第25回市民対話会議(地域企業)
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2025年3月20日
第25回市民対話会議(地域企業)を開催しました
1 概 要
京都経済を支える第一線で活躍されている地域企業の経営者等にお集まりいただき、地域企業の取組内容を共有いただくとともに、「文化と経済の融合」や「新しい公共」をテーマに、松井孝治京都市長と意見交換を行いました。
日時:令和7年1月28日(火曜日)15時~
場所:京都市京セラ美術館本館地下1階 講演室
参加者:14名
(参加団体/五十音順)
株式会社アーキネット京都、株式会社アイビ建築、inote+P、アトツギ縁日実行委員会、
株式会社ISS、株式会社大垣書店、有限会社河長、京都中小企業家同友会、
京都府中小企業団体中央会、合同会社なんかしたい、ハナヲタバネル/iroiro kyoto、
株式会社発酵食堂カモシカ、株式会社Hibana、株式会社夢びと


2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(地域連携・ネットワーク構築)
・未来力会議のような場があれば、京都の地域企業のつながりが可視化される。企業間連携は、まずお互いを知ることが必要。例えば、誰が何をしているか、連携先になり得る地域企業や支援機関を見える化することで、京都産業の発展に向けて活用できるインフラとなりうる。
・働き方など企業が抱える問題は、異業種と連携し多角的な視点から見ることで、解決の糸口が見つかることもある。そういった支援や施策を考える際は、市内企業の99.7%を占めている中小企業の目線に立つことが重要。交流と信頼なくして連携は生まれない。
・京都の中小企業の魅力をもっと多くの人に知ってもらうため、企業見学が簡単にできるアプリを作成した。日本の宝である中小企業の価値を上げて、京都から日本中に発信していきたい。全国から人材や資金を京都に集めることを目指しており、京都市の持続可能なまちづくりに貢献したいと考えている。
・個社でできることには限界がある。複数社で連携する必要がある。
・学生と地域をつなぐ活動をしており、企業から若者や学生目線の企画や連携に対するアドバイスを求められることも多い。学生と地域をつなぐ、特に若いプロジェクトマネージャーがもっと必要。
(地域資源の活用と新価値創造)
・現在の資本主義経済では、どうしても価格の安いところにお金が集まってしまうことから、既存の枠組み・価値ではない、新しいお金の循環を作ろうと思い、地域通貨を作った。この地域通貨は、3箇月の有効期限を設けているため貯め込むことができず、使う先を京都市内に限定しているため、お金が地域で循環する仕組みになっている。現在、地域企業40社と共に、インターン生も巻き込んで取り組んでいる。
・古ビルのリノベーションとコワーキングの運営を行っている。文化に経済的な付加価値をつけることで、新しい価値を生み出すことこそが、文化と経済の融合だと考えている。
・林業が衰退している中、森・自然そのものに価値を生み出すことが必要だと考え、自然をテーマにした事業を始めたが、現状、収益があまり見込めない。
・京都は日本の文化の拠点だと思っているが、本物ではないものが、日本の文化・コンテンツとして消費されている。日本の文化をしっかり伝えていくための仕組みづくりが急務。
・職人がどの業界でも不足している一方で、ひきこもり状態にある方は全国で100万人を超える。そうした方の仕事・居場所づくりに取り組み、新しい視点で新しい人材を活力にできるよう、行政や地域企業と支援の仕組みづくりを始めた。
(地域コミュニティの活性化)
・人口集積地に本屋を構えている環境を生かして、本屋の中で自由に学べるようにするなど、公共的な学びの場を作っていきたい。子どもの学習だけでなく、リスキリングや職業訓練など公共性がある取組にも活用していきたい。
・西院にある空き家になった古民家7軒をリノベーションして、学習塾や学童保育、食堂などに利用しており、寄付を募り子どもが無料で食事できる場所を提供している。塾と学童を基盤に、親も巻き込んで顔が見える関係を築き、地域のつながりを作りたい。
・京都には地域や企業が使用できるコミュニティスペースが少ない。公園と公民館は閉鎖的。学校を地域に対して公共空間として開いていく必要があると感じており、PTAの役員をしながら、どうやって公共性のある場所にしていくかを模索している。
・地域の子どもたちが小さい時から地域に関わることが大事だと考え、子どもが地域や企業を取材する子ども新聞のワークショップを開催している。
・「地域企業」の理念を実現できる企業になることを目指し、地域の企業が地域と絡んだ活動に取り組み、それを地域から応援してもらって発展していく、という流れを作っていきたい。
▶市長の主な発言内容
・グローバルなエコシステムとは違う、京都型のエコシステムをどう作るかを考えていく必要がある。地域の文化と乖離した経済にならないよう、地域企業に関わってもらい、人が育ち、暮らし、働く持続可能なまちづくりを実現するエコシステムを作っていきたい。
・企業見学や学童保育に取り組まれている方がいらっしゃったが、行政が運営するハローワークや学童の機能を民間でも補っていただいているのはありがたい。
・京都のような繋がりのあるまちなら、お金の代わりに農産物を納めるなど、税金を収めるだけでなく働いて貢献する、現代版の租庸調のような仕組みができると思う。間を取り持つ人が必要だが、その役割を地域企業に担っていただけるとありがたい。
・将来的には、地域活動で学校を自由に使えるようにしたい。京都の学校が良いものになったのは、学校運営協議会に地域の方が入り貢献していただいたから。今度は、学校を地域に戻していく番。お互いに協力してルールを作り、地域に開いていきたい。
・京都には公民館が少ないが、他の公共空間がある。公共空間の境目をいかになくしていくかが重要。例えば公園や市役所前広場、区役所のテラスなどの公共空間を使って、そこで何をするかのアイデアを皆さん出していただくなど、何ができるか一緒に考えていきたい。
・京都の経済が回っていく仕組みを作るためにも、皆さんの取組が持続的なものになるよう、行政がどうサポートできるかが重要。
・今日は地域企業の皆さまの声を聞かせていただいたが、逆に、地域企業の皆さまには、市職員の相談相手になっていただきたい。また、対話を通じて地域の企業が繋がっていく、このような場を提供するのが行政の第一の仕事だと思う。