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人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.22(令和6年12月号)(HTML版)

ページ番号334770

2024年12月6日

人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.22(令和6年12月号)

AIは人権に影響を与えるか

 

 

 

我ら、企業市民

三洋化成工業株式会社

 

特集企画

ヤングケアラー

 

輝き☆People

小説家

平野啓一郎さん

 

抽選で3名様に

平野啓一郎さんのサイン入り色紙

+

三洋化成工業の『グッズ』

をプレゼント!


輝き☆People  小説家 平野啓一郎さん

AIは人権に影響を与えるか

 様々な質問に答えたり、指示に応じて文章を書いたり、画像を生成したり、外国語を翻訳したり…そんな「AI(人工知能)」が、私たちの生活にとても身近なものとなりました。こうしたAIの浸透は、私たちの人権にどのような影響を与えるのでしょうか? AIをテーマの一つにした長編小説『本心』が話題の小説家・平野啓一郎さんに、AI時代における人権のあり方についてお話を伺いました。

 

平野(ひらの)啓一郎(けいいちろう)

1975年愛知県蒲郡市生まれ。京都大学法学部卒。1999年在学中に『日蝕』で第120回芥川賞を受賞。以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。美術、音楽にも造詣が深く、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当(2009年~2016年)するなど、幅広いジャンルで批評を執筆。著書に、小説『葬送』、『高瀬川』、『決壊』、『ドーン』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』、『ある男』、『本心』等がある。2024年10月に10年ぶりの短編集『富士山』を刊行。

 

 

――平野さんの作品『本心』ではAIが重要な役割を果たしますが、この作品でAIを取り入れたのはなぜでしょうか?

 『本心』の主人公はシングル・マザーに育てられた青年です。彼は母を亡くし、その孤独と喪失感を埋め合わせるためにAIで再現された本物そっくりの母親を手に入れます。この作品は、私自身も属するロスジェネ世代(バブル崩壊後に社会人になった世代)の人間が高齢者となる20年後の世界はどうなっているのだろう、という思いから書きました。主人公の母親がちょうど私と同じ世代。そして主人公はその子ども世代ですが、彼らの未来を描くにあたって、AIは今以上に生活に浸透しているであろうと考えました。そこで故人をAIで再現するという発想に至ったのです。

 残された者が故人を偲ぶとき、古くから肖像画やポートレート写真がありました。現在はSNSなどに残された発言や画像、動画なども故人を偲ぶための一つの手段となるでしょう。すでに葬儀会社が提供するサービスに、故人の表情を動かし、ある程度インタラクティブ(双方向)に受け答えができる遺影があります。この先、こうした技術はますます発展し、私が作品で描いたようなことも可能になるでしょう。それがかけがえのない人を失った者の癒しになるかもしれません。

 

――近年、「AIに人間の仕事が奪われてしまうのでは?」という懸念がよく話題に上がりますが、どう思われますか?

 確かにそういう懸念があるのは事実ですが、同時に「労働人口の減少」も問題となっています。この二つの課題が同時に語られているところに、私は矛盾を感じます。たとえば、仕事のなかで全体の20~30%くらいにあたる「人間がやるよりもAIが得意とする分野」の仕事をAIがするようになれば、理想的ではないでしょうか。現在のところAIは、個人向けサービスよりもむしろ企業のバックヤード(管理・事務部門)や専門領域での情報処理などでその能力を発揮しています。

 今の段階のAIに期待されているのは、膨大にあふれる情報の整理・要約でしょう。近年の情報は、われわれ人間の能力ではとても処理しきれる量ではありません。こうした膨大になりすぎた情報を「圧縮」して、人間が把握できるサイズにするような役割がAIに求められていると思います。

 

――AIの発展がこれから人権にどのような影響を与えると考えられるでしょうか?

