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市長記者会見(2026年9月8日)

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2026年9月29日

「国内外のクリエイティブ人材が京都につどい・交じり・創造する仕組みづくり」、京都市長が記者会見を実施しました。

(補足)発表内容は、令和8年9月8日時点の情報です

記者会見動画

京都市動画情報館外部サイトへリンクしますから京都市長記者会見をご視聴いただけます。(YouTube)

(発表案件)「国内外のクリエイティブ人材が京都につどい・交じり・創造する仕組みづくり」

市長

 今日の発表案から御説明申し上げたいと思います。

 お手元の資料、あるいはタブレット等を御覧になってる方もいらっしゃるかもしれませんが、それに基づいて御説明申し上げます。

 今日の説明は、京都市が進める芸術家等の定住・移住推進施策についてでございます。まず、資料をおめくりください。

 令和5年度から芸術家等の定住・移住促進の取組というのは進めてきたところでありますが、私が市長に就任後も、これは非常に今後の単に定住・移住促進ということだけではなくて、京都のまちの在り方に関わる重要施策であると位置づけておりまして。今日は二つの事例、これを私どもとしてはある種の先行事例としてさらに施策を展開していきたいと思っておりますが、二つの具体的な事例を中心に御説明申し上げます。

 次のページ、お願いします。その次、お願いします。

 3ページ目でございますが、京都市では、新京都戦略の中でもまちとしての多様性あるいは包摂性を高めるという意味で、国内あるいは海外も含めまして、芸術家やクリエイター、あるいは職人、料理人なんかも含めた職人さんなど、京都の価値に共感する多彩な人材を、クリエイティブな人材をこのまちに呼び込んでいきたいと考えております。

 クリエイティブ人材の交流というのが極めて大切であり、創造的な活動が活発になり、新しい産業あるいは仕事を生み出しながら、国内外の人を惹きつける魅力あるまちづくり、そんな取組を進めていきたいと思います。

この取組で大切なのは、まちの魅力の向上、あるいは関係人口ですね。京都は観光都市でもありますが、狭い意味での旅行・観光ということだけではなくて、より京都に愛着を感じていただいている方々が、単に名所等を御覧いただくだけではなくて、京都のまちに魅力を感じて京都で様々な創作活動をしていただける。そのことが、ひいては定住・移住にもつながっていくと考えております。

 4ページ、お願いします。

 こうしたものをさらにこの流れを強めていくためのトリガーとして、芸術家等の定住・移住ということに特に着目した住まい・仕事・コミュニティの3つの要素をどう整えていくか。京都で暮らし続ける芸術家、クリエイターの方々を増やして、京都のまちの多様性・包摂性を高めていく。後で御質問もあるかもしれませんが、芸術家というのは、いろいろな価値の多様性を可視化する、具体的な作品に体化させるという意味で、特に京都のまちの多様性・包摂性を高めるに当たって、シンボリックな意味があると思います。

 6ページをお願いいたします。

 これは、令和5年度、私が市長に就任する前から芸術家の移住・居住等推進モデル事業ということで取り組んできたものでありまして、これも今も継続中でありますが、京都芸術センターの中のKACCO(カッコ)で様々な芸術家等の定住・移住に係る相談事業を実施しているところでございます。

それから、ウェブサイト「たどり着いたら京都」、これも令和6年度、私の市長就任後の年度でありますが、「たどり着いたら京都」ということで、文化芸術関係者の移住のきっかけ等をインタビューして、それを公開・共有しているところでございますし。一番下のART JOB FAIRへの参加ということで、文化芸術に特化したジョブフェアにKACCOが出張相談窓口、ブースを出展してきたということも行っているところであります。

8ページ、お願いいたします。

今年度の新しい取組を今日は二つ御紹介したいと思いまして、一つは、FLAT ArtSphere KYOTO(フラット アートスフィア キョウト)ということで、もともと京都市の土地に京都大学が建築して留学生寮として運用されてきたものの、賃貸借契約が終了して、令和3年度に土地が返還されてきたものについて、まさに数年前までは京都大学の留学生の方々が住んでおられた建物を、今回、文化芸術関係者の居住施設として、フラットエージェンシーさんに改修・運営していただくというものでございます。

次のページ、お願いします。

この場所なんですが、御陵の山側といいましょうか、疏水側の非常に閑静な住宅地の中にあって、御陵駅からも徒歩8分。しかも近くにスーパー、コンビニ、ドラッグストアなど非常に日常の生活にも利便性のある施設もあって、例えば京都市立芸術大学まで公共交通機関で30分で行けると。もちろん、それ以外の大学にも至近の場所にあるものでありまして、利便性も高く、しかし非常に閑静で芸術関係者がお住まいになるには最適であって。左下にロゴをつけさせていただいておりますが、「meetus 山科-醍醐」の取組の一つに位置づけたいと考えております。

10ページを御覧ください。

 具体的な部屋の間取りでありますが、部屋タイプは3種類あって、全部ファニチャード、家具つき、家電つきということで、そのまま引っ越して来られたらお住まいいただけると。具体的な条件をさらに詰めなければいけませんが、室数限定で家賃を無償化するということも現在、考えてはございます。家賃については、10月上旬に入居者募集開始を検討しておりまして、そのときに発表していきたいと思っております。当然のことながら、タイプによって家賃は変わってくるということで。非常に一番小さいタイプは狭いですけどコンパクトな形でお住まいいただけるし、次に写真がありましたかね。

 次のページ、お願いします。

 こんな感じで、交流スペースがたっぷりありますし、共同のキッチン等もありますので、それぞれの部屋のタイプごとに選んでいただいて、関係者、クリエイティブな方々にお住まいいただける施設としては、普通の市場価格よりは低廉、利便のよい施設ができることになろうと思います。

 それから、12ページです。本日、ウェブサイト公開をして、10月上旬に入居者募集開始、その時点でお部屋ごとの料金を明らかにするということになっておりまして。12月に竣工予定ということでございます。

 次のページ、お願いします。

 これ、もう一つの取組でありますが、伏見区の醍醐中山市営住宅、醍醐の駅の東側の丘の上にある醍醐中山市営住宅の空き住戸5戸を、芸術家等の居住・創作の場として活用し、文化芸術関係者向けに貸し出す取組でございます。これは、HYPER RESORT株式会社に改修・運営していただくこととしております。

 すみません、さっき申し忘れたかもしれませんが、前のやつはフラットエージェンシーでした。それで、これについてはHYPER RESORT株式会社さんに改修運営していただくということで。

今、申し上げましたように、醍醐駅の東側、徒歩7分、高台にある市営住宅で、令和6年度から先行して若手芸術家向けに空き住戸を貸し出しておりまして、また福祉職員用社宅としても活用させていただいているところであります。

醍醐地域では、京都で活躍する若手芸術家とともに公共空間をアートで彩る「だいごmeアート」など、地域を挙げた取組が行われておりまして、これもやはり「meetus 山科-醍醐」に位置づけて行っていきたいと思います。

御承知のように、パセオ・ダイゴローには、生活に欠かせないスーパー、家電量販店、あるいは図書館、醍醐交流会館など公共施設もありまして、生活に必要なものをそろえることはできるわけですし、地下鉄東西線等を使って交通の利便性もいいと思っております。

15ページ、次のページ、お願いいたします。

こんなイメージでございまして。3DK、46平米ということで、それなりに御家族なんかも伴ってお住まいいただけるようなスペースで、家賃は月4万9千円という金額を予定させていただいております。

17ページ、次のページ、お願いします。

今2組の取組を展開させていただきましたが、皆さん、御承知のように、今年度の前2か年、「*** in Residence Kyoto(アスタリスク イン レジデンス)」というのはいろいろな寄附財源も使って行わせていただいて、非常に好評を得ていただいてきておりますが、それを今後、さらに推進していかなければいけない。あるいは、文化領域に特化したジョブフェアなどに官民連携で取り組むということで、文化芸術関係者のみならず、多彩なクリエイティブ人材を京都に呼び込み、大事なことは交流してもらって、新たな創造を生んでいくということで。京都の魅力を国内外に向けてさらに発信していきたいと考えております。

私からの冒頭の御説明は以上でございます。

ただ、申し上げれば、この二つの取組というのは、ある意味ではシンボリックな先行の取組であって、私自身がこれから市役所内部で今議論しているところでありますが、もっともっと市営住宅の空き住戸、市営住宅の本質は基本的にはセーフティーネット住宅であると思っておりますが、それについて空き住戸も多いものですから、しっかりと空き住戸を活用して、今の制度上は目的外利用ということになりますが、私は、クリエイティブステイ、よりクリエイティブな方々が国内外問わず、京都に滞在していただいて、あるいは大学生なんかでも一時の期間、京都に留学していただく。それは、大学間の連携でいろいろなプログラムがこれからできていっても面白いと思いますし、この辺りは大学の学長さんなどとのサマーミーティングでも話題にしたところでありますが。

