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人権情報誌「あい・ゆーKYOTO」48号と企業向け人権情報誌「ベーシック」60号の合併号(HTML版)

ページ番号131869

2012年11月14日

人権情報誌「あい・ゆーきょうと」48号と企業向け人権情報誌「ベーシック」60号の合併号

わたしとあなた…。それぞれが「愛」と「優」の心をいつも大切に。おたがいを認め,支え合うまち・京都を。

京にはばたく

社会福祉法人 平安養育院

青少年自立援助ホーム セルフサポートセンター東樹(とうじゅ)

ホーム長 龍尾 和幸(りゅうお かずゆき) さん

生活を共にし内面をよく見て「生命力」を育む自立援助ホーム

 静かな知恩院通に面して建つ「セルフサポートセンター東樹(とうじゅ)」は定員10名のグループホーム。入所しているのは生い立ち,個性も様々な青少年です。東樹では,彼らの就労や就学をサポートし,社会生活における自立が叶うよう地道で息の長い援助を行うとともに,地域に歓迎される魅力的な施設であることも重視して,様々なサロン活動も展開しています。一貫して児童福祉に携わってきた,東樹(とうじゅ)の設立者でホーム長の龍尾 和幸(りゅうお かずゆき)さんにお話を伺いました。

 

「東樹(とうじゅ)」での生活を足掛かりに自立へ緩やかなステップ

  「自立援助ホーム」とは,義務教育を修了した15から20歳の青少年の就労支援を行う施設です。本来,児童養護施設は18歳まで在籍できるのですが,高校などへの進学が条件となっているため,進学できない子や,途中で学校をやめてしまった子などは,必然的に就労を前提に社会での自立を求められます。その中には,まだまだ社会に適応できない子もいるので,そうした子どもたちの自立を援助する目的で設立されました。利用者は,児童養護施設や里親宅を経た子どもたちが中心でしたが,今では,不登校や引き籠(こ)もり,発達障害などの理由で学校にも家庭にも居場所のない子の受入れも行っています。現在,全国各地に約80箇所設置されており,東樹(とうじゅ)は18番目に設立され,今年で19年目を迎えます。

 利用者には,家族がいる子の場合でも,親と一定の距離を置き,客観的に自己について考えてもらうため,入所を原則としていますが,週末にはできるだけ親元に帰し,親と子のきずなは断ち切らないようにしています。また,事情によっては通所も受け入れており,週に1,2回通ってくる子もいます。

 

一人一人の「生命力」を大切にした支援を

 東樹(とうじゅ)では,仲間と寝食を共にし,生活することを通じて,自立への力を蓄えてもらうことを目指しています。生活とは,「生命活動」を短縮した言葉であり,「生命力」と「生活力」という二つの意味を持っています。人が生きていくためには,衣食住やそれを維持するための力,すなわち「生活力」が必要ですが,その生活力を支えているのは,生きていくための前向きな気持ち,「生命力」です。福祉の現場では,「生活力」を身に着けることを重視しがちですが,この「生命力」を育むことこそが,大切なことなのです。そのために,最も肝要なことは相手を観察することです。援助は人が相手。観察のないところに援助なし,です。表面的な知識に頼ることなく,子どもたちの生活をしっかり観察することで,その子の内から湧き上がる「よし,やろう」という気持ち,生命力を見つめ,その子に合った支援を行っていく,これが基本であると考えています。

 また東樹(とうじゅ)では,入所した子どもたちが地域で孤立することなく,より多くの人と交流を持つためには,施設自体が地域にとって魅力を持つことが必要と考え,「サロン・ド・東樹(とうじゅ)」と名付けて広く一般向けにスペースを開放し,ミニコンサートや料理教室,講座や講演会などを開催しています。文化施設としても誇れるような楽しい施設となることで,より多くの人に関心を持ってもらえればと思っています。

 

「育ちの場は母親の胎内のように」

 東樹(とうじゅ)という名前には,あらゆる人の悩みを受け止める東の菩提樹たれという意味が込められています。私たち東樹(とうじゅ)は,子どもたちにとって母親の胎内のように心地良い場所となり,そこから生命力を生み出せるような支援を行っていくとともに,地域で悩みを持つ人にとっても支えとなる施設でありたいとも願っています。

 

社会福祉法人 平安養育院

青少年自立援助ホーム セルフサポートセンター東樹(とうじゅ)

〒605-0062 東山区林下町400-3

電話,ファックスとも 551-5656 まで

Eメール [email protected]

ホームページ http://web.kyoto-inet.or.jp/people/touju/

 

 京都市内で子育て講演を希望される場合は,ボランティアでホーム長が伺います。お気軽にお問い合わせください。

 