 個人がAIを用いて行う人権侵害と、行政や企業などの組織がAIを利用したときに発生し得る人権侵害、それぞれを別に考える必要があるでしょう。

 個人のケースを考えると、すでに一般に公開・開放されて利用されているAIは、人間との双方向の対話が可能です。たとえば、仕事のグチを聞いてもらうこともできます。自分の悩みを話すと本気で心配しているような声色で慰めてくれたりもします。こうしたAIは今のところ、悪意のある回答や道徳的ではない回答をしないよう、慎重にプログラミングされています。だからこうしたAIが利用者や第三者を傷つけたり、貶めたりするリスクは少ないといえます。孤独な人などが、AIに依存してしまう可能性はありますが。

 一方で、AIを用いて動画や音声を合成する※ディープフェイクの画像・動画はすでに問題になっています。わいせつな画像・動画と特定の個人を合成することは、かなり容易にできます。そうして人工的に作られた画像や動画を誰かが明確に「いじめ」の意図を持って流出させるような事件も発生しています。これは立派な人権侵害で、他の人権侵害と同じく個別の対応が求められます。

 

※ディープフェイクの画像・動画…AIの深層学習である「ディープラーニング」と偽物の「フェイク」を組み合わせた造語であり、現実の画像・動画の一部を加工して偽の情報を組み込み、あたかも本物のように見せかけて悪用されることが問題視されている。

 

――また組織でもAIを用いたことで実際に問題が起こっています。たとえば2010年代、オランダで児童手当の支給を受けた人々の個人データ調査を税務当局がAIに行わせたところ、2万人以上の人々が身に覚えのない「不正受給」と判断され、手当ての返還を求められるという事態が発生しました。その際にAIが判断材料としたのは、不正受給とは直接関係のない、両親の学歴や出身地、居住地域などだったといいます。こうした事態を、どう考えられますか?

 AIが「機械的」に国民の属性をカテゴライズしたことで、差別的な結論を導き出すことになったケースだと思います。こうした機械的な個人の属性分類は、インターネットの閲覧履歴から個人の趣味・嗜好を判断してより的確なターゲットに情報を届ける広告の手法でも活用されています。

 今では誰もがスマートフォンを持ち、あらゆる場所で撮影しています。いったいどれほど他人の撮影した写真に自分が写り込んでしまっているかわかりません。これらの写真はクラウド上に保存されますが、企業や行政がこうしたデータを活用してAIに処理させ、マーケティングや調査、あるいは犯罪捜査に活用するようなこともあり得ます。そうなると個人のプライバシーは侵害されかねません。

 

――その他、現在兆候が見られる人権上の懸念にはどんなものがあるでしょうか?

 企業がクレーム対応にAIを利用することも実用化されようとしています。確かにクレームに対応する担当者が疲弊することを防げるので、そこは利点かもしれません。しかし、企業が「クレーム」としてAIに対応させる顧客の言葉のなかには、耳を傾けるべき真摯な思いがあるかもしれない。誰もがうまく自分の思いを言葉にできるわけではありません。他者とのコミュニケーションに問題を抱えた人のイレギュラーな対応は、パターン認識が得意なAIが不得意とするところです。

 こうした「AIによる対応」を、たとえば行政が活用し、社会保障の手続における重要な判断を行うようになったらどうでしょう? 現在もすでに見られるAIの「間違った判断による門前払い」のような問題が発生することは、充分考え得ることです。人間同士の対話では、相手の話を聴くことでその真意を読み取り、理解することで誤解や偏見が解消されることがあります。そうした訂正を期待できるほど、AIは人間に近づいているわけではありません。

 さらに、企業が人員整理を行う場合、リストラする人と会社に残す人の選別をAIに任せるようなことも考えられます。今は労働者の立場が非常に弱い時代。そうした判断をAIが機械的に行うことで、働く人の人権が侵害されることも起こり得るでしょう。

 こうした時代において人権が侵害されないようにするために必要なことは、AI時代に適応した法整備がなされることだと思います。AIの活用に起因する政府や企業の誤った判断を対象に、法の規制をしっかり行っていく必要があります。

 また、AIが人権侵害しないように倫理観を持てるか否か、という議論は私にはナンセンスなものに思われます。もし紛争や政治の判断をAIが行うようになったとしても、その判断を「採用するか否か」は、人間の倫理観にかかっているからです。人間はその判断の責任を負うべきであって、判断の責任をAIに負わせるのはまさに本末転倒です。人間が正しい倫理観を持って判断することが大切なのですが、今の世界情勢を見てみるとどうでしょう。各地で紛争が絶えず、実に悲惨で非情なことが行われています。こうした倫理に反した判断は、人間が判断して行っていることです。だから、人間が今後も正しい倫理観を持ち、それを発展させていくことこそが最も重要です。AIはあくまで便利な道具として、人間が活用していくものでしょう。

