【参考】京都市都市計画マスタープラン概要版(本文)
ページ番号359247
2026年10月16日
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はじめに
1 都市計画マスタープランの構成
本市の「都市計画の理念」や全体的な方針となる「基本的な考え方」、目標とする「都市の将来像」を示します。
第2章 テーマ別方針
目標とする都市の将来像実現に向けた基本方針などを「活力・賑わい」「暮らし」「文化・景観」「安心・安全」の4つのテーマ別に示します。
第3章 エリア別指針
京都基本構想においても重視しているまちの特性「まち柄」をいかした個性あふれる魅力的なまちづくりを進めるため、各エリアのまち柄と将来像を示します。
第4章 実現方策
目標とする都市の将来像実現に向けた「戦略的な都市づくりの進め方」と共に、地域まちづくり構想などについて示します。
2 都市計画マスタープランの位置付け
- 「京都市都市計画マスタープラン」(以下「本プラン」という。)は、都市計画法に規定する市町村の都市計画に関する基本的な方針で、「京都基本構想」に示す京都の将来像を都市計画の観点から具体化する、長期的視点に立った都市づくりの将来ビジョンです。
- 「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」及び「京都基本構想」に即して定め、「新京都戦略」や関連計画との連携を図ります。
- 目標年次は京都基本構想にあわせ令和32(2050)年とし、25 年後を見通して構成します。
第1章 都市の将来像
1 都市計画の理念
京都は、794 年の平安京建都以来、都市としての変化・成長を連綿と続け、1200 年以上もの間、都市機能を遮断することなく存続してきました。その長い歴史は、先人達が戦乱や災害、社会の大きな変化など幾度もの試練に遭遇するたび、さまざまな人間的つながりのもとで知恵と力を結集し、守るべきものは守りつつ、ときには異なる文化や新たな技術も積極的に取り入れながらたくましく乗り越えた歩みでもあります。更に言い換えれば、それは時代に応じ常に個性のある「まち」を築いてきた、たゆまぬ「継承」と「挑戦」、そして「飛躍」の歴史です。
「守破離(※)」の思想の具現化とも言うべき、こうした京都の誇りある歴史を受け継いで、伝統と革新、まちと自然、そして多様な文化など、ともすれば対立的に捉えられやすい事柄の調和あるいは融合を図りながら、未来に向けて京都のまちが世界の中で確かな存在感を持ち続けられる都市づくりに挑む。このことこそが、本市の都市計画の理念であると考えます。
(※) 型を忠実に守る「守」、型を意図的に破ることを試みる「破」、独自の境地を確立する「離」の3 段階で技藝などの成長プロセスを説く概念。
2 都市計画に関する基本的な考え方
悠久を体現する山々に囲まれ、南に向いて平野部へと連なる盆地の中を清らかな川の流れが貫き、地下には琵琶湖に匹敵するとされる豊かな水量を誇る水がめを宿す。そのような地形的特性のもと、先人達は、自然と人間との根源的な不可分性や一体性を思想的土壌として、主体的な努力により京都のまちをその時代にふさわしく発展させ、千年の歴史を紡いできました。明治以降、周辺市町村の編入によって市域は大きく変容してきましたが、京都の地形的なかたちは、これから千年先の未来においても大きく変わるものではありません。そして、周囲の自然との共生を謙虚に志向する思想もまた、その時々によって変わることなく一貫して京都のまちの根底にあり続けています。こうしたまちのかたちや思想を今後も大切に守りながら、以下の視点により都市計画を進めていきます。
なお、本プランの目標年次である令和32(2050)年は、本市が温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す目標年次でもあり、脱炭素社会の実現に向けた、自然環境との調和、資源やエネルギーの有効利用等の取組をあわせて推進します。
⑴ 守る×伸ばす(メリハリ)
緑深い山々や美しい川の流れをはじめとする豊かな自然、京都ならではのまちの景観を大切にしながら、多彩な学術や技術、文化芸術が集積する「学藝の府」として本市が今後も発展を続けられるよう、守るところは守り、伸ばすところは伸ばす、バランスに配慮したまちづくりを進めます。
○ 「保全」・「再生」・「創造」のゾーンに大別
市街地の規模は拡大しないことを基本としつつ、市域を「保全」「再生」「創造」の3 ゾーンに大別します。ただし、各ゾーンにおいて方向性を固定化するのではなく、個別のエリアの特性に応じ、景観・住環境・都市機能の3つの観点を考慮し、メリハリをつけながら、バランスの取れた土地利用を図ります。
○ 山麓部から市街地内部にかけて段階的な空間構成
山々の景観をいかしながら、山麓部から市街地内部にかけて段階的な空間構成とします。
保全ゾーン:低層又は中低層を主体
再生ゾーン:中低層又は中高層を主体
創造ゾーン:中低層又は中高層を主体としつつ、環境にも配慮しながら高層も許容
※ 上記の考え方を基本としますがそれぞれのゾーンの中でも、個別に「保全」・「再生」・「創造」の考え方があります。例えば、再生ゾーンであっても、そのまち柄に応じて保全的な土地利用をする場所、創造的な土地利用を進める場所があります。
○ 都市の規模の考え方
都市計画区域、市街化区域、市街化調整区域を適切に設定し、市街地の規模は拡大しないことを基本とします。市街化調整区域では、無秩序な開発を防止することを前提に、地域の定住人口の確保、産業用地の維持・創出などを図ります。
また、都市計画区域外では豊かな自然をいかした観光・サービス業などによる雇用の確保、定住・移住促進や住みやすさの向上を図ります。
⑵ まち柄×アップデート
「自分たちのまちは自分たちでつくる」「自分たちのまちは自分たちで守る」。番組小学校設立などに象徴される、そんな住民自治の高い志が、市内各地域の個性あふれる特徴、いわば「まち柄」を形作ってきました。京都を京都たらしめている核心的な要素であり、日々の暮らしや、そして個性豊かな小商いをはじめとする生業など、各地域の日常の根幹を成すものであるこのまち柄をいかしながら、世界中の国や地域から突き抜けた人材が集まるまちづくりを進めていくことが重要です。
○ まち柄に応じたまちづくり
住宅、業務、商業、工業といった基本的な用途に加え、文化施設、学術施設、神社仏閣といった多様な用途が彩りを添える土地利用は、各地域のまち柄を色濃く反映しています。今後もこうしたまちの在りようが受け継がれ、また更なる発展が図られるように取り組んでいきます。
○ 職住共存、職住近接の追求
職住共存は、伝統産業を中心とした京都における基本的な生活スタイルでした。働き方や産業構造が著しく変化した今、そうしたスタイルそのものへの全面的な回帰は困難です。しかし、これからの時代に合った職住共存・職住近接の形を追求し、例えば徒歩や自転車利用の圏内で生活と仕事を両立できるまちは、目指すべき一つの姿です。まとまった域内で日々の営みを完結させられる暮らし方を望む人々に、活動の拠点として選ばれるまちを目指します。
○ 社会の変化にあわせ適切にアップデート
古いものを取り壊し新たなものに作り替えるスクラップ・アンド・ビルドの考え方は、時として、価値あるものを末永く大切にする文化が受け継がれてきた京都のまちづくりにおいては、相応しくない場面もあります。建築物等が必要に応じて適切にアップデートされるよう取り組むことで、まちの魅力や活力の維持・向上を図ります。
⑶ コンパクト×ネットワーク
港湾や空港がない本市では、鉄道や幹線道路が交通ネットワークの中で大きな役割を果たしています。それらを中心として形成された都市軸をいかしながら、京都ならではのコンパクトでまとまりがある、災害にも強いまちづくりを進めます。また、市内の様々なまち柄を持つ地域において、大学や企業、文化施設や図書館、文化財や史跡などが数多く立地していることをいかし、これらをつなぎ合わせるネットワークを人のつながりといったソフト面を含め強化することで、豊かな暮らしの実現を図ります。これにより、市民はもとより本市に関わる全ての人々が深い愛着を持って生活を送り、あるいは活動に打ち込むことのできるまちを目指します。
○ 多極型の都市構造、鉄道駅・幹線沿道等に都市機能を集積
鉄道駅などの公共交通の拠点や幹線道路沿道に多様な都市機能を集積し、日常生活を支える商業・サービス、福祉などの機能を備えた生活圏の維持・構築を図ります。
○ 東西・南北の都市軸、地域間や周辺とのネットワーク形成
本市は約5,000 の町で市街地が形成され、個性的な地域がネットワークする都市です。多様な都市機能が集積した市内各地の地域拠点と、それらを結ぶ鉄道等の公共交通をはじめとした都市軸を活用し、地域間のつながりを強化します。また、近隣都市との一体性や相互に与え合う影響を視野に入れつつ、京都都市圏の中核としての魅力と活力の維持・向上を図るとともに、けいはんな学研都市(関西文化学術研究都市)や大阪都市圏も視野に京都独自の求心力を発揮し、京都ならではの魅力の発信を図ります。
加えて、既存のインフラを活用・駆使すること等により、市外からの通勤・通学者や観光客など、市民のみならず本市と様々な関わりを持っている人々にとっても安心感と愛着を抱ける心地よいまちを目指します。
○ 災害リスクや持続可能性を踏まえた都市づくり
自然災害が頻発・激甚化している昨今、そのリスクに備えた災害に強いまちづくりを行ううえで、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の実現を図ることの重要性はますます大きくなっています。都市機能の適切な配置や道路網の形成などを通じて、持続可能性とレジリエンス(回復力)のある都市構造を目指します。
