平成27年度 第2回京都市障害者施策推進審議会 会議録(HTML版)
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2015年12月21日
平成27年度 第2回京都市障害者施策推進審議会 会議録
1 日時 平成27年10月30日 金曜日 午前10時から正午まで
2 場所 ホテル本能寺西館 5階醍醐ホール
3 議題等 障害者差別解消法に基づく対応要領について
4 出欠状況
出席委員
浅田将之委員,池田由美子委員,井上賢一委員,岩井浩委員,岡千栄子委員,
岡美智子委員,岡本晃明委員,加藤博史委員,上村啓子委員,桐原尚之委員,
小泉浩子委員,佐々木和子委員,菅原敬子委員,高山正紀委員,谷口明広委員,
出口栄二委員,寺前愛子委員,戸田則子委員,中西昌哉委員,西澤昭造委員,
平田義委員,藤原健司委員,古川末子委員,村井文枝委員,村田惠子委員,
森田美千代委員,山根俊茂委員,吉村安隆委員
欠席委員
上野光歩委員,芝明子委員,竹田明子委員,谷村敏幸委員,寺田玲委員,
三浦晶子委員
事務局
斉藤泰樹障害保健福祉推進室長
德永博己障害保健福祉推進室企画課長
中西朗障害保健福祉推進室在宅福祉課長
近藤恵障害保健福祉推進室施設福祉課長
東美佐枝障害保健福祉推進室社会参加推進課長
中田泰司地域リハビリテーション推進センター次長
福田雅和発達相談所診療療育課長
大黒喜裕教育委員会指導部担当部長
波床将材こころの健康増進センター所長(欠席)
兒玉貴志発達相談所発達相談課長(欠席)
5 摘録
議題 障害者差別解消法に基づく対応要領について
【前回審議した項目についての追加・修正点】
○説明 資料1,2に基づき,事務局德永企画課長から説明(10:10~10:32)
●質疑(10:32~10:55)
加藤会長
「取扱い」という表現について,法令で用いられているので仕方のないことだが,物を扱うように感じてしまうので,例えば「処遇」という表現の方がよいように感じる。
小泉委員
丁寧に意見を聴いていただき,反映もしていただいていることに感謝したい。これを,今後どうやって具体化していくかが大事になるので,よろしくお願いしたい。
谷口委員
資料1の13頁のコラムについて,タイトルだけ見ると障害のある方から声が掛かるまで待つという姿勢に見えてしまう。合理的配慮をするに当たっては,職員から声を掛ける姿勢が非常に大事であるので,「声を掛け,そしてしっかりと聴く」という風な表現を考えてほしい。
佐々木委員
知的障害の方は,自ら声を掛けるということが難しい方もいる。そういった特性も踏まえ,職員から声を掛ける姿勢は非常に大事である。
岡(千)委員
資料2について,学校現場で差別的な対応が非常に多く行われているように見えてしまう。確かに,理解が進んでいない学校現場で傷付く言動をされるという話も聞くが,総合支援学校では適切に対応していただいている。事例集へ記載する際は,現状も踏まえた内容にしてほしい。
事務局(德永課長)
事例集への記載に当たっては,御意見を踏まえた内容となるよう検討したい。
村田委員
女性の障害のある方への配慮について,複合差別について明記していただいていることはありがたい。女性の問題はナイーブな問題もあり,精神的苦痛を伴う相談もある。研修の実施や事例の記載に当たっては,そういった点にも配慮していただきたい。
池田委員
合理的配慮等の対応について,難病は本当にたくさんの疾病があり,研修を受けたからすぐに対応できるというものでもない。障害の特性も様々であり,同じことが言えるのではないか。対応の方法が分からなければ,本人に聞きながら,また参考となるものを見ながら対応していくといったことを積み重ねて,少しずつでも理解が進んでいけばと考える。お互いに柔らかい心を持ち,温かい目で見守っていく姿勢が大事である。
加藤会長
確かに,法は何か懲罰を与えるということではなく,互いに違いを認め合い,理解を進めていくためのものである。
一方で,障害のある方が社会参加を阻まれてきた歴史もあったことは覚えておく必要がある。
中西委員
資料1の10頁の意思の表明の箇所にある「補佐」という文言について,後見人では「保佐」という漢字を使うが,対応要領では,一般的に行動を補助するという意味で「補佐」を使っているという理解でよいか。
加藤会長
おっしゃっている意味でよい。
吉村委員
意思の表明であれば,「代弁」という言葉もあるが。
谷口委員
「代弁」は,権利擁護の関係で用いることもあるが,意思決定そのものまで及んでしまう意味も持っているので,ここでは「補佐」の方が良いと考える。
事務局(斉藤室長)
当事者の意思を第一とし,その表明が困難な場合に,本人の利益を最大限追求するという意味で,「補佐」としている。谷口委員もおっしゃったとおり「代弁」だと,最初から本人に代わって決定できるという風に解釈されるおそれがあるので,「補佐」という表現としたい。
岡本委員
資料1の10頁の「合理的配慮の提供」の表記について,まず,範囲等の箇所にある「同等の機会の提供を受けるため」は,「同等の機会を提供するため」でよいのではないか。
また,条約は,すべからく「合理的配慮」をしないことを差別と定義し,法では「合理的な配慮をしなければならない」と規定しているので,「合理的配慮の(・)提供(・・)」という使い方は,できるだけ避けた方がよいと思う。
環境の整備との関係の箇所では,「その都度の合理的配慮の提供ではなく」という表現は,合理的配慮を提供しなくてもいい場面と誤解するかもしれないので,例えば「その都度の個別対応ではなく」としてはどうか。
