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刊行物のご案内「叢書 京都の史料」

ページ番号304751

2024年4月23日

「叢書 京都の史料」

京都市歴史資料館では、収集した古文書・記録を公開するために「叢書 京都の史料」を発行しています。

この叢書シリーズでは、良質な史料を厳密に活字化し、あわせて詳細な解説を付しています。いずれも全貌の公開が望まれていたものばかりです。

  価格  第1回~第13回    3,800円(税込)

      第14回         2,500円(税込)

      第15回         2,000円(税込)

      第16回         2,500円(税込)

   

下記の在庫は令和6年2月現在です。在庫なしは資料閲覧室でご覧いただけます。

「叢書 京都の史料」シリーズ
配本回書籍名概要刊行在庫
第1回若山要助日記 上幕末の京都に生きた、東塩小路村(現JR京都駅付近)の庄屋若山要助が書いた日記です。これまで幕末庶民史の史料として、研究者に利用されることが多かったのですが、全貌は知られていませんでした。今回は原本14冊を余すことなく活字化しました。平成 9年
第2回若山要助日記 下下巻では、幕末の政争にまきこまれた京都の庶民の動向が記され、暗殺・蛤御門の変・京都大火(どんどん焼け)の様子が生き生きと書かれています。平成10年
第3回京都町式目集成安土桃山から明治までの、洛中の78か町で作られた町規則を収めています。京都の自治研究・都市史の基本史料として、又町の生活や民俗・年中行事研究にも欠かせない1冊です。平成11年
第4回八瀬童子会文書 増補八瀬童子の生活史を、南北朝時代から現代までの史料で通覧しています。明治以降、天皇の大喪や大礼に駕輿丁として奉仕した記録や、山王日吉社の小五月会や日吉神人たる酒屋土蔵衆にかかわる新発見の中世文書も紹介しています。平成12年
第5回京枡座福井家文書 上京枡の製造販売・検査を独占した枡座福井家の文書で、枡とともに重要文化財(歴史資料)に指定されています。枡の製造・枡改め等に関する文書を計量用語に配慮しながら厳密に活字化しています。平成13年
第6回京枡座福井家文書 下200年にわたる枡の生産量を克明に記録した検査台帳「枡改帳」を全文活字化し、その詳細を明らかにしています。 
平成14年
第7回京都武鑑 上京都における武家人名録を初めて総合的に調査・集成しました。上巻には宝暦9年から安政7年までの43点を影印(写真版)収録し、詳細な書誌を付しています。国内の所蔵者・機関を徹底調査したものです。平成15年
第8回京都武鑑 下万延2年から慶応3年までに出された14点と、上巻刊行以後に調査した6点とあわせて20点を収録します。また、内容の中心である京都町奉行所与力・同心については、延べ900人の人名索引を附録として収めています。さらに上下巻を通じた詳細な解説も附しました。平成16年2月
第9回大中院文書・永運院文書大中院(東山区建仁寺境内)と永運院(左京区黒谷)に伝わる襖絵の下張りから発見された古文書を活字化し、解説を付しました。豊臣政権下の京都の様子や家来の動向を知ることができる歴史資料を収録しています。平成18年2月
第10回近代自治の源流明治維新期から1898年(明治31)までの京都市の基本資料を集成しました。社倉や博覧会など上下京連合区会の活動の全体像を紹介しています。また、平安遷都千百年紀念祭,第四回内国勧業博覧会の準備過程や平安神宮の創建経緯を知るための必読史料となっています。平成20年2月
第11回淀渡辺家所蔵
朝鮮通信使関係文書
延享5年(1748)朝鮮通信使を待ち受けた淀藩士渡辺善右衛門が著した記録を翻字影印したものです。「朝鮮人来聘記」「朝鮮人行列図」「宗対馬守行列図」「韓人戯馬図(馬上才図)」「通信使淀城下到着図」「朝鮮人御饗応御献立」の六種を収録しています。平成22年2月
第12回禁裏御倉職立入家文書天皇、院、幕府の財産管理などを本務とする「御倉職」に任命され、織田信長と正親町天皇との政治的仲立ちを行うなど、政治・経済・社会において大きな役割を果たした立入家に伝わる諸資料287点を翻刻し、その消長の歴史を明らかにしています。平成24年3月なし
第13回京郊農村の近代
葛野郡岡区事務日誌
京都市西京区にある樫原公会堂が所蔵する旧葛野郡川岡村岡区の事務日誌(全八巻)を翻刻したもので、歴代の岡区長が書き綴った農業用水、道路、山林の管理等、地域運営の記録です。平成26年3月
第14回内裏図集成
ー京都御所と公家町ー
江戸時代に出版された内裏図を影印集成したものです。平成28年3月
第15回

久多荘文書

久多荘文書とは、久多地域に伝来しました「岡田家文書」(京都市登録文化財)、「東本家文書」(京都市登録文化財),「久多自治振興会所蔵文書」のことを称しています。田畠や山林の売買に関する資料が多いものの、各時代の領主による支配の実態や中世における山間村落の様子、周辺地域との関わりなどを示す貴重な文書群です。