輝きピープル タレント・整体師 楽(たの)しんごさん

「生きていて良かった」と心底思える日が来るから

 明るいキャラクターで人気の楽(たの)しんごさん。テレビや舞台で多忙な中,整体院を開業。タレントと整体師,二足のわらじを履いて大活躍の楽(たの)しんごさんですが,中学時代にひどいいじめを受けたというつらい過去がありました。苦しみを乗り越えて「生きていて良かった」と言う楽(たの)しんごさんに,ご自身の経験と昨今のいじめについて,語っていただきました。

 

誰もが解決策を模索している

 僕の中学時代は,ただただ「苦しみ」の毎日でした。三年間ずっと不良中学生の集団からひどい暴力行為や恐喝を受けていたんです。その経験を「金曜日のスマたちへ」というテレビ番組の中で話しましたが,人に詳しく話すのは初めてのことでした。番組は2011年2月に放送され,とても大きな反響がありました。多くの講演依頼を頂くようになり,正直戸惑いましたが,やはり世間の皆さんの関心の高さを実感しました。「いじめ」は,程度の差こそありますが学校など子どもたちが集団生活をする現場には必ずあって,その解決策をみんな模索しているんですね。誰もがなくしたいと思っている。でも,なくせず,陰湿化,凶悪化することも多くあります。それでも,現状を何とかしたいと思う人たちもたくさんいるのだなと分かりました。

 

この人たちも生まれた時は赤ちゃんだった

 中学に入学して,僕は吹奏楽部に入りました。全国大会に出場するようなレベルの高い部でしたから練習もハードでした。でも先輩たちは厳しい中でも優しくて,僕は毎日の部活動が楽しくて仕方がありませんでした。

 ところが,中学1年生の秋頃から,下校時に他校の生徒に待ち伏せされ,殴る蹴るの暴力を受けたり,お金を脅し取られたりするようになりました。毎日,毎日,続いたんです。指をホッチキスで挟まれたり,唇をカッターで切られたり。痛くて苦しくて悔しくて,だけど声は出せない。心の中で「早く終われ,終われ」と念じるだけ。それでも終わらないから「この不良たちも生まれた時は赤ちゃんだったんだ」と思って耐えました。そうでしょう,みんな初めはお母さんから生まれてくる無垢(むく)な赤ん坊なんですよ。だから,いつかこんなことはやめてくれる,無理やりそう思うことで耐えたんです。

 僕の制服は,蹴られた足跡でいつも泥だらけ。でも両親や兄弟に見付かりたくはなかったから,帰宅するとすぐに脱いで,泥をはらい落として……。親に知られたら大騒ぎになって,不良たちを怒らせることになり,もっとひどい目に遭わされると思い,隠していました。

 

希薄になった人間関係 大人も気づかぬ振りをする

 しかし,だんだんいじめはエスカレートし,僕はもう死のうと思いました。でも,死ねなかった。自分の中にもう一人の僕がいて,「嫌だ助けて」とか「駄目。死にたくない」という声が聞こえて,死のうとしていた僕にブレーキを掛けたんです。

 こんな思いで苦しんでいる子どもたちはすごく多いはずです。子どもが自殺し,事件になって初めて事実が明るみに出るけれど,それ以前の状況にある子どもたちがどれほどいることか。事件がある度,子どもが発するサインを見逃していたのではないかとか,周囲の大人がもっとアンテナを張って子どもの様子に敏感になろうとか言いますが,それは難しいことです。なぜなら,いじめる子もいじめられる子も必死で隠そうとするし,人間関係が表面的で希薄になっているので,周囲の友達も知らん顔をしますから。それに,人は誰でも平和に穏便に暮らしたいと思っているので,異変に気付いても無意識のうちに気付かない振りをするんです。また,親も我が子がそんなことになっているとは認めたくないものです。それに,先生も普通の勤め人。受け持ったクラスで何事もない平穏な一年を過ごしたいと願っているでしょうし,自分の生活を投げ打ってまで生徒を助けようとする先生は,なかなかいないと思います。

 

人を癒(いや)すことが僕の天職

 高校生になった僕は整体院で受付などのアルバイトをしていました。整体師の皆さんを見ているうちに,自分もこの仕事がしたいと思うようになりました。

 一方,中学時代の暗黒の三年間から脱出して,僕は高校生活をエンジョイしつつ,色々チャレンジする中で,テレビに出る機会が増えていました。芸能界でも成功したい。タレントと整体師。一見,両立しそうにないでしょう。でも整体院の先生が民間の整体師免許なら取れると励ましてくださって一念発起,勉強して開業に至りました。

