共同記者会見(2010年9月2日)

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2011年12月13日

三菱重工業(株式会社)と京都市による「EVバス実証実験」及び「次世代EV京都プロジェクト」協定調印に関する共同記者会見について

(市長)

京都市は,環境モデル都市として,今日まで低炭素社会の実現を目指し,公共交通優先の「歩くまち・京都」の推進をはじめ様々な取組を行ってきました。また,電気自動車の充電設備の整備や運輸事業者への購入補助,公用車として購入した電気自動車を市民の皆様と共同利用する「カーシェアリング」の実施など,電気自動車等次世代自動車の普及に全力を挙げています。

このような中,平成20年度に三菱重工業株式会社から,EVバスの実用化に向けた実験を京都議定書誕生の地であり「環境モデル都市」である京都において,共同でやってみないかというお申出をいただきました。京都市もこの実験の趣旨に賛同し,今日まで両者で協議を積み重ねてきました。そして,京都市と三菱重工業株式会社との共同により,国土交通省の「環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験」にEVバス運行の実験を提案したところ,本年6月に選定されました。来年2月頃に,三菱重工業株式会社が製作されたEVバスを,京都市交通局が運行する実証実験がスタートします。

今回の実験では,京都市役所前にEVバス用の急速充電設備を設けるとともに,市役所前を起終点とする一周約7kmの大循環ルートと一周約5.5kmの小循環ルートの2つの路線を設定します。また,市民の皆様から公募したモニターの方々にも御協力いただき,営業運転に近い形での実証実験を行います。今回の実験を通じて,EVバスの走行性能や機能性とともに,静かなEVバスが走行することによる自転車やバイク,歩行者等への影響についても調査します。

更に,次世代EVの普及促進と環境にやさしい車の利活用について宣言した「次世代EV京都プロジェクト」に,三菱重工業株式会社にも御参加いただき,実験終了後も本プロジェクトにおいてEVバスの実用化を目指していきたいと思います。先駆的な技術開発を環境にやさしい暮らしに活かすことを目指される三菱重工業株式会社とプロジェクト協定を結び,共に歩み出せることは,嬉しい限りです。

年間5000万人もの観光客をお迎えする国際観光都市・京都は,京都議定書誕生の地であり,ものづくり都市でもあります。京都には,電気自動車と環境問題について先駆的な取組を行う企業が集積しています。そんな京都で「次世代EV京都プロジェクト」を推進していくことには,大きな意味があると思います。今後も,これまでの京都の様々な蓄積を生かしながら,三菱重工業株式会社とともにしっかりと前進していきたいと思います。

(三菱重工業株式会社 大宮社長)

ただいまご紹介いただきました三菱重工の大宮でございます。

本日は,京都議定書採択の地において,京都市のご尽力により,低炭素社会の構築に資する連携協定の締結がこれからできるわけでございますが,誠にありがたく,また大変嬉しく思っております。

当社は2008年4月に,社長直属の組織「エネルギー・環境事業統括戦略室」というのを設置致しまして,複数の事業を統合したソリューション提案に注力をして参りましたが,その中で,2009年度に国土交通省の補助を受け,電気バスの開発に取組んできました。

これまで京都市の低炭素社会実現に向けて両者で検討を重ね,この度,国土交通省の「環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験」に,京都市が選定されましたので,共同で電気バスの実証運行を行うことになりました。電気バスの実証運用によって,燃費や経済性,CO2削減量,それから航続距離などを把握しまして,課題を抽出することにより,使いやすい電気バスの開発に役立てたいと考えております。

開発中の電気バスは,自家用車と比べて乗客一人当たりのCO2の排出量が8分の1となる試算でありまして,省エネ性についても,ハイブリッドバスよりも優れています。将来的には,バッテリーを交換式にすることで,風力や太陽光,水力等の再生可能エネルギーからの電力を利用したCO2フリーの交通システムの実現も可能となります。

このように,電気バスは単に交通機関としてだけでなく,将来の環境調和型都市を実現するための非常に重要な要素の一つになると考えております。当社は,今回のプロジェクトを通じて電気社会がより一層進展したことを,京都議定書採択の地から広く発信し,PRしていきたいと考えております。

最後になりますが,低炭素社会の早期実現に向け,様々な分野で全力を尽くしていく所存ですので,今後とも関係各位のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げ,私の挨拶とさせていただきます。