 

――平野さんは学生時代を京都で過ごされましたが、京都市民に向けてメッセージをお願いします。

 私は京都大学在学中から卒業後もしばらくの間、京都で暮らしていました。今は東京に住んでいますが、見上げると空の広さが京都とはまったく違います。京都には高層ビルがなく、東西南北をゆったりと見渡せます。今でも年に数回、講演などで京都を訪れるのですが、そのたびに京都の広い空に魅せられますね。

 京都は一般的に思われている伝統的なイメージばかりでなく、意外に新しいものもあり、とても多面的なまち。私の学生時代は大学も自由でおおらかな雰囲気があり、このまちでゆったりと時間を過ごすことができたのは幸せでした。

 このような京都の空間や風土のなかでAIの使い道が考えられると、面白いものが生まれるのではないでしょうか。自由や多面性のなかでこそ、新しいものが生まれます。これからも京都はこうした魅力を失わないでほしいと願っています。

 

 

 

プレゼント サイン入り色紙・三洋化成工業の『グッズ』を差し上げます!

平野啓一郎さんのサイン入り色紙と三洋化成工業の『グッズ』(詳しくは「我ら、企業市民」を御参照ください。)をセットで3名様にプレゼントします。

 

応募方法

以下のいずれかの方法で御応募ください。

1ハガキに郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号を記入のうえ、以下の宛先に郵送

2京都市共生社会推進室公式SNS「Live Together」(@kyosei_kyoto)をフォローし、ハッシュタグ「#きょうCOLOR」を付けて投稿

※2でお申込みいただき当選された場合は、ダイレクトメッセージにより、必要事項を確認します。

※いずれも必ず本誌への御意見・御感想をお書きください。

 

どしどし御応募ください!

 

締切 令和7年2月28日(金曜日)(当日消印有効)

宛先 〒604-8571(住所不要)

京都市共生社会推進室

「きょう☆COLOR」Vol.22プレゼント係

 

★抽選結果の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

京都市共生社会推進室公式SNS「Live Together」

(@kyosei_kyoto)

是非フォローしてください!


人権擁護委員はこんな活動をしています

 人権擁護委員は、法務大臣から委嘱された民間のボランティアの方々で、現在、約14,000名の人権擁護委員が全国の各市町村に配置されています。人権擁護委員は、法務局と連携して、地域の皆さんやこどもたちから人権相談を受け、関係機関と連携して問題解決のお手伝いをしたり、人権侵害の被害者を救済したり、人権について関心を持ってもらえるような人権啓発活動を行っています。

 

相談

地域の皆さんからの人権に関する相談に応じています。

●面談

 ・常設相談所(法務局・地方法務局又はその支局)

 ・特設相談所(市町村役場、商業施設、社会福祉施設等で随時開設)

●電話 ●インターネット人権相談 ●SNS人権相談

 

救済

「人権を侵害された」という被害者からの申告などを受け、法務局職員と協力して、調査に当たります。人権相談から救済手続を開始する場合もあります。

 

啓発

お互いの人権を尊重し合うことの大切さを伝えるために、様々な活動を行っています。

●人権の花運動

 こどもたちが協力して花を育てることを通じて、命の大切さや相手への思いやりの心を育むことを目的に活動をしています。

●人権教室

 いじめなどについて考える機会を通じて、相手への思いやりの大切さを伝えています。

 

他にも…

 〇全国中学生人権作文コンテスト

 〇地元企業や施設での講演

 〇街頭啓発・啓発イベント   など

 

 

こどもの人権SOSミニレター

 学校の先生や親には相談できない悩みを抱えるこどもたちが気軽に相談できるよう、全国の小中学生に、「こどもの人権SOSミニレター」を配布しています。人権擁護委員は、こどもたちから届いた手紙一つひとつに返事を書き、その悩みを解決に導く取組を行っています。

