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京都基本構想

ページ番号347968

2026年4月9日

 京都基本構想は、千年先を見据え.今後25年間(2026年~2050年)の「まちの羅針盤」となるものです。

 わたしたちのくらしは、社会や技術の進歩によって便利になる一方で、気候変動の影響や社会的分断の顕在化など、これまでのように経済的な成長だけでは解決できない課題がいくつも生じています。

 京都でも、長い年月をかけて受け継がれてきたくらしの文化や伝統的な町並み、商いのあり方など、このまちらしさをかたちづくってきた大切なものが、失われかねない状況にあります。

 京都がこれからも京都らしくあり続け、千年先まで多くの人々をひきつけるまちであるために、わたしたち京都市民がこれからも大切にし、未来に引き継ぐべき価値や、めざすまちの将来像を示すものとして、京都基本構想を策定しました。

京都基本構想冊子

本冊

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概要版

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ポイント版

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※ なお、「概要版」の多言語版(英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語)については、準備が整い次第、掲載します。

京都基本構想の構成

序文

 京都が大切にしてきた3つの価値を未来に継承していく決意を示しています。

第一章 京都基本構想策定の背景

 世界文化自由都市宣言が掲げる「都市の理想」にいま一度立ち返り、京都基本構想を策定するに至った背景を示しています。 

第二章 京都のかたち

 序文が示す3つの価値が育まれてきた歴史や風土と、その価値がさまざまな人によっていまのわたしたちのくらしの中に受け継がれてきていることを示しています。

第三章 世界・日本・京都市のいまと未来への課題

 世界、日本そして京都市が直面している、またこれから表面化しうる課題や危機等を示しています。

第四章 わたしたち京都市民がめざすまち

 序文が示す価値を未来に引き継いでいくため、3つの価値に紐づける形で、9つのめざすまちの将来像を描いています。

第五章 京都を生きるわたしたちのこれから

 京都市民だけでなく、京都とさまざまな関わり方をする人も「わたしたち京都市民」と捉え、力を合わせて京都のまちづくりを進めていくことやその際の行政の役割などを示しています。

 未来への問いかけ

  京都基本構想をきっかけに、みんなで未来の京都を考え、ともに語り合い、行動していきたいという想いを込めています。

京都基本構想

※ルビ及び脚注は省略しています。合わせてご覧になる場合は、上記に掲載している「本冊」のPDFをご参照ください。

序文

 わたしたち京都市民は、京都市が、

 わたしたちと世界中のあらゆる人々にとって、

 歴史と文化を介して人間性を恢復できるまち、

 自然への畏敬と感謝の念を抱けるまち、そして、

 自他の生をともに肯定し尊重し合えるまちであり続けるために、

 不断の努力を重ねていく。

 

 人間は、過去に生かされ、未来を生きている。

 京都市は、平安京成立から1200年以上の歳月を経て、世界中の人々を魅了する人類の文明においても稀有な歴史都市・文化都市となった。このまちを重層的に彩る各時代の史跡も、人間の極致を体現してきた工藝や藝道も、歴史の偉大な産物であるのみならず、市井の人々の愛着と創意に満ちた日常の尊い軌跡にほかならない。このまちが今日に至るまでには、有名・無名を問わない無数の先人たちの献身があったことを、忘れてはならない。

 わたしたち京都市民は、これらの人間的遺産の享受者であるとともに、これらの継承者でもある。この系譜に在ることの意義と幸福を噛み締めながら、節度と矜持のもと、先人たちの営為の結晶を未来に伝え遺していく責任を果たしていきたい。

 

 人間は、自然に生かされ、自然を生きている。

 京都市は、信仰から美意識に至るまでのさまざまな思想を豊かな自然との関係の中で醸成してきた。悠久を体現する山々に囲まれ、清らかな水の恵みに満ち溢れたこのまちは、自然と人間の根源的な不可分性や一体性を思想的土壌としており、数多の文化がこの水脈と土壌とに根差している。

 わたしたち京都市民は、このまちが育んできた自然観―ゆえに、これと不可分な人間観―を世界に提示していくとともに、他の国・地域や文化圏・思想圏との響創のもと、人間と、人間の営為たる科学や経済、そして自然とが、真に共生する未来に貢献していきたい。

