第4回市民対話会議(伏見区深草)
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2024年7月23日
第4回市民対話会議(伏見区深草)を開催しました
1 概 要
伏見区深草支所管内において、各学区市政協力委員連絡協議会をはじめとする地元団体、地域の方々、企業、NPO、大学教員・学生など、合計30名の方々にお集まりいただき、松井孝治京都市長とともに、地域課題の解決に向けて活動されている方々の取組内容を共有し、意見交換を行いました。
日時:令和6年6月14日(金曜日)午後6時30分~
場所:龍谷大学深草キャンパス 成就館2階ライブシアター
参加者:30名
(参加団体等/五十音順)
「E-TOKO深草」推進チーム、稲荷学区市政協力委員連絡協議会、稲荷体育振興会、
NPO法人京都子育てネットワーク、北鍵屋公園プロジェクトチーム、
砂川学区市政協力委員連絡協議会、とまり木休憩所・おでかけベンチ協働プロジェクト実行委員会、
深草子ども食堂実行委員会、深草学区市政協力委員連絡協議会、深草学区社会福祉協議会、
藤城学区市政協力委員連絡協議会、藤城学区自治連合会、藤森学区市政協力委員連絡協議会、
藤ノ森学区民生児童委員会、伏見稲荷周辺の住みよいまちづくり推進協議会、龍谷大学


2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
1 地域からの取組発表
(深草におけるまちづくり)
・商店街や子育て世帯、近隣住民、自治会等でプロジェクトチームを立ち上げ、全国初の試みとして、セブンイレブン、京都市と共に地域主体の公園運営モデルとしてpark-up事業に取り組み、龍谷大学生にも参画してもらいながらオープンパークを実施し、公園の課題についての意見を聞いた。子どもたちや地域の方々の声を聞きながら、少しずつ進め、今年度中には、北鍵屋公園が新しく生まれ変わる予定である。
・伏見稲荷大社周辺では、ゴミやマナー、観光客が道を塞いで車が通れないといったオーバーツーリズムが問題となり、平成31年に「伏見稲荷大社周辺の住みよいまちづくり会議」を、令和3年には地域が主体の「伏見稲荷周辺の住みよいまちづくり推進協議会」を設立し、概ね5年を目処にした行動計画を策定して活動している。
・周辺の清掃活動を行う巡回員の配置、観光バス駐車場へのマナー啓発パンフレットの配架、京都府警との連携による大型バスの師団街道稲荷大社前交差点南行右折禁止の交通規制により、渋滞解消などに取り組んでいる一方で、周辺地域に渋滞が発生するようになり、今年度はその解消に取り組んでいきたい。
・藤城学区では、7年前に「まちづくりビジョン策定委員会」を立ち上げ、地域住民の声を聞きながら、翌年、藤城学区まちづくりビジョンを完成させ、3つの柱(多世代共生、利便性、安心・安全)を掲げている。取組の一つに、買物支援を目的とした乗合バスの運行があり、現在は、おでかけサークル活動の中での買物支援を実施している。また、地域のIT化(HP作成やLINE・クラウドサービスの活用)を推進しており、地域の団体の活動の見える化・共有を図るとともに、藤城地域の魅力をPRしている。
・大岩街道周辺地域では、大学と地域連携に関わる「ちきれん班」がまちづくりに携わっており、これまで、ヒアリング調査等による地域の現状把握やコミュニティの場づくり、歴史的経緯などをまとめた報告書の作成・PR、鎮守池監視小屋跡地周辺の清掃・除草などに取り組んできた。
・その成果として、不法投棄量の減少や地域の歴史・魅力の発掘が挙げられる一方、活動に参加する方々の固定化や交流の少なさ、道路整備に時間がかかるといった課題があり、今後は、清掃活動の継続と不法投棄防止対策、交流機会の創出、地域の魅力の再発見・発信に取り組むとともに、今年度は「ちきれん通信」の制作や深草ふれあいプラザへの出店を通じた地域への情報発信などにも取り組んでいく。
・コロナ禍で、営業自粛で困っている深草地域の飲食店が集まり、深草支所でテイクアウトマーケットを開催したのが「E-TOKO深草」推進チームの活動が始まったきっかけ。当時は、約700人が参加した。
・meetup!セミナーは体験型の講座で、事業者と住民をつなぐ目的で始めた。昨年は43種類のセミナーを開催し、今年は、54店舗・事業者が参加し、夏休み期間中に開催してほしいという要望に応え、8~9月に開催する予定である。深草に遊びに来て、地域の良さを知ってもらいたい。
・龍谷大学では、「深草アーカイブ」と「深草ベース」という活動を行っている。
・深草アーカイブは、旧深草町の町制施行100周年を記念して、住民主体で組織された実行委員会が作成したもので、現在も住民主体で運営し、深草アーカイブの普及啓発に取り組んでいる。只友ゼミでは、深草小学校と協力したまち歩きやかるた作成など、地域のことを遊びながら学ぶ活動を行っている。
・深草ベースプロジェクトでは、京阪電鉄から無償で借りた土地で、子どもたちや地域の方を招き、遊び体験や野菜の収穫体験を実施している。近隣の高齢者施設の方も招き、多世代交流の場にもなっている。
(多世代交流)
・砂川小学校、自治連合会、社会福祉協議会、龍谷大学が主催で旗づくりや各世代から見た砂川学区の紹介、クイズ大会、地図作り、活動の振返りなどを行うプログラムを、年4回実施しており、砂川小学校及び龍谷大学の正課授業に位置づけられている。
・多世代交流会を通して幅広い年代の方と関わる機会を作り、世代間のギャップを埋めることや多世代のつながりを活かし地域の活性化を目指す取組を行うことで、活気があふれ、地域社会の絆が深まることを学んだ。
