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門川市長記者会見(2017年7月26日)

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2017年8月15日

市長記者会見(2017年7月26日)

市街化調整区域内における特別養護老人ホームの整備について

  本日は,私から2点御報告いたします。

 まず初めに,市街化調整区域内における特別養護老人ホームの整備について,御報告いたします。長年にわたり,地域や社会のため,そして御家族のために尽くしてこられた高齢者の方々の豊富な知識と御経験は京都の宝であります。そんな皆様がいきいきとお過ごしいただくことが,個性と魅力溢れる京都のまちづくりに不可欠である。私はそう確信しています。高齢者の皆様に安心して,いきいきと過ごしていただくためには,様々なニーズに応えられる特別養護老人ホームの整備が必要であります。かつては京都市市街化区域に土地が随分ありました。それらの土地に特別養護老人ホームもたくさん建ってきました。しかし,最近の住宅や宿泊施設の需要等でほとんどが使われ土地を確保できないという課題がございます。京都市では,従来,約3万3千ヘクタールと,市街化区域の約2倍の市街化調整区域を設け,メリハリのついた土地利用を進めてきました。

 2001年からの京都市基本構想の中には,今では考えられないことでありますが,都心部の空洞化,人口流出など様々な課題が書かれています。例えば,キリンビールの跡地の利用方法がなかった例や,京都駅の南側のイオンモールの開発が途中でストップして使い道がなく,市役所の本庁舎をそこに移転するのはどうかという議論もかつてありました。このような中で市街化調整区域への特養の立地については,かつては許容していたものの,市街地区域で特養を整備可能な土地の取得が比較的容易であったこと及び「高齢者の住み慣れた地域での生活の継続」という高齢者福祉施策上の考えを反映し,平成14年にこれを認めない方針としました。その後,特養の整備を着実に推進し,平成20年度からこれまでの10年間で,1,870人分の特養を整備し,現時点での必要数は確保しています。

 しかし,今,我が国では高齢化がますます加速しています。本市においても同様であり,20年程前の平成7年には14.6%だった65歳以上の人口比率は,今や25%を超え,平成27年度には26.7%と実に4人に1人以上の割合です。8年後の2025年には,いわゆる団塊の世代が全て後期高齢者となり,75歳以上の人口が今より約6万人増加する等,今後も高齢化が進むことが見込まれ市民ニーズの高い特養の整備は喫緊の課題です。

 このような状況を受けて,本年3月には,学識経験者,福祉・医療関係者の方々等に本市の高齢者福祉施策に関する議論をしていただいている京都市高齢者施策推進協議会から市街化調整区域内の特養整備を検討するよう御提案をいただきました。三方を山に取り囲まれた京都の豊かな自然の中には,我が国有数の歴史的資源が豊富に存在しております。それら地域を守るため,本市では市街化調整区域を指定し,開発を抑制してまいりました。今後も,市街化を促進しないことは当然であります。

 一方で,市内の市街化区域周辺部においても人口減少等による既存集落の活力低下が危惧されております。例えば,洛西ニュータウンの隣の大原野地域では,農業が厳しく,人口が激減しているという現状があります。このような場所の一部を活用し,市街化を促進せず,かつ,自然と調和し,安定した雇用を創出する施設が求められているという社会状況にも目を向ける必要があります。これに加え,先ほど申し上げましたとおり,特養の整備は,喫緊の課題であります。私は,利用者の方の安心を確保し,地域の自然と調和した快適な暮らしが実現されると同時に,地域経済の活性化に資する取組等を実施する事業者には,道路や下水道等の公共施設が既に整備されている場所に特別養護老人ホームを造っていくことが大事であると判断しました。特養1箇所を整備するのに必要な土地は約3千平方メートルです。10箇所で,3万平方メートル,3ヘクタールであり,これは,約3万3千ヘクタールある市街化調整区域の0.01%,1万分の1程度であります。市街化調整区域全体に占める割合はわずかではありますが,この部分を活用して高齢者の安心を実現していきたい,こう考えております。