なかなか少子化が進んでいる中で、もっと国内外の若いクリエイティブな方々を京都に滞在してもらって、そして京都で活動していただく、そういうスタイル。先ほどちょっと申し上げましたが、観光都市としての京都の魅力、あるいは市民生活の調和両立というのは大事なことでありますが、同時にやはり京都のまちに住んでいって京都の魅力というのは、ここに滞在して有名な観光地を旅行するということだけではなくて、このまちに滞在してこのまちの文化を味わっていただいて、このまちでいろいろな精神的な価値というのにあふれたまちだと思いますので、そこで特に文化芸術関係者は、そのインスピレーションを京都のまちで刺激していただいて、そして可能ならばできるだけ京都のローカルの人々とも交流していただいて。そうすると文化、クリエイティブな関係者の方々の創作意欲も刺激できますし、また市民の皆さんにとっては、日本中あるいは世界から多彩な才能を京都に迎えて交流することによって、やはり京都のまちというのはクリエイティブで、しかもいろいろな価値観、いろいろな創作活動をされている方々に対して、包摂的にそれを捉えて、いつも私が申し上げていることですが、不易流行と言いますが、京都の伝統的な価値を大切にすると同時に、新しい違う文化、国内であっても海外であっても違う文化の担い手の方々と交流して、新たな発見とか創発を刺激していく、そういうまちづくりを進めていきたい。それのシンボリックな、特に民間の事業者がある程度運営していただけるシンボリックな物だと思っております。

これから様々な市営住宅の空き住戸の活用であるとか、従来「*** in Residence Kyoto」でやっていただいたような、例えば町家においてそういう方々をもっと受け入れて、地域と交ざっていただくような取組を進めていくとか、様々なことをまち全体としてこういう施策を展開していくための一つの先鞭をつける二つの事業について、今日は中心的に御説明させていただきました。

以上です。

質疑応答

発表案件に関する質問

記者

 まず、施策の意義についてお伺いします。先ほどお話しいただいた中とも少しかぶるかなとは思うんですけれども、改めて施策の意義について、資料の中でまちの多様性・包摂性が高まるですとか、人口減少の課題にアプローチするなどと意義を挙げられていると思うんですけれども、これらについてもう少し具体的にどのような効果を想定しているのか、お教えください。

市長

 まちの多様性・包摂性というのは、それを高める方策というのはいろいろあると思うんですが、やはりアーティストの方々というのは、先ほども御説明の中で申し上げましたが、様々な価値観とか美意識とかいうのを可視化する、作品に。それが例えばアートであれば、アート作品に体化する、あるいは音楽であればそういう作品に、あるいは演奏に体化する、可視化する、あるいは物によっては聞こえる、可聴ということかもしれませんが。

 そういうことによって、こういう才能の方々、こういう価値観のこういう美意識の方々がいらっしゃるということを、非常に分かりやすく市民に伝えていただくことが可能ではないかなと考えております。

 まさにそういう自分とは違う価値観に基づく作品というものが様々な形で多様性があるということは、やはり京都のアートシーンをより豊かにするものだと思いますし、またそういう方々と交流する機会が設けられるということは、市民のいろいろな感覚について、それは刺激を与えていただくし、新たな気づきというものを与えていただくという意味では価値があるんじゃないかということが一つ。

 もう一つあるとしたら、人口減少というのは、今、私の説明である程度御理解いただける部分があるかもしれませんが、その方々が定住したって、それはひょっとしたら住民票を移されるような定住ではないかもしれませんよね。だけれども、そういう方々が京都のまちで活動されているということ自体が、京都のまちの豊かさになるのではないか。当然、より人口減少に歯止めをかけるためのダイレクトに寄与するような施策は、同時に展開しなければいけない。それは、例えば子育て環境をどうよくしていくか、住宅環境をどうよくしていくか、第2子保育料の無償化であるとか、京都安心すまい応援金であるとか、様々な施策がよりダイレクトには人口減少対策としては効果があるわけでありますが。もっとじわりと、こういう様々なクリエイティブな方々が滞在して人々と交流しているまち京都というものが魅力があるねと。だから、そこで滞在しよう。滞在だけでは我々から言うと定住人口の増になりませんけれども、そういう方々がいらっしゃるようなまちだったら、子育てもしてみたいねとか、あるいは自分たちも拠点を京都に持とうかというような方々を誘発するという。間接的かもしれないけれど、まち全体の価値を上げていく。まち柄として京都というのはいろいろなバックグラウンドのアーティストというのを受け入れている、あるいはそういう方々と交流できる機会が様々あるということが、やはりまちとしてここのまちに住もう、あるいはここのまちに関わろうという方々の意欲を高めていくということにつながるという意味で、人口減少対策、そういう課題にもアプローチするという表現を使わせていただいたところです。

記者

 ありがとうございます。もう1点、お聞かせください。人材の募集についてなんですが、主に国外の人材に対して、どのように京都市の取組を周知募集していくのか。また、応募者の中から集まってきた場合、選抜は実施するのか。実施する場合は、どういった手段で選抜を実施するのかというのをお聞かせください。

市長

 例えば、この京大の元留学生寮に関して言うと、先ほど申し上げたように、フラットエージェンシーさんが一義的な整備運営の主体としてお願いしているわけでありますが、フラットエージェンシーさん自身もいろいろなノウハウを持っておられると思いますが、私どもが伺っておりますのは、実際の入居者の募集とか、あるいは契約に当たってはオークハウスさんという、東京の豊島区に本社を持っておられる会社が担っていただくということで。オークハウスさんは、シェアハウスの業界の大手企業で、海外の留学フェアなんかにも出展されていると伺っておりまして、海外のネットワークというものをオークハウスさん自身がお持ち。

 もちろん、我々自身も、「*** in Residence Kyoto」の事業について、様々この2年間、事業を実施させていただいておりますし、公式SNSでもいろいろなフォロワーの方々がいらっしゃるので、我々自身もしっかりとこういうものを新しく運営するんだと、京都市が貸し付けて運営するんだということは発信していきたいと思います。ただ、海外の方に限定しているわけではなくて、国内のアート関係者も大歓迎でございますので。

 ちなみに、我々の「*** in Residence Kyoto」の事業で、伝統工芸、産業分野に特化したレジデンスプログラムの滞在者1名を募集させていただいたら、何と募集開始から数分で1名のところに上限数50名の希望者が現れたというものもあって、意外と反応は鋭いので。我々も当然いろいろな情報発信で協力していきますし、このオークハウスさんが持っておられるネットワークというものも使って、いろいろな方々にアプライをしていただきたいと思います。

 具体的な選別の方法等は、やはり基本的には運営事業者さんのいろいろな意欲を、あるいは専門性というものを活用していきたいと思います。限界事例みたいなものがあったら、問合せをいただいて、こういう事例についてどう考えていくのかということはお問合せをいただくことにはなっておりますが、極力、民間の発意というものを運営をお願いする以上は、そこを信頼していきたいとは思っております。

記者

 10ページのところなんですけれども、京大留学生寮のところで、家賃を無償化条件ありとなっているんですけれども、この条件ってどういった条件が。

市長

 これは、私のほうからはまだ申し上げる段階ではないし、これから様々検討していきたいということで。

記者

 一部、そういう無償化もあるということですかね。 

市長

 そうです。そういうことも検討しております。

記者

 市営住宅のほうは何か検討していたりするのでしょうか。

市長

 それは、もう一律の。基本的には、先ほど申し上げたお家賃でやっていただくということになっています。

記者

 分かりました。すみません、改めてなんですけれども、取組について、市長として期待することについて伺えたらと思います。

市長

 スライドの御説明の後、少し申し上げたことと重複してしまうかもしれませんが。やはり京都のまちが、今日、ひょっとしたら民泊の御質問とかもあるかもしれませんが。多くの方々が観光客が京都のすばらしい寺社、あるいは様々な名所、旧跡を訪れていただくというのは、我々は歓迎しておりますが、同時に旅行者として観光地を回られると、そこに特に人気のところは非常に人が集中してどうしても観光集中に伴う様々な課題もある。