【3 環境の整備,4相談等の体制,取組の推進体制】
○説明 資料1,2に基づき,事務局德永企画課長から説明(11:05~11:25)
●質疑(11:25~11:35)
西澤委員
多目的トイレの簡易ベッドは,別の悪質な用途で使われることが多く,障害のある方が使えない状況も見受けられる。設置は慎重に検討されるべきと思う。
古川委員
重度障害の方が外出するとき,簡易ベッドがない状況では,床にマットを敷いておむつ交換をしている。そういった現状を踏まえ,設置は進めてほしい。悪質な使われ方をされるからベッドを設置しないではなくて,そういった使い方をなくしていくために,市民のモラル向上のためにどう取り組んでいくかということを考えるべきと思う。
菅原委員
対応要領の作成は,当事者の意見を聴きながら適切に進められていると感じている。障害のある方は,障害福祉サービス事業所と関わる機会が多い。そういった事業所でも環境の整備が進められるよう,京都市としてどう取り組んでいくかも盛り込んでいただけるとありがたい。
村田委員
相談体制については,色々と配慮していただいているのでありがたい。あとは,相談窓口等の広報・周知もしっかりと行っていただきたい。ホームページに公表するだけではなく,市民しんぶん等にも掲載するなど,広く市民が情報を得られるようにお願いしたい。
谷口委員
多目的トイレについて,「誰でもお使いください」と書かれると,必要でない方も使うので,そこしか使えない人は本当に困っている。ユニバーサルデザインは,本来は一般の人が使えるものを障害のある人も使えるということであるのに,多目的トイレは,ユニバーサルデザインとは違う使われ方をしている。注意しても「みんなのトイレと書いてある」と開き直られたこともあるので,市民のモラル向上のための取組が必要である。
資料1の18頁の対応時の留意事項について,ニュアンスの問題かもしれないが職員が「相談者を説得すればよい」という風に読み取れてしまう。相談者の利益を考えた対応が必要である。
協議会について,想定されている権利擁護部会の構成では,当事者や福祉関係者寄りの意見が多くなるのではないか。企業の方と話していると異なった意見をお持ちなので,そういった意見も聞けるような構成を検討されてはどうか。
加藤会長
相談対応時の留意事項については,御指摘のとおりと思う。特に「相互の歩み寄り」と書くと,相談者の方が歩み寄ることになりがちである。違いの尊重,多様性の積極的評価が非常に大事な理念になるので,表現の検討をお願いしたい。
【事例集に関する意見について】
○説明 資料3に基づき,事務局德永企画課長から説明(11:35~11:45)
●質疑(11:45~12:00)
岡(美)委員
自閉症の方は,特性としてふいに声を発する方がいるのは確かであるが,公共の場でつい声を出してしまうことは,障害のない方もあると思う。なので,そのことを理由に図書館の利用を拒否するのは,障害のある方の社会参加を後退させることにつながるおそれがある。もし,大声を出したり,走ったりした場合は,本人に,「ここは静かにする必要のある場であること」や「騒いで遊びたいのであれば,外に出て遊ぶこと」を注意すれば,しっかりと学ぶので,職員にはそういった障害特性を理解して対応をお願いしたい。
ダウン症は,発達障害者支援法の発達障害とは違うので,発達障害に含める書き方はおかしいのではないか。
11頁の高次脳タイプの自閉症に関する記述は,コミュニケーションの障害が「見られないため」は,「見えづらいため」に変えてほしい。
藤原委員
事例集について,障害種別に分けられているが,災害や選挙等の特定の場面での配慮事例は,その場面ごとに配慮すべき事項を書かれた方が分かりやすいかと思う。相談事例はフィードバックされるとのことだが,職員が対応時に感じたこと,悩んだことも事例の中に挙げるようにすれば,より職員にとって身近な事例集になっていくと思う。
桐原委員
不当な差別的取扱いの例と合理的配慮の例が混在している部分も見受けられるように思う。また,正当な理由等の事例が具体的に書かれているが,事例集に記載する際は,抽象的な事例にとどめておくべきと思う。
谷口委員
バスの関係でいうと,確かに満員だと乗れないのは分かるが,車いす利用者は,次のバスに乗れるという保証もないので,それを正当な理由と主張されても納得できない部分がある。海外だと,臨時のバスが来るようになっている。
また,差別の定義は,時代によって変わるものである。これから事例を積み重ねていく中で,この対応要領や事例集も変えていく必要がある。
事務局(斉藤室長)
本日は,貴重な御意見をいただき感謝したい。資料3については,9月に訪問等をさせていただいて,各団体から出された意見を事務局でまとめたものである。事例集を作成する際は,いただいた意見も踏まえ整理させていただく。
事務局(德永課長)
次回は,今回の意見も踏まえた対応要領の修正案と答申案を御審議いただく予定としている。引き続きよろしくお願いしたい。
加藤会長
また,市民啓発についても議論してまいりたいと考えている。
以上,終了。
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京都市 保健福祉局障害保健福祉推進室
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