 整備に当たっては,4つの要件を定めました。非常に厳しい要件にしております。1つ目の要件は,利用者の安心の確保と地域の自然と調和した快適な生活を実現することです。利用者の皆様の安心を確保し,地域の自然と調和した快適な暮らしを実現できるよう医療機関から車で6分程度で駆けつけられる距離,概ね2キロ以内に医療機関が立地する場所に限定いたします。また,市内産木材が利用者を癒し,地元農産物が利用者の食卓を彩る,また,地域のみなさんとの積極的な交流や連携を行う,そういったことを通じて地域の自然と調和のある施設にしていきます。

 2つ目の要件は地域経済の活性化への貢献です。市街化調整区域での整備は,市街化区域に比べて,整備用地の確保に要する費用を抑えることができます。事業者には,その差額を利益と考えるのではなく,雇用の創出や市内産木材や地元農産物の活用など,地域活力の促進等に還元していただきます。

 3つ目の要件は,安定した雇用の創出です。今,非正規の方々がかなりおられるのですが,これから雇用状況を考えるときに,福祉の関係でしっかりと安定した雇用を作っていくことが何よりも大事であります。事業者には,全国平均を上回る割合で,正規職員の雇用率を高めることも要件にします。

 4つ目の要件は,利用者の負担軽減です。経常的に低所得の状態にある方にも,必要な介護サービスを利用していただきやすくしていくため,事業者には,社会福祉法人自ら実施できる25%の利用料減額を実施していただきます。

 つまり,市街化調整区域の地域にとっても良い,また,すぐに働く人にとっても安定した雇用で福祉が持続可能になっていく。そして,そこに入居する方にとっても相対的に良い,安い料金で利用できる,こうしたみんなが良いと思えるものを作っていきたいと思っています。

 なお,今回の整備方針は,いわゆる団塊の世代の全てが75歳以上の後期高齢者となる8年後の2025年度まで継続し,その後は特養の需給状況を検証のうえ,判断してまいります。未来永劫この制度を続けるというものではなく,その都度判断してまいりたい。

 整備,運営を行う事業者については,既に市内で定員29人以下の地域密着型特養を運営している法人又は市街化調整区域での特養整備と同時に地域密着型特養を整備する法人を対象に公募します。非常にコストのかかる市街地の地域密着型の取組と市街化調整区域と両方運営していただくということになります。なお,応募資格等の詳細については,資料に記載のとおりです。

 事業者の選定については,京都市高齢者施策推進協議会では,4つの整備の柱を達成できているか,利用者へのサービスが適切に確保できるかなど,特養の運営について審査いただきます。また,京都市開発審査会では,特養の整備計画が,道路や下水道等の公共施設を新たに整備する必要がないものであること等,市街化調整区域内で整備を行うに当たり相応しい立地であるかどうかを慎重に審議いただきます。

 高齢者の皆様が笑顔でいきいきといつまでもこの京都のまちで過ごしていただける,そうした取組に今回の判断がつながると確信しております。

児童館における大学と連携した学習支援事業の実施について

 児童館における大学と連携した学習支援事業の実施について,御報告します。

 子どもを笑顔で温かく見守り,地域や社会の宝として大切に育てていく。そうした「はぐくみ文化」が息づくまちづくりの実現を目指し,「子どもを共に育む京都市民憲章」を市民ぐるみで制定してから10年が経ちました。この間,京都ならではの「はぐくみ文化」の輪が着実に広がっております。この成果をしっかりと行政の組織にも活かしていきたいということで,本年4月,8年ぶりの新局となる「子ども若者はぐくみ局」を創設しました。単なる役所の機構改革ではなく,市民ぐるみで子どもをはぐくむ,その文化を活かし,それを役所の組織にし,より市民の皆様と行政が一丸となって取り組んで行こうという趣旨であります。子どもの学び・育ちのために,福祉,保健,医療,教育の一体化,さらに,乳児から30代までの若者に関する政策を融合し,ひとつの窓口で切れ目なく支援する,大改革でありました。各区役所・支所の窓口では,出産から児童手当の手続きまで,一箇所でできるようになり,全ての職員が子どもに関する相談をワンストップで受け付け,適切なサービスを案内する「子育て支援コンシェルジュ」として活躍しております。子どもはぐくみ室には,福祉系の専門家,医療系の専門家,事務系の専門家がおり,職員が縦割りにならず,一人ひとりが,子ども,またお父さん,お母さんに寄り添って,ワンストップで対応する取組を進めております。「子ども若者はぐくみ局」において,すべての子ども・若者の豊かな成長を支援し,一人ひとりの子どもが生まれ育った環境に関係なく,学び成長していける社会を実現していくことが何よりも大事であります。