 整体というのは,その人なりの自然治癒力を高めることなんですね。僕の施術を受けてリラックスしたいというその人の気持ちと,心と体をほぐして楽にしてあげたいという僕の気持ちの相乗効果で,自然治癒力は高まるんです。

 みんなの疲れを癒してあげたい。これはタレント「楽(たの)しんご」のスタンスでもあります。

 

「行きたくない」と声に出して訴えて

 こんなふうに,癒してあげたい,優しくしてあげたいと言うと,やはり自身のいじめられた経験が楽(たの)しんごさんを大きく寛容にしたんですねとか,芸の肥やしになっているのですねとか言われます。あえて否定はしてきませんでしたが,そんなのきれいごとですよ。いじめられた時代があってこそ今があるなんて絶対に嘘です。いじめられる経験なんかないほうがいいに決まっているじゃないですか。いじめられるって,人間扱いされないことなんです。人格を否定されることなんです。いじめられた経験のない人には,それがどれほどつらく苦しいことか,決して分からないと思います。

 いじめられた経験のある僕が今,同じような目に遭って追い詰められている子に何か言えるとしたら,「待って,死なないで。生き延びて」かな。家族には「いじめられてるんだ」って言えないなら「学校に行きたくないんだ」と言ってみて。学校にしろ,授業にしろ,いじめっ子の命令にしろ,君の生命(いのち)より尊いものなんてないんだから,とにかく生きていてほしい。そうすれば,「生きていて良かった」と思える日は,必ずやってくる。そう言ってあげたいですね。

 

楽(たの)しんごさんのプロフィール

タレント・整体師

1979年,神奈川県生まれ。

俳優事務所に所属し,グルメレポーターなどで活動しながらお笑いタレントを目指す。「エンタの神様」や「あらびき団」などの番組出演を経て人気急上昇。現在はタレントとして活躍する傍ら,プロの整体師としての顔を持ち,整体院「癒(いや)しんご」の院長を務める。2011年2月,テレビ番組でいじめられた過去を語って話題に。著作に「泥だらけの制服」や「楽(たの)しんごの1分整体ダイエット」がある。

 

書籍プレゼント

楽(たの)しんごさんのサイン入り書籍「泥だらけの制服」を2名様にプレゼントします。どしどしご応募ください!

応募方法 ハガキに郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号・「あい・ゆーきょうと」へのご感想・ご意見を必ずお書きのうえ,下記宛先へお送りください。

締切り/平成25年1月11日金曜日(当日消印有効)

宛先 〒604-8571(住所不要)京都市人権文化推進課 「あい・ゆーきょうと」48号 書籍プレゼント係

抽選結果の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

 

我ら,企業市民

鐘通(かねつう)株式会社の取組

鐘通(かねつう)に関わるあらゆる人々の満足を追求し,共に発展していく

一番の鍵は,「社員満足」

 

 電線,ケーブル,コネクタなどの電子部品の専門商社,鐘通(かねつう)株式会社(以下,「鐘通(かねつう)」)。200社以上の部品メーカーと取引し,全国各地の営業所や海外現地法人を通じて顧客に提供しています。京都本社を訪ね,松井(まつい) 宏記(ひろき)代表取締役社長,管理部の田中(たなか) 豊(とよ)久(ひさ) 主任,企画部の藤岡(ふじおか) 奈(な)保(ほ)さんにお話を伺いました。

 

「商売とは満足を与えるものなり」

 昭和25年(1950年)の創業以来,電線・ケーブルを中心に取り扱い,国内産業の発展に伴って機械制御機器や電子部品・材料など取扱品目と販売網を拡大。家電や自動車製造の現場で使用される機械やロボットの技術発展に寄与してきた鐘通(かねつう)。京都営業所は整理整頓が行き届いた活気あるオフィスです。また,玄関口から至る所に花や観葉植物が置かれ,来客や社員を和ませています。

 「我が社のスローガンは,「明るく楽しく元気よく」です。社員にとって,職場は過ごす時間が一番長い場所ですから,居心地のいい環境でのびのび働いてほしい。本社では花を置いたりしていますが,ある営業所では,植物をジャングルのように飾り付けています。楽しい職場作りについては,多様性を求めていますので,各営業所で自由にやらせています」と,明るく元気良く話す松井社長をはじめ,田中主任も藤岡さんも朗らかに話してくださり,明るい笑顔が印象的です。

 「創業者が「商売とは何か」と尋ねたら,ある寺のご住職が「満足を与えるものなり」と答えたそうです。我々は商社ですから,お客様はもちろん仕入先である電線などのメーカーや加工業者の方々も商いの相手です。その皆さんに満足していただくのが我々の使命ですから,社是を「取引先に満足を与える」としています」と,松井社長は言います。

 

