蚊が媒介する感染症について
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2023年7月20日
1 蚊媒介感染症とは
蚊媒介感染症とは,病原ウイルス等を保有した蚊に刺されることにより感染する感染症の総称です。
蚊媒介感染症は,基本的に,人から人に感染するものではなく,ウイルスを保有した蚊を介して感染するため,蚊に刺されないよう正しい知識と予防法を身に付けておくことが大切です。
疾患名 | 主な媒介蚊 | 主な発生地域 | 主な症状 | 潜伏期間 | 備考 |
デング熱 | ヒトスジシマカ ネッタイシマカ | 東南アジア,南アジア,中南米,カリブ海諸国 など | 発熱で始まり,頭痛,眼窩痛,筋肉痛,関節痛,発しん | 2~15日 | 平成26年,約70年ぶりに国内発生 |
ジカウイルス感染症 | ヒトスジシマカ ネッタイシマカ | 中南米,カリブ海地域,オセアニア太平洋諸島,アフリカ(カーボベルデ),アジア(タイ,フィリピン,ベトナム) | 軽度の発熱,斑丘疹,結膜炎,関節痛,筋肉痛,疲労感,倦怠感,頭痛 | 2 ~12日 | 妊娠中にジカウイルスに感染すると,胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがある |
チクングニア熱 | ヒトスジシマカ | アフリカ,南アジア,東南アジア | 発熱,関節痛,全身倦怠・頭痛・筋肉痛・リンパ節腫脹 | 3~12日 | 国内感染はないものの,輸入感染症例として,年間十数例報告 |
マラリア | ハマダラカ | アフリカ,アジア,南太平洋諸国,中南米 | 発熱,悪寒,倦怠感,頭痛,筋肉痛,関節痛 | 12~30日前後 | 世界で年間2億人以上の罹患者がおり,日本でも輸入感染症例として年間50~70例報告 |
ウエストナイル熱 | ヒトスジシマカ アカイエカ | アフリカ,ヨーロッパ,中東,中央アジア,西アジア,米国 | 発熱,頭痛,筋肉痛,消化器症状,発疹 | 3~15日 | 主に鳥→蚊→ヒト感染 |
日本脳炎 | コガタアカイエカ | 日本,中国,東南アジア,南アジア | 発熱,頭痛,悪心,嘔吐,眩暈 | 6 〜16 日 | 感染しても日本脳炎を発病するのは 100〜1,000人に1人程度であり,大多数は無症状 |
※疾患名を選択すると,国立感染症研究所のホームページを御覧いただけます。
2 治療方法
マラリアについては抗マラリア剤が,日本脳炎については予防接種がありますが,デング熱,ジカウイルス感染症,チクングニア熱,ウエストナイル熱については,有効なワクチンや治療法がなく,対症療法が中心となります。
このため,蚊に刺されないための対策が重要となります。
3 感染の予防方法
外出先で蚊に刺されないように以下の点を実践してください。
これらの対策は,海外の流行地に出かける場合も有効です。
☑ 蚊に近づかない
蚊は下草が茂った日陰に多く生息します。これらの場所には,なるべく近づかないようにしましょう。
☑ 蚊を寄せ付けない
・蚊に刺されやすい場所では長袖,長ズボンを着用し,できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
・虫よけスプレーや蚊取り線香なども効果的です。
・子ども,特に乳児への虫よけ剤の使用については,小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合,ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。
4 海外に行く場合
海外で蚊に刺されたら
海外旅行中(流行地域)に蚊に刺されても,すべての蚊が病原ウイルスを保有している訳ではないので,蚊にさされたことだけで過分に心配する必要はありません。ご心配な場合は,帰国された際に空港等の検疫所でご相談ください。
また,海外渡航歴がなくても疑わしい症状がある場合には医療機関を受診ください。
5 家庭での予防方法
蚊対策は家庭やその周辺での発生予防が効果大です。以下の点を確認・実践してみてください。
☑ 水たまりをなくす!
・古タイヤ,自転車シートのくぼみ,空き缶,防水バケツ,植木鉢等の小さな水たまりでも蚊の発生源になります。
☑ 雑草を刈り込む!
・蚊は日陰を好み,葉っぱなどにとまって休息します。
・風通しの良い場所ではとまれません。
☑ 網戸や蚊帳を利用する!
・網戸や蚊帳を利用した侵入予防対策は,自然にやさしい対策です。
6 問い合わせ先
感染症に関すること
デング熱やジカウイルス感染症など,感染症に関する御相談はこちらまでご連絡ください。
蚊の防除に関すること
蚊の防除に関する御相談は医療衛生センター生活衛生担当までご連絡ください。
お問い合わせ先
保健福祉局 医療衛生推進室 医療衛生企画課(健康危機対策担当)
電話: 075-746-7200 ファックス: 075-251-7233