 

 人間は、共同体に生かされ、共同体を生きている。

 京都市は、短期的・個別的な利益追求が偏重される時勢においてなお、長期的な共栄を希求しながら、今日においては非合理・非効率と評され得るさまざまな人間的つながりを保全してきた。このまちには、地縁や職業のみならず、学事、祭事、稽古事、ひいては名も無きかかわりでつながる彩り豊かな共同体の数々が息づいている。複雑で、繊細で、それゆえに愛おしくもある生身の人間関係こそが、数多のつらなりとかさなりを宿すこのまちを織り成してきた。

 わたしたち京都市民は、来る四半世紀の間に、国内外の人口動態の変化、言語の壁の融解、さらには、これらに伴う経済構造や社会規範の変容の中で、地域社会のみならず国際社会の一員として、数多くのつながりを紡いでいくこととなる。世界中の人々と生み出すこのまちの新たなひろがりにおいて、わたしたちの日常を包んできたあたたかな息遣いのもと、互いの歴史、文化、自然、そして人の在り方をともに尊重していきながら、人類社会の恒久の平和と共栄を実現していきたい。

第一章 京都基本構想策定の背景

第一節 世界文化自由都市宣言―世界史を担うまちを目指して

 「都市は、理想を必要とする」。京都市の最上位の都市理念として1978年に策定された世界文化自由都市宣言は、都市の真髄を宿したこの一文に始まる。当該宣言は、これに続いて、自己の伝統の深い省察、世界の現状の正しい認識、そして、理想の実現に向けた市民の努力によって都市が世界史において大きな役割を果たすと展望し、永久に新しい文化都市として平和のもとでの自由な世界文化交流の中心を担っていくという京都市の理想を示している。

 世界文化自由都市宣言は、この理想の実現に向けた「われわれ市民」の決意を宣したものであり、約半世紀を経てなお、わたしたち京都市民に拠り所を与えてくれている。

第二節 京都市基本構想―21世紀の到来を見据えて

 世界文化自由都市宣言で掲げられた理念のもとで、1983年に市政初となる京都市基本構想が、その後、1999年には市民の熟議を経て新たな基本構想が、それぞれ策定された。

 21世紀最初の四半世紀を見据えた当該構想は、「わたしたち京都市民」を主語とし、京都市民の根底にある価値観を「めきき」「たくみ」「こころみ」「きわめ」「もてなし」「しまつ」という6つの得意技として再確認するとともに、信頼を基礎に市民社会の再構築をめざすというまちづくりの方針を示した。また、誇りと責任感に基づく市民ひとりひとりの市政への積極的な参加を呼びかけたことで、策定の過程での熟議とも相まって、新時代に即した市民主体のまちづくりの土壌となった。

第三節 京都基本構想の策定―「都市の理想」に立ち返って

 今般、2011年の地方自治法の改正によって基本構想の策定義務が廃止されてなお、この後継に相当する本基本構想の策定に至った背景には、2025年現在においてこそ世界文化自由都市宣言で述べられている「都市の理想」の重要性が一層増しているという時代認識と課題意識がある。

 1999年の京都市基本構想の策定から今日に至るまで、人類は、グローバル化の進展、インターネットや人工知能(AI)技術の普及、気候変動の影響の顕在化、自然災害の激甚化、感染症の流行、戦争・紛争の発生と継続、さまざまな社会的分断の顕在化、そして、これらに連関する数多の変化を経験してきた。本基本構想は、時勢が複雑化の一途を辿る今日において、世界文化自由都市宣言という都市の理想にいま一度立ち返り、京都市とわたしたち京都市民の今後四半世紀の在り方を展望するものであるとともに、京都市基本構想の系譜を未来へと継承するものである。

第二章 京都のかたち

第一節 悠久の自然との共生の中で

 このまちの歴史は794年の平安京の成立以前にまで遡るが、現在の自治体としての京都市は、1889年の市制特例による成立を経て、1898年に誕生した。以降、行政区の分合を重ねながら、2005年に1200年前の平安京造営の木材供給も担った旧・京北町との合併を経て、現在の市域となった。人口百数十万人の大都市ながら市域に豊かな森林や農地を有しているという点は、わたしたちの京都市の特徴の一つである。

