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第17回市民対話会議(大学政策)

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2024年11月1日

第17回市民対話会議(大学政策)を開催しました

1 概 要

大学コンソーシアム京都に加盟する大学・短期大学にお集まりいただき、「『大学のまち京都・学生のまち京都』の未来に向けて~VUCA時代における人材育成」をテーマに、イノベーションを創出する人材や地域の創り手となる人材の育成の視点から、各大学における取組や課題、京都市・大学コンソーシアム京都に期待することについて、松井孝治京都市長と意見交換を行いました。

日時:令和6年8月24日(土曜日)午前10時~

場所:キャンパスプラザ京都2階 第1会議室

参加者:19名
(参加団体等/五十音順)
 大谷大学、京都外国語大学・京都外国語短期大学、京都教育大学、
 京都光華女子大学・京都光華女子大学短期大学部、京都産業大学、京都女子大学、
 京都市立芸術大学、京都精華大学、京都先端科学大学、京都大学、京都橘大学、京都文教大学、
 嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学、同志社大学、花園大学、福知山公立大学、佛教大学、
 立命館大学、龍谷大学・龍谷大学短期大学部




2 会議内容

▶出席者の主な発言内容
(大学・学生による地域連携)
・学生が伝統産業やお祭りなどに触れ、本物を知ると同時に、課題を見つけ、解決案を考え、そして地元の人と交流しながら、地域に貢献できたということを実感することが重要。大学コンソーシアム京都(以下、「コンソ」という。)には地域連携のプラットフォームを作ってもらい、そこで学生が交ざり合うということができたらよい。

・京都市の「学まち連携大学促進事業」の採択をきっかけに、地域に関心を持ち、市内に就職する学生が非常に増えている。地域において事業を行うことは重要。

・昨年10月に京都駅東側にキャンパスを移転した。未来に向けた新たな大学像をテラスと定め、開かれた大学として地域の歴史や文化と緩やかに繋がりながら、新たな創造の現場になることを目指している。

・商店街に設置したサテライトキャンパスを拠点として、市営住宅の空き店舗を活用した子ども食堂等の活動を行っているが、社会課題の解決に取り組んだ学生は本当に成長する。社会体験に乏しい学生が相当数存在しており、大学がこうしたプロジェクト型の活動を地域の中で地道に展開していくことが重要。

・何か仕組みさえ作ることができれば、身近な地域文化に触れたことのない学生たちでも、楽しみながら地域と関わることができると思う。

・右京区役所は地域連携に非常に熱心に取り組まれており、大学、企業、商店街等の地元団体とのネットワークが構築されているので、地域の方と学生とが一緒に活動しやすい雰囲気がある。学内でも「京都プロジェクト」という科目を設け、オーバーツーリズム対策のポスターや婚姻届のデザイン、イラストマップやごみを捨てないような活動など、地域のニーズに応える様々な展開を図っている。

・地域に出ていき、地域の方々とともに働ける人材、地域の創り手を育てていきたいと考えており、市に何か協力できることはないか検討している。

(学生の卒業後の市内定着)
・学生に聞くと、やはり京都は歴史や伝統、文化などの都市としての魅力があると言うが、それでも府内企業への就職が少ないのは、学生にとって受け皿となる企業がないように見えているのではないか。企業情報を学生に届けるシステムが必要。

・学生が卒業後になかなか京都で就職しない理由は、京都にはベンチャー由来の世界的な企業が多いが、B toB企業が大半であり、学生から見えにくいためではないか。学生へのアピールを一緒に行っていきたい。

・京都で学んだ学生が、京都に定着しないのは、先進的な企業があってもその中身が学生に見えていないからだと考えている。建設予定の新たな拠点で学生と企業のマッチングを行い、就職活動の在り方にも踏み込んでいきたい。

・若い人材を地域に誘致し、定住定着してもらうという戦略を取らなければ、まちはどんどん沈んでいく。しかし、定住を促すためには働く場が必要となるので、産業振興とセットで考えていかなければならない。

・京都には伝統産業から先端産業までいろいろな企業があるので、学生とマッチングする機能をコンソに担ってほしい。また、卒業して府外で就職しても、転職や再就職時の選択肢として京都があればよいと思う。

・市内大学でもコンテンツ制作系の学部が増えている。京都にアニメ、ゲーム産業が集まってくるのは、コンテンツ制作を学ぶ学生とそれを教える先生がいるためである。一方で、学生が京都に居続けられる環境が整っていないのではないか。コンテンツ産業の強化を意識すべき。

・保育・福祉分野の人材育成・確保が大きな課題であり、今、手を打たないと間に合わないくらいの非常に厳しい状況。京都には人材育成に理解のある中小企業の経営者がたくさんいるので、有償型の長期インターンシップなどを通じてマッチングするような仕組みを作れないか。