 本市では,18,000件もの市民アンケート調査をはじめ,子どもや家庭に直接関わる,約800の施設や関係団体からの意見聴取等,徹底した実態把握を行ってまいりました。同時に,その結果に基づき,今年3月に,13の新規施策と24の充実施策を含めた貧困家庭の子ども・青少年対策に関する実施計画を策定しました。現在,計画に基づき,社会の宝である子どもを市民ぐるみで育む取組が市民の皆様,地域,団体,企業の皆様との連携により進んでいます。皆様に改めて敬意を表し,感謝申し上げます。

 この度,京都市と福祉・教育の専門学科を抱え,意欲あふれる学生が活躍する大谷大学・同短期大学部,京都教育大学,京都橘大学及び花園大学の4大学と児童館学童連盟の6者が協定を締結し,子どもたちの身近な居場所である児童館において,大学生ボランティアによる,子どもたちの勉強の支援や相談に応じる学習支援事業をスタートいたします。

 まず,事業趣旨に関しまして,先の実態調査において,貧困家庭をはじめ困難を抱える家庭では,経済的な課題だけではなく,保護者と関わりが少ない,学習環境が整っていないことが子どもたちの学習状況に影響を与えている,他者との関わりの頻度が子どもが自らのことを大切に思える,自己肯定感に影響を与えていることが判明しました。この結果を踏まえ,今回御協力いただいた4つの大学,児童館,京都市がスクラムを組み,大学生が児童館を訪問し,子どもたちに勉強を教えたり,一緒に遊ぶなど,様々な体験を共に経験し,保護者以外の身近な大人として関わっていただくことで,子どもたちの孤立解消や自己肯定感の向上につなげていくということを目的としています。当該事業をスタートいたしまして,その成功事例をまた他の児童館等に広げていきたいと考えております。

 この事業によって,人と人とのつながりが深まり,子どもも,大学生も,地域も元気になっていく。まさに本事業は本市が進める「はぐくみ文化」の具体化となるものであり,全国のモデルになると確信しております。子どもたちだけでなく,大学にとっても,福祉・教育の生きた学習の場として,子どもたちとの触れ合いを通じ,多くの「気づき」「学び」を得ていただけると考えております。

 また,児童館にとっても,ボランティア活動の推進及び学習支援に係るノウハウの共有が可能となり,児童館職員全体のレベルアップにもつながっていくと考えております。

 当該事業については,6箇所の児童館をモデル的に選定するとともに,事業効果を高めるため,多くの子どもたちが児童館を訪れる夏休みに事業を開始いたします。また,当然のことながら,夏休み終了後も事業を継続し,今年度,事業効果を見極めたうえで,来年度以降,事業の拡大等について検討してまいります。

 なお,7月28日に,この第一応接室において,協定を締結する6者が集まっての協定締結式を執り行います。

 「子どもたちのために何ができるか」の観点で,行政だけではなく,多くの関係団体と共に侃々諤々の議論を行い,このような事業を実施することができる。これこそが本市の強みであり,今後とも,京都に息づく“はぐくみ文化”を生かした取組を着実に進めてまいります。

質疑応答

報告案件に関する質疑

(市街化調整区域における特別養護老人ホームの整備について)

 

記者 

 8年間で,何施設,何床を想定しているのですか。

 

市長

 現在,専門家の方々に集まっていただいた審議会の中で,特養の計画が27年から29年の間に広域型特養,地域密着型特養等をどれくらい作るのかということを3年ごとに計画を作っているので,10年後にどれだけというのは言い難いです。例えて言うと,27年から29年で整備目標は577人,そのうち広域型が4か所で325人,これが既にできている,もしくは整備中のものになります。高齢化によってさらにニーズは高まるということも考えられますので,これの少なくとも3倍は必要だろうと思います。

 

記者

 市街化調整区域で特養を作ることに関しては,京都市としては認めること,もしくは認めないこと,どちらが基本的な考え方ですか。

 