我々は、もうちょっと多様な京都のまちの楽しみ方を域外の方々にも持っていただきたい。それは、楽しみ方ということで有名なところを訪ねるということだけではなくて、この自然の中の比較的コンパクトなまちであるとか、訪ねる価値のある場所は様々あると思うんですが、その空いているところもありますし、そこを訪ねていただきながら、もう少し長いスパン。それは別に何年という単位までいきなり求めるものではありません。もちろん、留学生であるとか研究機関で数年単位で滞在される方も大歓迎でありますが。例えば数週間であるとか、何か月という単位で京都に定住して、我々市民が生活しているのと同じように日常の中でお散歩をしていただいたり、山歩きをしていただいたり、鴨川べりを散歩していただいたり、ときによっては、観光名所も訪ねていただくという形で、1か所に集中しないで、単に観光資源の有名なところを回るだけの滞在ではないものを、もっと幅広く求めていくというのが、今後、このまちがよりクリエイティブなまちとして発展していくための非常に大きな誘因になると思っているんです。

 ですから、交流人口、旅行人口に代表されるような交流人口から、より滞在人口。これは、大学の人間なんかで言うと関係人口という言葉をよく使います。ちょっと言葉が平たいフラットな言葉なので、それは例えば我々から言うと愛着人口、京都のファンとして、まだ定住までは至らないけど京都ファンが京都で暮らしながら仕事をするというようなスタイル。これをこれからある程度ボリュームゾーンとして。ボリュームゾーンといったって、観光客に比べたら恐らくオーダーは違うと思いますが、そういった楽しみ方をしていただく。

 実は、観光の方々も、例えば従来有名なところはもう結構行きましたと。むしろ一週間単位で京都市民と同じように、例えばどこかで泊まって、そこで近所の喫茶店でモーニングを食べていただいて、そして一部何か仕事をしながら、一部まち歩きをしていくとか。商店街で京都ならではの買物をしていただくとか、そういう新しい京都観光のモデルもできてきているんですが。今申し上げたような、いわゆる交流人口、旅行人口から、より関係人口的な滞在人口を増やし、それがさらに言えば、分住でもいいんです。いきなり京都市民になっていただく、住民票上登録していただくわけではなくてもいいので、もっと長い期間、住んでいただく。そして、できることなら、もちろん市民性を持っていただいて、住民票まで京都に移していただく。そういうものをどれが全てということではなくて、しっかりそれをバランスよくもう少し整えていったほうがいいんじゃないかな。

 そういう意味では、定住につながるような滞在、何週間単位とか、何か月単位とかいう滞在を、よりクリエイティブな人たちにしていただくということについて、何らかの形で我々がアクセルを踏んでいけないかと。そういう方々は、一か所の観光地に集中するということは基本的にされないと思われますし、行かれるとしても比較的空いた時間帯に比較的自由時間、京都における自由時間が長い中で集中を回避して見ていただきたいし。そういう方々であれば、むしろ穴場というか隠れた非常に落ち着ける場所であるとか、そういったところも発掘していただく余地が、短い期間の一泊二日ということだとどうしても有名なところに皆さん、訪ねがちでありますが。それ以外の京都、奥深い京都を知っていただくことにもつながるので、今申し上げたような三層の滞在について、より長期の滞在、そして分住、定住に近づいていくような部分について力点を置いていきたい。そのことが京都のまち柄をさらに豊かにすることにつながるのではないかなと思っている次第です。

記者

 今回、市長がおっしゃるシンボリックで先行した取組が、なぜ山科と醍醐、市の東南部の地域でスタートすることになったのか。地域の選び方についてお尋ねしたいです。

市長

 別に特にその地域を振興するために選んだというわけではないです。物件が実際そこにあったということが大きいですね。京大の留学生寮については、令和3年に返還され、我々に戻って契約が終了しているという中で、どういうふうにできるか。それから、山科-醍醐、醍醐地域は非常に市営住宅が多いところであって、ほかも例えば西野山住宅なんかでも、ここの醍醐の中山もそうですけど、学生さんが団地をリフォームする、建築学科の学生さんがリフォームするというプロジェクトを進めていた。そこのある種のモデルになっていることは事実でありますが。当然、それは「meetus 山科‐醍醐」としてあの地域をどう振興するかということは頭にはありますし、こういうものが出てきたら、その一環としてしっかり地域の人たちとも連携していこうという思いがあることは事実であります。

 「meetus 山科‐醍醐」が念頭にあることは事実ですが、じゃあ、「洛西“SAIKO”プロジェクト」はどうなのかといったときに、やはり同じような取組で洛西の地域にも市営住宅がありますし、それ以外の地域にも市営住宅があるので、これは特に醍醐の地域だからということよりは、いろいろな条件が合ったものが今ここにあったので、まずやれるところから、しかもある程度民間事業者に運営をお願いするというプロジェクトということで始められるところから始めてみた。

これから、市営住宅あるいは私が申し上げているのは改良住宅というような、これも市営住宅の一環でありますが、特にいろいろな歴史的な由来があって、ある種の改良住宅を整備していたところが、例えば内風呂化して、それを集約して新しい建物に転換しようというようなところもあります。そういったところも含めて、同じような発想でこれと同じようにクリエイティブな方々に入ってきていただく。市営住宅の活用というのは、同時並行で様々なエリアでも考えてほしいと事務方には私はお願いをしているところであります。

記者

 ありがとうございます。今回、手始めであって、これからまた別の地域にも広げていきたいということなのでしょうか。

市長

 もちろんです。

記者

 ありがとうございます。もう1点は、今回対象にされる国内外のクリエイティブ人材というのは、域外の人ということなので市民以外の方という理解でよろしいでしょうか。

市長

 基本はそうですね。

記者

 ありがとうございます。国外の人も含めてというところだと思うんですけれども。京都の市営住宅であるとか固有財産を海外の方に使っていただこうとされるときに、一部批判が起こることが最近ではあるかと思うんです。例えば、春の京都府知事選では、留学生に府営住宅の部屋を提供するというのが一部で批判がネット上であったりとかしたことがあったかと思うんですが。今回、全部が無償というわけではなくて、有償で借りたり・・・ありますし、いずれ市民になってくれればというところもあると伺ったので、そうした批判には当たらないとは思うんですけれども、そういった使い方をしていくときに、市長はどのように御説明されていかれるのでしょうか。

市長

 最初から申し上げているように、私は、これは内外のクリエイティブな人材に呼びかけたいと思っておりまして。特に海外の人たちを優遇するということではないんです。ただ、もちろん海外のアーティストでも非常に優れた、私の言葉を使わせていただければ突き抜けた才能といった方々。同時に、若くてそんなに、非常に高名な方であれば、経済力もあって御自身でお部屋を探されるということが可能な方々というよりは、やはり若くてこれから京都で創作の拠点を探しておられる方々を主眼として入っていただくということを考えております。

 これからの私はクリエイティブステイと言っているんですが、それも含めて、私は内外ともにクリエイティブな方々が交ざっていただくことが大事。留意しなければいけないのは、交ざっていただくので、例えば特定の一定の国々とか、一定の言語の方々だけ集めるなんてことは考えていません。できるだけ交ざっていただきたいという思いがありますし、そこに居住、創作拠点を置いていただくときに、やはり何らかの形で地域となじんでいただく。

 例えば、醍醐中山の市営住宅の場合は、自治会というのがあるんですね。やはり自治会に入っていただいて、そこの団地にお住まいの方々とも交流していただくということが条件であります。ですから、そういう条件を課して、やはり交ざっていただくことが大事だと思います。

 それから、特定の国々の方々だけが集まって共同生活を送っていただくようなイメージをしていません。やはり京都は、私、いつもぬか床と言っているんですが、様々なバックグラウンドがある方々が京都で交ざっていただく。そして、京都市民から言うと、従来の京都人としての伝統とかは大事にしますけど、それと違うバックグラウンドを持った若い方々が日本全国から来られたり、あるいは海外から来られたときに、その方々の価値観というのも理解していただく、あるいは刺激を与えていただくことが大事で、そこのバランスを考えていかなければいけないので。くれぐれも私自身の思いとして、海外の方々とか、海外の留学生だけ優遇するという考え方はありません。

記者

先ほどおっしゃっていましたけれども、この入居される方々というのは、一定期間、どれぐらいの期間、滞在していただくとかいうことをお考えなのでしょうか。

市長

 これも、私は様々あっていいと思うんです。逆に言うと、もしも何年間か住まれるのであれば、敷金礼金という問題はありますけれど、それは民間の住宅という選択肢もあるわけですね。それでも何年間かお住まい、留学生寮でしたし、数年間程度、例えばどこかの大学に籍を置きながら学びながら創作をされるということもあるかもしれません。