会社発展の鍵は「社員満足」

 満足を与える相手は顧客や仕入先に留まりません。鐘(かね)通(つう)では四つの満足,「顧客満足,仕入先・外注先満足,社員満足,地域満足」を実践しているのです。

 「会社の敷地内にお地蔵さんがあるんですよ。せっかくのご縁ですから地蔵盆の開催場所を毎年提供していまして,地域の皆様には大変喜ばれています。私どもがこの地で無事に営業できるのも地域あってのことですから,地域の皆様にご満足いただくため,力は惜しまないつもりです」。

 松井社長はさらに,「会社発展の鍵は「社員満足」なんです。社員の声を積極的に取り入れ,社員が安心して働ける環境作りに向けて柔軟に取り組むことで,「社員満足」が生まれてきます。そこから,社員は顧客や仕入先に満足を与えることを理解し,一人一人が自分の仕事に誇りを持って取り組むようになっていくことが,会社の追求する四つの満足につながるのです」と,続けます。具体的な例を挙げると,ノー残業デーを毎週設けたり,女性社員には誕生日に花を贈ったりしていますが,これらの取組は,社員の声から生まれるものが多いのです。そして,松井社長は「やはり子育て支援が一番重要です」と強調します。

 

何よりもワーク・ライフ・バランスを重視

 実際に育休制度を活用し,現在は職場復帰している藤岡さんは入社5年目。「私が入社した時には既に産休・育休制度は整っていて,先輩社員も次々と休暇を取得していました」。会社の制度をためらわずに活用するムードが職場にあると言います。

 「私は妊娠8箇月まで勤務して産休に入り,出産後,子どもが満1歳を迎えるまで丸1年の育休を取りました。今は9時半から4時半までの時短勤務です。部課内で互いに協力し合って業務をこなしています」。その口ぶりからは,長期休暇後の復帰への不安もなく,時短勤務についても周囲の理解が得られる中で,安心して働いておられる様子がうかがえます。「子育てに存分に時間を掛けることができるのは,本当に有り難いです」と藤岡さん。

 時短勤務については,「小学校3年生の子どもまで適用されます」と説明する田中主任。「男性の育児参加を推進するため,育休開始から5日間を有給,看護休暇も有給にしています。社内報や掲示板,社内会議等でこういった支援制度を常に周知することで,利用しやすい職場風土の構築に努めており,男性社員の育休取得の実績につながりました」と語ります。

 「大きな金額ではありませんが,結婚・出産祝いや鐘通(かねつう)版子ども手当を支給しています。どんどん結婚して子どもを産み育ててほしいと願っているんです」と言う松井社長。

 「我が社の社員には,個々の能力を高めながら有意義な仕事をしてほしいし,一方で幸せな家庭を築いてもらいたい。そもそも,産業の発展も社会の成熟も,次世代の育成あってこそだと思うんです。子どもたちがどんどん生まれてすくすく育つ社会は,おのずと健全な経済成長を遂げるはず。日本経済を担う一企業として,今後もより一層ワーク・ライフ・バランスの取組に力を入れていきます」。

 

特集

障害のある方の社会参加の促進に向けて

1 就労支援の現状と今後の展望

 国においては,障害者権利条約の批准に向け,障害者制度に関する国内法の見直しを進めており,障害のある方もない方も全ての方が個人として尊重され,地域社会の中で,いきいきと活動しながら,相互に認め合い,支え合い,安心して暮らせる社会の実現を目指しています。

 障害のある方にとって,就労は社会参加の重要な要素であるとともに,社会的に自立し,かつ生きがいを持つという大切な意義があります。

 本市においては,障害のある市民の就労を支援するために国や京都府をはじめ関係機関が連携して設置した「京都市障害者就労支援推進会議」を核に,様々な就労支援策に取り組んでおり,障害のある方の社会参加の促進や就労を支援しています。企業においてもCSR(社会的責任)に取り組む意識が高まっていることや,各地で就労支援の取組が充実してきたことなどから,雇用情勢が厳しい中でもハローワークを通じた障害のある方の就職件数(全国)は,平成23年度で約6万件と過去最高となっているほか,求職者数も増加しています。

 こうした状況を踏まえ,国においては,障害者雇用率の引上げなど,次のような見直しが進められており,障害のある方に対する就労支援の取組は,今後ますます進んでいくことが予想されます。

 

民間企業等の障害者の法定雇用率の引上げ等

 民間企業の法定雇用率を2・0%とすること等の変更が,平成25年4月から実施されます。

 主な変更

 民間企業の法定雇用率は現行の1.8%から2.0%に引上げられます。

 国及び地方公共団体等は,現行の2.1%から2.3%に引上げられます。

 義務付け対象となる事業主の範囲が,現行の56人以上から従業員50人以上に広がります。

 