 

 

一人で悩まず、まずは御相談ください。

みんなの人権110番

(ナビダイヤル)0570-003-110(ゼロ ゼロ みんなの ひゃくとおばん)

 

こどもの人権110番

(フリーダイヤル)0120-007-110(ぜろ ぜろ ななの ひゃくとおばん)

 

インターネット人権相談受付窓口

インターネット人権相談 検索

 

この電話はおかけになった場所の最寄りの法務局・地方法務局につながります。

●受付時間 平日8時30分から17時15分まで(全国共通)

●一部のIP電話等からは御利用できない場合があります。

京都地方法務局

 


我ら、企業市民

三洋化成工業株式会社

 

DEI推進の取組紹介

https://www.sanyo-chemical.co.jp/sustainability/social/employee/diversity/

 

 

一人ひとりがLGBTQ(※1)について理解し、自分たちの問題として考えられるように。

 

 三洋化成工業株式会社は京都市東山区に所在する大手化学メーカー。界面活性剤をはじめ、暮らしを支える製品を研究・開発・生産しています。同社は、従業員の誇りや働きがいを醸成することが大切であるという理念のもと、多様性を尊重した様々な取組を行っています。なかでもLGBTQ理解促進に向けた取組は、先駆的な活動。その内容について、人事本部人事部DEI推進担当の吉住恵美さんと横川聡子さんにお話を伺いました。

※1 LGBTQ…レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・クエスチョニング(又はクィア)の頭文字をとった言葉。性的少数者を広く表現する言葉の一つ。

 

 

社長トップダウンで始まったLGBTQ理解促進の取組

 

 女性や障害のある人、高齢者、外国籍の人など、全ての人権や価値観を尊重し、認め合いながら活躍できる職場環境の実現に向けた取組「DEI(Diversity, Equity & Inclusion)」。この推進に三洋化成工業株式会社が着手したのは、2014年のことでした。

 「初めに取り組んだのが女性の活躍推進です。女性社員へのアンケートなどをきっかけに1時間単位で取得可能な有給休暇やベビーシッター費用補助などの制度を導入。また、全社員を対象とした働き方改革により、フレックス勤務や在宅勤務などの制度を導入していましたが、女性がさらに活躍しやすくなるよう、制度の利用条件を緩和または撤廃しました」と語るのはDEI推進担当責任者の吉住恵美さん。女性活躍推進やハラスメント相談対応を手掛けていた吉住さんに、安藤社長(現相談役)がLGBTQ理解促進に取り組むことを指示したのは、2018年秋のこと。

 「安藤がたまたま参加した講演会で『7〜10人に1人はLGBTQである』と聴いたことがきっかけでした。「約2000人いる社員のうち、これまで200人の存在に気づいていなかった」ことにショックを受けたという安藤から、早急にLGBTQ理解促進に取り組もうと指示を受けました」(吉住さん)

 LGBTQ理解促進への取組は、全て当時の社長のトップダウンで進められました。吉住さんもLGBTQに関しては以前から関心を抱いていましたが、自社がこの課題に取り組むのはまだまだ先のことと考えていました。前例がないなか、どう進めていいかもわからず、とにかく「動きながら何をすべきか考える状態だった」といいます。

 「同性パートナーも配偶者と認めることで社内制度を適用可能にしたり、ユニフォームを男女統一したり、就職エントリーシートから性別記入欄を廃したりといった改革に加え、性別を問わず利用できる『誰でもトイレ』を社内に設置。また、ハラスメント防止規定・従業員行動指針に、SOGI(※2)に関連した差別的言動やいやがらせなど不快感を与える性的な言動を禁止する項目を盛り込みました。さらに、LGBTQに関する相談も受け付けることにしました」と、吉住さんとともにDEI推進担当を務める横川聡子さんはこれまでの経緯を振り返ります。

 

※2 SOGI…「性的指向(Sexual Orientation)と、「性自認(Gender Identity)」の英語の頭文字をとった言葉。誰もが持っている性の要素を指す。

 

 

LGBTQ当事者YouTuberを非常勤嘱託社員として登用

 