同時に、私がずっと最初から、市長になってから参考にしているのは、例えばここも近くですけれどもヴィラ九条山っていうフランスが運営している施設がありますね。それは、世界中のアーティスト・イン・レジデンスの中でも最も人気のあるものがヴィラ九条山。京都におけるアーティスト・イン・レジデンスですね。そこなんかは、アーティストが一定期間滞在するといったときに、大体世界のアーティスト・イン・レジデンスの標準というのはむしろ2か月とかだったりするわけです。アーティストもいろいろなところで滞在しながら、そこでインスピレーションを受けて、また違うところに戻っていくという方々。

そういう意味では、これは私、具体的に例えば事業者さんと詳しい話をしているわけではありませんから、最低滞在期間をどれぐらいに置くのか。それは事業者さんとしての運営上は、ある程度長い間いていただくほうが安定して、短い人たちでころころ回るということだったら、どうしても運営上、空き室が出てくるということがありますから。難しいことを私が今この会見で言うのは控えたほうがいいと思うですけれども。私的には、そうやって特にさっきの狭い部屋なんかありましたよね。ああいうところは、長い期間いるというよりは、むしろ少しの期間であれば、何か月単位とかであればそういうところであれば暮らしやすいけど、あそこに1年間いるというのは、単身であれば全然オーケーよという人もいらっしゃるのかもしれませんけど、部屋のタイプとか全体の運営上の稼働率をどう確保していくのか。そこら辺をあまり縛り過ぎてもいけないと思いますが。

私なんかがさっき申し上げたように、数週間とか何か月とかいう単位で滞在を希望する人たちを、京都市全域でどう受け入れていくかというのは、明確に私の中には問題意識はあります。というのは、これ、芸術センター、さっき過去の話もしましたけど、芸術センターで受け入れているアーティスト・イン・レジデンスも結構そういう、そんな長期、何年も滞在する前提ではなくて、ワンシーズン京都にいて何らかの作品を残すとか、ちょっとサバティカル的に京都のまちで滞在して、充電しながら創作活動をしてみたいという方もいらっしゃるので。そこら辺は、事業者の方々の御意向を伺いながら、どれぐらいの短期的と言ったら悪いですけど、数週間とか数か月という単位の方々を受け入れられるのかどうか。そこはよく現場が相談して、もしそういうところを例えば今回のものはなかなか受け入れにくいということであれば、我々はそういうものはそういうものとして、何らかの形で市として整備をしたほうがいいんじゃないかなと思っています。

醍醐中山のほうは、よりこれはタイプとしても大きな50平米近い四十数平米というものでもありますし、やはり自治会に入っていただくということを前提にしているので、ここは恐らくイメージとしては、さっきの御陵の小さいタイプよりはより長期のものを想定しているのだと思います。そこら辺になってくると、我々がどこまで箸の上げ下ろしを条件を付すのがいいのかということにもなりますので、事業者さんのイメージとか、あるいはどんな方々が応募して来られるのか、あるいは実際の応募要項をどうつくっていくのかというところで柔軟に対応して、そこまでは我々は想定していないということであれば、京都市がそういう機能をどうしていくのかということは別途考えていくべきだと思います。

記者

 また、条件として、例えば先ほど自治会に入って交流するということをおっしゃっていましたけれども。ほかに展覧会を開いたりとかコンサートを開いたりとかでしょうかね。そういう活動みたいなものをするということも考えられるのでしょうか、どうなのでしょうか。

市長

 それは、恐らく家賃とのバランスで、そんなに家賃が安くもないのにいろいろなオブリゲーションをいっぱいつけていくということになってくると、ちょっとしんどいなって話になるかもしれないし。これから我々として、この事業を皮切りにやっていく上で、どこまで家賃を安く、例えば今のセーフティーネット住宅並みのもので入っていただく、市営住宅だとさっきの値段よりもっと安いですよね。

 だとしたら、それはそれとして、落語の「抜け雀」じゃないけれど、あるいは「竹の水仙」じゃないけど、昔、左甚五郎がそうやって自分が作品を残して、飲み食いただにしてもらった代わりに自分が作品でお返ししたみたいな話は日本でもある話なので。それはどれぐらい我々がフェイバーを与えて、ある種見返りとして何か作品を残していってくださいとか、何かこういう交流で地域の方々とこういうイベントに出てください。その代わり、ちょっと安くしますよというようなことは、全体のバランスの中でどういう制度設計をするかというところもあると思うんですね。

 ですから、醍醐中山の場合は、やはり住民としての自治会に入ってもらうということは、それはいろいろな自治会のメンバーとして一緒に活動してもらうということが、ある種の要件になっている。その分、それなりの広い部屋にあれぐらいのお家賃で住める。当然、民間が運営するということも含めて、これからの運営形態によってはもっと安く、その代わりもっとこういうことをお願いしたいということを条件として安く入っていただくとか、あるいは期間の単位ですね。何年という単位ではなくて、何か月単位も認めるとか、そこら辺も含めて全体の施策を展開する上での、ある種のパイロットケースを民間事業者にお願いして始めるということです。

記者

 今回の施策の成果の指標というところについてお聞きしたいんですけど。このシンボリックな二つを通して、うまくいったら今後、ほかの地域にも広げていくというところに至るために、今滞在期間や稼働率にはあまりこだわらないというお話もありましたが、定住率とかそういうところは見られていくのでしょうか。

市長

 定住率というのは、例えば京都市民になってくださる率がどれぐらいあるかと。そこは僕はアーティストに関して言うと、そこが実際京都市民になるかどうかというより、京都の文化にどういう影響を与えてくださるかのほうが大きいんじゃないかなと。あまりそれを、実際何割の人が市民になりましたかということで成果目標を置くというよりは、例えばそういう方々がアーティスト等の方々にとっての満足度というのも、それが自分のアーティスト生活の中でこの滞在がどういう充実したものであったかということも大事だし。それから、その方々がどんな作品を残してくださったか、どんな交流、ワークショップをやっていただいてそこに参加していただいてどんな効果があったかとか、総合的に捉えたほうがよくて。しょせん、この人数が市民になっても、人口の増減でいったら限られているわけです。それより、京都のまち柄をより豊かにしてくださる方向に質的にこの方々の滞在、あるいはこの方々の滞在されたそこでの創作活動がどういう影響を与えたのかということを質的に評価するほうが大切かなと、個人的には思っています。

 あまり何でも定住に条件をつけてしまうと、京都のまちの開放性、いろいろな文化の方々を受け入れて、そしてその方々を京都でインスピレーションを持っていた方々が、また日本各地に帰っていく、あるいは世界に帰っていったときの、そこの価値のやり取りがどこまでクリエイティブに行われるかが大事なので。そこをどれだけの人が実際人口増になりましたかといって、そもそものパイもそんなに大きくないし。そこであまり評価をしないほうがいいんじゃないかと、個人的には思っています。

 もちろん、いろいろな方々にこれをどう評価するかということは、知恵をいただきながら、今後、この手の需要について、この市の例えばクリエイティブステイということについて、企画し、それを評価するサイクルをつくっていくことはすごく大切だと思います。

記者

 質的に総合的に図っていくために、入居者にアンケートを取ったりとか、満足度のアンケートを取ったりとか、そういうこともされていくのでしょうか。

市長

 我々としては、そういうものをしていきたいですね。ただ、この事業者の方々にどのようなものを、アンケートの協力をお願いするのか、それは我々自身がこういうことをお願いする流れの中で我々がやるのか、事業者の方々が自分たちでやりましょうというのは、これは今私がここでお答えするよりは、今後の話合いの中で考えていったほうがいいと思います。

一般質問

記者

 一般質問も2点、伺います。まず、民泊の規制についてお伺いします。先日ありました第2回の有識者会議の場で、従業員の常駐義務について、今はおおむね10分以内に駆けつけられるところを、施設内または隣接建物への常駐へと強化する方針が示されました。今ある民泊新法に基づく届出施設のうち、8割ほどが不在型とお聞きしています。委員からは、厳しいなどの意見もありましたが、既存施設へのインパクトについては、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。

市長

 まさに委員の、私は途中で一時間半ぐらいで失礼したので、全部聞き取れたわけではありませんが。後で聞いたことも含めて申し上げると、ちょっと隣接、本当にお隣ということまでというのは厳し過ぎるかもしれないですねという話もありました。と同時に、やはりそれは実際に市民の不安というのが発生していて、いろいろな苦情も発生しているので、ある程度規制強化が必要なんじゃないかという御意見もあったので、この辺りをどう捉えて、今後も様々、我々も次回の委員会まで、様々委員の方々の御意見も聞いていきたいし、次回委員会でも聞きたいし。もちろんその後、パブコメもいただいて、最終的には市会で御議論していただいて、どの程度と決めていくのでしょうけれども。