3 目標とする都市の将来像
農林業や伝統産業から先端技術産業に至るまで、幅広い分野の産業が展開する「ものづくり都市」。歴史・文化資源を豊富に有し、国内外から多くの人々が訪れる「国際文化観光都市」。多種多様な人材が集う「大学のまち・学生のまち」。京都議定書誕生の地であり、しまつの心が息づく「環境先進都市」。様々な商業機能・業務機能が集積する「京都都市圏の中核都市」。これらをはじめ本市には実に多彩な「顔」、すなわち「強み」があります。そうした「強み」をいかしながら、次の4 つのテーマごとに、目標とする都市の将来像の実現を目指していきます。
⑴ 活力・賑わい
産業・商業・業務・学術等様々な機能や資源の集積をいかし、長期的な視点を持って、市外の方々とも協力し合い、最新技術を取り入れることで、世界に類を見ない価値を新たに創造し続け、経済の足腰を更に鍛え、まち全体の活力を生み出します。
また、市民生活との調和・両立を図りながら、持続可能な観光・MICEを推進します。
加えて、各分野で多彩な才能を持つ人々を世界中から呼び込むことで、共創を通した新たな文化や産業が生み出される「クリエイティブな都市」を目指します。

⑵ 暮らし
人が、まちの活力の基盤となります。市内で育った方はもちろん、進学等を機に市内へ転入してきた方、その後子育てを始めた方など、どのようなライフステージにあっても、暮らし続けることができ、移住先として選ばれるまちを目指します。
また、京都ならではの地域コミュニティが受け継がれる身近な生活圏で「職住」のみならず多様な機能が融合した、暮らしや子育てなど日常を送ってみたくなる生活空間の形成を図ります。そうした取組を通して、誰もが住みたい場所に住み、自由に移動でき、居住者だけでなく京都のまちと様々な関わり方をしている全ての人々が多種多様な形でつながり合い、それぞれの望む生き方や暮らし方を実現できるウェルビーイングなまちを目指します。

⑶ 文化・景観
長年継承されてきた建物や庭園、祭りなどの伝統行事、伝統芸能、慣習など人々の日々の営みと不可分である歴史や文化、暮らしの土台となっている豊かな自然や景観を、今後も大切に未来へ引き継いでいきます。
また、各地に所在するそうした文化的・景観的資源等をうまくリンクさせて、市民はもとより京都を愛してくださる多くの人々がそれらの魅力に身近に触れ、京都だからこそ得られる学びや気付き、感動に出会えるまちを目指します。

⑷ 安心・安全
ハード・ソフト両方の視点から、歴史都市としての特性を踏まえつつ、様々な立場の人々が連携・協力しながら災害への備えを進め、自助・共助・公助それぞれが十分に機能する災害に強い防災・減災が図られるまちを目指します。
また、ユニバーサルデザインの理念に基づき、出自や生い立ち、年齢、性別、国籍、性自認や性的志向、宗教や信条、身体的・精神的特徴に関わらず、誰もが暮らしやすい、安心で安全な都市を目指します。

第2章 テーマ別方針
1 活力・賑わい
ア 究める 世界に類を見ない価値を創造するまち
都心部では、歴史的な町並みといった魅力をいかしながら、企業の本社やオフィス・ラボ等の集積を進めることで、多彩な人々の交流を促し、新たな産業の創出を図ります。
また、ものづくり産業の集積地や研究開発拠点等においては、大学、世界的企業、中小・スタートアップ・ベンチャー企業によるオープンイノベーションや産学公連携を促し、国際競争力を高める環境整備を進めます。
⑵ ものづくり産業などの集積、伝統産業等の振興
工業地域、工業専用地域をはじめ、ものづくり産業の集積地においては、操業環境の保全・向上や生産機能の高度化への対応、幹線道路網の強化、産業用地の創出など、事業環境の整備を図ります。
また、地域で受け継がれてきた歴史・文化、匠の知恵や技をいかしつつ、クリエイティブ産業を支えるまちづくりを進めます。
⑶ 「ものづくり都市・京都」を支える道路ネットワークの充実
都市の骨格として、渋滞の緩和や交通の安心・安全だけでなく、沿道利用の促進などまちの賑わい・活力にもつながる、持続可能なまちづくりに不可欠な効率的で効果的な道路ネットワーク形成を進めます。
イ 魅せる 夢中と感動に溢れた人生とまち
都心部においては、京都のまちなかにふさわしい魅力的な都市空間を創出し、商業機能だけではなく、美術館や劇場といった文化施設など多様な機能を集積させ、暮らす人、働く人、観光や買物に訪れた人など、世界中の様々な人々が、出会い、交流し、共創するまちを目指します。
⑵ 多彩な共創で未来を切り拓く国際文化観光都市
市民生活と観光の調和・両立を図りながら、持続可能な観光・MICEを推進します。
また、多様で奥深い京都の魅力をいかして多彩な人々を呼び込むことで、新たな文化や産業の創出、京都の魅力・活力の向上を目指します。
2 暮らし
ア 住まう それぞれの望む暮らし方を実現できるまち
就職、結婚、子育てなどライフステージに応じた住まいを選択できるよう、地域特性を踏まえた居住環境の創出を進めるとともに、既存住宅の適切な更新やリノベーションによる住宅供給を図ります。
また、住環境に配慮しながら、多彩な用途が適度に混在し必要な機能が身近にある、誰もが心地よく豊かに暮らし、過ごすことができるまちづくりを進めます。
⑵ 日常生活を支える都市機能の適切な配置
鉄道駅周辺などの地域の核となるエリアでは、一定規模の商業施設や総合病院、各種サービス施設や居住地に近い働く場の充実など、地域特性に応じた都市機能の維持・誘導を図ります。
また、日常生活エリアでは、日々の暮らしに欠かせないスーパーや診療所、高齢者福祉施設、保育所といった毎日の暮らしを支える都市機能の充実と適切な配置を進め、安心・快適な生活圏の形成を図ります。
イ 繋ぐ・動く 健康で文化的な生活を営み続けられるまち
暮らしに不可欠な生活交通の維持・確保に加え、京都駅や観光地の周辺における混雑対策をより一層進めることで、全ての人が快適・便利に利用できる公共交通の維持・向上を図ります。
また、自動運転やMaaS (Mobility as a Service)等の最先端技術を取り入れ、持続可能な都市を支える公共交通ネットワークづくりを進めます。
⑵ ウォーカブルなまちづくり
人と公共交通優先の「歩くまち・京都」を推進し、「歩行者」を最優先とするウォーカブルな都市空間を確保することで、誰もが「出かけたくなる」魅力と活力あふれるまちの実現を目指します。
また、公共交通と徒歩や自転車、新たなパーソナルモビリティなどをかしこく組み合わせ、快適に出かけるスマートなライフスタイルの定着など、安心・安全な移動をするための取組を進めます。
⑶ 地球環境と共生する都市
新たな公共交通システムの検討をはじめとする公共交通網の充実やリサイクルの徹底、都市の木質化やグリーンインフラの整備などに取り組み、地球環境と共生する都市を目指します。
3 文化・景観
ア 守る 自然との不可分性・ 一体性を体感・体得できるまち
京町家や神社仏閣など風情ある建造物が織りなす歴史的な町並み景観の保全に加えて、京都らしい情緒を色濃く残す路地空間の保全・再生、人々の生活や生業から醸し出される文化的景観の保全・形成、地域の活力や魅力を向上させる景観づくりを進めます。
⑵ 自然の保全・活用
山々や河川をはじめとする自然景観を今後も維持・保全しながら、自然と調和したゆとりと潤いのある市街地の形成を図ります。
また、山間部においては、無秩序な開発の防止を前提に、農林業や各地の資源をいかした地域づくりを進めます。
イ 交ざる・憩う 世界中の人々から活動の拠点として選ばれるまち
歴史や文化、学問や産業など、京都独自の特性をいかし、文化芸術とまちづくりの連携を図るとともに、世界中から集まった多様な人々が出会い、集い、交流することで、新たな魅力や価値を創造し、新旧の魅力が融合する都市を目指します。
⑵ 交流するまち
日常に潤いをもたらし、健康や交流を育むなど、様々なニーズに対応する身近な公園や緑地、スポーツ・レクリエーションなどの施設の整備や多様な主体による柔軟な施設の運営を進めます。
また、公共空間を広く地域に開くよう取り組むとともに、都市開発の機会を捉え魅力的な空間の創出を誘導し、様々な人々が交流する賑わいあふれる拠点の充実を図ります。
4 安心・安全
ア 防ぐ・備える 危機に備え、対応し、立ち直ることができるまち
京都が持つ都市防災上の課題に対し、ライフライン・橋りょうなどの都市施設や建築物の耐震化、防火性能の向上、道路ネットワークの形成、治水対策等を推進するとともに、着実な老朽化対策により、計画的で適切な維持、修繕を図ります。
⑵ ソフト対策・被災後の復興
頻発・激甚化する水害や土砂災害などに対応するため、日常的に防災を意識した「フェーズフリー」の観点も取り入れながら、自然災害に対する意識啓発や情報発信などに努めます。あわせて、浸水防止策の推進や土地利用の規制・誘導に向けた検討を行います。
⑶ 共創による地域防災力の強化
被災後の迅速な復旧や支援活動に向け、関係機関との連携の強化や市民との協働による防災活動に取り組み、市民や来訪者、行政が一体となって災害にしなやかに対応できる都市の形成を図ります。
イ 支え合う 多彩なつながりで、安心と愛着を抱けるまち
住民自治の伝統を継承する地域コミュニティの絆は、平時の穏やかな暮らしの土台であると同時に、災害など有事の際にも人々の命を守る礎となります。この視点の下、地域との連携をこれからも大切にして、日頃から各地でコミュニティの醸成・維持等が図られ、地域活動が活発に展開される都市を目指すとともに、京都市と様々なかたちで関わる人同士が多彩なつながりを持ち、安心と愛着を抱きながら過ごせるまちづくりを進めます。
