第11回市民対話会議(上京区)
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2024年9月21日
第11回市民対話会議(上京区)を開催しました
1 概 要
上京区において、様々な活動に取り組まれている皆様(地縁団体、NPO法人、学生等)にお集まりいただき、松井孝治京都市長と地域の課題や解決に向けた取組等について意見交換を行いました。
日時:令和6年7月31日(水曜日)午後1時~
場所:上京区役所4階大会議室
参加者:11名
(参加団体等/五十音順)
ART Gallery & Rental Space be 京都、上京区文化振興会、上京民生児童委員会、
京都中小企業家同友会上京支部、珈琲男団、正親住民福祉協議会、中立住民福祉協議会、
桃薗自治連合会、同志社大学、特定非営利活動法人ANEWAL Gallery
2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(地域活動)
・中立学区は、十六番組から「中立」に名称を変更してできた。中立には、みんなで協議して対立点をなくそうという思いが込められていると考えている。現在は、中立エコ通信というパンフレットを定期的に発行するなど、地球温暖化について考える取組を行っている。
・西陣中央小学校では、学校運営協議会を中心に、文化を活かしたオリジナリティのある教育を目指しており、それにより、子育て世代の方々が集まってくることを目標に自治会活動を進めている。
(まちづくり)
・西陣の京町家を改修するなど、市内の5箇所に芸術活動の拠点を構え、「外に出るギャラリー」をコンセプトに活動している。町家や路地を活かしたイベントの実施や、上京区140周年のときには、地域で活動されている方をつなぐ「上京OPENWEEKs」を実施した。文化の発信や地域振興において人のつながりは重要だと考え、堀川団地で地蔵盆を復活する取組や上京朝カフェなどの取組も行っている。人のつながりや文化芸術の視点から、地域や社会の課題解決を目指したい。
・地域の方の居場所をつくるため、高齢者施設の駐車場で自分が好きなコーヒーを入れる活動をしている。自分の好みにあった取組をする方が増えれば、その取組により困っている方を助けることができるかもしれないし、地域の活性化にもつながっていくと考えている。
・京都中小企業家同友会上京支部は、経営の経験を本音で語り学び合う場であり、「地域の核となる経営者になろう」をスローガンに地域課題を解決する取組を進めている。上京区140周年のときに区役所と婚活事業を始め、今年で6回目となる。また、同志社大学の新入生向けの講義や学生とコラボした新商品開発等の地域課題解決プロジェクトも実施している。今後も区役所と連携して地域の課題を解決していきたい。
・上京区や西陣地域の魅力を伝える情報発信サイトのコーディネーターとして、情報発信サイトを通じたイベント情報の発信や、京人形や西陣織などを紹介する京の五節句に関する展示などの活動を区役所とともに行っている。こうした取組を通じて、人と人とのつながりづくりに取り組んでおり、今後、もっと人が交わる場を増やしていきたい。
・京都の歴史や文化は本当に何者にも代え難く、つなぐ人たちがいなければ、廃れていくことから、これからも自分自身を磨きながら様々な魅力を発信し、つながりを深めていきたい。
(空き家対策)
・正親学区では住民福祉協議会が中心となり、空き家対策の取組を行うNPO法人を設立した。3箇年計画で国土交通省の空き家モデル対策に採用され、助成金を受けて活動している。空き家の無料相談会も実施しているので、ぜひご利用いただきたい。
・防災、路地、空き家対策は一体のもの。空き家対策を担当している部署について、元のまち再生創造推進室に戻していただけるよう検討いただきたい。
(大学)
・若年層の流出を防ぐため、京都の国公立大学に地域推薦枠を設定してはどうか。弘前大学や滋賀大学等で実施されている。
・Shinmachi Activate Projectというボランティア団体で、メンバー185名と一緒に、京都府立植物園等でのキャンドルナイトや、清掃活動や高齢者の買い物支援、西陣マルシェなどの地域活動、新町祭の3つを軸に活動している。地元から愛される団体となり、大学や地域の架橋のような存在を目指している。
・昨年度参加した同志社大学と京都中小企業家同友会上京支部が連携した地域課題解決プロジェクトでは、日本の文化を大切に楽しく学ぶことをコンセプトに加えながら、NPO法人とともに短歌会の企画を行い、短歌を通じて地域と大学をつなぐ取組を実施した。
(子ども)
・子どもが楽しみながら上京区の文化を伝えることを目的に、「上京のこどもまつり」を開催してきた。また、小学生が民生児童委員や主任児童委員と一緒に米寿になられたお年寄りの家を訪問する取組を実施している。子どもと民生児童委員等、地域の3つのつながりが重要であり、これからも続けていきたい。
・教育と文化がすごく密接であると感じており、大人として子どもたちにもっと探求できるような、心を育てるような機会を与えていきたい。そういったことを私自身も発信できる地域の人間になりたい。
・密集市街地対策の取組として、防災まちづくり委員会を発足させ、学校運営協議会と住民福祉協議会が一体となり、小学生を対象に防災教育に取り組んでいる。防災オリエンテーションを行う「ミッションX」には、保護者を含めた地域の方々や上京区役所などの公的機関も参画して毎年実施している。
(文化・伝統産業)
・きもの業界は仕事が減り、伝統工芸を守り伝えていくという使命を全うすることが難しい環境である。後継者育成は大きな課題であるが、市の力も借りて何とか打開したいと考えている。歴史のある上京区という地域も伝統産業も守っていきたい。
・上京区文化振興会は、上京区民会議とともに「上京―史蹟と文化」という冊子の作成・発行や、春・秋の上京茶会、京都薪能の先駆けである上京薪能に取り組んでいる。文化活動には資金が必要だが、上京区に大企業がほとんどないため、企業だけでなく寺社等も含め、上京区の文化活動を支えていただきたい。また、西陣織という優れた技術を世界的なブランドにしていく必要がある。名実ともに上京区の文化が京都市を代表するものになってほしい。
(その他)
・2025年に西陣産業会館とUR都市機構西陣団地が解体される。西陣の真ん中の広大な土地なので、しっかりとしたビジョンを持って活用するためにも、京都市にも助言いただければありがたい。
▶市長の主な発言内容
・お店でもまちでも、常連さんを大切にしながら、新しいお客さんを呼び込み、お客さんとともに大好きなお店をはぐくみ育てることが大事。上京では、何百年も地域の人々がそうした常連の務めを続けてきた。
・学校を中心に地域が元気になる、というモデルも大事。堀川団地や西陣織会館のように、古い建物を文化の拠点にして、新しい方々が新しい発想で継承していこうとしている姿は上京ならでは。
・まちの中に「場」をどう作っていくべきか。まちの歴史を次の世代にどうつないで発展させていくか。そのためにも、学生が京都を通過点にして全国で活躍しているのは素晴らしいが、京都に残ってもらい、京都の伝統文化と学生が融合して、次の時代に発展していけばと思う。
・経済発展は大事だが、一方で京町家などの古いものを残していくことも大事。上京の町衆だからこそ、これまでの町衆が責任を持って守ってきた伝統を次につなげていくことができる。伝統文化が色濃く残る上京で、京都の伝統をいかに保全し、発展させるかを考えていきたい。
・地縁組織と企業や学生等の志縁組織が意見交換する場は重要である。この議論をどうやってまちづくりに活かしていくのかを考えるのが私の仕事である。また、市の組織も、区役所から本庁を突き上げていけるような組織にしていかなければならないと考えている。