精神障害者の雇用を義務化

 平成24年7月に「障害者雇用促進制度における障害者の範囲等の在り方に関する研究会」が,精神障害者の雇用義務化が適当であるとすること等を提案する報告書をまとめており,今後,労働政策審議会障害者雇用分科会で議論されることとなっています。

 

その他

 平成24年6月に成立した障害者優先調達推進法は,国や地方自治体に対して,障害のある方の施設から優先して商品を購入することを求めるとともに,競争入札参加資格を定める場合,障害者雇用促進法の法定雇用率を満たしているかどうかに配慮することなどを通じて,障害者施設の商品の需要を増やすことで障害のある方の自立を促進することを目的としています。これにより,障害のある方の働く事業所への発注について,国や地方自治体が調達目標を作成し,それに即した調達を行うこととなりました。

 

2 障害のある方に対する心の身だしなみ

 障害のある方もない方も共に暮らせる社会を実現するためには,障害のある方が様々な社会活動を行う際に,障害の特性を踏まえた適切な配慮,すなわち合理的配慮がなされることが必要です。

 合理的配慮とは,障害のある方もない方も同じように権利や基本的自由を保障するために行う必要な変更や調整のことで大きな負担が掛からない配慮のことです。(例えば職場の入口の段差をなくす,仕事の資料を点字にするなど)

 障害のある方は,外から見えなくてもつらい思いをしておられる場合があります。どのような配慮が必要なのか,障害の種別ごとに見ていきましょう。障害のある方の社会参加を促進するためにも,企業や市民の皆様にご理解を深めていただきたいと思います。

 

 

 障害の特性を踏まえた適切な配慮について

 

視覚に障害のある方

 全く見えない方と見えづらい方がいらっしゃいます。見えづらい方の中には,光がまぶしい,見える範囲が狭い,特定の色が分かりにくいなど様々な方がいらっしゃいます。

 こちらから声を掛けること,「こちら」,「あちら」などの指示語は使わず具体的に話すことなどの配慮が必要です。

 

聴覚・言語に障害のある方

 全く聞こえない方と聞こえにくい方,また,言語障害を伴う方とほとんど伴わない方がいらっしゃいます。外見からは障害のあることが分かりにくく,声に出して話されていても聞こえているとは限りません。

 手話,指文字,筆談,口話などコミュニケーションの方法を確認するなどの配慮が必要です。

 

肢体不自由のある方

 上肢や下肢に切断や機能障害のある方,脳性マヒの方などです。脳性マヒの方の中には,顔や手足が自分の意思と関係なく動いてしまうため,自分の意思を伝えにくい方などがいらっしゃいます。

 少ししゃがんで,車椅子の方と同じ目線で話すなどの配慮が必要です。

 

内部障害のある方

 内部障害とは,内臓機能の障害で,心臓機能,呼吸器機能,じん臓機能,ぼうこう・直腸機能,小腸機能,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能,肝臓機能の7種類があります。全身機能が低下して,疲れやすく,電車の優先席に座っても周囲の理解が得られないなど,心理的なストレスを受けやすい状況にあります。

 心身に負担を掛けないよう気配りをするなどの配慮が必要です。

 

知的障害のある方

 発達時期において脳に何らかの障害が生じたため,知的な遅れと社会生活への適応のしにくさのある方です。複雑な話や抽象的な概念は理解しにくく,自分の意見を言うのが苦手な方などもいらっしゃいます。

 抽象的な表現は避け,具体的に分かりやすく話すことや,穏やかな口調で声を掛けるなどの配慮が必要です。

 

発達障害のある方

 発達障害は,自閉症,アスペルガー症候群等,脳機能の障害で,通常低年齢において症状が発現します。相手の表情・態度やその場の雰囲気を読み取ることが苦手な方や,理論的に話すことが苦手な方がいらっしゃいます。

 抽象的な表現は避け,具体的に分かりやすく,短い文章で「ゆっくり」,「ていねいに」,「繰り返し」話すなどのほ配慮が必要です。

 

精神障害のある方

 統合失調症,うつ病等の精神疾患により,日常生活や社会生活のつらさを抱えている方です。適切な治療・服薬と周囲の配慮があれば症状をコントロールでき,大半の方は地域で安定した生活を送られています。社会の理解を得るのが難しいため,病気のことを他人に知られたくないと思っている方や,対人関係やコミュニケーションが苦手な方がおられます。

 不安を感じさせないような穏やかな対応をするなどの配慮が必要です。

 

(参考/障害施策推進本部発行 「公共サービス窓口における配慮マニュアル 障害のある方に対する心の身だしなみ」)