住宅から小規模宿泊施設への転換が相次ぎ、地域内の調和が乱されるケースなど、地域コミュニティに影響を及ぼす課題に対しても、都市計画の観点から対策を検討します。
第3章 エリア別指針
1 市全体のまちづくりの方針
前提となるエリア分類
京都の都市特性を十分にいかした持続可能な都市構造の実現を図っていくため、「保全」「再生」「創造」の土地利用を基本に、市内各地域それぞれの関係性なども考慮しながら、市内全体を5つのエリアに分類し、役割を示します。
⑴ 広域拠点エリア(歴史的都心地区周辺、京都駅周辺等)
国内外から訪れる人々の活動を支えるエリア
⑵ 地域中核拠点エリア(周辺部等における地域の拠点)
多様な都市機能が集積する地域の拠点となるエリア
⑶ 日常生活エリア(市街化区域(⑷を除く))
多世代が安心・快適に暮らすエリア
⑷ ものづくり産業集積エリア(工業地域、工業専用地域、らくなん進都等)
京都にふさわしいものづくり産業を集積するエリア
⑸ 緑豊かなエリア(市街化調整区域、都市計画区域外)
農林業の振興等により、地域の生活・文化等の維持・継承を進めるエリア
個々のまち柄に応じたまちづくり
各エリア分類が示す全体的な方向性に、京都の特性である個々のまち柄を掛け合わせることで、世界中の国や地域から突き抜けた人材が集まり、様々な人々が交ざり合い活躍する場や機会のある、誰もが心地よく豊かに暮らし、過ごすことができるまちづくりを進めます。
~個々のまち柄に応じたまちづくりのイメージ~
用途純化(※)が進むことで、暮らしや地域コミュニティ形成に必要な施設が不足している、あるいは魅力的な地域特性をいかしたまちづくりができないといった課題も生じており、これに対応し、京都ならではのまち柄を守り育てていきます。
例えば、用途制限をベースとしながら、暮らしに欠かせない施設や地域コミュニティ形成のために役立つ施設が不足している場所に、日常利便施設を適切に配置したり、住む人が気軽に立ち寄れる新たな出会いと交流をうむ場所づくりをすることや、大学の周辺には住環境と調和しながら大学と連携したスタートアップ・ベンチャー企業のラボ、地場産業が盛んな地域では直売所やレストランなどの立地を進めることで、多様な交流を促進し、まちを活性化します。
(※)住宅、商業、工業などの機能をエリアごとに分離し、混在を抑制すること
2 個々のエリアのまちづくりの方針(エリア別指針)
エリア別指針の役割
個々のエリアの強み・役割を明確化し、エリア間相互のつながりも踏まえ、個々のまち柄に応じたまちづくりを行うため、市民・事業者にとってより身近な方針として各エリアの将来像を示し、共有します。
エリア別指針において、まち柄や将来像については、特徴的なエリアを選定して、代表例として記載しているものもあり、それらの内容については、記載のエリア以外においても該当する場合があります。
また、エリア別指針に記載のないエリアのまちづくりについても、本プランで示す都市の将来像やテーマ別の方針などを踏まえながら、記載のあるエリア同様に着実に進めてまいります。
なお、将来像については、現在のまちの状況を踏まえお示ししたものであり、今後社会経済動向の変化等があれば、それに応じ適宜見直しを図ります。
方面分け
地形や土地利用の状況などに加え、市内外へ伸びる鉄道や道路のつながり、駅拠点のまとまりなどを考慮し、市域を「北部」「都心部」「東部」「南部」「西部」の5方面に区分したうえで、個々のエリア別指針を示します。
3 エリア別指針の記載内容
- 5つの方面それぞれにまちづくりの基本コンセプト、方面の全体図を示しています。
- 地図上の吹き出しの箇所が、指針を示すエリアです。まちづくりの方向性が近いカテゴリーごとに色分けしています。
- 各方面や各カテゴリーの概要を示すとともに、エリアごとにエリア別指針を示しています。前半が「まち柄」、後半が「将来像」となっており、まち柄については、現在のまちの様子をイメージできるよう記載しています。
- エリアごとに拡大図をつけています。エリア名の色で囲まれている部分が概ねの範囲です。(地域中核拠点エリアは、オレンジ色で囲まれている部分です。)また、それぞれのエリアのまち柄の記載に関係する施設をポイント(★、◆等)で示しています。
- エリアのまち柄や将来像のイメージをイラストで示しています。(イラストは、まち柄等を分かりやすく示すものであり、建物や人などのサイズ、デザインなどは実際とは一致していません。)
エリア別指針【北部方面】
豊かな自然や文化、伝統産業、学術資源など、暮らしに息づく貴重な資源を守り、いかして、京都の新たな魅力と価値を創出する
北山・東山の峰々や衣笠山など盆地の外周を囲む山、船岡山・吉田山・糺の森・京都府立植物園といったまちの中の緑、高野川・賀茂川や宝ヶ池・深泥池等の水環境をはじめ、豊かな自然が各所に広がっています。また、大学や文化・交流施設が数多く立地しているほか、京町家などの歴史的な町並みや古社・名刹、さらには西陣織等の伝統産業、賀茂なす・すぐき菜等の京野菜や北山杉といった農林業などの生業が今に継承されています。
人々の日常生活を支える多様な機能の確保と共に、良質な賑わいと調和した潤いとゆとりある居住環境の維持を図ります。あわせて、古くから受け継がれてきた多様な地域資源と新しい産業や技術とが結び付き、クリエイティブな活動が展開され、新たな魅力や価値が創出されるまちを目指します。
1 若者が愛着を持ち、挑戦し続けられるまち
数多くの大学が立地し学生が多く居住する地域である一方、就職期にはその多くが転出する傾向があります。また、大学発のスタートアップ・ベンチャー企業が増えていますが、それら企業が入居するオフィス不足が課題となっています。周辺の住環境との調和の下、大学入学を機に転入した若者が地域に愛着を持ち、新たな挑戦をし続けられるまちを目指します。
● 出町柳駅~吉田山エリア(地域中核拠点エリア含む)
出町柳駅では、京阪電車の北端駅、叡山電鉄の南端駅として多くの人々が行き交い、周辺の商店街も買い物客や「聖地巡礼」に訪れるアニメファン、感度の高い映画愛好家などで賑わっています。駅からすぐのいわゆる「鴨川デルタ」周辺では、様々な世代の人々が思い思いに憩いのひと時を楽しんでいます。団地再生事業により、駅の北側周辺には今後まとまった規模の将来活用地がうまれる見込みです。また、京都大学吉田キャンパスの周辺では、大学周辺ならではのアカデミックで自由闊達な雰囲気が漂う一方、老舗和菓子店や神社仏閣、歴史ある建築物等も点在しています。
住環境との調和の下、京都らしい学生街の雰囲気を維持しつつ、駅を中心に更なる賑わいの広がりや都市機能の集積を図るとともに、地の利をいかして附属病院を含め大学と緊密に連携するスタートアップ・ベンチャー企業の立地を進め、若い世代の挑戦を後押しします。
● 一乗寺エリア
「ラーメン街道」とも呼ばれるラーメン店の集積地として知られるほか、その他のジャンルの多彩な飲食店、書店や古着屋など、個性的な店舗が各地に所在し、若者が多いエリアです。京都工芸繊維大学や京都芸術大学などのデザインやアートを学ぶ学生の姿もよく見られます。
多様な個性・世代の人々が集い、独自の文化を発信する地域特性が更にいかされ、大学卒業後も若者が愛着を持って住み続けたくなるまちを目指します。
2 文化芸術・MICE・学術が多様な交流をうむまち
文化芸術・MICE・学術関連等、多彩な施設が立地し、各種展覧会や会議、イベントなどの際には多くの人々が訪れます。一方で、人が憩い、滞在する機能を高めることにより、上質な活気が更に生み出されるポテンシャルを持ったエリアもあります。良好な住環境や豊かな緑と調和した魅力的な機能を一層充実させ、更なる賑わいや多様な交流をうむまちを目指します。
● 国際会館駅周辺(地域中核拠点エリア)
宝が池公園や山々の広大な緑、我が国モダニズム建築の傑作とも評価される国立京都国際会館を間近にして、整然とした区画に一戸建ての住宅が多く立ち並んでいます。周辺にはスーパーやドラッグストア、ホームセンターなど生活に必要な品々を扱う店舗も揃い、駅前のバス乗り場では様々な路線を走るバスが発着しており、利便性が高いエリアです。
落ち着いた環境の中、人々が心豊かに暮らすとともに、魅力ある拠点が形成され、学会や会議等で訪れる国内外の人々の交流が実り多い成果を生み出すことが期待されます。
● 北山エリア
北山通沿いには人気のベーカリーやレストラン、菓子店などが立ち並び、京都府立植物園には多様な世代の人々が思い思いのひと時を過ごしに訪れています。京都コンサートホールや京都府立京都学・歴彩館、京都府立大学も立地し、周辺の賀茂川と高野川に挟まれたエリアには静かな住宅街が広がります。
京都が世界に誇る文化と憩いに包まれた交流エリアとして、文化芸術と学術の香りが漂う、品のある華やぎと賑わいが人々を惹きつけるまちを目指します。
● 岡崎エリア
琵琶湖疏水が流れる潤いあふれる都市空間の中に、京都市京セラ美術館、ロームシアター京都、みやこめっせ、京都市国際交流会館、京都市動物園といった市施設のほか、国・府・民間の文化施設も集積する、本市における文化芸術の一大拠点とも言えるエリアです。岡崎公園内では多数イベントが開催されており、多くの人々を集めています。
周辺の豊かな緑や住環境に配慮しながら、今後市営住宅の団地再生事業によりうまれる将来活用地等もいかしてエリアの魅力を更に磨き高め、その魅力を周辺へと波及させることで、本市全体に活力をもたらす文化芸術のまちとしての更なる進化を図ります。
3 地域の賑わいの中心となるまち