・学生の市内定着を考えるにあたり、出口から逆算する形で、どういった取組が学生にとって必要かを検討することが大事。

・スタートアップの育成には、学生や研究者が自由に交流し、多様な知恵と技術や文化を結びつける「場」となる拠点が必要。例えば、アクセスの良い場所にリサーチパークのような施設を整備すれば、日常的に企業とコミュニケーションが取れる。

・スタートアップは資金問題がすべて。市やコンソには助成をお願いしたい。

・京都は外部の人を受け入れない、暮らしにくい、というイメージを持たれるのは、市内への人材定着を図るうえで大きなリスクとなる。京都市が先頭に立って、住みやすいまちであることをアピールすることが大事。

・京都は1200年の都であり、文化と歴史の中で、いろんな価値観、多様性が交じり合ってきたまちである。そういう意味では、誰もが安心していられるまちというイメージを打ち出していけばよいと思う。

・京都で学んだことをものすごく熱く語る卒業生が多く、同窓会を開催してもあっという間に全国から集まる。京都から全国に学生を送り出すことは、京都の応援団が全国に散らばっていくという見方もあるのではないか。

(留学生支援)
・本学では英語による授業が多いので、留学生受入数が伸びており、工学部では500人の学生が43箇国から集まっている。留学生の宿舎整備が喫緊の課題であり、京都市には敷地借用への支援、コンソには入寮者のオペレーションを担っていただくことをお願いしたい。

・留学生が京都を選ぶ理由として、やはり京都の「文化」の魅力が大きく、地域と交わりたいという思いが強い。空き家を活用したシェアハウスなど、留学生に限らず日本人学生とも交流でき、かつ安価で安全に住んでもらう工夫により、京都への定着につなげることができないか。

・京都の企業は東京の企業と比べると熱心に留学生の採用に取り組んでくれていると思うが、行政からの支援があるとありがたい。

・京都で学びたい、京都で働きたいという留学生は多いが、日本国内で留学生が就職するには課題が多い。企業とのマッチングなど、コンソや京都市の力を借りたい。

・留学生の日本語教育が喫緊の課題となっているが、現場ではボランティアに依存している。社会のためになることを経験し、将来につなげたいと思っている学生は多いが、1つの大学だけで支えるのは難しい。

・留学生を増やすにあたり、言葉の問題があり、今は日本語教員の争奪戦となっている。1大学だけで解決することは難しいため、京都市やコンソが各大学と協力して日本語教育を行う必要があるのではないか。

・税や保険等に関する行政からの通知・情報をオンラインや郵便で確実に伝わるようにする、区役所窓口の多言語表記やAIの活用等の環境整備を進める、といったことが留学生や海外人材の定着促進につながる。

(人材育成)
・京都は長い歴史の中で、いろんな要素、技術を組み合わせて、新しいものを生み出してきた。京都のまち全体をキャンパスとして学ぶことができるのが京都の強み。その中でイノベーションを起こすことができる目利きを育てていきたい。

・行政・企業と連携して、京都市立芸術大学の南側に、社会課題の解決を目指す学生の育成を目的とした新たな拠点を2027年に建設予定。約100室の学生寮や若手起業家向けのマンションを備え、色んな人が交じり合う壮大なぬか床となる。

・対人関係や自己管理能力等の人格的要素は、企業が新卒採用の際に重視するポイントだが、これは大学教育だけではなく、家庭教育の時期から義務教育である小学校・中学校、高校の時期と合わせて一貫して育てるもの。各学校や保育に携わる人たちの共通理解が非常に大事なので、行政、特に教育委員会との連携が重要となる。

・教員の養成と福祉人材の育成に力を入れている。社会状況を鑑みても必要性はますます高まるはずだが、今の高校生のニーズとは少しずれてきている。教員や福祉という職業に対して、高校生が夢を持てる状況にないため、何とか改善したいが、大学だけでは難しく、京都市と一緒に社会全体の問題として考えていく必要がある。

・早期に進路が決定した高校生の学習が課題。例えば、科目等履修生制度を活用した、大学入学前の授業の実施や入学後の単位認定などについて検討している。

・デジタルやグリーン分野に対する高校生の関心が低く、理系の受験生が少ない。小学生から興味・関心を育てることが重要であり、大学としても取り組んでいきたい。

・本学は、今年JSTの次世代科学技術チャレンジプログラムに採択され、今後5年間、小学校高学年と中学校の子どもに対し、早期からの科学技術教育を実施する。この取組を通して、地域に愛着を持つ子どもの育成を進めていきたい。

・本学では、子育てでキャリアを中断した女性や、職場での更なるキャリアアップ、具体的には管理職になりたい女性を支援している。女性リーダーが、地域の担い手でなく創り手となることは十分あり得る。そうしたリーダーを支援するネットワークを作ってもらえると、より実効性・可能性のある取組になるのではないか。