市長

 全国的には,市街化調整区域での整備を認めている都市もあります。先ほども申しましたように,市街地で土地がたくさんあるなかで,それを活かしていこうということでした。当時は,土地の有効利用をしていこうと考えられた時代です。市街地にたくさん土地があるのに,市街化調整区域に手をつける必要はないだろうと,これは15年前の正しい判断です。したがって一般論でどうあるべきかという問題ではなくて,ニーズがどうであるのか,理念がどうであるのかということを考えていかなければならないと思います。

 ヘリコプターで飛んで上から見ることができれば一番よく分かりますが,京都市中心市街地の周りはほとんど市街化調整区域です。南でいうと,そこを超えると久御山は工業地帯,向日市,長岡市,宇治市も工業地帯です。このように京都市が周辺部,例えば洛西ニュータウン,大原野もずっと市街化調整区域で残していますが,一本道を隔てたらマンションが建っています。 

 市街化調整区域というと,都市計画税が納められていないところです。そのため,道路等のインフラ整備が出来ていないというのが一般論であります。しかし,市街化調整区域であるけれども,市街化区域に隣接しているところで,既に近くに医療機関があり,かつ都市基盤も整理されている所があります。そういった所を,今喫緊に必要な特養の整備に活かしていこうと考えています。その時にでも,市街化調整区域の土地特性を活かし,景観や自然との調和等を考えていこうという主旨であります。

 

 

記者

 実際に,事業者や社会福祉法人から,京都市に対して規制緩和をしてほしいという要望はあったのですか。

 

市長

 規制を緩和してほしいというより,私が市長就任したころは,土地を持っている人が,その土地を活かすために,「なんとか特養が出来ないか。」このような相談がたくさんありました。しかし,3年計画で4か所であるため,土地を待っている人は次の計画まで待たなければならないというような状況でした。今はそんな土地がほとんどなくなりました。先ほど申しました,高齢者施策推進審議会のなかで,このままでは地域密着型の小さな土地に特養は出来るけれど,広域型の特養は京都市内ではもう建っていかないのではないかとの意見がありました。例えると,この間の3年間での特養整備が着実に進んでいると申しましたが,たまたま右京区役所の跡地があり,公有地の利用で賄えました。しかし,そういう土地もなくなってきました。福祉関係に熱心に取り組んでいただいている事業者,あるいは京都市の第一線の担当者,あるいは学識経験者等が議論し,京都市が厳しく市街化調整区域での整備を認めないという厳しい判断をしました。15年前は正しかったですが,現時点では,これが特養の整備の足かせになってしまうのではないかということで提案をいただきました。

 

 

(児童館における大学と連携した学習支援事業の実施について)

 

記者

 児童館の学習支援について,28日に締結され,早速開始されるとのことでありますが,初めはどれくらいの大学生スタッフでどれくらいの児童を対象とするのですか。

市長

 各児童館4,5名程度の学生スタッフになると思います。

 

記者

 最初はモデルとして,今後広げていく予定ですか。

市長

 そうですね。京都市には131の児童館があります。いろんな条件がありますが,どんどんと広がっていけば良いと思います。この取組が大学の教育課程と連携するなどきっちりと進化していっていただけたら素晴らしいことであります。この場で学ばれた方が,保育士になろうというような形で,子育てに関わる専門職として学んでいただき,就職していただけたら,ありがたいなと思います。

 

 

記者

 相対的貧困率が約16パーセントあるなかで,京都市内の実態というのは,市長はどう見ておられますか。また,市内特有の貧困問題として関心を持っているものはありますか。

 

市長

 少し貧困率が下がったと言われておりますけれども,以前としてほぼ全国と同じ厳しい状況にあると思います。京都の場合,雇用の7割が中小・零細企業であり,大事にしてきました。さらに近年,全国的な傾向として製造業からサービス業へシフトしており,そこに非正規労働者が非常に多いというようなこともあります。そうした家庭の収入が低いということについて,雇用政策として国や京都府と連携し,安定した雇用とつなげていく必要があります。

 先ほどの,市街化調整区域で特例的に認める特養についても,そこで働く職員の正規雇用率を高めることを許可の条件にするなど,あらゆる政策を融合して,雇用の安定が大事であると思います。

