第16回市民対話会議(西京区洛西)
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2024年10月31日
第16回市民対話会議(西京区洛西)を開催しました
1 概 要
西京区洛西において、地域を支える地縁団体とNPO法人、事業者、学生等の志縁団体の皆様に出席いただき、地域課題の解決や地域活性化等に向けて取り組まれている特徴的・意欲的な活動を共有し、松井孝治京都市長と意見交換を行いました。
日時:令和6年8月23日(金曜日)午後6時40分~
場所:洛西支所2階大会議室
参加者:26名
(参加団体等/五十音順)
大枝学区自治連合会、大原野自治連合会、桂坂学区自治連合会、
特定非営利活動法人京都子育てネットワークつどいの広場ま~ぶりんぐ、京都市住宅供給公社、
京都西山・大原野保勝会、京都府立洛西高等学校(洛再Links同好会)、共同募金会西京区支会、
一般社団法人暮らしランプ、境谷学区自治連合会、新林学区自治連合会、
竹の里地域市政協力委員連絡協議会、株式会社DELICEキョウト、東洋音響株式会社、
独立行政法人都市再生機構、なんやかんや「大原野」推進協議会、西京区自治連合会、
西京区民生児童委員会、西京区老人クラブ連合会、福西自治連合会、マミーズアップ、
万葉倶楽部株式会社京都竹の郷温泉万葉の湯ホテル京都エミナース、らくさいっこ、
特定非営利活動法人洛西福祉ネットワーク、特定非営利活動法人らくさいライフスタイル、
ラクセーヌ商店会


2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(地域活動、大学生・高校生の連携)
・様々な自治会活動に取り組んでおり、郊外だからこその「緑豊か」、「ゆとりのある建物」を活かし、地元の学校等とともに、子育てのまち「洛西 桂坂」を推進することが我々の使命だと考えている。
・ニデック株式会社代表取締役会長兼CEOの永守重信様から京都市に寄付された「永守重信大枝文化会館」を活用して大枝マルシェを開催する等、これまで以上に地域の絆を広げるための場所として利用している。
・自治連やJA、地域住民を中心に構成する「なんやかんや「大原野」推進協議会」は、大原野「地域ブランド戦略」に基づき、農業と観光に焦点を当て、地域の活性化を目指した活動を行っている。
・京都西山・大原野保勝会は、寺社や飲食店、企業、NPO等で構成しており、西山エリアを魅力的なエリアにするため、会員が「自分たちにできることを協力してやっていく」をモットーに、行政の区域を越え、乙訓という文化圏で活動している。
・洛西地域の課題解決ではなく、「ありのままで生きられる社会を作りたい」をコンセプトに活動しており、「一人暮らしで寂しい」、「家族が近くにいないので、『助けて』と言えない」などの困りごとを解決することが、私たちにできることだと感じている。
・らくさいっこの活動をトマトで例えると、私たちは土。いい土であればいいトマトが育つ。熱い思いを持つ人が活動することで、トマト=楽しいものや温かい雰囲気が生まれる。金融機関や行政、事業者は、トマトの成長に欠かせない太陽や水、受粉をする昆虫であり、一緒により広く豊かで楽しい活動にしていきたい。
・洛再Linksという活動は、地元地域が教科書であり、地域の再発見を通して自分と世界を再発見する体験型探究プログラム。生徒にどんどん体験をさせ、体験を通して「もの」「ひと」「社会」とのつながりを増やしていけたらと思っている。高校生にまちづくりはできないけれど、まちのお世話になることはできる。それが高校生のまちづくりかなと思うようになった。
・洛西地域には、独特で面白い活動や地域をよくする活動をしている人たちが数多くいるが、同時に色んな問題も抱えている地域。未来の若者を育てる活動をどう残していくか、どう新しい活動をしていくかが必要で、それを担うのが洛再Linksである。
(福祉、医療)
・私たちの活動は行政ができないことを自分たちでやっている、いわば「インディーズ行政」だと思っている。障害のある方と地域にワンアクションを起こすことで、地域の方々も活動に参加しやすくなってほしい。
・民生児童委員の担い手がなかなか見つからないことが、京都市全体の問題となっている。「民生児童委員をやってやろう!」という方はぜひお願いしたい。
・老人クラブは、10年前から会員が半減し、高齢化により役員のなり手がいなくなっている。私は年齢は一番下だが、人生の先輩をお世話することで、自分が健康になる、これが人生100年時代だと、体をもって感じている。
