多様性がテーマの絵本「なにでもないもん」の発売
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2025年1月17日
市民ぐるみ「多様な性の在り方が尊重される京都」推進ネットワーク※(以下「本ネットワーク」という。)では、多様性への理解を広め、誰もが自分らしく生きることができる包摂性のある社会を目指して取り組んでいます。
この度、本ネットワークが企画した絵本「なにでもないもん」が株式会社岩崎書店から1月20日に発売されます。※ 「市民ぐるみ「多様な性の在り方が尊重される京都」推進ネットワーク」とは
性の多様性の理解促進等に取り組んでいる団体、企業、大学等教育研究機関、行政等が連携し、「性の多様性の理解促進」、「性に関して困難や課題を抱える方への支援」等の取組を進める組織。
絵本の発行について
絵本について
「なにでもないもん」

作 :少年アヤ 絵 :阿部海太
編集:筒井大介 装丁:椎名麻美
発行:株式会社岩崎書店
企画:市民ぐるみ「多様な性の在り方が尊重される京都」推進ネットワーク
協力:Social Work / Art Conference(SW/AC)
定価:1,870円(本体1,700円+税)
発売日:令和7年1月20日(月曜日)
備考:全国の書店で販売
絵本の内容について
自らのセクシュアリティをめぐる生きづらさと向き合い、エッセイや様々なメディアでその思いを発信してきた少年アヤさんが、「なにでもない」自分を失い、苦しい、孤独な気持ちを抱える子どもたちに届けるために書いた物語。
全ての子どもたちに、ありのままの自分を受け入れて、自分らしく生きることを伝え、子どもから大人まで全ての人が自分自身を大切にする重要性を伝える。
【あらすじ】
わたしは、周囲から性別という枠組みを押し付けられ、どちらでもない、「なにでもない」自分をなくし、生きづらさを感じている。「かえってきなさい、かえっておいでなさい」自分の中から呼びかける声に応えて暗闇に飛び込み、声のする方に進んでいく。やがて会えたのはかつての「なにでもなかった」頃のわたし。かわいくて嫌なところもある、ありのままの、自由なわたし。周囲に決めつけられるのではない、本当の自分を、わたしはもう見失わない。
参考:株式会社岩崎書店HP(25年1月新刊★なにでもないもん)
絵本制作の経過及び本ネットワークとの関わりについて
LGBT等の性的少数者当事者は、幼少期から、いじめ、自殺を考えるまで追い込まれたり、アウティングなどの被害にあわれるなど、多くの生きづらさを感じてきたとの声があり、また、LGBT等の性的少数者でなくとも、子どもの選択に対する親からの干渉を受け、嫌な思いをした経験等もあることを踏まえ、全ての子どもたちにありのままの自分を受け入れて、自分らしく生きること、また、子どもから大人まで全ての人が自分自身を大切にする重要性を伝える絵本を、本ネットワークにおいて企画することとしました。
アートと共生に関わる相談を受け付けるSocial Work / Art Conference(SW/AC)と連携して作家等を紹介いただき、少年アヤさんの言葉と阿部海太さんの絵、筒井大介さんの編集、椎名麻美さんの装丁によって絵本を制作し、出版に当たっては、プロジェクトの趣旨に賛同いただいた株式会社岩崎書店により、販売されることとなりました。
絵本寄贈に係るクラウドファンディングについて
本ネットワークでは、この絵本をより多くの子どもたちに届けるため、令和6年9月~10月にクラウドファンディングを実施し、LGBT等の性的少数者当事者に限らず、企業や学生など全国の幅広い方々から多大な支援をいただきました。集まった支援金をもとに、この絵本を京都市内の児童関連施設などに寄贈します。
【クラウドファンディング内容】
実施期間:令和6年9月2日(月曜日)から10月31日(木曜日)まで
資金使途:絵本「なにでもないもん」を京都市内の児童関連施設に寄贈する費用等に活用
結 果:支援額 167万5千円
支援者 123名
少年アヤ

エッセイスト。1989年生まれ。著書に『うまのこと』(光村図書)、『尼のような子』(祥伝社)、『焦心日記』(河出文庫)、『ぼくは本当にいるのさ』(河出書房新社)、『なまものを生きる』(双葉社)がある。
阿部海太

画家・絵本作家。1986年生まれ。神話や根源的なイメージをモチーフに絵本や絵画作品を発表。書籍の装画なども手掛ける。『ぼくがふえをふいたら』(岩波書店)で第26回日本絵本賞を受賞。その他著書に『みち』(リトルモア)、『きょうも かぜは いろづいて』(岩波書店)、共著に『わたしはきめた 日本の憲法 最初の話』(ほるぷ出版)など。
筒井大介

絵本編集者。1978年生まれ。担当した絵本に『こどもたちはまっている』(荒井良二)、『オオカミがとぶひ』(ミロコマチコ)、『ネコヅメのよる』(町田尚子)、『100ねんごもまたあした』(作・瀬尾まいこ 絵・くりはらたかし)などがある。水曜えほん塾、nowaki絵本ワークショップを主宰し、作家の発掘、育成にも力を注いでいる。
株式会社岩崎書店

子どもの本の出版社。岩崎書店の前身である「慶応書房」は1934年に創立。当時は、社会科学書を中心とした専門書の出版社だったが、創立者の岩崎徹太は、戦後の混乱期に日本を復興させるには子どものための本を出版することが何より大事なことだと考え、児童書出版社の岩崎書店をスタート。2024年に創立90周年を迎えた。
Social Work / Art Conference(SW/AC)

京都市で芸術家の制作・発表・居住支援を行う一般社団法人HAPSが、2020年に新たに開設した相談事業。福祉をはじめとする多様な分野と文化芸術をつなぐため、専門家の知見を活かしながら、社会課題を探求し制作するアーティストや、よりひらかれた活動を目指す事業者や文化施設などからの相談に対応している。
報道発表資料
発表日
令和7年1月17日
担当課
共生社会推進室人権文化推進担当 電話:075-222-3096
報道発表資料
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お問い合わせ先
京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当
電話:075-222-3096
ファックス:075-366-0139