本市北部の交通の要衝であるとともに、歴史ある数々の寺社が今なお伝わるエリアで、周辺には大学や商店街、商業施設もあり多様な人々が往来しています。一方で、大通りから少し入れば閑静な住宅街が広がります。本市北部の交通結節点として多くの利用者が行き交う北大路駅周辺と市営住宅の団地再生事業によりうまれる将来活用地等のポテンシャルをいかし、地域の賑わいの中心となるまちを目指します。
● 北大路駅周辺(地域中核拠点エリア)
地下鉄とバスの結節点、その直上に立地する複合商業施設には多くの人々が訪れますが、周辺の大きな道路から中に入れば一戸建ての多い静かな住宅地が広がっています。大谷大学、京都産業大学等近隣の大学による地域と連携した活動も進んでいます。周辺の商店街などにも、名店と評される店舗等が点在するエリアです。
便利な交通結節点である利点をいかして、住環境とも調和した、周辺からますます人々を惹きつける商業施設の立地を進め、更なる賑わいを創出します。
● 楽只~北大路通エリア
北大路通や千本通を走るバス路線が充実しており、バス1本で各地に出られるほか、北大路駅へのアクセスもしやすいエリアです。周辺には著名な神社仏閣が数々あり、大切に守られてきた伝統歳事を間近に感じることができます。近隣の佛教大学との連携で、地域防災や地域活性化の取組が進んでいます。
市営住宅の団地再生事業によりうまれる将来活用地等をいかして、多様な都市機能の集積を進めることにより、地域の新たな魅力となり得る拠点を創出します。
4 歴史・文化、匠の知恵や技をいかした創造と革新のまち
悠久の歴史の中で培われた多彩な文化が、現在も日常生活の中に息づいており、地域行事が大切に受け継がれています。西陣織をはじめ、長い歴史の中で地域に根付いた伝統産業の長期的な低迷が続く中、それを生業にする方々が様々な工夫を講じながら課題に立ち向かっています。また近年、京町家や路地などのまちの魅力をいかしながら、アクセサリーや陶芸からビールに至るまで、新たな「クラフト(手仕事)」が多彩にうまれつつあるエリアでもあります。伝統と革新それぞれの知恵や技術が磨き上げられ、あるいは時に互いに交わることで、京都ならではの逸品や価値が絶えず生み出され続けるまちを目指します。
● 西陣エリア
長きにわたり京都の発展を支え続けてきた西陣織などの伝統産業、地域の人々に愛されてきた老舗店舗が商うと同時に、新しい分野のものづくりや生業に挑戦する人々も集ってきています。
地域で受け継がれてきた伝統技術をいかしつつ、クリエイティブ産業を支える拠点として、暮らしと調和した働く場を創出するとともに、国立文化財修理センター(仮称)の整備に連動して、その周辺の公的な未利用地を活用することなどにより、まちの魅力・活力を向上させます。
● 北野白梅町駅周辺(地域中核拠点エリア含む)
多くの参拝客で賑わう、あるいは地域の中で静かにたたずむ神社仏閣や、京都最古の花街の風情ある町並みなど、京都の歴史を体感できるスポットが数々あります。市電が走る頃から続く商店街とスーパーが軒を連ね、日々を過ごすにも便利です。
駅西側の豊富な観光資源エリアと立命館大学、駅東側の伝統産業エリアの相互のポテンシャルが創造性を高めるエリアとして、住環境との調和の下、オフィスや生活利便施設、クリエイティブ産業の立地を促進し、更なる活気を創出します。
● 今出川駅周辺(地域中核拠点エリア)
同志社大学等で学ぶ学生の姿が多く、同時に周辺の名刹や京都御苑などを訪れる観光客も往来しています。学生街らしい風景の中にも、歴史ある建築物や遺構、伝統文化に関わる施設や店舗等が立地する、「故き」と「新しき」が共存するエリアです。
歴史的な景観や緑と調和した閑静な住宅地を維持するとともに、大学との連携等により、更なる魅力を創出します。
● 原谷エリア
戦後間もない時期の困難を乗り越えて開拓が果たされた地に、伝統産業などの工房が点在し、春には桜の名所に多くの人々が訪れます。
住工共存の来し方を行く先へ継ぎ、ものづくりにチャレンジしたい人々を迎える場として、新たな価値が創出されるまちを目指します。
5 山あいの豊かな自然の中、独自の伝統文化が受け継がれるまち
峰々の深い緑に包まれて、古来人々の信仰を集めてきた寺社が静かにたたずむ中、それぞれの地域の伝統文化を今に受け継ぐ集落や田園が所在する、素朴な美しさをたたえた自然と人の営みとが調和したエリアです。一方で、人口減少や少子高齢化により、生業としての農業の担い手不足や山林の維持管理が困難な状況になってきており、地域コミュニティの衰退が進んでいるとともに、日常生活などに必要な交通手段の確保が課題となっています。多様な地域特有の暮らしを継承するとともに、豊かな自然や森林資源をいかし、持続可能で、人々が交流を深めるまちを目指します。
● 京北・花脊エリア
平安京の時代から建築用材の供給地として知られてきた京北、修験者の行場として歴史を刻んできた古刹や愛宕信仰による伝統行事等が伝わる花脊、それぞれに独自の特色や魅力があります。そうした魅力に惹かれて、都市部ではなく豊かな自然の中での暮らしを望む地域外の人が移住するケースも見られます。
豊かな自然に囲まれた教育環境をいかしながら、2拠点居住やワーケーションといった新たな暮らしや働き方のニーズにも対応した環境の整備を進め、定住・移住の促進につなげます。
● 北山三学区エリア
源氏物語の落葉姫ゆかりの地である小野郷、小説「古都」の舞台となった北山杉の里中川、鴨川源流の杣人の村の伝統を継ぐ雲ケ畑と、各々で自然と調和した暮らしの文化が育まれてきたエリアです。静謐な環境で仕事に打ち込みたい芸術家の方等が移住した事例もあります。
市街地からの良好なアクセス性もいかしながら、交流人口が定住・移住人口につながるまちを目指します。
● 鞍馬・大原エリア
信仰や修行の地としての歴史が紡がれる中、独自の食文化や地域ならではの年中行事が伝承されており、多くの観光客が訪れているエリアです。
暮らしを支える施設や観光資源などをいかした地域づくりを進め、地域の生活やコミュニティを維持するとともに、多様な人々の交流を促します。
エリア別指針【都心部方面】
京都らしい歴史的なストックと最先端の機能が重なり合う都心空間の魅力に磨きをかけ、京都の都市格の象徴として都市活力をけん引する
京都らしい個性と魅力を持った職・住・学・遊が共存する地域です。本市及び京都都市圏の中心地として、商業施設やオフィスビル、文化施設などが集積している一方、三山の稜線や鴨川など自然の風景を身近に楽しむこともできます。また、歴史ある神社仏閣や、京町家など伝統的な建築物が、暮らしの文化や四季折々の多彩な年中行事、そして地域コミュニティと共に大切に受け継がれています。
歴史的な町並みと現代的な町並み、複合的な都市機能が重なり合う京都ならではの都心空間の魅力を更に高める機能を充実させて、多様な人々が集い、暮らし、働き、交流し、京都の都市格の象徴として都市活力をけん引するまちを目指します。
1 京都ならではの都心空間を体現するまち
古くからの町割りが今なお残る中、多くの企業や商業施設、宿泊施設等が立地する、まさに歴史的都心部のエリアです。マンションが多い一方、大きな道を少し入れば京町家など歴史ある建物が残る昔からの町並みもあります。しかし近年、そうした建物の滅失が進み、それに伴い伝統的な町割りや職住共存の暮らしの文化が失われつつあります。また、住宅価格の上昇、オフィス空間の不足等も課題となっています。
● 歴史的都心地区周辺
きものや仏具、京扇子などの伝統産業製品、菓子類や日本茶など多岐にわたる分野の老舗が今も商いを続けると同時に、多くの人々が住まい地域コミュニティが息づくエリアです。域内には山鉾町も含まれており、祇園祭の頃には会所や各家を舞台に地元の人々や来訪者の交流がうまれ、大いに賑わいます。
受け継がれてきた歴史・文化や京町家などの貴重なストックを守り、いかしながら、活発な交流が活力をうむまちとして、複合的な機能が重なり合う京都ならではの都心空間を目指します。
2 京都の玄関口として都市活力をけん引するまち
国際文化観光都市である京都市にとって、京都駅は市民はもちろん、国内外から訪れる人の多くが利用する、文字どおり代表的な「玄関口」です。地下街や駅前の商業施設等はたくさんの人々の姿で賑わいます。一方で、駅前にオフィス空間が不足していたり、駅前広場や道路が混雑し、歩行空間が狭あいで人が滞留・往来できる空間が少ないなど、ポテンシャルをいかしきれていない面もあります。
● 京都駅周辺
駅の北側では昭和初期のものも含め早くから大規模な建物が立ち並び、その多くが更新時期を迎えているため、これを機に更なる発展が見込めます。一方で、古くからの旅館街や懐かしさが漂う飲み屋街、大寺院の周辺に集まる仏具や珠数などの伝統産業製品に関連する老舗等も魅力です。駅の東から南東にかけては、京都市立芸術大学や民間の文化芸術施設、さらには企業進出等による活性化が期待されます。南側にはショッピングモールやホテルなどが立ち並び、西に目を向ければ梅小路公園、寺社や大学といった多様な地域資源が集積するなど、4方向全てにポテンシャルや特性があるエリアです。
とりわけ駅に近接する場所においては、国内外問わず都市間競争が激化する中で、国際競争力を持つ京都経済のけん引役となるオフィス・ラボ、賑わいの核となる商業施設、さらにはそうしたコア的な役割を担う施設と連携する拠点などの都市機能の高度集積を進めるとともに、ウォーカブルで豊かな公共空間やストリートが多様な交流をうむ駅前空間を創出します。
3 京都固有の歴史や暮らしの文化と賑わいが調和するまち
いずれも鉄道駅周辺の交通の便が良いエリアで、それぞれに特徴あるまちの歴史を刻みつつ、多くの来訪者を迎えています。場所ごとに地域特性をいかす可能性を宿す一方、住環境が周辺の行き過ぎた賑わいにおびやかされているエリアもあります。京都らしい暮らしを守りながら、多様な人が働き、交流するまちを目指します。
