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第29回市民対話会議(京町家)

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2025年5月22日

第29回市民対話会議(京町家)を開催しました

1 概 要

実際に京町家にお住まいの方や利用されている方、今後の担い手となる若い世代の方、有識者などの方々に御参加いただき、魅力の源泉でもある生活文化と共に京町家を次の世代に受け継ぐために必要なことや生活文化を含めた京町家の保全・継承施策の在り方をテーマに、松井孝治京都市長と意見交換を行いました。

日時:令和7年3月24日(月曜日)14時~

場所:個別指定京町家・景観重要建造物 小島邸

参加者:9名
(参加団体等)
 コミュニティバンク京信、京町家の活用・利用者、京町家の居住・継承者、
 京町家に関する研究・活動をしている大学教授・学生



2 会議内容

▶出席者の主な発言内容
(京町家の所有・活用)
・京都のまちづくりに貢献できているのか実感が伴わないことが多い。京町家とそこに住む者が、地域の抱える問題の解決に貢献できる仕組みを見つけることで、文化財指定を受けている町家の存在に新しい未来ももたらすのではないか。

・京町家での生きた暮らしを一緒に体感してもらい、京町家での暮らしを伝えるため、「料理の会」を毎月開催している。京町家には季節や祇園祭の空気を感じられる環境があり、癒やされる場や自分を取り戻す場として求められているように感じる。

(京町家の維持)
・資材の高騰などで改装費がよりかかるようになっている。補助金の対象となる指定区域の範囲も含めて考えてほしい。

・庭の維持、管理に対する補助があるとよい。

・京都市が全面的にその財政負担を担うのは難しいと思う。共感でものを守っていく時代であり、世界中から共感マネーが集まると思うので、企業版ふるさと納税等を含め、共感マネーが集まる仕組みを検討するのが良いと思う。

・庭や苔と向き合いながら生活するのも京町家の良さだと思っている。それに共感してもらえる方のコミュニティができたらいいと思う。

・京町家の補修等を建築を学んでいる人の勉強の場として活かすなど、教育機関と連携する仕組みができないかと考えている。

(周辺環境の変化の影響、まちとしての保全)
・マンションの建設など周囲の環境が極端に変わることで京町家が傷むことに心を痛めている。低層の建物しか建てられないエリアを設定するなどの思い切った施策で、よりよい環境づくりができたらよい。

・京都の生活文化のベースは「異なる価値観の共存」である。それが建物として具現化したのが京町家であり、最低限のルールを守ることでお互いに最大限の土地活用になるようにしている。この価値観は長い都市の歴史の中で積み上げてきたもので、現代でも重要な価値観だと思う。

(京町家施策)
・メリハリのあるまちづくりが今後の都市計画に必要だと考えている。人口減少が進み、限られた財源の中で、京町家の文化的な価値を守る方に比重をかけて補助を出すのも必要なのではないか。

・現在は所有者の努力で維持されているが、それが続かなくなった際の対策がないため、今後のために京町家を維持する仕組みを整えてほしい。

・京町家の問題が、利活用か除却の二択しかないように感じる。活用を委ねたくないが自力で維持することも難しいと考える人もおり、そうした層へのケアや調査をしてほしい。

・高齢化などで空き家となり、老朽化が進み、防災上懸念される京町家もある。民間では空き家の把握が難しく、空き家となった京町家をより活用するための方策を考える必要がある。

・高齢化社会における伝承・相続の問題が、現在、京町家の大きな課題になっている。

・一度壊れてしまうと景観は二度と戻らないので、町家の景観を守っていくことを真剣に施策として取り上げていくべきだと思う。

・経済合理性を優先しがちだが、京都に住み商売をする以上、一定の規制や秩序の中でまちを守らなければ、京町家の風景が失われ、京都らしさがなくなる可能性があることを理解しておく必要がある。

▶市長の主な発言内容
・京町家は、観光目線で言うとユニークベニューだが、そうした位置づけというよりは、今日の会場のような京町家で生活文化を市民も観光客も味わうことができる環境を、次の世代にどうつないでいくかが重要。

・京町家は、これまで個人の私有財産としての位置づけ以上の役割を果たしてきた。京町家がまち全体の価値につながるなど共有財産的な側面が強まる中、制度的には個人の私有財産となるため、京町家が減少し、歯抜けになればなるほど、残った京町家とその持ち主の負担が増えていく。まちの風情と異なるものが建っていく中で、どう守っていくかを考える必要がある。

・公園であれば北鍵屋公園のようにコモンズとして共同管理する事例があるが、みんなで管理するコモンズ的な要素を京町家に当てはめようとすると、私有財産であるため、規制の在り方や補填の仕方、その財源を考えないといけないという難しい課題がある。

・京町家を守りたいという世界中のファンからのファンディングと市のインセンティブで、どこまで京町家を守れるかが勝負だと思っている。

・一定のエリアの京町家の町並みは京都の共有財産であり、その維持を所有者だけに負担させるわけにはいかないという理解を得る必要がある。文化財に指定すると縛りが強まり、補修費が大幅に増加するため、その是非について議論がある。

・伝統的なものを補修できる人が減っており、技術の継承も必要。

・市だけでは背負いきれない課題も多く、これからも皆さんとの対話を通して知恵をいただきたいと思っている。

・従来、町衆などの存在で保全されていたものが崩れ、町並みが一気に作り変えられる境目にあると思う。コミュニティの在り方や合意形成の方法も含めて考えていかなければいけない。

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京都市 文化市民局地域自治推進室連携改革・区政担当 (連携改革担当)

電話:075-222-3047、075-222-3049

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