 役員や社員に向けてLGBTQ理解促進のための研修会も開催していきました。研修を受講した人には、オリジナルのレインボーカラーステッカーや社員証ストラップなどのグッズを配付。そうすることで社内にアライ(※3)を増やしていくことが目的でした。

 「こうした取組のなか、安藤が2019年、九州のレインボーパレードで『かずえちゃん』と出会ったんです」(吉住さん)

 かずえちゃんはゲイをカミングアウトしたうえでLGBTQに関わる情報を発信している人気YouTuber。彼を安藤社長は、LGBTQ理解促進を担う社員として社にスカウトしたのです。

 以来、LGBTQに関する社内研修やイベントをかずえちゃんと共に企画、実施しています。昨年度は、 社員がかずえちゃんと対面やオンラインで話せる『かず部屋』も開催しました。

 実際にLGBTQ当事者と語り合うことで「身近にいる」「特別な人ではない」と実感することができます。質疑応答では「友人にカミングアウトされたときどうすれば?」「子どもにLGBTQをどう説明すればいいか?」といった社員からのリアルな疑問が投げかけられるといいます。

 

※3 アライ(Ally)…LGBTQの人たちのことを理解し、支援しようとする人のこと。

 

 

密かに、そして確実に存在するLGBTQ当事者に連帯の思いを

 

 LGBTQ理解促進を進めるうえで、少し気がかりなこともあると吉住さんと横川さんは語ります。実際、こうした取組を社内にいるかもしれないLGBTQ当事者がどのように受けとめているのか?カミングアウトをしていない当事者には確認することができないため、自分たちの取組の方向性が本当に正しいのか今でもずっと不安に思っているそうです。

 「LGBTQ理解促進の活動成果は、『当社では何人がカミングアウトした』というように数値化できませんし、カミングアウトをしてもらうことが目的でもありません。当社を含むこの社会全体にLGBTQの人々が『存在する』ということを、一人でも多くの人に知ってもらうことこそが、一連の取組の原点であり、活動の意図が、LGBTQ当事者に届き、それが当事者を勇気づけることに意義があると考え、取組を続けています」(横川さん)

 「あなたの周りにも必ずLGBTQの人はいます。まず正しく理解することから、誰もが安心して働き、暮らしていける社会がつくられるのです」(吉住さん)

他社や学校からもLGBTQ理解促進に向けた取組について助言を求められるようになったという三洋化成工業。性的少数者に限らず、誰もが、それぞれの「性的指向」や「性自認」を持っています。同社の活動は、全ての人が自分らしく働ける社会をつくるために何が必要か、その道筋を示してくれます。

 

 

 

当事者の声

YouTuberかずえちゃん

(人事本部 人事部 DEI推進担当)

 

当事者の問題ではなく社会全体の問題

 

 最初、安藤社長(現相談役)から「社員にならないか」と誘われたときは正直、驚きました。初めて三洋化成工業に招かれたとき、すでに『誰でもトイレ』が設置されていたことや、企業がLGBTQについて「理解しよう」としていることに大きく感銘を受けました。

 約10年前、かつて会社勤めをしていた頃はカミングアウトしていませんでした。三洋化成工業を通じて、企業の変化を感じました。

 私も含め、人事部が目指しているのは理解の促進です。LGBTQの問題は、決して当事者たちだけの問題ではなく、むしろ当事者を取り巻く社会全体の問題です。まずは「知る」こと。様々な取組を通して、そのきっかけを作っていきたいと思っています。

 

https://www.youtube.com/watch?v=yRCcLtbRK2I

▲安藤社長(現相談役)インタビュー(かずえちゃんYouTube)

 

 

 

プレゼント

本誌への御意見・御感想を送ってくださった方に三洋化成工業のグッズ※をプレゼント!

※オリジナルレインボーストラップとボールペン、付箋、SDGs石鹸の4点セット

応募方法については輝き☆Peopleのプレゼントコーナーを御参照ください

※応募者多数の場合は抽選となります

ヤングケアラー

ヤングケアラーとは?