 例えば隣接ということの定義というのをどうするのかなと。例えばお隣、普通に言えば隣接ってお隣ですけど、じゃあ、2軒隣は駄目なのか、あるいはお向かいだったら駄目なのか。常識の範囲内という中でも、相当ありますよね。それは、そのエリアの構造にもよりますし、お向かいと言っても本当に路地のお向かいもあれば、例えば御池通を挟んでお向かいというのと、大分イメージが違いますし。そこら辺も含めて、様々これから御意見を聞きながら、両論の御意見。新聞報道なんかでも両論の御意見を紹介しておられた記事がありましたが、それをしっかりお話を伺いながら。そしてアンケートを取らせていただいたら、それも我々もざっくりアンケートは拝見していますけれども。さらにどういう趣旨の苦情、課題が多いのか、どの程度までそれに対応すれば、事業者の声、それ以外にも例えばせっかく京町家が今活用されていて、それがなければひょっとしたら町家として残らなかったかもしれないところが残っているときに、例えば玄関帳場を位置づけるとかいうことになると、多くの京町家はそういう機能を持っていなくて、例えば改装しなければいけないんじゃないかとか、あるいはそこまでお金をかけるんだったらみたいな話が出てきたりとか、様々な議論が、私が出席している限りでもありました。他方で、我々は何らかの素案を提起しなければ、こういう議論も惹起することができなかったと思うので、素案は素案として。全部シナリオをつくっていろいろな意見を想定して、落とし込む着地点があるというような状況で検討会議を運営したものではないということは、皆さん、傍聴しておられてお分かりだったと思うんですが。

そういう御意見も聞きながら、どの辺りが規制、それから他の法域ですね。今申し上げたような町家保全というような法域があるわけですね、京都の中で言うと、我々としても非常に大事な価値。そういうものとどうバランスさせていくのかということを、今後、この秋、しっかり検討していくということに尽きると思います。

記者

 ありがとうございます。もう1点、お伺いします。政府が先行導入する所得連動型の給付制度について、関連しての御質問なんですけれども。2027年度から、消費税減税に合わせて先行導入されるということになっていますが、この給付について、国と地方の負担割合が2対1ですとか、1対1というようなことを政府から示されました。国が地方の負担分を穴埋めする案なども同時に示されましたが、給付に伴う自治体の財政負担について、どうあるべきと考えていらっしゃいますでしょうか。

市長

 これは、今回の件だけではなくて、例えば消費税減税もそうなんですが、そのことは地方財政に大きな影響を及ぼします。国の政策としてそれは選挙の公約等も含めて大いに議論されるのは、我々結構なことだと思っていますが。実際、我々の市民に対して、特に社会保障需要なども非常に大きい中で、財政負担という面で、国の施策で地方がそのままある軸で切り取られて、この分は地方も負担してくださいという、そういう議論ではなくて。しっかりと国と地方の協議の場で様々な意見もこれまでも出ていますし、そういった意見を踏まえていただいて、地方の特に行財政の実態を踏まえた制度設計が行われるということを強く期待したいです。

 そうしないと、例えば消費税減税一つを取ってみても、地方交付税の財源にもなっているんですね。単に前回の記者会見で私が一定の前提を置いて、何億円の減収ということを申し上げた。それだけでも大きいんですが、それだけじゃない、地方交付税の財源を支えている基幹税制をどう変えていくのかということは、地方の声には耳を傾けていただきたいし。それから、我々自身もしっかり声を上げていきたいと思います。

 単に財政負担の問題だけじゃなくて給付の実務。これまでも国がいろいろな給付をするときに、地方自治体をある種、昔の機関委任事務という言葉がありましたけれど、国の機関として地方自治体を利用するということになってくると、本来住民サービスにしっかりと汗をかいていかなければいけない部隊が、国の政策制度を実際実現するためにいろいろな事務を、そっちを優先して行わなければいけなくなってしまうという部分もあるので。その辺りも含めてしっかり国に対して、私も以前福岡の高島市長なんかと一緒に、デジタル担当大臣にお話をしたり、国の中でそういう視点から、もちろん総務省というのは全体を見ていただいているわけでありますが、例えばいろいろな給付事務みたいなものも、これは国がどういう給付に当たってのインフラをつくっていただくか、それを全部自治体をある種の手足として使う。しかも、その自治体の手足は、必ずしもそれについてほかの事務が圧迫されたことについて、財政上の配慮もないし、行政上の手間について必ずしも補償されているわけではないということについては、やはり本当の意味での地方分権というものの在り方にも関わってくるので。しっかり、何らかの形でまた指定都市市長会の立場でもありますし、声を上げていかなければいけないし、お互いが連帯していかなければいけないと思っています。

記者

 民泊のことで1点、お伺いします。先日の素案のときに、住宅用地と工業用地では新規の開業、今後規制するような素案が出ましたけれども。新宿区では、住宅用地に対して、既存施設に対しても一定の猶予期間を設けた上で、新規営業をできなくするという素案が出てという報道もありました。松井市長は、今後、今回は既存施設に対しては適用しない方針の素案でございましたけれども、今回の既存施設を適用しないと判断した理由と、あと今後、既存施設に適用することを検討するのかどうか、お伺いできればと思います。

市長

 ありがとうございます。今、申し上げた点も様々な議論があります。素案ですから、我々はあくまでも一つの案を提起しないと議論が深まらないということで提起しておりますが、今そこに私が議論していただいて、様々な議論が出ている途中ですので、それについて私として確定的なお答えをするというよりは、様々な議論、今おっしゃったような具体的なこの地区の都市計画上の用途地域ごとにどういう規制を加えていくのか、あるいはそれについて既存事案について、一定の猶予期間を持って既存不適格を認めないということなのか、あるいはそれはそれで、それ以上は難しいということで猶予していくのか。それも含めて議論が出ているところですので。これから様々な議論のそれぞれの御主張の論点を精査しながら、そして関係者の御意向もしっかりお聞きしながら、どの辺りが我々として規制の実効性を高め、そして、しかしやはりいろいろな事業者の権利の制約になることでもありますし。それは、当然、事業者だけではなくてオーナーさんの財産権がそれによってどう変わっていくかということにもつながりますから。しっかりといろいろな御意見を聞きながらこれから検討していくということに尽きると思います。

記者

 今の民泊のゼロ日規制に関連してなんですけれども。住居専用地域と工業地域で事実上の新規立地を認めないという素案に対して、対象が狭過ぎるんじゃないかという市民の声も聞いています。準工業地域でもやはり苦情の件数というのが多いと思うんですけれども、この地域をどうするかというのも今後の検討の中に入ってきますでしょうか。

市長

 そうですね。素案として提起したものでございますので、様々な意見、両論の御意見があると思いますので、しっかりとその両論の御意見にも耳を傾けていきながら、何が実効性があり、かつ規制の在り方としてバランスを欠かないものなのかということについて、議論を深めていくことが必要だと思います。今、私からここで私見を申し上げるのは控えたいと思います。

記者

 ありがとうございます。別件で、あと2点、お聞きしたいんですけれども。先月、政府の地震調査委員会が近畿の活断層の評価を見直して、今後、30年以内に近畿地方のどこかでマグニチュード6.8以上の地震が起きる確率を50から60%とする予測を公表しました。京都市内も最大震度7の大地震に襲われるおそれがあるということなんですけれども、どのような対策を、対策について改めるところがあるのかどうか、対策について教えてください。

市長

 8月も会見をしましたので、冒頭申し上げませんでしたが、今の御質問に関連して申し上げれば、まずは、熊本地震で多くの人命が失われました。心からお悔やみ、そしてお見舞い申し上げなければいけないし、京都市としても発災翌々日から給水車、作業車を先頭に、様々な保健師さんであるとか、DMATであるとか、あるいは被災避難所支援であるとか、様々な事務系、技術系問わず職員を派遣しております。

 やはりこの震災というのは、どこが安全というところは日本中にないと思いますので、今回の地震調査委員会が公表された近畿地方の情報については、科学的知見に基づいて出さされたものでありますので、しっかりと重要な情報として受け止めなければいけないと思っております。

 その上で申し上げると、京都盆地、奈良盆地断層帯が引き続きSランクに位置づけられたことについて言いますと、京都市域を含む北部区間はAランクであります。これまでの地震調査委員会の調査結果に基づく京都市の認識を大きく変えるものではありません。しっかりとこの主要活断層帯の活動による地震被害というものがどんな影響があるのかということを、改めて今回の調査も踏まえて京都市防災会議の地震部会の委員の先生方の御意見を聞きながら、データをしっかりと分析して幅広い視点で防災対策、万全を期すということが大事だと思います。

