第13回市民対話会議(下京区)
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2024年10月5日
第13回市民対話会議(下京区)を開催しました
1 概 要
下京区において、各学区市政協力委員連絡協議会をはじめとする地縁団体やNPO、企業、大学生などの方々にお集まりいただき、各団体の活動内容や課題等について、松井孝治京都市長と意見交換を行いました。
日時:令和6年8月8日(木曜日)午後3時30分~
場所:下京区役所4階会議室
参加者:30名
(参加団体等/五十音順)
IVASHO店街プロジェクト、iroiro kyoto・京都寄り道推進室、
開智学区市政協力委員連絡協議会・自治連合会、きょうげいB-LABO、
京都芸大アンテナショップ「ノキサキ」、一般社団法人京都中小企業家同友会、
特定非営利活動法人コミュニティ・スペースsacula、株式会社じげん、七条商店街振興組合、
七条中央サービス会、下京いきいき市民活動センター、下京区社会福祉協議会、
下京区シルバークラブ連合会、下京区地域女性連合会、下京区民まちづくり会議市民公募委員、
下京消防団、下京・南・東山支部中学校PTA連絡協議会、修徳児童館、
尚徳学区市政協力委員連絡協議会・自治連合会、醒泉学区市政協力委員連絡協議会・自治連合会、
チームGPC(下京ローカルグッド・空き家プロジェクト)、合同会社TSUKUM、
梅逕学区市政協力委員連絡協議会・自治連合会、門前町石畳の会、
有隣学区市政協力委員連絡協議会・自治連合会、
Rashisa(下京ローカルグッド・お寺プロジェクト)


2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(自治会・町内会等の地域活動)
・高齢化が進み、何かやるにも人が集まらない。若い方々に、町内会に入会してもらえる工夫があれば知りたい。
・高齢化等もあり、次期会長に引き継ぐことが難しい各種団体もある。適任者を見つけることが重要であると考えている。
・学区内に新しいマンションが多く建設されているが、町内会に入会する住民は少ない。町内会入会のメリットを一言で表現できず、会員を増やせないことが課題である。
・イベントを実施する際に、各学区で同額の分担金を依頼された場合、小さい学区であるので負担が大きくなってしまうのが悩ましい。
・若い世代の町内会等への加入率の低さが話題となっていたが、学生からすると、どのように町内会に加入すれば良いのか、会長は誰なのかなど町内会の情報が分からない。不動産業者が、町内会について紹介する仕組みがあれば良いと思う。
・私がPTA会長を務める学校では、持続可能なPTAを目指すため、様々な委員会を廃止し、やりたい人が取り組むサポート制とするなど、ボランティア色を強めた。一方で、PTAの活動を縮小することで、地域との繋がりが希薄になったと感じている。若い世代の方々が、地域で活動できる工夫を知りたい。
(地域の防災・減災対策)
・醒泉学区では、防災まちづくり計画策定に当たり、まち歩きを行い、町内会長が集まって危険な場所を確認した。策定後も毎年まち歩きを行っている。一箇所、危険なブロック塀をアルミの塀に変えることにつながった。
・地域集合場所パネルを作成し、各町内に設置した。二次元コードから防災まちづくり計画を見られるようにした。
・醒泉学区内には、多くのマンションがある。避難所運営マニュアルを作成するに当たり、各マンションの備蓄・防災に対する考え方について調査予定。また、避難者数や避難状況の報告にGoogleフォームを活用している。Googleフォームの二次元コードは、地域の集合場所を示すパネルに掲載するとともに、防災部長のヘルメットや避難所運営マニュアルにシールを貼り付けている。
・避難者数や避難状況を報告する統一フォームを市が作り、共有してほしい。区役所からの連絡も一括で見られるようになると良い。
・各消防分団で人員確保に力を入れているが、定員を満たしていない。若い方々にもっと御協力いただきたい。
(まちづくり)
・植松公園の再整備に伴い、公園北側の正面通が石畳風に改修されると聞き、続く西本願寺総門までを同様に改修するため、住人有志5人で「門前町石畳の会」を立ち上げた。改修費用を調達するためクラウドファンディングに挑戦し、多くの方々にご協力いただいた結果、目標金額1,800万円を達成し、石畳風の道路が完成した。これをきっかけに、これからの門前町の活性化につなげていきたい。
(学生×地域・商店街)
・京都芸大と地域をつなげる制作活動を行う学生団体「きょうげいB-LABO」では、京都芸大の移転をきっかけに崇仁地域の様々な「つくる」活動に取り組んでおり、崇仁をクリエイティブな地域にするとともに、地域のコミュニティをつくり、崇仁らしさを地域外に発信していきたい。
・七条商店街にある店舗内のスペースの一部を借りて、京都芸大生やOBの作品の展示販売を行う「ノキサキ」を昨年10月から実施しており、取組が記事やニュースになったことで多くの方に来ていただけた。今後、「ノキサキ」は別の場所に移転する予定。