 近年,学校と家庭と地域が連携し,地域全体で子どもを育んでいこうという取組が進んでいますし,また,今回の児童館及び大学の取組も含めまして,子どもを共に育むという京都ならではの力強い取組も脈々と広がってきています。「京都で育って良かった。」,「京都で子育てして良かった。」と,そのような京都を作っていければと思います。

 

報告案件以外に関する質疑

(三条大橋の不法投棄について)

 

記者

 鴨川の三条大橋でのごみの不法投棄の問題について,七夕の日に看板が新しく設置されたが,それ以降もごみの問題は沈静化に至っていない状況であります。ごみ箱の設置をしてはどうかとの意見もあるが,市長としては今後どのような対策をお考えですか。

 

市長

 不法投棄という考え方もあるが,先週日曜日に「掃除に学ぶ会」20周年,正式には21周年で,木屋町から鴨川界隈を掃除しました。その地域で,一生懸命にほとんど毎日掃除している人が,残念がっておられて,対策を考えていこうという話をしました。

 単純に,ごみ箱を置くということでは,また昔と同じことになってしまうと思います。ごみ箱を置かないことが,ごみはみんなで持ち帰ろう,ごみを減らそうというこの20年の取組に繋がり,美しいまちになってきました。その理念を活かしながら,ボランティアで一生懸命ごみを掃除していただいている方々の気持ちも含めて,一緒に相談していこうということになっておりますので,その経過を見守っていきたいと思います。

 

記者

 土日だけ簡易的にごみ箱を設置するということは選択肢に入っていますか。

 

市長

 一生懸命やっておられる方と,一緒になって,あらゆる前提条件なしに,相談していきたいと思っています。

 

 

(文化庁の移転について)

 

記者

 昨日の文化庁移転協議会で,移転先が京都府警に決まり,整備については,府と市での協力を得ながらということでしたが,費用を対等に負担することについては,実際どのような形で京都市が協力していくのでしょうか。

 

市長

 場所,費用,これも一つのテーマであります。

 文化庁の京都への全面的な移転の決定。これは,明治維新で政府機関が全て東京に移って以来のことであります。文化庁の移転については,一時期,移転によって,文化庁の中身がどんどんと薄まるのではないかという心配もございました。

 例えば文化庁の仕事の中で,宗教法人の行政,宗務,宗教団体の全国組織の本部はほとんどは東京にあります。そんな中,色々ありましたが,最終的に宗務は京都でということに決まりました。これは,松野文部科学大臣がひとつひとつ,「これは東京にどうしても残さなければならないものではない。」というように判断されて全面的という名にふさわしい移転になったと思います。

 もう一つは,文化芸術基本法という法律が制定されました。これも大事なことであります。その中には,子どもから大人まで,また,障がいのある方など,経済状況を超えてみんなが文化芸術に親しめるということ。また,今まではお茶碗を作るのは文化芸術,料理作るのは文化芸術ではなかったのですが,文化芸術の範囲を食文化に広げるというものです。これは京都の料理人たちが初めて文化芸術に食文化を入れていただけたと。これについては,農林水産省の所管であり,文化庁は関係ありませんでした。

 文化庁が京都に全面的に移転する,その時に文化行政の在り方までもう一度見直すのだと,そして新文化庁,文化庁の機能強化なのだと,こういうことを含めて,昨日の決定であります。

 そして,場所の問題ですが,常々私は洛中であればどこでもよいと思っておりました。他のところ駄目というわけではないのですが,1000年の都の文化の継承ということで洛中がふさわしいと思います。

 文化庁において,全国を視野に入れたうえで,仕事のしやすい場所が選ばれたと思います。確かに,新しい所を建てようと思うと,例えば市役所の前後の文化財の発掘調査でも時間がかかっていますので,いつ終わるかの目途も言えないという意味においては,京都府警察の建物,文化財的な建物を活かして,一部増設しますが,そこに文化庁が全面的に移転するという良い合意が出来たと思っています。

 京都府の所有ですので,それを京都府が整備され,整備費については,負担の在り方を京都府と京都市がしっかりと分担するというのが誘致の時の約束ですので,この負担の割合を国との関係でどうするのかという点については,これからです。それらを踏まえて,国が概算要求していかれるということであります。

