第19回市民対話会議(青少年施策)
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2024年11月3日
第19回市民対話会議(青少年施策)を開催しました
1 概 要
任意団体「ユースカウンシル京都」の若者にお集まりいただき、現在取り組んでいる次期京都市はぐくみプランの策定に向けた若者からの意見聴取の内容について、松井孝治京都市長に報告するとともに、若者等からの声を聴取する仕組みづくりについて意見交換を行いました。
日時:令和6年9月9日(月曜日)午前10時30分~
場所:京都市中央青少年活動センター3階大会議室
参加者:12名
(参加団体/五十音順)
公益財団法人京都市ユースサービス協会、ユースカウンシル京都


2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(居場所のあり方)
・「自分と同じような人が他にもいる」、「話を聞いてくれる大人がいる」という安心感や、「そこに行けば友達と遊べる」という期待感など、物理的・精神的に身近な存在であることが重要。
・居心地の良い場所は人によって違う。いつでも行きたいと思ったときに行ける空間や場所が居場所だと思う。
・日常的に、目的がなくても利用できる居場所、つまり「何もしなくてよい」という安心感が重要だと感じる。部活など、目的や繋がりがないと外に出難いが、人に会うだけで新しい視点を得るなど、前向きになるきっかけになる。
・居場所に巡り合うきっかけづくりが大切。自分自身のユースサービス協会との出会いも偶然だと思っていたが、SNSでの発信など、出会うためのきっかけが作られていたと感じる。その場の様子が分かったりするような、きっかけが町中にあふれているような仕組みができれば良いと思う。
・話を聞いてくれる場所と人が大事。何かとつなぐというところまでいくとハードルが高い。社会人になると新しい出会いが減っていくと感じる。その機会が中高生のうちからあれば良いと思う。
・自分は不登校だった。近所だと知り合いと会ってしまうので離れた居場所に行きたいと思う一方、遠い場所だと交通費がかさむという課題を感じていた。
・若者が仮想空間ではなく、リアルな居場所を求めていることが印象的であった。支援を必要とする人と行政・支援機関の間にある距離をどう埋めるかが大切。行政だと、何か取り組むのであれば成功させる必要があり、全方位をカバーしなければならないという制約がある。行政でできないことは若者の皆さんが商店街など身近な場所に声をかけて巻き込みながら取り組み、それを行政が補助制度などで支援できるような関係づくりが必要だと思う。
・京都には、中高生が参加可能な、人と関わることのできるボランティアが少ないが、大阪では、高校生がガイドのボランティアをしている。そういうものがあれば、居場所となり、任せてもらえる、社会の一員としてできることがあると思える若者が増え、自分の将来のことを考えやすくなり、若者がいきいきするのではないか。
(取組の持続性)
・取組を一時的な流行で終わらせるのではなく、継続していくために、今関わっている人の頑張りに依存するだけではない方法も考えないといけない。
・場所そのものよりも、若者と居場所を繋ぐ人が大切だと感じる。
・関わる人を増やすこと、広がりを持つことが大切。若者が成長したときに次の支援へ繋げられるよう、若者と関わる大人も色々なことを知り、色々な人と関係を築いておく必要がある。
・時間と場所に余裕がないと、色んな取組を進められないと感じる。
(若者の意見の聴き方)
・以前、ユースカウンシル京都から市へ提案した時に、聞き入れてもらえず、なぜできないのかも教えてもらえなかった。今回の取組では、真摯に向き合ってくれている。関わりを持ちたい若者は多い一方で、自分の考えを上手く言語化して伝えられない人もいるため、「無理」だけではなく、どうしたら実現できるかを一緒に考えてくれることで、意見を言える若者が増えていくと思う。
・大人の聴く姿勢は大事。場を設けても、結局大人ばかりが話していては意味がない。真剣に若者の意見を聴くべきであると思う。
・若者からは様々な意見が出るが、無理な内容を行政に言うのは違う。行政と若者を繋ぐ仲介者は重要であり、仲介者と行政が連携する仕組みや、負担が大きい仲介者へのフォローを考える必要がある。
・物事に意見を反映するまでには色々なハードルがあるため、まずは自分が発言していいんだという「携わりやすさ」、そして実際に発言できて、受け止められる「成功体験」が大事。また、「安心できる場所で意見を伝えたい」という人もいれば「高いハードルに挑戦したい」という人もいるので、どちらの要望にも応えられたら良い。
・聴く側の固定観念を無くさないといけない。「不登校だから」というレッテルを貼ったり、若者の意見に対して「若いな」という感情を持たないようにしたい。
・オープンかつ身近に声を伝えられる場所があれば良い。これをやりたい、と言って、こういう理由でできない、と説明されたら納得できるが、頭ごなしに否定されるのはやる気も削がれる。聴く側の広い心が大事。
・今回の取組の中でも、「若者の声を聴いて何になるの?」という意見が多かった。変えていける期待感があれば、「それだったら意見を言ってみよう」と思える。伴走してくれる人、真剣に向き合ってくれる人がいることが大事だと思う。
▶市長の主な発言内容
・コロナ禍で大学の授業がオンライン化する中で、大学に行って居場所がある、誰かがいる、「だべる」ことができる、ということの大事さを改めて感じた。「だべる」中で相談もあれば面白い発見もあり、時には自分の進む先につながることもある。
・ゼミというコミュニティには心理的安全性があり、色々相談できる場所だったが、それが必要最低限の関わりになってしまっているのをどうするか、対話をどうするか、ということを大学教授の時から考えていた。心理的安定性のあるサードプレイス、普段の自分の生活と違う場で、刺激を受けられることが重要。
・予想よりも皆さんは対面での接触を求められていた。バーチャルな繋がりも補完的には必要だが、やはり対面でコミュニケーションできる場が重要。
・子ども・若者から高齢者まで、皆さんの意見を反映させていく仕組みは一定あり、それを担うのが市会議員や国会議員。民生児童委員や市政協力委員なども地域にはいらっしゃる。そうした方々が、今、担い手不足など様々な課題に苦労している。
・行政に言ってもけんもほろろ、という話もあったが、皆さんからいただいたような提案だけでなく、市民の方々の色々な意見が大量に溢れており、それに加え、事業の検討や実施をはじめ、市役所には様々な仕事があるため、職員側が忙しすぎて目詰まりを起こしている。
・そうした状況から、声をあげたい人の声が届かず不信感を抱いてしまう、一方でパイプを独占する一部の人の声だけが届く、となると、社会が分断状態に陥る。様々なパイプがあって、意見に対して「だったらこうしよう」と対応できるような、様々なパイプの存在と、やる気の好循環につなげるためのパイプをつなぐ「結節点」のあり方を考えないといけない。
・これまで、地域の様々な委員や身近な居酒屋、喫茶店、銭湯など、これまで色々な人たちが結節点の役割を担ってきた。現在は、パイプが多すぎてどこにパイプがあるのか分からなくなっていたり、そういった結節点が目詰まりを起こしている。その目詰まりをどう再編成していくかを考えていく必要がある。
・皆さんからすると、ユースカウンシルも結節点のひとつ。「居場所」と「出番」のある社会を、と言っているが、結節点も出番の1つかもしれない。
・社会におけるすべての公共の役割を役所だけが担うと、過度な負担になり、若い職員が辞めてしまう。これは市役所だけでなく国レベルでも同じ状況。
・誰かに相談し、誰かから相談される社会をどう作っていくか。これは子ども・若者だけでなく、高齢者や働く人も含め、全世代に共通する問題であり、すぐに答えは出ないが、そういった視点で物事や組織のあり方を見直す必要がある。