本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこども・若者のこと

 

 

障がいや病気のある家族に代わリ、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている。

 

家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている。

 

障がいや病気のあるきょうだいの世話や見守りをしている。

 

目の離せない家族の見守りや声かけなどの気づかいをしている。

 

日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている。

 

家計を支えるために労働をして、病気のある家族を助けている。

 

アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している。

 

がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている。

 

障がいや病気のある家族の身の回りの世話をしている。

 

障がいや病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている。

 

CHECK

令和6年6月、“ヤングケアラーは国・地方公共団体等が各種支援に努めるべき対象”として、「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と子ども・若者育成支援推進法に明記されました。

 

 

相談できる場所が増えています

学校(先生やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー)や、都道府県の窓口、市区町村のこども家庭センター、地域のヤングケアラー支援団体などに相談できます。

 

SNS相談

電話相談

学校で相談

オンラインコミュニティ

 

※お住まいの地域によって窓口などの開設状況は異なります。

 

 

困ったときに話を聞いてくれる大人は必ずいます。

いろいろな相談場所があるので、勇気を持って話してほしいな。

 

CHECK

こどもたちがこどもたちらしい時間を過ごせるよう、社会全体で守っていきます!

 

こども家庭庁HP 「ヤングケアラーのこと」で検索

https://kodomoshien.cfa.go.jp/young-carer/about/

 

 

京都市のヤングケアラー支援に関する取組

 

京都市ヤングケアラー世帯訪問支援モデル事業

制度の狭間にあるヤングケアラー本人の負担軽減や家事・育児の支援を通じた対象世帯の課題やニーズの把握を目的に、訪問支援員を家庭に派遣して生活支援及び子育て支援を行う「京都市ヤングケアラー世帯訪問支援モデル事業」を実施しています。

 

オリジナルポスターの掲出

ヤングケアラーの社会的認知度の一層の向上を図るとともに、周囲の方が、ヤングケアラーの存在や支援の必要性に気付いていただけるよう公共交通機関の駅や車内、市政広報板に京都市オリジナルポスターを掲出しました。

 

 

ヤングケアラーに関する相談窓口

 

保健福祉センター 各相談窓口

各区役所・支所の連絡先はこちらから

京都市 保健福祉センター

https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000134951.html

 

京都府ヤングケアラー総合支援センター

ヤングケアラーに関する専用相談窓口

電話 075-662-2840

月曜日~土曜日 10:00~18:00(日曜日、祝日及び年末年始を除く)

 

児童相談所相談専用ダイヤル(無料)

子どもの福祉に関する様々な相談窓口

電話 0120-189-783(いちはやく おなやみを)

24時間対応、年中無休

 

こども相談24時間ホットライン

子どもや子育てに関する悩みの相談窓口

電話 #7333 ダイヤル回線、IP電話の場合 075-351-7834

24時間対応、年中無休

 

<問合せ>京都市子ども若者はぐくみ局子ども若者未来部子ども家庭支援課 

電話:075-746-7625

 

京都市のその他の取組についてはこちらをチェック→https://www.city.kyoto.lg.jp/hagukumi/page/0000302797.html

 

CHECK

議員提案により、本年11月に「京都市ケアラーに対する支援の推進に関する条例」が可決・施行されました。本市では、この条例の理念に則り、ケアラーの方々を社会全体で支える仕組みづくりに取り組んでまいります!


インターネットの使い方を考えてみませんか? -被害者にも加害者にもならないために-

 私たちの生活を豊かにしてくれるインターネットも、使い方を間違えると、犯罪等に巻き込まれるきっかけとなったり、人を傷つける「凶器」になったりします。気づかないうちに、自分の人権が侵害されたり、他人の人権を侵害したりするかもしれないことを忘れてはいけません。

 

たとえば

大規模な災害が発生した際に、「被災地で外国人による犯罪が横行している」など、様々なデマ情報が流れるという事案

 

たとえば

著名人の悪口をインターネット上で見つけ、拡散したところ、名誉を傷つけられたとして、最初に投稿した人だけでなく、拡散した人も訴えられ、損害賠償を請求されるという事案

 

ネット被害から自分を守るために

 正しい知識を身につけ、自分で自分の身を守りましょう。インターネット上で発信をしたり、他人の投稿を拡散する前に、それが誰かを傷つけたり、自分の身を危険にさらしたりする可能性がないかを注意深く考えましょう。

