第47回市民対話会議(市内産木材の利用拡大)
ページ番号357773
2026年8月31日
第47回市民対話会議(市内産木材の利用拡大)を開催しました
1 概 要
柊家の館内見学の後、工務店や設計者を含む林業・木材産業関連事業者、京の文化を代々受け継いでこられた市民の方と、森林保全を通じた木の文化の伝承をテーマに意見交換を行いました。
日時:令和8年7月28日(火曜日)午後3時~午後4時40分
場所:柊家 広間
参加者:9名
(参加団体等/五十音順)
京都木材協同組合京都の木ブランド化委員会、京都市森林組合、清水寺、株式会社住暮楽、京北森林組合、髙橋勝建築設計事務所、一般社団法人パースペクティブ、柊家株式会社、株式会社原田銘木店
2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(「木材利用・ブランド化」における現状・課題について)
・北山杉の磨き丸太以外、プロが見てもどれが京都の木なのか判別がつかない中で、ブランド化するのは難しい。素材そのものではなく、5年後、10年後に自分の後輩や子供たちが、木に携わる職業に誇りをもって引き継いでいけるような、京都らしい木製品を認証し価値を高めたい。
・多くの方が、地産地消、近くの木を使いたいというふんわりした思いは持たれているが、エンドユーザーによる需要まではつながらず、単価が上がらない現状である。
・木材価格の下落に伴い、山の手入れがおろそかになり品質が低下しており、良材として売れないため、パルプや燃料用途に流通する傾向にあると感じる。
・ 費用と質のバランスもある中で、木材利用が全体として拡大しなければ、市内産木材の利用までにはつながらない。建材には使えないような木もきちんとお金に換えられるシステムなど、ドラスティックな使い方も考える必要がある。
・ 木材は一目見て産地や樹種の判別が難しく、どこで京都産をアピールするかが大変大きな問題。
(「林業の労働・経営環境」における現状・課題について)
・ 林業の労働災害は他業界と比べても多く、一方で林業所得は相当低い。この状況では担い手は集まらない。
・ 最近は、熊も多く見かけられるようになり、小規模な林家では、一人ではとても怖くて山の仕事はできなくなってきている。
・ 熱中症対策含め、労働の環境は、いろんな手を打っても年々悪化し、事業者の経営をさらに圧迫しているとつくづく感じている。
(「木材利用の促進・需要喚起」に資する取組)
・森林環境譲与税の使い方としても、循環の中で、伐って使うという一番ネックであるところがきちっとできてなければ、利益が山に還っていかない。
・パルプや燃料用途ではなく、木の良さを感じられる木材・木製品を選んでいただいてこそ、京都の山に還元され、業界が活性化し、結果として森林保全や水源確保などにつながると信じている。
・木を見て・触れる機会を増やし、山や森、自然を知っていただけると、市内産木材を欲しいという需要喚起とブランド化につながると思う。
・柊家の絹の間のように、実際の磨き丸太の空間の良さを分かってもらうことで、山を育て、伐って下さる方にきちんとお金が還り、循環するという流れが生まれる。そのような流れを作っていく必要がある。
・家を建てる大工さんにも、京都の森林・林業や木材のサプライチェーンを知っていただき、市内産木材を選択する方を増やしていくことが大切。
・良材はしっかり残っているため、これを適正価格で流通させながら、100年単位で将来を見据えて、木を育て、良材を増やしていく必要がある。
・ 木材利用の拡大のために、例えば京都市に建てる住宅の5%ぐらいは京都市の木を使おう、といった運動があれば、施主も大工も設計士も意識付けのきっかけになると思う。
・神社仏閣の背景としての景観でもある山をしっかり整備し、きれいにしておくためには、京都市内産木材をしっかり利用する必要があるというアピールであれば、差別化ができるのではないか。
(「木育・教育」に資する取組)
・ 地域の木材を使うことが、日常的に見える風景や環境、山に直結していること、木を使うことで経済も循環することを、子供の時から教育に取り入れることで、積極的な利用につながると思う。
・林業は、しんどいけど頑張ったらお金になる、と子供にも言える方法を考えるとともに、森林への理解ができる子供をどう育てていくかということだと思う。
・京都の建築物に使われている材料や職人の努力、込められた思いなどのストーリーを、子供がまず知って育つことが教育の根幹にあるべき。
・小さな頃から木に触れ、京の文化を支えている建物や材料を知り、京都産のものに誇りと愛着を持って育てば、京都が元気になるにはどうすればいいかという考えにも至ると思う。
(「森林保全・公的支援」に資する取組)
・林業そのものの存続がしんどい状況で、50年後、100年後を見据えて、お金にならないところは行政が森林を集約化し管理することは非常にいいこと。カーボンオフセットなどの取組とも合わせ技で、象徴的な取組も交え、森林を次世代につないでいくことが大切。
・ 何十年先の世代にも「良いもの」と感じてもらえる「本物」を、私たちは使う責任があるとともに、それができる環境づくりの公のサポートも必要。
・ 盆地である京都は、水源となる山の整備を行い、治山・森林の多面的機能が働かないと鴨川や桂川があふれてしまう。
(「文化・工芸・市民参加」に資する取組)
・プロ・職人ではない方がものづくりに関わる機会を増やすことで、工芸や文化、人の生態系にグラデーションが生じ、多様な素材の活用につながると思う。
・京都の文化を形作ってきたようなもの、これまで京都の木材が使われていなかった工芸に、京都の木材を使ってみることが、工芸や文化を守ることにつながると思う。
・多様な人が多様な素材に触れることで、京都市民が木とつながり、山の問題、森の問題といった課題に目を向けてもらえるのでは。
・京都の水や自然環境を守ることは、市場メカニズム的な林業振興によって実現するほど簡単なものではない、という現実を伝えていただいてよかった。
・柊家や清水寺など、世界が感動するような木の文化、勇壮な建築と、自然との一体感ある京都を守るために、森林環境譲与税の有効な使い道も含め、公の役割を考えていく必要がある。
・京都市内産木材のブランド化は簡単ではないが、京都の文化や我々自身がこの自然の中で育まれてきたことを、子供だけでなく大人も含めてつなぐとともに、山で森林に携わっている方々にも、最終的な出口として木材が日本の文化を支えているということを知ってもらうことが大切。
・森林や木の文化、建築や調度品、職人芸を守りつなぐためには、市場経済には任されない、中長期的な観点から社会全体で森林の役割を理解していくことが必要。
お問い合わせ先
京都市 文化市民局地域自治推進室市民参加・協働支援担当
電話:075-222-4072
ファックス:075-222-3042
メールアドレス:[email protected]
お電話の際はお掛け間違いにご注意ください