 

記者

 整備費については対等に府と市で負担ということでしょうか。

 

市長

 整備費については府市対等に負担するのは,当初からの約束であります。

 

記者

 現時点で,数十億円と言われていますけども,かかる費用については,対等に負担されるとの理解でよろしいでしょうか。

 

市長

 これから国と京都府との負担の割合の問題があります。その次にそれを賃貸して貸していくわけです。国と京都府との負担の在り方,そして負担をする方法論,こうしたものについては,これからの話であります。

 

 

記者

 地元負担が50億くらいであったとすると,京都府と市で25億ずつ払うという金額面の対等という意味なのか。また,京都商工会議所の負担はどうなりますか。

 

市長

 府と市が改修費について対等ということはその通りであります。あと,商工会議所がどうなるのか,それから,国と京都側との負担の在り方がどうなるかはこれからであります。

 

記者

 応分負担というのは,金額面の応分負担で良いということでしょうか。

 

市長

 改修費についてはそういうことであります。

 

 

記者

 文化庁移転について,2021年までにと時期が示されています。京都側は2020年までにという要望をしていましたが,市長の受け止めは。

 

市長

 文化庁の京都への全面的な移転は,今から考えても偉大な閣議決定をしていただいたと思います。御英断に敬意を表します。

 一つは,全面的移転にふさわしいものになるのか,もう一つは,ずるずると延びていかないかということです。我々はオリンピックという期限を一つ言っていました。しかし,オリンピック以後の方が一番大事であると思います。オリンピックまでに文化庁が必ず移転していなければ,新たな文化行政が始まらないということはないと思います。

 この間何度も何度も松野大臣にも会いましたし,川村審議官にも会いましたけれど,非常に誠実に取り組んでいただいています。物理的な条件で時間がかかることについては理解し合わなければならない,その上で出来るだけ早い移転を求めていったらいいのではないかと思います。

 京都市の街は,文化財の調査にどれだけ時間がかかるかわからないということも含めて,あの場所を使うのがこれでも早いのではないかという判断もあったのではないかと思います。

 

 

(京町家条例について)

 

記者

 9月議会で提案予定の京町家条例について,この間,説明会やパブリックコメントしている中で,所有者の方からの声として多かったのが,住み続けるための支援策が欲しいというものです。その一つに相続税があり,京都市としても国に対して要望していると思いますが,市が課税する固定資産税の軽減の措置の声も多いかと思いますが,そのあたりについての市長のお考えは。

 

市長

 相続税というのが,町家が売却され,その後にマンション等になってしまう要素の一つであります。今回,全国でも非常に厳しい,「同意なしに指定する。」ということを前提にし,届け出なしに解体した場合には罰則規定まで設ける等,厳しい提案を京町家保全・活用委員会からいただきました。これは覚悟を持って取り組んでいかなければならないと思っています。国に対して,今までは一般論としての町家の相続税の猶予等を要望してきましたが,今回改めてそのような根拠もできるわけですから,農地は農業されているうちは相続税が猶予になる。ただし,農地にマンションを建てたら遡って相続税を支払わなければならないという制度ですが,町家についても,そうしたことを国に要望していかなければならないと思っています。

 固定資産税に関しても,指定した町家の所有者に対して負担をかけるわけですから,その支援策をどうしていくのかについてもじっくりと検討していきたいです。財政負担がどれくらいあるのか,また,固定資産税の軽減について,補助金を出すことについても,財政的な面では一緒ですので,どういう方法が最も市民理解を得られ,町家保存にとって有効であるのかこれから検討していきます。

 

記者

 固定資産税の軽減については,まったく選択肢に入らないわけではないのですか。

 

市長

 固定資産税というのは,基礎自治体の基幹税収ですので,なかなか難しいことは事実であります。例えば,色んな社会的な課題に貢献しているから,固定資産税を軽減してほしいという要望は様々な分野であります。そうしたことも含めて考えていかなければならない。したがって,固定資産税の軽減というのが,それありきではなく,経済的な負担を軽くして,町家で住み続けたいという主旨でありますので,どういった方法があるのかについては,これから専門家の意見も聞いて検討していきたいと思います。

記者会見資料

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