● 丸太町駅周辺(地域中核拠点エリア)
官公庁やオフィスが周辺に立地する中、近年ではホテルの立地も進んでいます。緑豊かな京都御苑に散策等に訪れる人が多く見られ、周辺のこどもみらい館ではたくさんの子どもたちが元気よく遊んでいます。個性豊かな飲食店等が数々立地し、お気に入りのお店を探しに回るのも楽しいエリアです。
良好な環境とも調和しながら、商業・業務機能の更なる充実を図るとともに、文化庁、裁判所、府庁などから成る京都の官庁街としての風格のある拠点を形成します。
● 三条駅周辺
東海道五十三次の西の起点としての歴史を持ち、駅伝発祥の地としても知られる三条大橋の附近で、河原町や先斗町、祇園など周辺の繁華街にアクセスしやすいエリアです。大阪方面から多くの人々が京阪電車で訪れる拠点である現状に加え、今後、関西国際空港からの特急「はるか」の山科駅までの延伸により、同駅から地下鉄東西線を経由して訪れる人の流れがうまれることが想定され、サブゲート(※)としての更なる発展が期待されます。
商業・業務機能などの充実とともに、学校跡地や団地再生事業によりうまれる将来活用地等も有効に活用することにより、多様な機能が集積した賑わいと活力あふれる拠点を形成します。
(※) 主要なターミナルにおける乗降や交通手段の接続などの機能を補助する隣接駅
● 東山駅周辺(地域中核拠点エリア)
古くからの住宅と学生マンション等が混在しているエリアで、昭和レトロな雰囲気が人気の商店街やこだわりの名店が点在し、岡崎エリアや祇園方面へ向かう観光客の姿も多く見られます。著名な門跡寺院が所在するほか、地元神社では約千年もの間しっかり継承された行事が毎年活気をうんでいます。
地域の商業・業務機能の充実により更に多くの人が行き交い、ついどこかに立ち寄りたくなるまちを目指します。
● 東山エリア
著名な神社仏閣が多数立地する観光地であり、その周辺には住宅や商業・宿泊施設が混在しています。近年、京町家をはじめ多くの住宅が簡易宿所等の小規模な宿泊施設に代わり、地域に根付いてきた行事や良好な地域コミュニティの存続にも影響を与えています。特に地価の高騰に伴い、五条通以北や東大路通以西でその傾向が強く、宿泊施設は近年増加の一途をたどってきました。
居住環境の維持・再生、又は場所によっては適度な賑わいとの調和を図りつつ、若者から高齢者まであらゆる世代にとって安心・快適で住みよいまちを目指します。
4 アートや伝統・先端産業などが融合したクリエイティブなまち
京焼・清水焼をはじめとする伝統産業、あるいはこれまでにないものを生み出す挑戦を重ねる先端産業に携わる人々、またアートを志す学生たちが集まっています。こうした人々の多彩な技術、知恵、思いのクロスオーバーが、まちに更なる活力をもたらす可能性があります。文化芸術都市の取組や伝統産業などをいかした新たなイノベーション拠点の創出を目指します。
● 七条駅周辺(地域中核拠点エリア)
京都駅東部エリア活性化将来構想の対象エリアに位置しています。近隣には歴史ある寺社や博物館が立地し、国内外の観光客の往来が多いエリアです。七条通沿い等には老舗の菓子店や料理店が並ぶほか、近年は飲食店等の新規出店も見られます。京都市立芸術大学、京都美術工芸大学、京都市立美術工芸高校が立地しており、学生たちによるアートの力がまちの活力をうむことが期待されます。また、七条通から五条通附近にかけての高瀬川周辺には個性的な店舗等が軒を連ねる独特の町並みが多くの人々を惹きつけており、民間の団体による川沿いの親水空間の創出やアーティストのアトリエの整備なども行われてきました。
これら多様な主体による取組の連動により、文化芸術都市・京都の新たなシンボルゾーンとして更なる魅力向上を目指します。
● 五条坂~東福寺駅エリア
東大路通沿いの商店街では、昭和の雰囲気を色濃く残すお店が商いを続けているほか、近年新規出店の事例もあり、イベント時には子どもや地域住民に混ざって地域活動に取り組む近隣の京都女子大学等の学生の姿も多く見られます。また、東大路通から東側には、京都府立陶工高等技術専門校や京焼・清水焼の窯元が集まる陶芸のまちの一面も残っていますが、近年は作業場や倉庫等が小規模の住宅地に代わるなどの傾向もあります。
京都駅から近い利便性の高さや近隣の文化芸術に関する取組、この地に受け継がれる伝統産業等をいかし、新たなチャレンジを志す人を後押しするなど、住環境や地域コミュニティを大切にしながら、新たな魅力の創出を目指します。
● 梅小路エリア
京都駅西部エリア活性化将来構想の中心エリアです。JR梅小路京都西駅の開業以降、周辺では宿泊施設や商業施設などの開発が進み、廃線高架の活用などユニークな取組も見られます。各種の催しが多数開かれ、水族館や鉄道博物館等もある梅小路公園には、家族連れをはじめ多くの人々が訪れています。近接する京都リサーチパークには、新たなビジネスや産業等に挑戦する企業が数多く入居しており、周辺も含めた多様な人々の交流によって地域課題解決等へのイノベーションがうまれる「クリエイティブ・タウン」実現に向け、まちづくり活動が活発に行われています。
中央卸売市場では再整備に伴い有効活用地が生み出される見込みで、周辺の特色ある既存ストックの活用とあわせて、クリエイティブな人材が集うこの地の特性をいかしたまちづくりを後押しします。
5 都心西部の拠点として多様な機能が集まる活気あるまち
鉄道やバスなど高い交通利便性があり、名所旧跡のほか商店街や商業施設等も各所に所在する、住む人と訪れる人双方によって活気がうまれているエリアです。一方で、交通面の強みや地域特性などをいかせる伸びしろがなお存在します。西部方面へ活気を導く拠点として、多様な機能を集積させ、更なる魅力の創出を目指します。
● 二条駅周辺
地下鉄、JR、バスが通る交通利便性の高さに加え、商業施設やスーパー等が近くにあり、生活利便性が高いエリアです。また、近年は近くにホテルの立地も進み、市外からの来訪者にとって使い勝手が良いエリアにもなってきています。
都心西部にある主要なサブゲートとなるよう、将来的な駅前広場の再編も視野に都市基盤整備を進め、それらの取組により、多様な都市機能の集積を促進し、駅周辺の魅力を更に向上させていきます。
● 四条大宮周辺
都心部における貴重な駅前広場があり、地域の人々の活動の場等として利用されています。また、発祥・創業の地、歴史的遺産が数々あり、三条通・後院通・大宮通に個人や地元企業が営む個性的な店舗や飲食店等が多数集まって、主に地元民の往来によって活気がうまれています。明治期には大宮通周辺が都市部と田園地帯との境目であったところ、徐々にそこから西へと都市化が進んだ経緯があり、目抜き通りである四条通沿いは、西院駅附近にかけてなお更なる発展のポテンシャルを秘めています。
都心部の活気を西部方面へつなげる拠点として更なる魅力向上を目指します。
エリア別指針【東部方面】
時代を捉え、地の利をいかして、新たな魅力の創出と都市機能の集積を図ることにより、次の世代にも選ばれるまちをつくる
古くは東海道や奈良街道など旧街道沿いにまちが発展し、現代においても外環状線をはじめとする幹線道路、鉄道路線が走る交通の要衝として市街地が形成されています。高度経済成長期の人口増加に伴って開発された住宅地が多く、市内中心部や周辺の都市のベッドタウンとしての性格が強い地域です。京焼・清水焼、京仏具などの伝統産業の生産団地を抱えていることに加え、金属箔、金属粉などの産業も発達し、山科川や音羽山、醍醐山などの豊かな自然に恵まれ、山科なすやぶどうなどの特産品もあります。また、国宝に指定されている琵琶湖疏水といった歴史・観光資源も各所に点在しています。
これまでに整備された地下鉄東西線や新十条通に加え、今後の特急「はるか」の山科駅延伸や、検討が進む国道1号バイパスの整備などにより更に高まる市内各地や近隣都市等へのアクセス性をいかし、新たな魅力の創出や活力の向上に寄与する多様な都市機能の集積を目指します。あわせて、良好な居住環境の創出や文化・教育のまちづくりを進め、賑わいと潤いのある都市空間を構築し、次の世代にも選ばれるまちを目指します。
1 京都の東の玄関口として多くの人が集う魅力あるまち
近世に京と東国を結ぶ東海道が本格整備されて以来、交通の要衝としての役割を担ってきた山科の地は、今も地下鉄・JR・京阪の各駅が所在し、東西と南北いずれにも幹線道路が走る、まさに京都の東の玄関口です。
● 山科駅周辺(地域中核拠点エリア)
食品も豊富に扱う日用品等販売店、生活雑貨店や衣料品店等が入るラクト山科が多くの人で賑わい、今後の関西国際空港からの特急「はるか」延伸、機能を充実させた図書館や市内東部地域初となる大型の子どもの屋内遊び場の整備などによって更に発展が期待できるエリアです。また、旧東海道沿いやラクト山科西側等に商店街があるなど地域密着の店舗も多く立地し、様々なイベントも積極的に行われています。
今後更に多くの人が訪れるエリアとなるポテンシャルをいかし、宿泊機能をはじめ、サブゲートにふさわしい駅前空間の創出や商業・業務機能の集積などを進め、更なる魅力向上を図ります。
2 地域の人が集い、学び、交流する拠点となるまち
公共施設や商業施設など多くの人々が利用できる施設が所在しており、地下鉄駅からも比較的近い、それぞれにポテンシャルを宿すエリアです。各公共空間の魅力向上・活性化を図り、それらをいかして子どもから大人まで地域の人が集い、学び、交流する拠点を創出するとともに、バス・地下鉄が連携した便利な交通ネットワークの実現に向けた取組を進め、周辺の居住環境の向上を図ります。
● 椥辻駅周辺(地域中核拠点エリア)