 

 

3 障害者制度の見直しに関心を

 平成21年12月からスタートした障害者制度の見直しは,おおむね決められた計画どおりに進められており,現在,障害者差別禁止法(仮称)について,内閣府に設置された障害者政策委員会差別禁止部会で,精力的に議論が進められています。

 障害者権利条約の批准に向けて進められている障害者制度に係る国内法の見直しも最終段階に入ってきたと思われますが,障害者自立支援法に代わって,平成25年4月1日に施行(一部を除きます。)される障害者総合支援法においては,新たに,障害者の範囲に難病等を加えるとともに,法の施行後3年を目途に障害のある方の移動の支援や就労の支援,その他の障害福祉サービスの在り方等について,引き続き検討が加えられることになっています。

 そのことからも,社会の一員である私たち一人一人が関心を持ち続けることが大切です。

 

 特集の内容について,詳しくは,京都市保健福祉局障害保健福祉推進室(電話 222-4161 ファックス 251-2940)へお問い合わせください。

 

 

イベント情報・お知らせ

 特に明記のないものは無料です。

 各会場へお越しの際は公共交通機関をご利用ください。

 

山科区人権講演のつどい

ヘルマンハープ演奏会&講演

演奏 梶原 千沙都さん(ヘルマンハープ奏者)

講師 ダニエル・カールさん(タレント・山形弁研究家)

手話通訳・要約筆記をご希望の方は11月26日月曜日までに山科区役所地域力推進室へファックス(氏名・住所・連絡先を明記)等でお申し込みください。

日 時 平成24年12月7日金曜日13時30分から(予定)

会 場 京都市東部文化会館ホール

定 員 500名(先着順)

お問合せ 山科区役所地域力推進室 電話592-3088 ファックス 502-8881

 

心のふれあい みんなの広場 講演会

テーマ 「人と人が支え合う世界」

講 師 紺野 美沙子さん(俳優・国連開発計画(UNDP)親善大使)

手話通訳・要約筆記をご希望の方は11月26日月曜日までに南区役所地域力推 進室へ電話又はファックス(氏名・住所・連絡先を明記)でお申し込みください。

日 時 平成24年12月7日金曜日18時30分から20時まで

会 場 龍谷大学アバンティ響都ホール

定 員 300名(先着順)

お問合せ 南区役所地域力推進室 電話681-3417 ファックス 671-9653

 

人権を考える講演会

テーマ 「一緒に考えましょう。一緒に行動しましょう。希望を持って生きるために。」

講 師 石倉 紘子 氏(こころのカフェきょうと(自死遺族サポートチーム)代表)

手話通訳あり。ご希望の方は11月27日火曜日までに醍醐支所地域力推進室へ電話又はファックス(氏名・住所・連絡先を明記)でお申し込みください。

日 時 平成24年12月9日日曜日13時30分から15時まで

会 場 京都市醍醐交流会館

定 員 200名(先着順)

お問合せ 醍醐支所地域力推進室 電話571-6135 ファックス 571-2673

 

上京区講演のつどい

人権に関する講演会

手話通訳あり。ご希望の方は事前にお申し込みください。

日 時 平成25年1月26日土曜日

会 場 同志社大学寒梅館ハーディーホール

定 員 800名

お問合せ 上京区役所地域力推進室 電話441-5040 ファックス 441-2895

詳細は,市民しんぶん上京区版12月15日号にてお知らせします。

 

北区ハートスポット・スタンプラリー

参加方法

北区内の福祉・人権関連の施設や催しを回り,ラリー台紙にスタンプを押してください。ラリー台紙は対象施設や催し会場,北区役所にて配布しています。

期 間 平成24年11月15日木曜日から12月25日火曜日まで

ただし,催しは期間が異なります。

記念品 スタンプを5つ集めて応募いただいた方の中から,抽選で100名様に「トラフィカ京カード 1000円券」を進呈します。

事前申込み 不要(一部施設・催しは要)

お問合せ 北区役所地域力推進室 電話432-1208 ファックス 441-3282

 

ウィングスフォーラム2012

このフォーラムは,男女が共に個性と能力を発揮し,いきいきと活躍できる社会の実現を目指し,学習,相互交流を行う場として,毎年開催しているものです。

手話通訳あり。

日 時 平成24年12月8日土曜日 13時開場

場 所 京都市男女共同参画センターウィングス京都 イベントホール

申込み 「京都いつでもコール」(年中無休 8時から21時まで)電話661-3755 ファックス 661-5855 又は「京都いつでもコール」のホームページ「申込受付中のイベント」から。

定 員 230名

申込締切日 平成24年11月22日木曜日

お問合せ 男女共同参画推進課 電話222-3091 ファックス 222-3223

 

