第22回市民対話会議(防災・減災)
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2025年2月10日
第22回市民対話会議(防災・減災)を開催しました
1 概 要
防災に関する様々な分野で活躍されている市民・事業者の方々にお集まりいただき、防災・減災対策の現状と未来に向けた取組をテーマに、防災に関する取組状況や課題意識、これから取り組んでいきたいことなどについて、松井孝治京都市長と意見交換を行いました。
日時:令和6年12月11日(水曜日)午後3時45分~
場所:京都市役所分庁舎4階 京都市危機管理センター
参加者:12名
(参加団体/五十音順)
大阪ガスネットワーク株式会社、関西電力送配電株式会社、京都学生FAST、
京都市災害ボランティアセンター、京都大学防災研究所、京都府トラック協会、
京都府旅館ホテル生活衛生同業組合、西日本電信電話株式会社、西日本旅客鉄道株式会社
2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(防災・減災の取組)
・JR西日本では、阪神・淡路大震災以降、高架橋の耐震補強や新幹線への地震計の設置、脱線防止のため逸脱防止ガードの設置といったハード面の対策に加え、警察や消防、地域住民と連携した災害等対応訓練を実施している。
・NTT西日本では、災害に強い通信ネットワークや通信設備の構築、災害時における通信の確保、早期復旧に向けた関係自治体等との実践形式による合同訓練などを実施しており、発災時には、グループ会社等と連携した対応・復旧活動に取り組んでいる。また、防災拠点として設置しているビルが市内に3箇所ある。災害の規模が大きいほど、多様な主体と協力した道路啓開が重要。
・関西電力送配電では、市と連携した樹木の事前伐採や機器の改良工事などにより電力設備の維持に努めるとともに、停電の早期復旧に向けた道路管理者との連携訓練、「停電情報アプリ」による情報発信などに取り組んでいる。
・大阪ガスネットワークでは、阪神・淡路大震災を教訓に、耐震性に優れた管の採用や揺れを感知するとガスを自動遮断するメーターの設置などの「予防対策」、地震計データに基づき被害の大きなエリアへのガス供給を停止する「緊急対策」、システム整備・資器材の備蓄などの「復旧対策」に取り組んでいる。
・京都府トラック協会では、迅速な災害対応のため、災害発生時に協力可能な会員事業者それぞれの車両積載重量や種別、協力可能台数等を事前に把握して市町村ごとに整理し、出動地域や運送物品に合わせて出動体制を整えている。また、荷物の積み方・運び方の専門家を育成する「災害物流専門家」という研修を実施している。
・京都市災害ボランティアセンターでは、災害ボランティア活動やリーダー、運営サポーターなどの人材育成に取り組むとともに、災害ボランティアの事務局として、イベントでの普及啓発や災害ボランティアに関する情報発信、他地域での発災時におけるボランティアバスの派遣などの活動を行っている。
・能登半島地震の際には、被災地である七尾市災害ボランティアセンターと連携し災害廃棄物の運搬や解体作業に携わったが、集積所運搬方法や分別ルールに課題があると感じた。また、災害廃棄物に文化財が混入している事例があり、京都市でも同様の状況が考えられるため検討が必要だと考えている。
・京都学生FASTは、防災関係イベントや地域防災訓練への参加、被災地でのボランティア等の活動を行っており、能登半島地震のボランティアでは、学生としてできることがあると感じた。また、救急救命士の養成過程がある学科の学生は、病院以前の一次救命処置やファーストエイドの講習、避難所で多い疾病全般への対策に関する啓発活動に取り組んでいる。
・京都府下の13大学に、消防防災サークルとして京都学生FASTの支部のようなものがある。昨年まで、立命館大学FASTでは1人で活動することが多かったが、能登半島地震の影響などで現在25名の学生が所属している。
・旅館ホテル生活衛生同業組合では、平成25年に市と「災害発生時における観光客等に対する施設利用等の協力に関する協定書」を締結し、会員の88施設が加盟している。国際観光都市として、外国人への対応、特に情報の伝え方を丁寧に行う必要がある。
(自治体や他機関との協力・連携)
・JR西日本では、昨年8月に市と協定を締結し、緊急事態が発生した時の連携協力体制を築くとともに、JR各社間で連携して資材の供給・支援等に取り組んでいる。
・NTT西日本は、能登半島地震では、電気や水道、トイレが使えない状況で高校や自治体と協力して拠点を整備していた。京都で災害が起きた場合も、同様に対応していきたい。
・関西電力送配電では、大規模災害時に大型スーパー等を復旧拠点として活用できるよう、復旧に関する協定を各関係機関等と締結している。
・大阪ガスネットワークは、災害時のオープンスペースの利用について自治体と取り決めをしているが、災害の発生状況に応じた行政による割り振りが重要。
・京都府トラック協会では、大規模災害発生時に、協定を締結している京都府や京都市等からの要請に応じて、会員事業者と連携して迅速に対応している。能登半島地震では、発生後に消防局職員が現地で救助活動を行うための資機材や緊急救援物資等を定期的に輸送した。
・京都府や京都市による倉庫の建設や物資の保管、緊急輸送業務に協力できる体制を構築するとともに、緊急通行車両の事前届出など、迅速な災害対応に向けて体制を強化していきたい。
・京都市災害ボランティアセンターには、ボランティア活動に必要な資機材を一定程度準備しているが、京都府等の協力も得ながら整備が必要。
・旅館ホテル生活衛生同業組合は、東日本大震災の時に、青年会議所やトラック事業者の協力を得て物資を供給したり、旅館組合の協力を得て供給や修学旅行生のための中核施設を提供した。小さい民間事業者等のネットワークや臨機応変な対応が重要。
▶市からの主な発言内容
(松井市長)
・防災には、地元の人だからこそ分かる事情や情報を活用していくことが重要。
・東日本大震災の時の経験として、ガソリン等の物資輸送や廃棄物・し尿の処理など、生活を送るために必須の、差し迫った問題に速やかに対応できるかが課題。
・京都の特性として、海外からの観光客が多いため、災害時の情報を多言語で提供していく必要がある。
・大学のまちであることも京都の特性の1つ。大学生はボランティアを担う大きな力になるため、京都学生FASTのような取組をされている団体も大切だが、大学生とボランティア事務局が連携して学生のボランティアを募っていくことも重要。同時に、大学の事務局とボランティアの事務局が連携することで、大学生の被災者の情報も得られると思う。
・学校教育における災害教育をより充実させる必要がある。
・様々な課題があるが、いざというときに情報が緊密に共有され、連携が取れる体制を作っていくのかが大切。
(竹内副市長)
・京都学生FASTのような若い方々が防災に参画してくれていることが非常に心強い。
・想定外の事態にどう対応するのか、本市でもマニュアルを整備するだけでなく、常日頃から考えておかないといけない。東日本大震災、阪神・淡路大震災、能登半島地震等を体験した方の経験をしっかりと共有していくことが重要。
・令和5年1月の大雪に伴うJRの運休により、多くの帰宅困難者が発生した教訓を忘れず、迅速な情報共有など、関係機関との更なる連携の強化に努める必要がある。