山科区役所、スーパー、雑貨店などが駅周辺に揃う便利なエリアで、近隣には東野公園、山科地域体育館、東部文化会館など、地域の交流や活動の場として利用される施設が所在しています。また、本市が敷地の有効活用を要望している京都刑務所も立地しており、東部地域のまちづくりにおいて、大きな可能性を有しています。椥辻駅を最寄りとする京都橘大学もあり、学生たちが地域のまちづくりにも参加しています。
将来的な区役所庁舎の再整備などにより、椥辻駅~東野公園一帯の魅力を向上させ、東部地域の新たな核となるエリアの創出を目指します。
● 醍醐駅周辺(地域中核拠点エリア)
周辺には世界文化遺産に登録された名刹をはじめ、長い歴史を刻む数々の寺院が所在しています。東西に山並みが広がり南北に山科川が流れる、自然を身近に感じられる環境の中、マンションや大規模な団地、商業施設、中央図書館などの公共施設等が立地しています。公園や文化施設で様々な活動が行われるなど、地域の強いつながりがあるエリアです。
駅周辺の公共空間を多世代が居心地よく過ごせる場所にすることなどにより、居住環境の魅力向上を図ります。
地下鉄・JR・京阪の結節点で、駅周辺には大型ショッピングセンターが立ち並び、隣接してホームセンターも立地するなど生活利便性が高いエリアです。駅直近において更なる活性化が期待されます。また、東部クリーンセンター跡地では、コミュニティスペースや子どもの居場所・遊び場などを備えた複合図書館、大規模な緑地などを一体的に整備すること等を検討しています。
子どもや大人が集い、つながり、笑顔で満たされる場を創出してエリアの魅力を高め、それを周辺へと波及させていきます。
3 賑わいあふれる歩きたくなるまち
幹線道路沿いには商業施設等が集中し、大規模なマンションの立地が進んでいます。また、本市と大津市方面を結ぶ道路として、国道1 号バイパスの整備が検討されており、完成すればその沿道附近にも新たな可能性がうまれます。更なる魅力の創出や活力の向上に資する多様な都市機能を集積するとともに、安心・快適で歩きたくなるような賑わいと潤いある都市空間を形成します。
● 外環状線沿道
現状では駐車場等の低未利用地が散見されますが、今後、幹線道路と地下鉄という交通基盤の強みをいかした土地の高度利用が期待されます。
東部クリーンセンター跡地活用をはじめ、地下鉄駅周辺で展開される新たな魅力づくりとも連動しながら、若年・子育て世帯のニーズに合った居住環境を創出するとともに、広場空間や店舗を誘導するなどにより、まちの賑わいや歩きたくなる空間を生み出し、人と人のつながりを促します。
● 新十条通沿道
外環状線との交差点附近には区役所や医療施設、スーパー、1 階に店舗の入る集合住宅等が立地していますが、西側に向かって更なる発展が期待されます。地元の人々等の思いがこもる年末の風物詩「山科義士まつり」の際には、外環状線等と合わせ、大石内蔵助ゆかりの寺社まで義士隊が練り歩くコースとなります。
稲荷山トンネルの無料化以降、市内中心部や南部方面等へのアクセス性が高まっているエリアであり、幹線沿道を中心に、新たな魅力と活力の創出に資する多様な都市機能の集積を図ります。
4 多様な住まいのニーズを受け止めるまち
山科区の住宅地には高度経済成長期にスプロール的に開発されたものも多く、道路が狭く狭小な敷地が多いなどの課題があります。若年・子育て世帯のニーズに合った居住環境の創出などにより、住まいの選択肢を充実させ、魅力的な住宅地の形成を図ります。
● 外環状線後背地
駅から少し離れているところもありますが、三条通、外環状線や国道1号、名神高速道路など主要な道路に近く、自動車の利用を前提とした、ガレージ付きの一戸建てが多く見られるエリアです。各小学校区では、地元の人々が様々な地域活動を展開しています。
とりわけ、小さな子どもを伴う世帯層など、日用品の買い出しや行楽等に自動車の利用を求める若年・子育て世帯の住まいのニーズを受け止めることのできるまちを目指します。
5 大規模な住宅団地を活用した新たな魅力を発信するまち
大規模な住宅団地が立ち並ぶエリアで、入居者の年齢層や世帯構成の変化、施設によっては老朽化への対応、空き住戸の活用などが課題となっています。既存施設を適切に維持・活用し、若者から高齢者まであらゆる世代にとって魅力的な居住環境の充実を図るとともに、新たな魅力の発信や創出など、若年・子育て世帯の呼び込みにつながる取組を進めます。
● 東野駅西側エリア
中世期に山科に広大な寺域があった歴史を伝える寺院や廟所、土塁跡の残る公園など、子連れの方や高齢者など多世代の方の散策に適したスポットがある中に、公営住宅等の団地が比較的多く立ち並ぶエリアです。高齢化や単身世帯の孤立化などの課題がある一方、公営住宅においては、若年・子育て世帯の定住促進に向けた取組などが進んでいます。
既存公的ストックを有効に活用しながら、地域コミュニティの活性化を促し、若年・子育て世帯をはじめとする多様な世帯が、安心して住み続けることができるまちを目指します。
大規模な公的賃貸住宅が多く立地するエリアです。近くを流れる山科川に沿う遊歩道では、水辺環境や並木など自然の美しさを愛でながら散歩やサイクリングを楽しむことができます。石田駅周辺の複数団地の一体的な団地再生の検討を進めつつ、空き住戸を若手芸術家への支援に活用するなどユニークな取組を行っています。
既存公的ストックを有効に活用しながら、新たな住まいと賑わいを創出し、周辺エリア一帯の魅力向上を図ります。
エリア別指針【南部方面】
京都の新たな活力を生み出す創造ゾーンの中心として、ものづくり産業などの集積、快適な暮らしとも調和する都市環境の創出を図る
高速道路や鉄道などの交通網が充実し、市内外へのアクセス性が高いことなどから、幹線道路沿いを中心に企業の本社ビルや生産拠点、研究所等が集積しています。城下町や門前町、計画的開発地など多様な特性を持った市街地が形成されており、酒造業など地場産業の盛んなエリアでもあります。平野部には工業地のほか住宅地や農地が広がり、桂川・宇治川・東高瀬川といった河川や東山連峰など自然環境にも恵まれています。
本市の創造ゾーンの中心として、伝統産業から先端産業まで幅広い知恵と技術の蓄積、充実した都市基盤などの強みをいかしながら、ものづくり企業をはじめとする多種多様なオフィス・ラボ、生産拠点の更なる集積を進めます。あわせて、駅周辺のエリアを中心に、働きやすく、居住環境とも調和した快適な都市空間の更なる拡充を目指します。
1 産業の集積地として京都の活力をうむまち
オフィス・ラボ、商業、ものづくり、物流など、様々な経済活動の場が集積し、京都のまちの活力の源となっています。地域特性に応じた産業が集積し、それぞれの強みを伸ばすまちづくりを推進します。
● 京都駅南部エリア
ショッピングモールやホテルなど規模の大きな施設が並び、今後も文化芸術系の施設やオフィス等の開発などにより発展が期待できるエリアです。周辺では団地再生事業によりうまれる将来活用地のほか、学校跡地など活用の可能性を有する公有地もあります。
京都駅やらくなん進都との近接性をいかし、イノベーションがうまれるオフィス・ラボを集積するとともに、クリエイティブな活動の場となり、京都の南部創造をリードするまちを目指します。
● らくなん進都
京都の活力を支える南部地域の先導地区としての位置付けのもと、企業の集積や質の高い都市環境形成などに向けた取組を進めているエリアです。本市が敷地の有効活用を要望している京都拘置所及び京都運輸支局が立地し、当該敷地の有効活用によって、南部創造のまちづくりを加速させることが期待されています。一方で、地元企業のオフィス・ラボ等の施設の新築や、市外企業の京都進出などの事例があるものの、幹線沿道において土地の低未利用が散見されるなど、整備された都市基盤が十分に活用されていない状態にあります。
本市の最も重要な産業集積拠点として、また、新しい京都を発信するものづくり拠点として、魅力的な都市環境を生み出し、国内外の最先端のものづくり産業をはじめとする企業の進出意欲を高め、本社オフィスや生産、研究開発、流通機能などの充実を目指します。
● 久我・羽束師西部エリア
田畑が多く、なすやみず菜、畑菜などの特産品をはじめとする農業が行われている中に、各種の生産拠点等が立地しています。農業・製造業・運輸業と、多岐にわたる産業関連施設が集積するエリアです。
周辺の環境と調和しつつ、将来の都市計画道路の整備も見据え、企業の操業環境の向上を図り、エリアの中に市内で唯一工業専用地域があるという地の利をいかし、更なる産業集積を進めます。
● 横大路エリア
古来、大阪と京都を結ぶ交通の要地となってきたエリアです。現代においても物流施設が多く立ち並ぶなど流通分野で大きな役割を担っています。土地区画整理事業の進展により、今後も南部創造のまちづくりの推進力をうむことが期待されます。
整備される都市基盤をいかし、多様な産業の集積を進めて、隣接する住居系地域も含め、働く人にとって快適で魅力的な都市空間の整備を図ります。
● 南部の市街化調整区域
田畑が広がる市内有数の田園地帯で、食用米や酒米、各種野菜等の栽培が行われてきました。交通・物流環境に恵まれた地の利をいかし、近接するらくなん進都との相乗効果の発揮が期待できることから、特に国道1号周辺では、地域未来投資促進法に基づく重点促進区域の指定以来、複数の事業者が進出しています。
引き続き、高速道路のインターチェンジに近接するなど、交通利便性が高い場所において、農地などの周辺環境との調和を図りつつ、産業用地の創出を進めます。
2 地域の発展を支える活気あふれるまち