(子育て支援)
・京都子育てネットワークでは、10年以上前、深草商店街の空き店舗を利用して、地域の方々と共に、高齢者支援・障害者支援・子育て支援ができる場所を作りたいという思いから「ふかふか子育てコミュニティベース」を立ち上げた。
・不安を抱えて孤立していた方々が、繋がり合う場所となっており、深草商店街が実施している土曜朝市でのワークショップへの参加や100円商店街でのマルシェ展開を通じて、地域との連携を図っている。
・深草支所と進めている「『E-TOKO深草』子育て応援プロジェクト」における「お母さん方の力を引き出して地域につなげていきたい」というコンセプトは素晴らしいと感じている。
(子どもたちの居場所づくり)
・深草子ども食堂は、当初5名程度しか来なかったが、現在は多くの方が利用されており、月に1回、お弁当を150食提供している。
・活動の主体は学生で、レシピの考案やSNS活動報告も行っている。足りない知識や経験の部分は、社会人スタッフが加わり運営をサポートしている。「ちょっとした感動を与えたい」という思いで、料理の見た目も工夫している。
・「自分たちでできることを地域に還元したい」という思いを形にしようと、絵本の読み聞かせや書道教室、不要な文房具の配布なども行っているとともに、子ども食堂を利用する子どもたちが主体となり、「子ども新聞」を作成して発信している。
(高齢者支援)
・深草地域は、住宅地から駅や商店、病院のある商業地域まで坂道が大変多く、徒歩で移動する場合、非常に負担が大きい。
・おでかけベンチは、深草学区で道路脇のお店や個人宅の軒下・軒先にベンチを設置し、出掛けたときに休憩できるような場所を作ることで、移動を支援する取組であり、9年前に、竹を活用した取組として始まった。小学校と連携し、小学生がベンチ製作に携わっているのが特徴である。一方、とまり木ベンチは、今から6年ほど前に、南部地域包括支援センター主催の地域ケア会議での議論をきっかけに、藤森、藤城学区で製作を開始した。この2つのプロジェクトを合わせ、現在は、「とまり木休憩所・おでかけベンチ協働プロジェクト」として取組を継続しており、京都景観賞に応募して市長賞を受賞した。
・現在、ベンチ数は60を超えており、ベンチの設置だけでなく、ベンチマップの作成やベンチめぐりウォーキングなど、色々な活用の仕方も広がっている。
2 意見交換
・地域の発展のためには、多世代交流、特に大人と小学生との交流が重要である。自身も多世代交流会に携わり、大人が子どもたちと一緒に楽しんで取り組むことの大切さを感じている。
・上の世代から教わったことを下の世代に伝え、逆に下の世代の意見を聞いて上の世代がフォローする、というつながりが大切。この場に幅広い世代がいること自体が良いことだと思う。
・今回、地域にこれだけたくさんの取組をされている団体があることや、龍谷大学の学生がキャンパスを出て地域のために活動していることを改めて知ることができた。
・学生に学区の体育振興会の行事に目を向けてもらい、ぜひ交流を深めたい。
・とまり木ベンチについて、深草学区では深草の竹を使用しており、藤城学区ではヒノキを使ったベンチもある。製作には子供たちをはじめ多様な世代が関わっている。
→大岩地域にも放置竹林があるため、何かしら協働して取り組めるのではないか。
・高齢化が進む中、子ども食堂や子育てネットワークの取組などは、深草商店街にとってプラスになっている。
・最近は、日本の文化をあまり理解していない観光客が多い。京都や日本の文化・習慣をもっと強力に発信してほしい。
・子育ては、子どもだけに目を向けるのではなく、親にも目を向ける必要がある。岡崎公園や円山公園のような、子どもだけでなく大人も交流できる広い場所をもっと作ってほしい。
▶市長の主な発言内容
・今回、これだけ多くの学生が参加し、若い方々の取組を自治連合会の会長など先輩世代の方々がしっかりと聞き、何か一緒にできないかと考えているところが素晴らしいと感じた。
・市民対話会議の目的は、「交じり合う」こと。世の中を動かすパワーは、地域のベテランの方々の力を若者がどう活かせるか。若い世代の龍谷大学生の方々がいることで、活力や可能性が生まれる。
・深草では、高校生まで含めて地域の活動に入っている。これは若い方々の将来の財産になるし、逆に地域の大人にとっては、若い方々の力がエネルギーになる。
・地域の人々や事業者の活動は、最終的には公共の役割に繋がっている。
・テーマコミュニティで、様々な地域活動を行っている方々がうまく重なれば、力は2倍にも3倍にもなる。今日はその姿を見せてもらった気がする。
・京都にある国宝や重要文化財の整備は、文化庁に頼ってきた。しかし、京都ならではの文化財保護の在り方を考えて提案をしていけたら、すごいことだと思う。
・京都の人口の1割、15万人の学生の人材を地域につなげるかが、市に求められるこれからの役割。京都は土地が広くないが、その分、私たちは地域のつながりを作っていける。
・鴨川の河原で語らう文化は、京都ならではの文化で、東京では考えられない。
・この熱気をどう京都中に広げるか。例えば、体育振興会に若い力を巻き込むには、体育振興会側も若い人も少しスタイルを変えることがコツではないか。
お問い合わせ先
京都市 文化市民局地域自治推進室連携改革・区政担当 (連携改革担当)
電話:075-222-3047、075-222-3049
ファックス:075-222-3042
メールアドレス:[email protected]