(大学間連携)
・京都は国際文化都市としての認知度が高く、多くの学生や研究者が集まる大学のまちであり、学術と文化とサイエンスを融合する京都独自のエコシステムを構築するための豊富なリソースに恵まれている。また、文化や歴史に加え、アニメ、テクノロジーといった日本独自の魅力が詰まっており、留学生や外国人研究者も多いことから、新しいアイデアやイノベーションを生み出す土壌がある。

・スタートアップへの支援は重要。コンソまたは複数の大学によって共同で支援を行うこともできるのではないか。

・海外では、地域ごとに大学が核となり、地域の産業振興も見据えたプラットフォームを作り、共同のカリキュラムに沿って必要とされる人材育成に取り組んでいる例がある。今後はこのような取組が必要となるのではないか。

・東京では、20年前からずっと大学の統廃合が話題に上がっているが、京都はそういう空気ではない。京都の大学はチームワークが良く、「大学のまち」という京都のイメージ、ブランドを考えても、京都の大学間は「共生と協働」を基本にすべき。各大学の困難は、京都にある大学全ての課題として見つめるべきではないかと思っている。

・学生同士の交流という面で、京都市やコンソの存在は大きい。学生に限らず、教員同士の交流も含め、良い関係を作っていきたい。

・かつて京都は閉鎖的で、異質なものを排除する気質だったが、時代とともに変わってきた。何もしなければ伝統は死んでしまう。京都は、人を生かし、活力を吹き込み、新たな気づきを与える、変化する「生きた伝統」を持っていることをアピールしなければならない。京都の大学は、その伝統の担い手・拠点として活躍するべき。

・スクラップアンドビルドというが、ビルドはしても、なかなかスクラップできないのが各大学の状況ではないか。コンソも本年は30周年を迎え、これまでの歩みを振り返りつつ、単なる繰り返しではなく、より大きく発展していくために何ができるかを考えなければならない。

▶市からの主な発言内容
(松井市長)
・大学教員として10年務めたが、学生と接する中で、若い世代を育てていかないと日本は成り立たないと感じた。京都には人口の1割に相当する大学生がおり、さらにその1割が留学生。大学のまちであるということは京都の大きな魅力だ。

・少子化の中で、どの大学も危機感を持っているのではないか。京都は全国や世界に向けて人材を輩出しているが、見方を変えれば、流出割合が高まっているとも言える。少子化が進む中、いかに京都に優秀な人材を集めるかは、京都のまちの課題そのものだと思っている。

・14の区役所・支所で市民対話会議を実施したが、多くの会議に学生が参加してくれた。高齢化による担い手不足や自治会加入率の低下が深刻で、疲弊感が漂う中、学生が地域を支えている。学生にとっても、地域の課題に直面し、社会と交わることは、進路や生き方に大きな影響がある。

・京都の地域には素晴らしい魅力があり、企業、団体がある。学生にとっても、社会課題に関わることで、素晴らしい学びの場となる。まさに京都のまち全体がキャンパスである。

・この30年で、関係者の御尽力もあり、京都の小・中・高校、初等・中等教育が随分良くなった。京都は大学のまちであるので、これに高等教育も続いていただければ。

・各大学がお互いに競争しながら切磋琢磨するとともに、大学間の連携を積極的に行っていただき、協働できるところはする、個性を伸ばすところは伸ばす、ということが重要。協働の際の結節点のひとつとして、市役所や区役所が、皆さんのパートナーとして、共に歩んでいければと思っている。

・外国人留学生の生活支援や日本語教育、日本文化研究、文化教育など、大学が共同でできることはたくさんあるのではないか。大学各々の戦略を進めてもらいながら、同時に共同で進める部分にコンソを活用していただきたい。

・大学は京都にとってのキラーコンテンツ、1丁目1番地であり、京都そのものと言っても過言でない。大学が先端的な人材、あるいは地域と協働で人材を育てていく中で、どのように人材を集めて、地域と混ぜ合わせて、京都に定着してもらい社会課題の解決につなげていくか。大学と京都市が全く同じ目標、戦略を共有できると思っているし、そのために必要な投資は積極的に考えていきたい。

(岡田副市長)
・京都の大学の卒業生が、全国や世界で数多く活躍している一方で、17.8%しか京都の企業に勤めていないというのは残念な状況。学生と中小企業のマッチングが必要。

・インターンシップの受入れに不安を抱く中小企業への支援を行っているが、学生自身の起業、スタートアップにも力を入れていきたい。

・学生に京都に定着してもらうには、京都経済の発展が重要であり、企業誘致にも積極的に取り組んでいる。


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