 

● SNSの使い方など、インターネット上でのやり取りについて、日ごろから家族や友人と話し合っておきましょう。

● 悪口や差別的な内容の投稿には、コメントや拡散をしないようにしましょう。

● インターネット上に投稿した画像や動画、コメントなどが拡散され、半永久的にインターネット上に残されることがあります。これはデジタルタトゥーと呼ばれ、未来の自分を苦しめることにつながります。本当に投稿すべきものか立ち止まって考えましょう。

 

 

ネットで誰かを傷つけないために

 インターネット上の書き込み、情報発信には責任が伴います。インターネット上でも実生活でも、互いを思いやることが必要です。誰もが楽しくインターネットを利用できるよう、私たち一人ひとりが心がけて行動しましょう。

 

● 自分は軽い気持ちであっても、相手を深く傷つける可能性があることを理解し、相手の立場に立ち、考えてから発信するようにしましょう。

● 誰かに対する意見や感想を投稿するときは、誹謗中傷につながる内容になっていないかどうかを十分に考えましょう。

 

インターネット上の誹謗中傷に関する相談窓口については、「人権擁護委員はこんな活動をしています」の相談窓口を御参照ください。


北朝鮮当局による拉致問題について

 拉致問題は、我が国の喫緊の国民的課題であり、この解決をはじめとする北朝鮮当局による人権侵害問題への対処が、国際社会を挙げて取り組むべき課題とされる中、この問題についての関心と認識を深めましょう。

 

「取り戻す」ためのシンボル―ブルーリボン

 拉致被害者の救出を求める国民運動は、ブルーリボンと青色を運動のシンボルにしています。

 青色は、被害者の祖国日本と北朝鮮を隔てる「日本海の青」を、また、被害者と御家族を唯一結んでいる「青い空」をイメージしています。


知っていますか? “障害”のあれこれ 12月3日〜9日は障害者週間です

補助犬を正しく知ってください!

補助犬とは…

 目や耳、手足に障害のある方をサポートするため、「身体障害者補助犬法」に基づき訓練・認定された盲導犬・聴導犬・介助犬のこと。不特定多数の人が利用する施設等では、補助犬同伴の受け入れ義務があります。

 

交通機関やお店では動線を確保して、足元や椅子の側などで待機するよ

 

補助犬の衛生や行動はユーザーがしっかり管理してくれているよ

 

お仕事に集中しているので、食べ物を与えたり触ったりしないでね

 

 

ヘルプマークに気づいてください!

ヘルプマークとは…

 援助や配慮を必要とすることが外見からは分かりにくい方(難病や内部障害のある人、義足や人工関節を使用している人、妊娠初期の人など)が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせるマーク。

 必要な配慮や援助は人それぞれです。また、一見健康に見えても、疲れやすかったり発作が起きたりする方もいます。ヘルプマークを身につけた方を見かけたら、思いやりのあるお声かけをお願いします。

 

「改正障害者差別解消法」が施行されています!

障害者差別解消法とは…

 障害のある人もない人も互いに尊重し、共に生きる社会の実現を目指し、行政機関や事業者(※)などに対して、障害のある人への「不当な差別的取扱いの禁止」「合理的配慮の提供」を定めています。

(※)「事業者」には企業や店舗だけでなく、個人事業主やボランティア団体等も含み、営利・非営利や個人・法人は問いません。

 

不当な差別的取扱いの禁止

 障害のある人に対して正当な理由なく、障害があることを理由にサービス等の提供を拒否・制限・条件づけすることは禁止されています。

(禁止の例)

 ・車いすの使用を理由に入店を断る

 ・障害を理由に介助者の同伴を求める

 

令和6年4月から事業者も義務化!