 京都市の地震防災対策は、やはり最大被害が想定される花折断層地震に対応することが一番それがそこに対応するのが想定される被害の大きさから言っても大切であろうと考えておりまして。今回の地震調査委員会の地域評価において、花折断層等の主要断層の評価に大きな変更はなかったということではありますので、基本的にはこれまでの対策を引き続きしっかりと推進していくということが大切ではないかなと思っております。

 この京都市の第4次地震被害想定に基づくこれまでの備えというのが大事であって、京都市域防災計画に基づいて木造住宅や京町家の耐震化を引き続き支援していく。あるいは、道路整備、橋梁や水道管の耐震化に取り組むとともに、備蓄計画あるいは避難所運営マニュアルの改訂に基づいた避難所環境の整備。あるいは多く観光都市なので、旅館・ホテル、あるいは神社、仏閣などの御協力による帰宅困難者対策を充実させていかなければいけないし。今年度から取り組んでおります学校の体育館の空調整備。これもまずは広い広域を見ている中学校等から始めて、さらにそれを小学校に広げていく。これは、私、いろいろなところで市政懇談会で地域の市政協力委員の方々ともお話をしていますが、皆さん、非常に関心が高いです。やはり今回の熊本の地震を見ていても、夏に避難所というもの。そもそも避難所に行くかどうかというところから含めて、この暑いときにあの体育館で空調がないところに行くぐらいだったら家にいたいということで、二の足を踏んでしまう。あるいは、実際災害が起こったときに、それで本当に災害関連死であるとか、非常に症状が悪化される方々が増えてしまうということは困りますので。

今、申し上げた様々な地震の被害想定に基づいていろいろな計画をしっかりつくると同時に、やはりより今の計画を前倒しするというのは物理的に無理でありますが、着実に避難所の環境整備には努めていく。それは、避難所としての機能だけではなくて、学校が地域の拠点施設として我々がいろいろ進めております区ハブであるとか、地域の交流拠点としての学校の機能強化をすることにもなるので、これは京都市としてとても大切なインフラ整備、広い意味でのインフラ整備の一つではないかなということを改めて感じているところです。

記者

 聞き洩らしていたら申し訳ないんですけれども、京都市内の場合は木造住宅が多い関係で火災による被害の大きさが指摘されるところだと思うんですが、その辺りの対策というのも教えていただけますでしょうか。

市長

 この木造住宅、京町家の耐震化はすごく大切であって。着実に令和7年度では、令和2年度、コロナの頃は90%だったのが94%に高まっています。これをできることならあと約10年後、令和17年度に住宅の耐震化率を限りなく100%に近づけていきたいと思っていますし。

それから、耐震化だけではなくて、いろいろ「まちの匠・ぷらす」でも推進しておりますような感震ブレーカーをさらに普及率を高めていくとか、災害の対策をしっかり講じていくというようなことで、おっしゃったような災害時、特に火災による生命、財産の遺失ということにつながらないような対策には、これからも力を入れていかなければいけないと思っております。

 それは、京都の文化を守ることであると同時に、京都で住んでおられる方々の命を守る対策につながるものですから、大切だと思っています。

記者

 ありがとうございました。最後にしますが、国政のお話なんですけれども。先日、中道改革連合と立憲民主党、公明党が3党合流を断念したということに関連して、与党に対峙する勢力をつくる動きが現れては挫折して、なかなか野党がばらばらだという状況にあるかと思うんですけれども。かつて国政に身を置いていらっしゃった松井市長はどう見ていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。

市長

 今、私の立場で言うと、様々な国政政党の皆さん方にも、今の連立与党を組んでおられる方々にも政策要望をしております。私自身が首長というのは、選挙のときはいろいろありますが、選挙が終わればできるだけ幅広い方々の国政におけるお力もお借りしながら、このまちをいかに持続性の高いまちづくり、しかも魅力あふれるまちづくりをしていくかという立場なので。国政を引退してから、一時期、大学の教員時代はいろいろ好きなことを申し上げておりましたが、今、なかなかそういうふうには申し上げにくい立場であります。

 しかし、その上で申し上げれば、やはり健全な民主主義の発展のために、様々有為な能力をお持ちの方々が各党においでなので、私どもから言うと、京都のまちが発展するためにも有為な人材がしっかりと有権者の負託を得て、信頼ある、国政の信頼感というものを高めていただくということはすごく大切だと思っております。

 先ほど給付付き税額控除の話もありましたが、選挙のときなんかでも、有権者の方々の本当の本質的な信頼を得て、本当に実りある責任ある政策論争をしていただくことが大事なので、そのことをそういう環境が国政においても整うことを強く希望しておりますし、自治体の首長としては、評価は差し控えさせていただきますが、市民、国民の信頼を得た国政での政策論争が今後も継続して発展していくことを期待して、それにつながるような国政の議論が行われることが望ましいと思っています。

 すみません、訳の分からん答えになってしまいました。

記者

 北陸新幹線の件で1点、お伺いします。今朝の報道で、国交省が与党に説明した際の資料上で、B外部サイトへリンクします/Cの計算について、小浜・京都ルート以外のルートでは、計算の基準年を5から7年ほど後ろにずらして、その結果、物価上昇などの絡みで小浜・京都ルート以外の案の費用が膨らんでいたということが報じられています。このことについて、フェアな比較ではないという声もありますが、市長自身はどのように評価しているのか。また、この資料というのは市長も御覧になっていたのかというのをお伺いさせてください。

市長

すみません、この資料というのは何の資料のことですか。

記者

 国交省が与党に説明したB/Cの資料。

市長

 拝見していません。拝見していませんし、朝日新聞さんの記事は見ました。

私が従来から申し上げていることは、国策としての判断をする上でのいろいろな材料が、政府・与党内でいろいろ議論されてきた。それについて、我々は注視はしていますし、またその資料がもし公表されているものだったら拝見したいとは思いますが、私どもとしては、ずっと私のスタンスは一貫しているつもりなんですが、国家事業としてどういうルートを通られるかということについて、様々な今御指摘があった資料に基づいて、その資料がいいかどうかという議論もあるかもしれませんが、それは国において、国家レベルにおいて政策論争がなされてしかるべき話であろうと。

 その中で、少なくとも与党、自民党さんと維新さんの中では、一定のルート案の提示があったことは、それは私どもとしては、国策についてダイレクトに我々は誘致もしてませんが、それは国策としてお決めになったらいいのではないかと。

 その上で、ただ、地方自治体として申し上げれば、従来から申し上げている5つの懸念・課題というのを、市民の皆さん、有権者の皆さんに説明するのは私の責任だと思います。ですから、国家事業としてのB/Cの在り方について様々議論があるでしょう。ただ、我々から見れば、その事業がどういうルートを通って、それが5つの懸念・課題に、これは改めて申し上げませんが、それぞれがどんな懸念があるのか、課題があるのか。当然その懸念・課題だけではなくて、それは我々にとってそれなりの政策的な効果もあるものかもしれません。それも含めて、特に財政的に見れば、我々としてのそれがどのような事業であって、我々にとってどのような負担をもたらすものであって、逆に我々にとってどのような事業が地域振興効果があるのかということは、しっかりと我々の立場で見させていただく。それは、国策としてどんなB/Cのそれぞれの要素をどう判断しておられたのかとはまた別の議論として、着工5条件を実際我々として地元同意をするに当たって、これはしっかり5つの懸念・課題にどう答えていただくのか。そのときに財政面といったときには、どれだけの財政負担があって、どれぐらいその事業が地域にとっての効果があるのかということを、我々は有権者、京都市民の皆さんに説明しなければいけない。それはそれとして、しっかり我々は見させていただかなければいけない。このことはずっと申し上げていることでありまして。そこには、直接影響がない話。我々は我々として、国としてのB/Cがどうであろうと、地元にとってどれぐらいの便益があるのか、どれぐらいの費用負担があるのか、それをしっかりと見させていただいて、最終的には市民の皆さんにそれを我々が説明しなければいけない。そのことは、単に今申し上げたのは財政の話ですが、それ以外の地下水の件であったり、搬出土をどういうふうに処理されるのか、それとも関連しますが、どれぐらい交通渋滞、交通に負荷をかけるのか、様々な面で申し上げた5つの懸念・課題をしっかりと見させていただくということについては、ある種、関連が全くないかどうかは別として、我々独立の判断だと思っております。