第21回民族の文化にふれる集い

韓国・朝鮮をはじめとする様々な国の豊かな文化・芸術・生活等に触れ,互いの民族の交流の場として実施します。

舞台発表 民族舞踊,民族楽器の演奏,劇や歌 等

作品展示 絵画,お面,民族衣装,楽器 等

日 時 平成25年2月3日日曜日13時30分から16時30分まで

会 場 同志社大学寒梅館ハーディーホール

定 員 850名(先着順)

お問合せ 学校指導課 電話222-3815 ファックス 231-3117

 

和い輪い人権ワークショップ

ゲームやディスカッションを通じて,ワイワイ楽しく人権について考える学習会です。

会 場 京都市男女共同参画センター ウィングス京都

申込先 「京都いつでもコール」(年中無休 8時から21時まで)電話661-3755 ファックス 661-5855 

又は「京都いつでもコール」のホームページ「申込受付中のイベント」から。

第3回「見つめ直そう,クルマ社会の人権課題」

日 時 平成24年12月20日木曜日13時30分から16時30分まで

定 員 40名  申込締切日 平成24年12月13日木曜日

第4回「生きている図書館」

日 時 平成25年2月19日火曜日13時30分から16時30分まで

定 員 30名  申込締切日 平成25年2月12日火曜日

お問合せ 人権文化推進課 電話366-0322 ファックス366-0139

 

人権啓発絵画ポスター展

伏見・深草・醍醐管内の小・中学生の絵画・ポスター展示

日 時 平成24年12月3日月曜日から12月26日水曜日

会 場 伏見区総合庁舎1階ロビー,向島図書館,地下鉄竹田駅,深草総合庁舎1階コミュニティホール,醍醐総合庁舎2階ロビー,京都銀行小栗栖出張所,滋賀銀行醍醐支店,京都中央信用金庫醍醐支店,石田支店,伏見東郵便局

お問合せ 伏見区役所地域力推進室 電話611-1144 ファックス 611-0634

        深草支所地域力推進室  電話642-3203 ファックス 641-0672

                   醍醐支所地域力推進室  電話571-6135 ファックス 571-2673

 

人権啓発作品展

北区内の小学校児童が制作した絵画,習字,標語等の展示

日 時 ① 平成24年12月4日火曜日から12月10日月曜日まで。10時から21時まで

② 平成24年12月12日水曜日から12月18日火曜日まで。閉庁日を除く。8時30分から17時まで。

会 場 ① キタオオジタウンセンタープラザ外周西側

② 北区役所1階ロビー

お問合せ 北区役所地域力推進室 電話432-1208 ファックス 441-3282

 

人権啓発書初め展

中京区内小中学校から募集した人権にちなんだ書初め約100点を展示

日 時 平成25年1月28日月曜日から2月15日金曜日まで。閉庁日を除く。8時30分から17時まで。

会 場 中京区役所1階区民ホール

お問合せ 中京区役所地域力推進室 電話812-2426 ファックス 841-8182

 

西京区人権月間 映画のつどい

「クイール」

実在した盲導犬の生涯を描いた感動の物語,映画「クイール」の上映会

バリアフリー上映(日本語字幕,副音声ガイド付き)

日 時 平成24年12月15日土曜日14時から16時10分まで。受付は13時30分から。

会 場 京都市西文化会館ウエスティ

申込先 「京都いつでもコール」(年中無休 8時から21時)電話661-3755 ファックス 661-5855 又は「京都いつでもコール」のホームページ「申込受付中のイベント」から。

定 員 400名  申込締切日 平成24年12月4日火曜日

お問合せ 西京区役所地域力推進室 電話381-7197 ファックス 391-0583

 

人権擁護委員による特設人権相談

人権擁護委員は,市長が推薦し,法務大臣から委嘱されている方々です。人権相談では秘密は厳守され,難しい手続も不要です。悩んだとき,困ったときは,お気軽にご相談ください。

日 時 毎月第4木曜日(原則)13時から16時まで

開催日時(確定日時)については,開催月の1日付けの市民しんぶん(全市版) にてご確認願います。

会 場 京都市消費生活総合センター

定 員 6名

予 約 「京都いつでもコール」(年中無休 8時から21時)電話661-3755 ファックス 661-5855 又は「京都いつでもコール」のホームページ「申込受付中のイベント」から。

定員が埋まっていない場合,予約なしでも当日受付を行っております。

なお,人権擁護委員による人権相談は,月曜日から金曜日の毎日(祝日を除く。)8時30分から17時15分に,京都地方法務局(電話0570-003-110)において実施しているほか,京都府庁(府民総合案内・相談センター)においても,毎月第2木曜日(原則)13時から16時までに実施しています。

 

「人権“ほっと”写真 フォト」募集中!