古い時代から成り立ってきたまちがあり、これからも発展が望まれるエリアや、これからの開発事業等の展開によって活気がうまれる場となることが期待されるエリアです。長年受け継がれてきた地域資源や今後新たに創出される魅力的な拠点のポテンシャルをいかし、南部地域全体を更に活気づけるまちを目指します。
● 竹田駅周辺(地域中核拠点エリア)
鳥羽離宮跡をはじめ平安期に院政の舞台であった頃をしのばせるスポットが点在しており、現在は地下鉄と近鉄が乗り入れる駅があり、その近くに高速道路のインターチェンジが位置するなど、移動が便利なエリアです。
これらの特性をいかし、南部創造の新たな拠点として商業・業務機能などを集積し、利便性の高い良質な居住環境が充実した賑わいと活力に満ちたまちを形成します。
● 丹波橋・伏見桃山・桃山御陵前駅周辺(地域中核拠点エリア)
かつて屋敷を構えた大名や、職人たちの業種の名が残る特徴的な町名にも表れているように、町割りを含め伏見城の城下町としての面影を色濃く受け継ぐエリアです。複数の鉄道駅が所在し、高い交通利便性があります。個人や地元企業によるバラエティ豊かな店舗等が魅力の商店街が連なり、日々の買い物も便利な暮らしやすい環境を作っています。
名水の湧く神社や数々の酒蔵など歴史ある市街地の多様な地域資源、団地再生事業によりうまれる将来活用地等をいかし、住環境とも調和しながら、商業・業務機能の立地を進めるなど、更なる賑わいの創出を図ります。
交通の要衝に展開した歓楽街の歴史、さらには昭和の雰囲気を上手に引き継ぐ店が集まる、通好みのエリアです。水の上から周辺のまちの風情を楽しめる十石舟・三十石船も人気です。駅周辺において再開発が検討されている動きがあり、その進展による更なる発展も期待されます。
大阪方面にも出やすい京阪の特急停車駅でもある交通アクセス性の高さや、数々の観光名所からも近いことなどのポテンシャルを更にいかすため、商業・業務機能の充実などによって駅周辺の魅力向上を図ります。
● 向日町駅~向日町上鳥羽線エリア
隣接する向日市内で、JR向日町駅周辺における再開発事業が進められており、更なる利便性の向上が図られます。同事業により整備される駅東口の駅前広場まで向日町上鳥羽線が延伸することで、本市市域に向かって商業・業務機能が集積することが期待できるエリアです。その流れが、らくなん進都の所在する東の方面まで波及することが期待されます。
京都競馬場に幅広い世代の方々が訪れるとともに、昭和レトロな雰囲気の近隣商店街ではイベント等地域活性化に向けた活動もうまれています。桜並木や歴史ある神社・城跡など、地域資源が豊富なエリアです。
競馬場をはじめとする娯楽・レクリエーション機能、大阪方面への交通利便性をいかし、商業機能を充実させ、住環境とも調和しながら、新たな形のオフィスの立地を進めるなど、更なる活気があふれるまちを目指します。
3 働くと暮らすを豊かに楽しむ住みよいまち
古くからの集落を中心に、新たな住宅地が広がっています。鉄道駅から離れてはいますが、らくなん進都など、今後更なる産業集積が期待される「働く場」と近接した住宅エリアです。職住近接の実現により、働くと暮らすをともに豊かに楽しむことができるまちを目指します。
● 西高瀬川周辺
旧千本通を軸に古くから集落が形成され、そこから住宅地が広がってきたエリアです。国道1 号や名神高速道路など周辺を大きな道路が走っており便利ですが、公共交通機関が利用しにくいなどの課題もあります。このエリアのすぐ東に位置するらくなん進都鴨川以北では、本社オフィスや生産・研究開発機能の集積が進んでおり、今後ますます働く人が増えることが期待されます。
新しい京都を発信するものづくり拠点で働く人などが徒歩や自転車などで通勤でき、快適に住み続けることができるまちを目指します。
● 久我・羽束師東部エリア
桂川の右岸に広がる住宅街であり、鉄道駅からは少し離れていますが、外環状線や国道1 号など大きな道路にアクセスしやすいエリアです。「久我の杜」の名残を残す緑を有した神社、歌枕にも使われた「羽束師の杜」がある神社など長い歴史を持つ古社も点在しています。
とりわけ、小さな子どもを伴う世帯層など、日用品の買い出しや行楽等に自動車の利用を求める若年・子育て世帯の住まいのニーズを受け止めることのできるまちを目指します。
4 誰もがいきいきと暮らせる、多文化・多世代共生のまち
向島ニュータウンでは、約75ha に及ぶ広さの土地に、高層住宅・低層住宅、学校、病院、道路、公園等が計画的に配置されています。まちびらきからおよそ半世紀が経過する中、各施設の老朽化や人口減少・少子高齢化、様々なバックグラウンドを持つ住民同士のつながりの持ち方などが課題となっています。
● 向島ニュータウン
市境周辺に多様な生活利便施設も揃うエリアで、交通利便性の高い住宅街です。地域の人々が、積極的にまちの活性化や教育環境の充実に取り組んでいます。
公営住宅などの既存施設を適切に維持・活用するとともに、多様な都市機能の誘導を図ることで持続可能な多文化・多世代共生のまちづくりを進めます。
エリア別指針【西部方面】
先端の学術機能・産業、ゆとりある住宅地、自然や文化など多様な魅力を高め、つなぐことにより、新たな価値やライフスタイルを生み出す
市内中心部や大阪方面等へのアクセス性に優れた鉄道路線や国道の周辺に多様な住宅地が形成されており、ベッドタウンとしての性格を持つ一方で、学術研究機関やものづくり企業が立地するエリアもあります。桂川や西山連峰などの美しい自然、寺社等の豊富な歴史・観光資源、たけのこや柿をはじめとした都市近郊農業など、様々な魅力があふれる地域です。
近隣都市や市内にある各地域拠点とのつながりをいかしながら、多様な都市機能の立地・集積を進めます。また、大学・研究機関に蓄積される数々の知やものづくり企業が磨き上げてきた先端技術、そして古くから受け継がれてきた歴史・文化資源などが、人々の交流を伴いながら融合し、新たな価値やライフスタイルがうまれるまちを目指します。
1 スポーツ・医療・健康科学などが融合したウェルビーイングなまち
スポーツ、医療、健康科学などに関係する施設、企業等が、比較的まとまって所在しています。これらの施設等と地域の人々が相互に関わり合うことで、心豊かな社会が実現したウェルビーイングなまちを目指します。
● 西京極駅周辺(地域中核拠点エリア)
昭和7 年の野球場開設以来、数々のドラマをうんできた京都市のスポーツの一大拠点・西京極総合運動公園が所在するエリアです。検討を進めている同公園の再整備により、各スポーツ施設はもとより地域全体の魅力向上も期待できます。
スポーツと関わりが深い方だけでなく、多様な世代、多彩な人たちに十分に活用され、健康的で活発な交流を促進する公園を核とした魅力的なまちを目指します。
●五条通周辺
五条通沿道に西京極総合運動公園、京都市立病院、京都リサーチパークが立地しており、これらがつながることで、スポーツ・医療・健康科学などの分野でイノベーションがうまれる可能性を秘めたエリアです。
周辺の大学等との連携も視野に入れながら、関連する分野のオフィス・ラボの軸の形成を目指します。
2 新しい産業がうまれ、成長するまち
新旧の山陰街道と国道9号が交わる交通の要衝で、山々の緑に囲まれた環境の中、未来に向けた様々な研究や事業が展開されているエリアです。一方で、スタートアップ・ベンチャー企業が入居する公的インキュベーション施設は高い入居率で推移しており、更なる活動の場が求められています。
● 桂駅~桂イノベーションパークエリア
産学公連携による新産業の振興拠点として設置された桂イノベーションパークが所在し、様々な知の集積とこれまでにない事業への挑戦が日々重ねられています。周辺の京都大学桂キャンパスでは、工学系の学生が研究にいそしんでいます。また、特急停車駅であり交通利便性が高い桂駅へのバスが多数発着しています。
今後ますます高まることが期待されるスタートアップ・ベンチャー企業のニーズを受け止め、桂イノベーションパーク周辺において、働きやすい都市環境の向上を図るとともに、この地でうまれた先端産業を更に発展させるため、桂駅までの幹線道路を中心にオフィスの立地を促進します。
3 ものづくりと調和し、生活利便が整った住みよいまち
ものづくりに関係する企業のオフィスや生産拠点などが多いエリアですが、最近ではマンションの立地事例も多くなっています。
生産拠点の操業環境の保全・向上と併せて、未来を支える若い世代の市内居住のニーズを受け止め、ものづくりと調和した、生活利便が整った居住環境の創出と、環境負荷にも配慮した職住近接のサスティナブルなまちを目指します。
● 西院駅周辺(地域中核拠点エリア)
工業系地域として各種生産施設が立地しています。また、阪急と嵐電の接続により、多くの学生を抱える大学の通学拠点になっています。駅近くでは周辺の働く人で賑わう飲み屋街の歴史が今に受け継がれており、最近では「京都三大会館」の一角をはじめとするディープスポット、さらには点在するライブハウス等が若者からも注目を浴びています。近隣には病気平癒の御利益で知られる神社があり、とりわけ毎年秋の行事が盛大に行われます。
都心部や西部、大阪方面への交通利便性をいかし、商業・業務・居住などの多様な機能の複合的な集積を進めます。
● 西大路駅周辺(地域中核拠点エリア)
様々な企業の本社や生産施設が立地しており、工業系地域の色彩が濃い一方で、近年マンションの建設も各所で見られるようになっています。JR駅の南側には大規模な商業施設があり、周辺の人々の日常生活を支えています。
駅との近接性もいかしながら、周辺の業務機能や生産拠点の操業環境とも調和した潤いある居住環境を創出し、利便性を兼ね備えた拠点を形成します。
4 学生や働く人など多様な人が行き交い、集うまち