記者

 基準年をずらして計算すること自体の是非については、いかがでしょうか。

市長

 それ、私、個別具体的にその資料を拝見したわけでもないので、今、その是非について私が申し上げるのは無責任だと思うので、コメントを控えさせていただきます。

記者

 京都ポイントについて、お伺いしたいと思います。8月1日に開始して1か月で56.9万人が受け取って、利用額は13億円ということだったのですが、この滑り出しというのは想定と比べて順調と言えるか、1か月での実績の受け止めについて教えてください。

市長

 ありがとうございます。私自身は、事務方がどれぐらいのペースと想定していて、今それが上回っているのか、下回っているのか、精査していません。私自身の市民の皆さんの反応を含めて実感から言うと、割と好意的に受け止めていただいて、「使いましたよ。」という声がすごく多いです。路上で私が直接存じ上げない方からお声をかけていただいて、一番多いのは「早速使わせていただきました。あれはすごくいいです。」要するに、相手のお店の顔が見えて、地域のお店に使えるということは、とても有効に使わせてもらっているという声は、多くいただいております。

 それから、全体的に言うと、この9月になってから一々事務方に確認しているわけではありませんが、一定期間たったところで言うと順調にダウンロードされている、あるいは順調以上に、従来の想定以上にダウンロードが進んでいて、実際お使いになっている方々も増えていると。

 したがって、もともとの想定で我々から言うと、これ、補正をどう組むかとか、そういう必要性も含めてしっかり考えなければいけない。状況をよく注視していかなければいけない。もともとの予算化したのは、従来の宮城県における先例での執行率みたいなことで予算化していたものですから、それで足りるのか足りないのかということも含めて、今後注視していかなければいけないかなと、私自身が思っているぐらいには多くの市民の方々からは浸透していて。他方で、いろいろな市長への手紙で、マイナンバーカード未取得者の方々の声も聞いておりますから、そこは丁寧にまだ期間もありますので、私どもからすれば、単に使わせてもらったという意見、好意的な意見だけではなくて厳しい御意見にも耳を傾けて、私どもからすれば、マイナンバーカードについてより説明をし、よりこれを契機に未取得の方々にも我々もできるだけサポートしますので、取得していただいて御利用いただきたいと。そのことを前回8月の会見で伏してお願い申し上げますと申し上げましたが、本当に利用していただいた方々は、よかったという声もいただいているので。もし、未取得の方々で、どうしても取得しないという信念をお持ちの方もいらっしゃるのかもしれませんが、いや、まだ面倒くさいとか、ややマイナンバーカードについての不安感があるということでありましたら、そういうこともお問い合わせいただければ、我々としてできる限りの御説明をしていきますので、未取得の方はぜひ取得していただきたいし、取得済みでまだダウンロードしていない、あるいはダウンロードしたけれども使っていないという方々は、できるだけダウンロードを早くしていただいて、あるいは実際のポイントを入手していただいて、それを実際の地域のお店、加盟店もどんどん広がっています。こういう反応も聞いてうちも入れることにしたよという知り合いのお店とか、あるいは地元のチェーンのスーパーの方々とか、非常に好評で使われているという声も聞いていますので。加盟店もさらに我々としては拡大努力をしていきたいし、ぜひ御利用いただける環境を整えたいと思いますので、もしマイナンバーカード取得をまだ迷われている方がいらっしゃれば、ぜひともまだ間に合いますし、機会は全ての方々に提供して、できるだけ寄り添ってダウンロードしていただけるように。そして、スマホの操作に不安があるという方々については、それはマイナンバーカードさえ取得していただければ別のやり方もありますので、それも柔軟に対応しますので、ぜひ御利用いただきたい。貴重な国の交付金も活用しておりますし、我々として、市独自としてそれに上乗せして、なおかつ地域のお店の御協力もいただいて、たくさんのお店の方々から、こうやって地域にお金が回っていくということについて、高い評価もいただいているので、御利用いただきますように。

 もう一度、伏してお願い申し上げます。

記者

 民泊の話に戻るんですけれども。改めて、今回、ゼロ日規制などを盛り込んだ素案への思いと、あと条例改正の思いも含めてお聞かせください。

市長

 改めて申し上げますと、今、個々の賛否両論ある論点。当然、事業者の方々から見れば、規制強化は特に真面目にやっておられる方々から見たら、せっかく自分たちが真面目にやっているのになぜこうやって規制が強化されるのかということについて、いろいろな御意見があるのも分かります。そして、やはり地域の方々には、いやいや、これでは不十分だ、もっと強い規制をという思いがあることも分かります。

 私から申し上げるとしたら、しかし、事業者の方々の言い分も、それから地域の方々の言い分もありますが、やはり現実的で我々も縷縷、大臣も含めた厚生労働省あるいは国土交通省、観光庁、ここにも要望してきていて、今は実態も実はそれぞれのお役所の方々も京都に視察していただいて、いろいろな声も聞いていただいて、ナショナルルールを変更可能なナショナルルールに替えていただきました。そして、あとはローカルルールをどこまで強くやるか、現実を見ながらやはり実効性のある規制をするかということ。これは、前に進めなければいけない。申し訳ないけど、規制強化は一定程度はさせていただかなければ、私はこの市民の負託に応えられない。これまでのいろいろなアンケートも取らせていただきました。それには答えられないと思っております。

 ですので、実際の規制強化の中身については、様々な御意見、御議論をいただきながら、着地点を探っていきたいと思いますし、当然、最終的には市会での御判断がとても大事になってくると思いますが。やはり局所局所でいろいろな御意見があるでしょうけど、トータルとして京都基本構想に書かせていただいた静寂な京都、あるいは市民生活と観光というものの調和、両立がなければ長続きしない。その在り方を考えるときの規制の強化については、やはり我々としては、考え方としてはそこに踏み込んでいくという考え方は確固たるものがございます。

 あとは、具体的にどれぐらいの論点について、どのようなものが一番実効性があるのか。それから、優良な事業者の方々のやる気、あるいはそれ以外の民泊についての苦情だけではない、町家をどう保全していくのかというような御努力の取組。それを総合的に判断して、最終的な条例案というものを年内には策定していかなければならない。そのスケジュールには変わりはないと思っております。

記者

 もう1点なんですけれども。伏見区の産廃の山の問題で、8月31日が措置命令の期限だったということで、現況と、あとどういったことを検討されているのかお聞かせください。

市長

 措置命令期限が8月31日でありました。それで、私もこの間、担当から様々進捗状況を聞いておりますが、現時点では、堆積物の高さ、措置命令時は8メートルあった高さが、5メートルまでは引き下げられています。勾配、これが一番怖い。傾斜が急であると、近隣に堆積物が例えば今も雨が降っていますけれど、クラックが入って雪崩現象みたいなのも起こって、近隣に堆積物が流出する。それが場合によっては家屋であったり、最悪の場合は人命に影響があるということを絶対起こしてはいけない。この勾配は、最大40度あったものが、今30度ぐらいまでは改善されています。

 したがって、非常に危険の除去において全く進んでいないかと言えば、そうではないんですが。やはり全体としての措置命令時の実際の措置命令後のその敷地における保管量の削減というのはほとんど行われていない。敷地内での高さを低くして、敷地内でそこを下に下ろしているという状況が進んでいるということで。措置命令で求める内容に対しては不十分だと言わざるを得ないと思います。

 じゃあ、どうするのかということでありますが、実はずっと私のほうからも指示をしておりますのは、特に周辺に対して台風シーズンでありますし、今、台風ではなくてもこれだけ前線が刺激されて豪雨のリスクが常にある中で、本当にそれが近隣に流出して被害が及ぶようなことがあったら、これは場合によっては危険性を判断して、それは部分的な代執行も含めて、そのときは考えて判断をするようにという指示を出しています。他方で、やはり代執行してしまいますと、事業者から見れば、本来は自分の責任で処理をしていただかなければいけない。代執行には多額の税金もかかりますから、市民の血税をそこに投入して、その事業者の責任を我々が除去するということになってしまいますので。そうしたことで、結果として事業者が責任を逃れるということになってしまってはいけない。ここのバランスだと思っています。

 ですから、我々としては、極力毎日のように現場に行って、実際現場に入って、そしてその堆積物がクラックが生じて雪崩現象が起こらないかどうかを判断しながら、危ないところがあったら、直ちにここの部分は処分して雪崩が起こらないように対応してくださいと言いながら、極力事業者の責任においてそれを措置命令を少しでも完遂させるように指導しつつ、場合によってはこれが遅々として進まない。最低限、人命に関わるようなところ、何もなさってないわけではないけれど、それをできるだけ事業者の責任でしっかり対応していただきながら、安全面で問題があれば、当然のことながら部分的代執行は、これはちゅうちょせずにやれということを現場には指示をしております。