人権の大切さが感じられる心温まる写真を,“ほっと”なメッセージを添えてお寄せください。

応募資格 不問

作品規格 ①JPEG形式のデジタル写真(画質500万画素以上)。データでの提出に限ります。紙写真は受付できませんのでご注意ください。②組写真は不可 ③フィルムをスキャナー処理した写真,画像加工した作品は可

応募方法 ①Eメール又はCD-Rの郵送,持参 Eメールでの応募の場合,容量は10MB以下とします。②作品に,次の1から7の内容を記載したものを添付してください。1作品タイトル,2作品に込めるメッセージ(人への感謝の気持ちや,共に生きることの素晴らしさ,思いやりの大切さなど,応募作品に込める作者からのメッセージ。100字程度。) 3住所,4氏名,5年齢,6電話番号,7本事業を知ったきっかけ

賞 ほっと賞 1点(副賞 賞金2万円又はトラフィカ京カード2万円分)

ちょっとほっと賞 6点(副賞 図書カード又はトラフィカ京カード5千円分)

応募先 〒604-8571(住所記入不要)京都市人権文化推進課「人権“ほっと”写真」担当

E-mail [email protected]

お問合せ 人権文化推進課 電話366-0322 ファックス 366-0139

締 切 日 平成25年1月31日木曜日まで

 

企業向け人権啓発講座の御案内

京都市主催 平成24年度企業向け人権啓発講座

(第9回,第10回を実施します。)

 

対象は,京都市内に事業所を持つ企業等の経営者層,人事・総務責任者,人権研修推進者等です。

詳細につきましては,京都市人権文化推進課のホームページから企業啓発担当をご覧ください。

「企業向け人権啓発講座」の講演録等を京都市人権文化推進課のホームページにて公開していますので,ご参照ください。

 

第9回 講演

企業を支える人材力 高年齢人材のパワーを発展の柱として

講師 中川(なかがわ) 正志(まさし)

(人事企画事務所ネットワーク代表,採用・人事開発コンサルタント,京都府高年齢者雇用アドバイザー)

日時 平成25年1月25日金曜日14時30分から16時まで

場所 京都テルサ セミナー室(東館2階)(南区東九条下殿田町70番地)

内容 市内の各企業の経営者や求職者と向き合ってきた講師が,雇用の現状や,企業力を高めるための人材マネジメントの在り方のポイントを,具体例を交えながらお話します。また,平成25年4月に高年齢者雇用安定法の改正を控えて,年齢を超えた企業内協働の重要性について考えます。

定員 100名(先着順)

共催 京都府高齢・障害者雇用支援協会

申込期間 平成24年11月14日水曜日から平成25年1月18日金曜日まで

手話通訳・要約筆記を必要とされる方は,事前にお申し込みください。

中小企業庁委託事業

 

第10回

企業約100社・学校・区民・行政が手を携え取り組んでいる地域の集いに参加

第18回ふしみ人権の集い

日時 平成25年2月9日土曜日13時30分から16時30分まで

場所 京都府総合見本市会館 3階 京都パルスプラザ稲盛ホール(伏見区竹田鳥羽殿町5)

内容 「第18回ふしみ人権の集い」に参加し,地域社会の一員として企業にできることについて考えます。

1部 活動報告

年間テーマ「広げよう,そしてつなげよう 人権尊重の営みを!」に基づく学習会などの今年度活動報告等

2部 記念公演

「ブルースの原点,竹田の子守唄と出会って」(仮称)宇崎 竜童 さん

申込期間 平成24年11月14日水曜日から平成25年2月1日金曜日

手話通訳を必要とされる方は,受付でお申し出ください。

当日は先着順で入場いただき,満席になった場合はご入場をお断りする場合がありますので,あらかじめご了承ください。

 

企業向け人権啓発講座(第9回,第10回)の申込方法 

 京都市人権文化推進課又はそのホームページ(企業啓発担当)から入手した申込書に必要事項をご記入のうえ,ファックス 075-366-0139でお申し込みください。お問合せは電話075-366-0322へお願いします。

 ご来場の際は,公共交通機関をご利用ください。自家用車での来場を必要とされる方は,京都市人権文化推進課へご連絡をお願いいたします。

 第9回については,定員を超えた場合はその旨をホームページに掲載し受付を終了しますので,あらかじめご了承ください。

 

個人情報の取扱いについて

 いただいた個人情報は,京都市個人情報保護条例に基づき,他の目的に使用しないとともに厳重に管理します。

 

お問い合わせ先

京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

電話:075-222-3096

ファックス:075-366-0139

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