第21回市民対話会議(京都ならではの学びがあふれるまち)
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2025年1月15日
第21回市民対話会議(京都ならではの学びがあふれるまち)を開催しました
1 概 要
京都市立学校・幼稚園のPTA会長・副会長にお集まりいただき、「京都ならではの学びがあふれるまち」をテーマに、地域人材や地域に根差した教育資源の活用など、地域ぐるみで取り組む京都ならではの学びや教育活動について、松井孝治京都市長と意見交換を行いました。
日時:令和6年12月5日(木曜日)午前9時~
場所:京都市役所本庁舎4階 正庁の間
参加者:10名
(参加団体)
京都市立幼稚園PTA連絡協議会、京都市小学校PTA連絡協議会、
京都市立中学校PTA連絡協議会、京都市立高等学校PTA連絡協議会、
京都市立総合支援学校PTA連絡協議会


2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(PTA活動)
・京都市PTA連絡協議会では、はぐくみ文化の継承をはじめとした「京都市型PTA」を実践し、保護者一人ひとりがPTA活動に主体的に参加しやすい環境を整え、持続可能なPTA活動を推進している。
・活動内容をコロナ前に戻すのではなく、新しい時代に応じたものにPTAを発展させていくことが大事。
・ボランティアの参加を募れば、多くの保護者に集まってもらえる。行事に参加したくない保護者ばかりではないため、仕組みを工夫すれば、参加してくれる保護者も増えると思う。
・母校の中学校でPTA会長をしており、校長先生は当時の担任。校長先生から「PTA活動をやるからには楽しんでやろう。教職員も一緒になって楽しみたい。」という思いをお聞きし、前向きな気持ちになれた。本部役員や先生方との信頼関係があり、これまで楽しく続けられている。
・PTA役員のなり手不足が一番の課題。私の学校では、生徒数が少ないこともあり、新入生の説明会で、PTA有志から新入生の保護者一人ひとりに丁寧に活動内容やPTA活動のメリットを説明している。思っているより負担が少ないことを理解してもらうことが入会につながり、役員選出もスムーズにできている。
・高校のPTAでは、子どもたちに携わるというよりは見守る側となり、活動内容も最小限に留めているため、PTA活動が続けられていると感じる。
(PTAと地域のつながり)
・私の学区では3つの小学校が集まり、中学校でふれあい祭りを実施している。PTAと自治連や女性会など地域の方々が協力しながら準備しているが、各々の負担や予算の関係で、内容が徐々に縮小している。総合支援学校に通学している子どもたちでも参加できるため、普段の学校生活では会えない地元の同級生と会うきっかけになっている。地域の方々とPTA、子どもたちを巻き込んで行うイベントなので、この先も存続してほしいと思っている。
・昨年11月に京都に移り住んだ。引っ越す前の小学校ではPTAに入る理由が分からず過ごしていたが、今の小学校では、PTAの地域委員の方が学校を案内してくれたり、地域のことをとても親切に教えてくれたりした。PTAの皆さんがとても楽しんで活動されている印象を持った。京都は地域のつながりが強く、人が温かい。子どもたちも京都に引っ越して良かったと言ってくれている。
(地域での活動)
・コロナ以前は、自治連やPTA主催で色々な地域活動を行い、住民同志がつながって活動していた。現在は、私自身が個人的に子ども食堂の運営に携わっているように、自治連等とは関係なく「点」として活動している方が増えており、つながっていないと感じる。
・自治会やPTAに加入したくない方がいる一方で、地域で何か活動したいと考えている方も増えている。そういった方が地域で活躍できる環境やつながりを作っていく必要があり、ちょうど過渡期だと思っている。私たちは中間の世代で、子どもたちが地域を担うこととなる将来について、心配と期待の両面の思いがある。私たちの世代が力を合わせて、より良い形で世代交代を果たすことができればと考えている。
・私が活動しているおやじの会のメンバーは体振等の各種団体でも活躍しており、地域では、おやじの会を、次の自治連や各種団体の担い手を輩出していく「ネクスト自治連」と呼んでいる。この取組を大事にしながら、地域を盛り上げていきたい。
(地域と学生のつながり)
・私は自治連副会長や市政協力委員のほか、おやじの会でも活動している。自治連に掛け合い、おやじの会主催で夏祭りを始めた。各種団体にブース出店をお願いしたことに加え、地元の大学の学生にも協力を呼び掛けたことで、学生と地域とのつながりが生まれた。
・私の学区では、区民運動会を開催しているものの、高齢化が進み競技に参加することができない地域が増えたため、地元の看護大学の学生に呼び掛け、参加してもらっている。学生には、競技に参加してもらうほか、救護チームや放送を担ってもらっており、地域、学生の両者から大変好評を得ている。
・色々な会議で地域の高齢化がよく話題となるが、いかにして若い人を地域に呼び込むかが大事。大学生を地域に巻き込み、京都に住み続けてもらうよう働きかけ、どんどん若い人が地域に参加してもらえるような環境づくりが大切。地域に大学や企業があれば、コラボして子ども向けのイベントを実施するのも良いのではないか。
(地域と企業等のつながり)
・私は中京区の商店街で商売をしているが、地元自治会や小学校、幼稚園からの要望を受け、よく商店街主導でイベントを実施している。七夕夜市は何万人もの人が集まるイベントとなった。商店街は単にボランティアではなく、仕事の一環としてイベントを実施している面もあり、地域と商店街の双方にとってメリットがある。
・地元の企業と地域がうまく連携すれば、地域の盛り上げに繋がるのではないかと考えている。
▶市長の主な発言内容
・多くの方が、京都の大きな力は地域力、そしてそのスタートラインがPTAだとおっしゃられている。PTA活動を入口にして、学校を軸にした地域社会の豊かさを支えていただいている結果として、京都の教育が日本一になっていることにつながっていると思う。
・先日、大学生と話す機会があり、大学生が地域に入る時に、どんな問題や苦労があるのか、またどんな楽しさがあるのかなどを聞いた。これから幅広い人たちにPTAや地域活動に参加してもらうためには、敷居を低くして、できる時にできることをやっていただくような活動を行い、そこで得られる楽しみや学びを共有していくことが大事。
・学校現場や部活の地域移行もそうだが、教員が楽しいと思える環境をいかに作り上げていくかが大切。自治活動も同じで、今までのように専業主婦の方や地域の方が一人でその役割を背負い込むような活動は続かない。負担があったとしても自分で選択できるような負担感の中で活動していくことが必要。ぜひ皆さんが今活動されている中での思いや面白さを共有し合いながら、次の世代につなげていただきたい。
・皆さんのお話を聞いて素晴らしいと思ったことは、学生と年齢が近いPTAの方々は、学生を地域に上手く巻き込んでいるということ。
・また、PTAが結節点となってすべてを背負い込むのではなく、楽しくできる範囲で行うことがすべてのウェルビーイングややりがいに繋がると思う。
・PTAが社会の中で周りを上手く巻き込み、子育てを部分的に地域でシェアできれば、地域が豊かになり、地域活動が楽しくなる。そうなれば、どんどん地域に関わっていこうとなる。そのような好循環を作っていく一番の鍵となるのがPTAの皆さん。まさに「シェアするPTA」である。