 同時に、事業者の方々、何の努力もされてないわけではないけれど、やはりこういう状況で是正が十分行われないということであれば、これはしっかりと事業者の刑事責任というものも追及していかなければいけない事態もあると思います。そういう意味では、もう既に京都府警とも情報共有を進めていて、両面を見ながら極力事業者の責任で少しでも対応してもらいながら、本当に危ない状況であれば、我々は代執行も辞せずという判断を今しているところであります。

記者

 度々すみません。民泊の話に戻って恐縮なんですけれども。昨日、明らかになった新宿区の規制の件について、受け止めがありましたら教えてください。

市長

 どういうことでしたっけ、新宿区の規制って。

記者

 先ほど御質問がありましたが、既成施設も対象にしたという内容なんですけれども。

市長

 はいはい。新宿は新宿ですし、そういうものがあったんだなということは考慮していきたいと思いますけれど、今じゃあ、直ちに新宿区がやっているからといって京都市がやるかというと、そんな簡単なことではないと思います。新宿区の措置というものも含めて、もう少し私どもも精査していかなければいけませんし。

記者

 こういう動きが広がりつつあるというんでしょうかね。全国的な流れというのでしょうか、広がっているような状況について、どんな御所見をお持ちなのか。

市長

 それだけ、もともと民泊の規制を議論しようと考えたときはそうですが、京都のまちとしてどれだけ観光の量的拡大を目指すのか。当然、観光施策を企画立案し実行するに当たって、京都でできるだけ観光都市として京都に日帰りのお客様に比べて経済効果は宿泊の方々が多いことは事実ですね。ですから、日帰りではなくて宿泊施設が必ずしも十分なければ、いろいろな形で宿泊施設を増やして、そして観光都市として京都に経済的に波及効果を落としてもらおうという発想はよく分かるんです。

分かるんですが、私が市長になったタイミングで申し上げれば、我々は京都の観光を量的に拡大するということで様々ひずみが生じているものについて、これ以上量的拡大を志向しないと。そういうステージではないと。むしろ、質的な向上というものを目指すべきだと。その質的向上は、必ずしもラグジュアリアスなものをつくるというような宿泊施設の質、単体としての質ではなくて、むしろ地域との関係性をいかに調和、両立させていくのかということが、これからの京都の観光におけるとても大切な視点であるというのが、私が市長になった時点での政策のある種の変更というか、門川市長の時代から量的拡充から質的充実へという方向は出されていたとは思いますが、そこをさらにこのコロナが明けて、多くの観光客の方々が来られるという状況の中で、そこを私は門川市政の終盤における若干の価値変更というものをさらにそれを推進しているという立場であります。

 したがって、それは日本全体がそういう傾向があるんじゃないでしょうか。特区民泊の見直しについても、やはり観光立国でたくさんの観光客が来ていただくのはいいけれど、それが特定の地域において、その方々が集中する地域において明らかにひずみを生んでいるというものがあったら、そのひずみは是正しなければいけない。ただ、そのときに我々は法治国家でありますから、法律に基づいた事業者の方々やオーナーの方々の権利というものも尊重しつつ、どこまでローカルルールとして観光都市としてのフロントランナーである京都がどのような規制強化をするかということは、ある意味では踏み込んだ議論をしなければいけないというので、今日に至っているところです。

 ただ、そこをどう最終的にファインチューニングしていくのかというのは、非常に微妙な段階ですので、今この場で私が大きな方向性について踏み込んで言うよりは、関係者の御意見をさらに深く聞きながら、どういう形が一番実効性があるのかということを検討していかなければいけないということだと思います。その一つの材料として、言及されたような新宿区の事例もあるかもしれませんが、今その一つの事例をもって私が具体的な見解を申し上げるのは差し控えたほうがいいかなと思っています。

記者

 話が替わりまして、政府の概算要求がまとまりまして、過去最大ということで政府は責任ある積極財政ということで拡大しているわけですけれども。一方で、直近金利はかなりハイペースで上がっているという状況の中で、地方債というものもございますし、その辺り財政政策の在り方というのでしょうか、その辺り国の何か御所見がありましたら、お伺いできればと思います。

市長

 我々、いろいろなことを要望していますので、要望するだけしておいて、片方で責任ある財政って財政規律だけ求めるというのも身勝手な話だと思います。それは、政府、場合によっては日銀まで含めて金融政策当局、あるいは外為政策を司っている方々まで含めて、長期金利の上昇というのは日本だけの問題ではないということだとは思います。それを見極めながらどういう財政運営をされるのか、経済財政運営をされるのかというのは、これは政府においてしっかり御議論いただきたい。

 どうしても狭い立場にありますが、先ほど冒頭のほうの御質問で申し上げたように、地方財政を預かる立場から言うと、我々には積極財政と言っても通貨発行権がないわけで、我々から見たときに、今様々な都市基盤を整備していくという必要性。さっき申し上げたのは、体育館の空調整備を一つの事例に挙げましたが、体育館の空調整備だけではなくて、京都市の場合は、やはり経済力においてもう少しテコ入れをしなければいけない。当然、観光都市としての経済収益というのはありますけれど、それ以外も含めてこのまちに経済基盤を担税力をどう高めていくか。そのために我々は都市間競争に打ち勝っていかなければいけないことも事実なんですね。

それを行うためにも、私は都市インフラとして一定程度投資をしていかなければいけない。だけど、それは投資をするといったって、京都の財政力に限りがありますから、全部京都市として、市役所としての公共投資ということではなくて、それが民間投資をしっかり誘発するような民間都市基盤をつくっていくということをこれから考えていかなければいけない。そのときに、例えば金利の水準というのは非常に大きな関心事項です。これが高くなってしまうと、我々、できるものもできなくなってしまう。

だから、やはり金利水準は非常に、我々はこれから特に敏感でなければいけないと思います。そういう意味では、国策についても我々は常に注視していかなければいけないし、さっきの給付付き税額控除であるとか消費税減税もそうですけれど、地方財政負担がどうなるかということも注視して、それについての声は、京都市どうこうというよりも指定都市として、あるいはいろいろな地方六団体として声を上げていくというところはしっかりやる。

そして、同時にこのまちがしっかり成長基盤をつくっていくために必要な投資は、果敢にしていかなければいけない。そうなってくると、果敢な都市基盤を都市経営の一環として行う上で、我々がどれぐらいの財源が残ってくるのかということも含めて考えていかなければいけないので、そうだとすると、国家事業としてはB/Cとかいうことはそれはそれとして。まちとして一定の公共事業が、あるいは公共事業に対して負担がどれぐらいのものであれば、我々の選択基準の中で、我々としての都市経営の戦略の中で我々が飲めるものなのか。それは、実際の我々の負担の能力、先々の負担の在り方が金利によっても変わってきます。それよりも何よりも、これだけの建設費がかさんでくると、いろいろな判断ももう一回見直していかなければいけないようなところも出てくる。その中で、例えば国家事業について、我々がどれぐらいの負担をするのかというのは、ほかの環境面、地下水の問題とかと同様に、我々はこれもしっかり精査した上で、まちとして何が一番優先順序が高いのかということを判断しながら、持続的なこのまちの繁栄、あるいは福利厚生につながるような投資を選んでいかなければいけない。それは、実は国家事業を我々がどう受け入れるかということとも全部密接に絡んでくるので。

一般的に今の金利のことについてどう思われるかということだけで判断するのではなくて、全体として、国の全体の成長基盤をどうつくっていくかも大事。それと、例えば地方の成長戦略というのは実は全く独立ではないので、国策の効果というものを見ながら、我々として本当に必要な投資をどういうふうに中長期的に進めていくのか。私は、今実は正念場だと思っているんです。なので、北陸新幹線においても、少なくとも財政責任は京都市は逃れられませんから、我々自身が判断せざるを得ないので。そこは注視しているということは、折に触れて国政で責任者を務めている西田先生を含めて、我々の状況というのはずっと御説明しているところです。そこは、西田先生なんかからは、京都の財政の状況はよく分かると。国の経済運営と地方の経済運営が違うということも、経済財政運営が違うということも理解している。

だから、西田先生はずっと一貫しておっしゃっているのは、国は責任ある積極財政でいく。その中で、地方負担はミニマイズしていく。そういうことを前提にしながら様々な議論をしていきましょうということを言われているので、それは我々は5つの懸念・課題をしっかりと受け止めながら、そして都市需要、都市としての様々なインフラ需要。これは、国のお力もいただかなきゃいかんものもたくさんあるんです。それをどういうふうに我々は組み立てて、プライオリティをつけながら回していくか。そういう意味で非常に大事な局面だとは思っています。だから、金利も我々は注視していかなければいけないと思っています。

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