平成30年4月

第16回

京都摺物集成

―江戸時代の京のにぎわいー

当館収蔵大塚コレクションの中から、江戸時代の京都の様子を知ることができる珠玉の摺物を選び出して影印しました。その内容として史料的性質を持ったものに限定しました。

令和2年2月

第16回配本「京都摺物集成―江戸時代の京のにぎわいー」

 今回の叢書は、京都市歴史資料館収蔵大塚コレクションの中から、江戸時代の京都の様子を知ることができる珠玉の摺物を選び出して影印しました。ここで扱う摺物とは、版木や銅版で摺った一枚ないし数枚からなる印刷物のことです。ただし、錦絵や俳諧摺物などのような美術的観賞用ではなく、さまざまな情報を提供する史料的性質を持った摺物に限定しています。そのジャンルは広く、人気のある年中行事や天皇の行幸といった特別なイベント、京都で起こった幕末の争乱や政治的な風刺など実に多彩です。

第13回配本「京郊農村の近代 葛野郡岡区事務日誌」

 本書は、京都市西京区にある樫原公会堂が所蔵する旧葛野郡川岡村岡区(大字岡)の事務日誌、全8冊を翻刻したものです。1889年の町村制施行により、岡村など4つの村が合併して川岡村が誕生します。新しい川岡村の下で、旧来の岡村は岡区として、地域運営の一端を担っていくことになります。岡区事務日誌は歴代の岡区長が書き綴った地域運営の記録で、1900年代を中心に大正期・昭和期のものを含んでいます。

 近代の岡区は住民のほとんどが農業に従事しているため、農業用水の確保が重要な課題でした。桂川西岸地域では、近世の段階で用水の維持・管理をめぐる地域間の連携が形成されていました。そのしくみは1900年代以降にも引き継がれています。また川岡村では商品作物としてビール麦の栽培を本格的に開始します。ビール麦の栽培は国内でもはじめてとなる意欲的な試みでした。事務日誌からは、岡区でこの新たな作物の生産・販売に取り組む様子をうかがうことができます。

 このほかにも、京都近郊の農村部における日常的な集落の運営のしくみや、桂川西岸地域の様相、さらには社会情勢が地域に与えた影響を、この事務日誌から読み取っていただければと思います。

第11回配本「淀渡辺家所蔵 朝鮮通信使関係文書」

 本書は、延享5(1748)年度朝鮮通信使を待ち受けた淀藩士渡辺善右衛門が著した記録を翻字影印したもので、「朝鮮人来聘記」「朝鮮人行列図」「宗対馬守行列図」「韓人戯馬図(馬上才図)」「通信使淀城下到着図」「朝鮮人御饗応御献立」の六種を収録しています。

 「朝鮮人来聘記」三冊は、通信使を迎える淀の大騒ぎを記録しており、読みにくいくせ字で書かれ、分量も多いため部分的には抜粋引用されたことはあっても、全貌は今回初めて明らかとなるものです。

 「通信使淀城下到着図」は、90年前に京都帝国大学で精巧な写しが作られましたが、原本は行方不明になり写ししか知られていませんでした。最近原本が発見され、本書ではこれを影印収録しています。

第10回配本「近代自治の源流」

 本書は、明治維新期から明治31(1898)年までの京都の自治行政に関わる基本史料を集めたものです。京都市が成立するのは明治22(1889)年,京都市に独自の市長が置かれるのは明治31(1898)年ですから、明治維新から30年もの歳月があり、その間に様々な出来事がありました。 

 そこで本書ではまず、京都市の前身にあたる上下京連合区会の文書によって、京都市が出来るまでの自治体としての活動を跡づけました。これによって、同区会が、社倉(非常用の米倉)を設置したり、京都御苑に常設の博覧会場を建設したりしたことがわかります。その後、明治22年に京都市が成立しますが、京都、大阪、東京の三市は、市制特例が適用されて府知事が市長を兼ねることになりました。そして、京都市民にとって、京都府からの独立が悲願となり、明治31年にようやく実現しました。                         

 本書の後半では、明治22年に上下京連合区会の公文書を京都府に引き継いだ時に作成された目録、府知事である北垣国道が市長としての立場で述べた施政方針の原稿、明治31年に初めて市長を選んだ際の記録などを掲載しました。いずれも市制特例という事態を理解するために不可欠の史料です。最後に、明治28(1895)年に開催された平安遷都千百年紀念祭の事務所の日記を翻刻しました。紀念祭は京都市民の祭典として行われ、市制特例下でも市民としてのまとまりを意識するのに大きな役割を果たしました。

 これらは、いずれも京都市の誕生に関わる文書で、紆余曲折の末に今日まで伝えられたものであり、本書によって京都市ができた頃の時代の雰囲気を少しでも感じ取っていただければと思います。

第9回配本「大中院文書・永運院文書」

 本書は、大中院(東山区:建仁寺境内)と永運院(左京区黒谷:金戒光明寺境内)に伝わる襖絵の下張りから発見された古文書を翻刻したものです。下張り文書とは、和紙が貴重品であった時代に、障塀画の保存や修復のために反故紙として使用されたものをいいます。

 今回翻刻した文書は、ともに豊臣秀吉の家来として活躍した松田政行と宮城豊盛という武将が、襖絵の下張りとして提供したものであることがわかっています。松田政行は京都所司代前田玄以に仕えた奉行人で、京都市中の行政に手腕を振るった人物です。宮城豊盛も秀吉配下の武将で、朝鮮出兵や大坂の陣に活躍し、その後徳川家康・秀忠にも仕えました。

 内容は、豊臣政権下の京都の町の様子や秀吉の家来の動向がわかる書状、また,秀吉の直轄領であった豊後国(大分県)の検地に関わる詳細な記録などが含まれています。

 なお、大中院文書は、平成4年に京都市文化財に指定されたものです。また、永運院文書は平成16年に京都市(歴史資料館)に寄贈されたものです。

お問い合わせ先

京都市歴史資料館
電話:075-241-4312 FAX:075-241-4012

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