 

質疑応答(要旨)

(京都市で電気バスの実証実験を行う理由について)

記者 なぜ今回の実験を京都市で行うのか。

社長 先ほども申し上げましたとおり,京都議定書が採択された都市であり,環境を大事にされているところであります。それから世界的にも,有数の観光都市であるという二つの意義があると思います。

今般の,特に自動車の中でもバスは,公共交通機関の中の基幹になると考えています。それは,軌道がなくても良いということで,市内のある程度塊となった小さな領域では,バスが非常にいいのではないかと以前から考えていました。

そこで今般,京都という非常に知名度の高く,環境を大事にされている都市で,実験を行うことは,大変意義のあることであり,実証実験の結果を,今後の量産化,実用化に結び付けていけるように,強い決意を持ってやっていきたいと思います。

(電気バスの量産化について)

記者 量産はいつから始めるのか。

特に電池は重要だと思うが,課題は。

社長 電池については,今年度の2月から行う実証運用でデータを蓄積して,23年度に改良開発をしていきたい。24年度になんとか量産が出来ればいいと考えています。

課題は,航続距離です。電池をたくさん積めば航続距離は長くなりますが,重くなりますので,電池の量と航続距離と,都市交通でマッチしたものを見つけることが,まず大きな課題の一つだと思います。

それと空調を使ったりすると航続距離が少し短くなります。都市の渋滞も考慮しつつ,また,乗降客があるため,運行の形態も我々が考えているより様々な状況があるかもしれない。その辺りも課題です。

もう一つ,音がしないということがあります。これは利点でもありますが,視覚障害者の方にとってみても,我々健常者でも,後ろから突然静かな車が来ることに対して,どのような安全措置を取った方がいいのかというデータをある程度取っていく必要があります。

音の件に関しては法律でも定められたと理解していますが,電気自動車には音を発生する装置をつけるということが義務付けられますので,その辺も実験を通して検証していきたい。

記者 実験に使われる車両が走るのは京都が初めてか。

社長 初めてです。元車両は三菱ふそうの「エアロスター」というハイブリッド車で,市場投入を早くするために改造しています。エンジンを取りまして,もともと持っているモータを使い,エンジンの部分にリチウム電池を積んだというのが大きな改良点です。

今後は,情報通信等をもう少し充実しようと考えています。情報通信がなぜ必要かといいますと,例えば,将来的には自動運行できるようにすることや,また資料にもありますが,お客様のニーズの中で,乗換の時間だとか,観光情報を提供できるようにしたいと考えています。

(電気バスの定期運行について)

記者 京都市交通局に量産車を投入して,定期的に走らせる計画はあるか。

市長 平成22年度から24年度までの3箇年で,より良いものを目指した研究・開発を行っていただき,実用化していただきたいと思います。25年度以降,できるだけ早い時期に数台のEVバスの導入を目指していきたい。環境にやさしいEVバスを京都で社会実験しながら開発していただき,それを京都市が最初に実用化したいと考えています。

先週,姉妹都市であるメキシコのグアダラハラとメキシコシティーを訪問しました。いずれの都市も環境に非常に関心が高く,とりわけCOP16開催地のメキシコシティーは,この実験に非常に興味を示していました。グアダラハラ市長も「是非見に行きたい」とおっしゃいました。日本の電気自動車も購入しているようで,EVは世界的にも注目を集めている。今回の実験を通じた実用化を是非目指していきたいと思います。

(実証実験の事業費について)

記者 事業費は国土交通省から出ているのか。

市長 国土交通省の予算は1億2千万円ですが,京都市を含めた4都市で配分することとなっています。配分額はまだ決まっていませんが,現時点では,京都市のプロジェクトは他都市に比べて最も熟度が高く,配分についても期待しています。

社長 車両等は当社の社費で負担しています。ハイブリッド車を改良したもので非常に高価なものです。また,リチウム電池も当社で作ったものを搭載します。

現在,長崎で量産工場を立ち上げているところであり,だいたい100億円ぐらい投資していますが,これがそろそろ稼動を始めます。

リチウム電池は,自然エネルギー,例えば,風速によって電圧が上下する風力発電のような,変動するエネルギーを蓄電し,これを平準化してグリッド(送電網)に流すことも可能です。将来的には,このバスに積んだ電池を定置式として再利用することで,都市という視点からも,非常に環境に良いものになるのではないかと思います。