・市立美術工芸高校の授業の一環で、七条商店街の9店舗が協力し、生徒が商店街の店舗を回って店の歴史や特色を聞きながら、紙袋等のデザインを製作した。
・商店街の役目として、高校・大学と連携した取組等を進めることで、地域に明るい話題を作っていけたらと思っている。
・学生時代に携わった「IVASHO店街プロジェクト」では、七条中央サービス会と連携し、商店街で食材を購入して弁当に詰めるランチングエコノミー(ランチ+シェアリングエコノミー)を実施した。その結果、商店街でのアルバイトやお祭りの手伝いにつながるなど、コロナ禍で大学よりも商店街が居場所になり、就職で京都を離れた今でも、また京都に住みたいと思っている。
・七条中央サービス会主催の「サマーナイトフェスティバル」では、地元の小学生に店舗の手伝いをしてもらいはじめ今年で10年目となるなど、5年後、10年後も子どもたちの思い出になるような取組をしている。可能な限り学生や若い方に協力したい。
・地域との連携は、大人が設定するのではなく、若い世代がやりたいことを追求できるようにしてあげることが大事。地域の方々は温かく見守ってほしい。
(子育て)
・東京に本社がある株式会社じげんは、2年前に下京区に京都オフィスを構え、3人制バスケットボールチーム「ZIGExN UPDATERS.EXE」を運営している。下京区は転入者が多いことから、小規模なコミュニティ活動が多く、アーバンスポーツを通して地域の連携・つながりを作っていきたい。
・修徳児童館で子どもと接する中で、今の小学生は保育園時代にコロナ真っただ中だったことから、身体の使い方が上手くなく、打撲や転倒の事故、顔を怪我することが多いと感じていた。そのため、株式会社じげんと連携して小学生向けにバスケットボールの体験会を実施したところ、子どもに楽しく身体を動かしてもらえただけでなく、親にも子育てについて何か感じ取ってもらえる良い機会となった。
・酷暑の中、外に出ると命に関わるため、子どもたちが安全に遊ぶことができる室内の場所の確保をお願いしたい。
(観光課題)
・観光客によるごみのポイ捨てが大きな問題。ルールを守り、ごみを処分してくれれば、おもてなしができると思う。
・地域で民泊が増えている。宿泊者が施設外でタバコを吸いポイ捨てすることで、火事が発生した。この問題は解決していただきたい。
・梅小路エリアで10年以上生活しているが、ホテルが増え様々な賑わいが創出された一方、地域住民が取り残されているように感じる。住みにくさについても知ってもらいたい。
(その他)
・区社協では、誰もが参加しつながることができる居場所「インクル」を毎月開催しており、引きこもりの方がインクルで活躍するようになるなど、手応えを感じている。「居場所」と「出番」のある社会に向け、区社協の活動を支援いただきたい。
・資金面の確保に苦労するNPO法人も多く、ニーズがあっても全ての方を受け入れることができない。公的サポートから漏れてしまう若者への支援をお願いしたい。
・京都市が取り組んでいる「DO YOU KYOTO?」を世界に発信して欲しい。
・学生の中には大学卒業後、市外に転出する人も多く、市内の中小企業を知らない人も多い。地域に根差した企業を紹介できる仕組みがあればと思う。
▶市長の主な発言内容
・自治会等の担い手不足は、他区でも深刻な課題。若い世代に自治会等の地域活動が楽しいものであると感じてもらうことが重要。
・下京区内にはいくつか商店街があるが、例えば夜市を開催する等、目に見える形で盛り上げる必要がある。中京区の京都三条会商店街が開催した七夕夜市は、多くの人で賑わい、地域の絆や愛着が生まれている。若い世代に地域活動に参加してもらうには、こうした地域活動の見える化が重要。防災面において、いざというときに地域での繋がりが大事であることを分かってもらうことも大切である。
・若い世代の自治会加入率を少しでも上げるにはどうすれば良いか。今の役員の方々が重荷を背負っているように見える状況で、自治会に加入するのは抵抗があると思う。地縁組織の役割を緩く、軽くできる地域コミュニティにしていく必要がある。
・学校は、教育の場だけでなく「地域の場」にもすべきと考えている。企業や学生の力を借りて、なるべく手間をかけない催しを作り、新たな住民に関わってもらう。こうした機会の創出に向け、市役所・区役所がどういう役割を担うかを考えていく必要がある。
・「突き抜ける世界都市京都」を目指すにはコミュニティが重要で、例えば祇園祭の時だけ必死になる・夢中になるコミュニティなど、地域特性に応じたものがあっても良い。地域と企業などが連携してコミュニティを作り、何かに「夢中」になる。そのときに、若い世代や地域に馴染みのない人々も巻き込むことが重要である。
・市民の皆さまがワクワクして地域に愛着を持てるような事業に予算を使いたいと考えている。区長を中心に地域にどう寄り添って事業に取り組むのか、区役所が拠点となりどのような役割を果たすのか、コミュニティの場をどう提供するのか、縦割りを排して考えていきたい。