・都市再生機構では、若者世代や高齢者向けの住戸を提供しているほか、URの団地を地域の資源として活用し、コミュニティが希薄にならないよう、高齢者の健康講座や子ども向けの竹細工教室、洛西支所と連携して「せせらぎシアター」を開催するなど、地域医療福祉の拠点化を推進している。
(まちづくり)
・西山エリアでは、二次交通の不足による観光スポット間の移動のしにくさ、知名度の低さ、放置竹林等の課題を抱えており、そうした課題の解決に向け、自転車で寺社や飲食店を巡るデジタルスタンプラリーや、知名度アップのためのフォトコンテスト、放置竹林対策として「竹林キャンプ」を実施している。
・体験型複合施設「竹林パーク」という観光地を創り、オーバーツーリズムの課題解決を図る「京都竹林未来計画」に取り組んでいる。イベント、キャンプ、体験学習、人と人との巡り合い、雇用の創出、利益の循環、経済効果など、すべてを可能にする「竹林パーク」が、洛西から京都の未来を創り出す一歩だと信じている。
・ホテル京都エミナースには、地元の方や市外の方、外国の方等多くの方々がいらっしゃる。その方々に、西山観光の宣伝、情報発信をがんばっていきたい。
・42年間洛西地域で商売してきたが、まだまだ伸びる可能性がある地域。洛西地域の中央で商売させてもらっているので、私たちが元気でなくては洛西地域の発展はないと自負してがんばっていきたい。
・芸大跡地の近くをよく通るが、さびれてしまって悲しくなる。芸大跡地についての情報があまりないため、情報をしっかり流してほしい。
・ドローンに使う衛星の位置情報の誤差は5センチ程度まで縮まっており、IT技術を活用すれば自動運転で安全に人を運べる未来も見えてきた。洛西ニュータウンをスマートシティ化し、洛西口駅から自動運転ができれば、ニュータウンが抱える高齢化や交通等の課題解決につながる。更に発展してネオ・ニュータウンになるよう、一緒に取り組んでいきたい。
・人口増に向け、800人を超える洛西SAIKOサポーターが活躍している。前市長が言っていた新交通システムを新しい京都市のビジョンの土台に据えて進めてもらうこと、それを住民と行政が一緒になって進めていくことが大事。
▶市長の主な発言内容
・洛西地域は、高齢化や放置竹林などの課題を抱えているが、豊かで、安全で、農業もあって、素晴らしい地域。企業の方々が若い方を巻き込みながら、地域と一緒にあるものの中で何ができるかという工夫を凝らしている。
・行政は税金が原資のため、平等や中立であることが求められるが、皆さんが行政のインディーズ版だと思って、自分たちにできることは自分たちでする、行政ができないことを自発的に活動する、というのはまさに「新しい公共」。
・京都市長として、京都に賑わいを取り戻したい。京都は大学のまちだが、京都に来るたくさんの若者に、通り過ぎるのではなく地域に引っかかってほしい。らくさいっこのように地域と触れ合い、様々な形で地域と交わってほしい。それにより、将来、市内企業に就職したり、京都で子育てする方が出てくるかもしれない。
・皆さんは今、地域で色んなお世話をされているが、次の世代に同じようなことをそのまま求めるのは難しい。部分的にでも地域に関わってもらうことが重要。また、企業やNPOと地域を交ぜ合わせ、住民だけではない経糸と横糸でコミュニティを作るために、他地域の取組も横展開できれば。
・企業には、CSRに資金をつぎ込むのではなく、ビジネスと地域がウィンウィンで関われるような関係を作ってもらいたい。
・自分のことも大事にしながら、他人の幸せ・笑顔を自分の喜びにできる人をいかに増やせるか、それが自分の仕事であり、地域のリーダーはそうあるべきだと思う。
・地域によって特徴は異なるため、本庁だけで政策を考えて実行するのではなく、区民との接点が多く地域の資源や可能性をよく知る区役所がある程度裁量を持ち、地域の課題解決のハブとなり色んな人や組織が交じり合うことが必要。
・「孤独」が地域の中で広がっていることが大きな問題。人々がつながって、悩みを話し合い、こんなことをやったら面白くなるんじゃないかというわくわく感を地域で共有する。それができれば京都は生き残るし、できなければ衰退する、今はその分岐点。
・だからこそ、対話で色んな知恵を出し合い、市役所・区役所はその知恵を交ぜ合わせていく必要があり、上手く歯車を回していく結節点になれるか、そして、これから区役所がアンテナを立てて皆さんの声を吸収していけるか、というところが重要となる。