記者 実験に使用する車両の費用はいくらか。

社長 今回の車両はトータル3億円弱くらいです。車両価格は,普通のバスは2千数百万円くらいですが,ハイブリッド車は5千万円近い価格になります。

(電気バスの開発について)

記者 EVバスは他のメーカーも開発しているのか。

社長 電気バスはたくさんあります。例えば,中国の上海万博でも走っていました。

ただ,実用化をして,定時運行を行っている事例はあまりないと認識しています。それと,他の平地型の充電器との組み合わせですとか,通信系等を通じた自動化など,先行きの発展性を考えており,非常に先端的なものであります。

当社はITS,ETC等の日本でのシェアが非常に高く,シンガポールでもそれを導入していただいていますが,課金と交通量の制御,違反車両の追跡なども含めてできるシステムになりつつあります。駐車場の課金システムとのリンク等もできつつあります。

その辺りを都市の中に入れ込むこともこれからは重要ではないかと考えています。電気バスやEVを単なるモビリティとしてだけで無く,あちこちにたくさん導入されたときに,グリッドの一部としてうまく制御して,都市全体のエネルギーを低炭素にするといった大きなスキームが裏側にある。それが京都という都市の中で,いろいろなことができる可能性があると思っています。

三菱重工業株式会社取締役社長・京都市長共同記者会見資料(平成22年9月2日)

三菱重工業株式会社と京都市による「EVバス実証実験」及び「次世代EV京都プロジェクト」協定調印について

 京都市は,環境モデル都市として低炭素社会を目指し,「歩くまち・京都」の実現と,電気自動車(EV)等,次世代自動車への転換,普及を進めています。

 このような中,京都市が平成22年度国土交通省「環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験」に選定され,平成23年2月頃に京都市(市長:門川大作)と三菱重工業株式会社(本社:東京都港区,取締役社長:大宮英明)が共同して,EVバス運行に関する実証実験を行います。

 また,これを契機に,三菱重工業株式会社は,EV及び環境にやさしい車利用の普及促進を目的として,京都市と企業が連携して取り組む「次世代EV京都プロジェクト」の趣旨に賛同し,本日,同プロジェクトの協定調印を行います。

なお,三菱重工業株式会社が,こうした協定を自治体と締結するのは,初めてのことです。 

                                   記

1 EVバス運行に関する実証実験

  平成22年度国土交通省「環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験」に選定された事業を三菱重工業株式会社と京都市が共同で実施します。(別紙1及び2参照)

(1)内容

三菱重工業株式会社が製作したEVバス1台を京都市交通局が循環路線を運行し,公募モニターに既存のバス停で乗降いただくなど,営業運転に近い条件で実証実験を行い,道路の混雑状況等による走行可能時間,充電の必要間隔,乗客の乗心地等,EVバスの走行性能や機能性を調査するものです。

また,自転車,バイク,歩行者等への影響等,EVバス運行上の課題について調査します。

(2)運行時期

   平成23年2月頃に運行します。

※ このうち1~2週間は公募モニターにご乗車いただきます。

(3)運行路線

   京都市役所前広場にEVバス用の急速充電設備を設置し,京都市役所を起終点とする循 環路線を設定します。

1.京都市役所~御池通~川端通~五条通~堀川通~御池通~京都市役所の1周約7kmの大循環ルート

2.京都市役所~御池通~川端通~五条通~烏丸通~御池通~京都市役所の1周約5.5kmの小循環ルート

(4)モニター

   平成22年12月に,EVバスにご乗車いただくモニターを公募する予定です。

   

2 三菱重工業株式会社との次世代EV京都プロジェクトの概要

(1)EVバスの実用化

上記1の実証実験を踏まえ,量産プロトタイプEVバスの開発を進め,平成24年度には,走行実験等の機能検証を行うなど,EVバスの実用化を目指します。(別紙3参照)

(2)EVバスの情報通信システムの開発

平成24年度に,EVバス車内における目的地到着予定時刻案内,乗り継ぎ案内等の交通情報や目的地周辺における最新の観光情報の提供など,市民や観光客の利便性を向上させるEVバスの情報通信システムの開発を行います。(別紙4参照)

【問い合わせ先】

三菱重工業株式会社  広報・IR部 TEL:03-6716-2168

京都市        環境管理課   TEL:075-213-0930

「環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験」別紙1~4

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お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286