合理的配慮の提供

障害のある人から配慮や対応を求められたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること。

(例)・店内撮影禁止だが、弱視のためタブレットで商品を撮影・拡大して確認したい。

    ➡商品確認のための撮影は認める。

  ・文字を書くことが難しいので代筆してほしい。

    ➡代筆で問題なければ本人の意思を確認しながら代筆する。

 

 

 京都市では、令和6年4月から、障害を理由とする差別に関する相談窓口として、専門相談員を設置しています。

 不当な差別的取扱いや合理的配慮等について、障害のある方、事業者の方からの御相談を受け付けていますので、お困りごとがありましたら御連絡ください。

 

電話番号 075-222-4565 (相談専用ダイヤル・平日8時45分~17時30分)

FAX番号 075-251-2940 (障害保健福祉推進室兼用)

メールアドレス [email protected] (障害保健福祉推進室兼用)

お知らせ

(京都市)共生社会推進室

SNSやっています!

京都市の人権関連イベントや企業向け人権啓発講座等の開催案内のほか、人権に関する様々な情報を発信しています。

 

Facebook 「きょうCOLOR」

https://www.facebook.com/jinkenbunka/?locale=ja_JP

X 「Live Together」@kyosei_kyoto

 https://x.com/kyosei_kyoto

 

12月は人権月間です。

一人ひとりの人権意識を高め、人権文化が根付く社会を築きましょう!


「ヘイトスピーチは許さない」をみんなの合言葉に。~互いの人権、多様な文化を尊重できる社会を目指して~

 特定の民族や国籍の人々を排斥する不当な差別的言動は、人の尊厳を傷つけ、差別意識を生じさせることになりかねず、許されるものではありません。近年ではインターネット上での差別的な書き込みも問題となっています。被害を受けられたら、行政の窓口へ御相談を。

 

〈法務省が運営する窓口〉

●みんなの人権110番       0570-003-110

●外国語人権相談ダイヤル              0570-090-911(多言語対応)

●インターネット相談       インターネット人権相談 検索

※本市でも区役所・支所などで人権擁護委員による特設相談を行っています。日時など詳細は、京都市文化市民局共生社会推進室へお問い合わせください。

電話:075-222-3096 FAX:075-366-0139

https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000234985.html

令和6年度柳原銀行記念資料館企画展・シンポジウム 「ヤングケアラー問題を通して子どもの人権を考える」を開催します!

参加無料

 

<企画展>

期間 令和6年12月18日(水曜日)~令和7年1月23日(木曜日)

休館日:月曜日、火曜日、祝日

会場 柳原銀行記念資料館

 

<講演・シンポジウム>定員:80名(先着順)

日時 令和7年1月18日(土曜日) 午後2時~午後4時20分

会場 世界人権問題研究センター

多目的スペース(京都市立芸術大学A棟7階)

 

1基調講演

「人権問題としてのヤングケアラー」

講師:斎藤 真緒 氏(立命館大学産業社会学部教授)

 

2シンポジウム

コーディネーター:斎藤 真緒 氏(立命館大学産業社会学部教授)

パネラー:寺田 純子 氏(京都市ユースサービス協会ユースワーカー)

五味 孝昭 氏(京都市子ども若者はぐくみ局子ども家庭支援課長)

編集後記

 最近では対話型AIやスマート家電などが話題になり、AIが私たちの生活に違和感なく溶け込んでいるように感じます。学校の授業でもプログラミングが取り入れられ、大学入試では「情報」が必須科目となり、現代の子どもたちは当たり前に情報社会を生きています。AIというと、どうしても感情の持たないロボットのような、冷たいイメージがあったのですが、平野さんのお話を聞いて、AIをプログラミングしているのは人間であり、人間が正しい倫理観を持たないといけない、ということに改めて気づかされました。AIに限らず我々人間も高い人権意識を持ち、バージョンアップしていかなければならないのだと思います。

<法務省委託事業>

人権総合情報誌 きょう☆COLOR vol.22 (発行 令和6年12月)

発行:京都市 文化市民局 共生社会推進室

☎075-222-3096 FAX075-366-0139

〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地 分庁舎地下1階

URL https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/soshiki/6-1-3-0-0.html

この冊子はホームページでも御覧いただけます。また、区役所・支所、

市役所案内所ほかで配布しています。

 

 

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この印刷物が不要になれば「雑がみ」として古紙回収等へ!

 

 

京都市印刷物第063122号


お問い合わせ先

京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

電話:075-222-3096

ファックス:075-366-0139

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