駅又は主要なバス路線がある交通結節点周辺として、近隣住民、学生、事業関係者など多様な人々が往来しており、それぞれの人の利便性向上に寄与する各種施設も立地しています。高い交通利便性をいかし、周辺の人々を惹きつける多様な都市機能を集積し、更なる賑わいを創出します。
● 円町駅周辺(地域中核拠点エリア)
スーパーや家電量販店が附近にあり、日常生活に便利なエリアです。カレー専門店がひしめく激戦区として愛好家に注目されており、近年はラーメン店の立地も増え、学生をはじめ若者の姿が多く見られます。事業所も多く立地し、金融機関の支店も集積しています。
多くの通学・通勤者が行き交うまちとして、住環境とも調和しながら、新たな形のオフィスや生活利便施設の立地を進め、更なる賑わいの創出を目指します。
● 太秦天神川駅周辺(地域中核拠点エリア含む)
地下鉄・嵐電・バスの結節点であり、周辺には一戸建てのほか大規模マンションの立地も見られます。近隣の大学や専門学校に通う学生の往来も盛んです。また、駅から西は、戸建ての住宅街が広がる中、創建が平安京より更にさかのぼる秦氏ゆかりの神社仏閣が今に伝わる古い歴史のまちであると同時に、2つの撮影所、そして映画と共に歩んできた商店街がある映画のまちでもあります。今後、都市計画道路の延伸により、都心部等から西へ向けての活力波及も期待されます。
交通結節点の利便性をいかし商業機能や居住機能をはじめとする多様な都市機能の充実を図るとともに、特色ある地域資源や、大学など多様な主体とも連携しながら、更なる賑わいの創出を図ります。
5 豊かな地域資源と暮らしやすさが共存するまち
長い歴史を有する古社、古刹や遺跡がたたずみ、静かな住宅地が広がるエリアです。また四条通周辺においては、企業の製造拠点等が集積しており、多くの人が働いています。一方で戦後、土地区画整理事業がなされず道路の整備が一部にとどまったまま急速に市街化が進行したエリアにおいては、いわゆるスプロール市街地が形成されており、道路が狭く狭小な敷地が多いなどの課題があります。
● 嵐電嵐山線沿線
古墳が点在し、平安京よりもはるか古代の頃をしのばせるエリアの中に、一戸建ての住宅が数多く立っています。JRや嵐電の路線、丸太町通が走るなど交通利便性が高く、スーパーやホームセンターなども立地しています。
コンパクトサイズであっても一戸建てを求めたい、市内で働く若年・子育て世帯などの住まいのニーズを受け止めることができるまちを目指します。
● 梅津エリア
周辺には企業の大規模な製造拠点が立地する一方、主に一戸建て住宅が一帯に立ち並び、スーパーやドラッグストア等も周囲にあります。都心部からは少し離れているものの、四条通からバスでアクセスしやすい、生活利便性の高いエリアです。
コンパクトサイズであっても一戸建てを求めたい、近隣の四条通周辺や市内で働く若年・子育て世帯などが暮らしやすいまちを目指します。
6 住む人、訪れる人が共に過ごしやすい回遊性のあるまち
国内外の観光客で大いに賑わうスポットもあれば、落ち着いた住宅街が広がるところもあるなど、異なる顔を持つエリアです。特に、渡月橋の北側においては来訪者の集中、南側においては住環境とのバランスの取れた賑わいの創出がそれぞれ課題です。
● 嵯峨嵐山・嵐山駅周辺(地域中核拠点エリア)
平安の昔に皇族や貴族が愛でた四季折々の自然の風景が今も変わらぬ美しさを湛え、百人一首や源氏物語など古典文学の舞台にもなってきたエリアです。JR・阪急・嵐電や路線バスなど、各公共交通機関が近接する場所でもあります。周辺には閑静な住宅街が広がっていますが、地元の人々が食品や日用品等の購入のため日常使いできる店舗が少ない状況です。
住環境と調和しながら、回遊性を高めエリア一帯の賑わいの分散を図ることなどにより、住む人、訪れる人の双方にとって満足度の高いまちを目指します。
7 多様な働き方とゆとりある子育てを実現できるまち
高度経済成長期以降に急速に市街化が進んだ、市内でも比較的新しく形成されたまちが多いエリアです。整った都市基盤や交通利便性をいかし、市内のみならず他都市で働く若年・子育て世帯を惹きつける魅力的な居住環境を創出します。
● 桂駅周辺(地域中核拠点エリア)
広大な回遊式庭園と建築群の融合による美しさが人々を魅了する桂離宮に近く、店舗や事務所等と住宅が混在して立ち並ぶ駅東側、広めの一戸建てが整然と建つ住宅街の駅西側と、駅を境にカラーが分かれるエリアです。特急停車駅であり大阪・乙訓方面への交通利便性も高く、桂イノベーションパーク、京都大学桂キャンパスに向かうバスも多数発着しています。
ゆとりある住環境とも調和した新たな形のオフィスや商業施設の集積を進め、桂イノベーションパーク周辺や他都市で働く若い世代を惹きつける活気あるまちを目指します。
● 桂川・洛西口駅周辺(地域中核拠点エリア)
大規模なショッピングモールやマンションが立地する一方、一戸建ての住宅も多く見られるエリアです。駅から東の方面にたたずむ神社の氏子からは、祇園祭の折に重要な役割を果たす久世駒形稚児が選ばれます。JRと阪急の駅が近接しており、市内中心部・大阪方面いずれに出るにも便利です。阪急高架下には多彩な店舗のほか子育て世帯の利用する施設も入っており、地域交流等のためのイベントも多数開催されています。
今後ますます高まることが期待される子育て世帯のニーズを受け止める居住環境の創出を図ります。
● 洛西バスターミナル周辺(地域中核拠点エリア)
洛西ニュータウンの中心部として、区役所支所等の公共施設や、商業施設、金融機関、温泉の湧く宿泊施設など、様々な施設が集積するほか、小畑川や大蛇ヶ池公園、洛西中央緑地などがある緑の豊かなエリアです。
生活利便機能や交通結節機能を核とした暮らしを支える多様な機能を充実させ、ニュータウン全体の再生を進めます。また、将来の活用の可能性を秘めた京都市立芸術大学跡地では、民間活力によって地域の魅力を高める機能を充実させます。
8 地域特性をいかした産業を軸に、愛着を持って住み続けられるまち
市内でも農業の盛んなエリアで、たけのこ、なす、米、ほうれん草など四季折々の特産品があります。既存集落における良好な住環境の維持に向けた取組が進んでいます。
● 大原野エリア
西山連峰のふもとに田畑が広がる、山里の風景が懐かしさを呼び起こすエリアです。山手へ向かえば、平安京又はそれ以前の頃に創建された神社や寺院が数々立地しています。
都市部からほど近い一方で豊かな自然と農ある暮らしがある「トカイナカ」としての魅力を大切に、既存集落の住環境や生活環境を更に充実させ、良好な交通アクセス等地理的特性をいかした産業などの振興により、定住・移住を促進し、市域全体の潤いと豊かさにつなげます。
第4章 実現方策
1 戦略的な都市づくりの進め方
○ 多様な主体による都市づくり
多くの地域で、地域コミュニティを単位としたまちづくりが行われており、今後も市民・事業者・行政の協働によるまちづくりを進め、地域の良好な環境や価値を維持・向上させます。
○ 都市計画の柔軟な見直しと活用
土地利用の動向や都市施設の整備状況、社会経済動向の変化などを踏まえて、必要性や実現性、効率性を十分に検討のうえ、適時適切に都市計画手法などの活用を図ります。
○ 京都の特性をいかした都市づくり
豊かな自然、優れた景観、長い歴史に培われた文化、地域コミュニティ、伝統産業、知的財産など、様々な有形無形の資源・資産の蓄積をいかし未来へ引き継ぐ都市づくりを進めていきます。
○ 大規模な活用可能地等での戦略的な土地利用
京都の活力の維持・向上を進めるうえで貴重な財産として、都市の空洞化や無秩序な開発を招かないよう、計画的・戦略的な土地利用を図ります。
○ 魅力ある公共空間の創出
学校や図書館、区役所、公園や広場といった公共空間は、学問・芸術・技術などそれぞれの分野で優れた識見を有する「京都学藝衆」と市民が活躍する舞台となる可能性を宿しており、地域のまちづくりに大いに寄与するよう、積極的に活用を図ります。
○ 公共施設の有効活用、再編等
公共施設については、施設の持続可能性を検討するとともに、まちの活性化や、地域の人材交流拠点の必要性の高まり等を踏まえた、より戦略的な活用を重視した取組を推進します。
○ デジタル技術の発展に対応したまちづくり
人工知能(AI)等のデジタル技術が急速に発展する現代においては、都市や生活の在り方が大きく変容する可能性があり、そういった変化への対応を図ります。また、デジタル技術をその時々の状況に応じて柔軟に取り入れ、スマートなまちづくりを進めます。
2 地域まちづくり構想
個性豊かで魅力的な地域でのまちづくりを円滑に進めていくために、住民・事業者・行政をはじめとした多様な主体により、地域が本プランの都市計画の方針に沿って検討した地域の「将来像」と「まちづくりの方針」について、本市が都市計画審議会に報告したうえで、本プランの「地域まちづくり構想」として策定し、積極的に支援していきます。
3 立地適正化計画の活用
本プランは、都市再生特別措置法に基づく「立地適正化計画」を含む計画です。立地適正化計画については、本市の都市特性を踏まえ、産業の活性化や働く場の確保、都市環境の向上等を目指す手法として活用します。
また、災害リスクを踏まえた災害に強いまちづくりに向け、必要な防災・減災対策を計画的に実施し、居住誘導区域における災害リスクをできる限り回避あるいは低減させることを目的として、防災指針を定め、必要な取組を実施していきます。
お問い合わせ先
京都市 都市計画局都市企画部都市計画課
電話:075-222-3505 【受付時間】午前8時45分~11時30分、午後1時~3時 (事業者のみなさまからのお問い合わせは受付時間内でのご協力をお願いします。)
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