人なども楽に座ることができる。また，いすを折りたたむことで車いすの人もバスに乗ることができる。さらに，座席が斜めであるため，車いすを止めやすく，車いすを押す人も一緒にそのスペースに入ることができる。

【審査委員コメント】

　車いす，ベビーカー，高齢者，荷物の多い人など誰にとっても，より座りやすく，立ち上がりやすいと思う。

　バスの座席は，前か横を向いているという常識を覆すアイデアである。

【作品概要】

　野菜や果物が傷む前に食べ切るよう，注意を促すために期限を3段階に分けて信号のように色分けし，見た目でも分かるように工夫した。また，色覚に障害のある方のために，色分けだけでなく，顔の表情も変えた。

　さらに，より多くの人が読みやすくなるよう，文字の大きさやフォントなどにも配慮した。

【審査委員コメント】

　世界の困りごとである「食品ロス」に着目した点が良い。

　視覚障害のある人や高齢者への配慮を考え，また，色や字のフォントを工夫した点，カラフルで分かりやすい表現を評価した。

【作品概要】

　お年寄りの方や障害のある方が，情報を知ること・伝えることの不便さを解消したいと考えた。

　耳が不自由な方は文字や手話を便りにし，目が不自由な方は音声や点字を便りにしてもらうこの機械があれば，自分自身で情報伝達すること，受けることができる。また，3つのボタンを身近である信号に例えたのも工夫の1つである。

【審査委員コメント】

　スマホは色々な機能が付いて便利になっているが，障害のある人など使い始めることへのハードルが高い人もいる。

　このアイデアは，色々な障害のある方や高齢者などにも配慮されており，そのハードルを下げ，便利になる人も多いと思う。

【作品概要】

　自分の身長に合わせてショッピングカートの高さを合わすことができ，背が低い方やカートを押したがる子ども，背の高い外国人も使うことができる。

　車いすの人も他の買い物客と同じようにカートを使って買い物ができ，お年寄りもシルバーカーと同じように使うことができる。

【審査委員コメント】

　ショッピングカートの持ち手の高さを変えられると，車いすの方，高齢者，子どもなど誰でも使いやすくなり，実用化も見込めそうな点を評価した。

　自分に合うカートがあれば，買い物に出る意欲も沸き，日々の生活が楽しくなると思う。

【作品概要】

　新聞にスマホで読み取れるQRコードがあり，これを読み取ることで，スマホ上で読みたい言語を選び，翻訳されたものをスマホに表示させることができる。

　また，ひらがなだけの表記に変換する機能や，新聞の内容を読上げる機能を付けて，子どもや文字が見えにくい人にも配慮されたものにしようと工夫した。

【審査委員コメント】

　着眼点が素晴らしい。外国人観光客でも日本のニュースを容易に知ることができる。

　また，細かな文字が見えづらい人や漢字が読めない人でも，音を出して読んでくれれば，すべての人にとっていいと思う。

【作品】

　席を譲ったり，困っている人に声を掛けたりするのは勇気がいる。しかし，ヘルプマークのおかげで，前よりもサッと行動できるようになった。見た目では伝えられないことも，赤いお守りが知らせてくれる。付ける人，周りの人どちらにもやさしい。心をつなぐ架け橋のしるし。それが，ヘルプマークだ。

【審査委員コメント】

　ヘルプマークの意味や存在が，より多くの方に広まっていくことが期待できる。

　ヘルプマークを赤いお守りと例え，優しさを言葉にできる架け橋になっていることが伝わるメッセージに共感した。

【作品】

　ゆう先ざせきに元気な人がすわっています。おとしよりの人がいるのに，ゆずりません。かなしいです。ぼくは，ゆう先ざせきじゃなくてもかわってあげたいです。

【審査委員コメント】

　過不足のない表現がメッセージ性を強くしている。

　明確な状況の把握と悲しいというストレートな感情で，素直な心が表現されている。

【作品】

　私が横断歩道を渡っていると横に白杖をついて歩いている女性がいた。すると信号無視した車が近づいてきたので「危ないですよ」と一言声をかけ手を掴んで横断歩道を渡り切った。目が不自由なはずなのに私のほうを見て微笑んで「ありがとう」と言ってくれた。私はあの笑顔が忘れられない。

【審査委員コメント】

　自然な所作が，私たちに素晴らしいメッセージを伝えている。

　笑顔から，パワーをもらったのではないか。このようなプラスの連鎖が広まっていくことを期待したい。