 このまちを生きた先人たちは、悠久を体現する山々を望みながら、鴨川・桂川・琵琶湖疏水から井戸水に至るまでの豊かな水の恵みのもと、人間と自然を不可分で一体的な存在と捉える自然観を思想的土壌として育んできた。食、建築、景観、服飾から藝道に至るまでのさまざまな生活様式や文化様式が、四季折々の季節感を纏いながらこの自然観を宿して今日まで根付いており、わたしたち京都市民と京都市にかかわる人々の生に彩りを与えてくれている。

第二節 歴史の重なり、文化の奥ゆき、ひとの連なり

 このまちは日本の歴史の主要な一角を担ってきたが、その軌跡は決して単一的・直線的なものではなかった。朝廷・幕府といった政治体制、神道・仏教・儒教をはじめとする宗教思想、これらと連関した経済活動などが複雑に絡み合う中で、戦乱等の危機を経てなお文化の力で再建を重ねながら、多層的かつ多元的に織り成されてきた長い歴史の現在地が、わたしたちの京都市である。

 このような歴史の重なりの中で成立してきた藝道や武道、工藝といった文化の根底には、人間が到達し得る極致への志向を見出すことができる。身体と心、自己と他者、人間と自然を本来的に不可分と捉えるその精神性は、茶道や華道、能楽や武道、これらの道具や建築などを経由し、さまざまな生活様式においても体現されてきた。また、これらの文化は、今日にまで名が伝わる名人や職人のみならず、名も無き担い手の創意や、市井の人々の愛着と主体的な努力によって受け継がれてきたことを、忘れてはならない。

 こうして育まれてきた歴史と文化の重なりと奥ゆきは、長きにわたり新たな人間関係の端緒や基盤となり、そして、この人間関係こそが新たな歴史と文化を創発してきた。京都市の歴史と文化の重なりと奥ゆきは、今日においては軽視されつつある生身のひとの連なりを織り成すとともに、この連なりを過去や未来と不可分なものとして繋いでいる。現在を生きるわたしたち京都市民は、先人たちが紡いできたこのまちの歴史と文化の中を生きているのであり、また、これらを未来へと引き継いでいく責任の中を生きているのである。

第三節 節度と矜持に基づくひらかれたまち柄

 このまちの歴史と文化は、それぞれの時代と分野とを生きる人々の節度と矜持によって支えられてきた。時流に翻弄されることなく生涯を捧げて伝統の真髄の保全と継承に尽力してきた先人たちの矜持は、その作品のみならず景観にまで刻まれ、このまちの空気をつくっている。また、この空気こそが、自分の領分を弁えながらも協働や響創を可能とする節度を人々の内に育んできた。この両者に基づき時間をかけて培われる、身体的で、暗黙知的で、それゆえに絶妙な間合いとあわいは、表面的な言葉や短期的な経済合理性を超えた人間的信頼の基盤をこのまちに与えてくれている。

 このまちは、伝統を保全するのみならず、先駆や進取の気性と創意工夫に満ちた遊び心によってさまざまな文化や産業を創出してきた。数々の藝道や工藝、京料理や清酒が育まれたのみならず、現代においても、数多くの大学や研究機関が集積する世界有数の学術都市であり、また、市域南部に代表されるように、先端技術産業が集積する産業拠点でもある。これらの創造や探究の基盤を担ってきたのは、節度と矜持に基づくひらかれたまち柄にほかならない。時勢に安直に迎合することなく、それでいて分野や市域を超えて人々と交わりながら新たな創発を追求していく態度は、まさに守破離の体現と言えよう。

 わたしたち京都市民の日々のくらしもまた、このひらかれたまち柄の中で営まれている。通りには個性豊かな商店が立ち並び、横目に過ぎ去る、立ち止まって眺め入る、馴染みの店に立ち寄るといった関わり方を自在に見出せる。川辺では、銘々が、歩き、走り、座り、書を読み、水面を眺め、木々に触れるなど、それぞれに時を過ごしている。こういった多彩な人々が互いに適度な距離を保ちながら、微笑みを向け合い、ふとした拍子に言葉を交わし、共通の友人を見つける。このような日常がまちのいたるところで織り成されている。

第四節 世界有数の学藝の府

 このまちは、心ある先人たちの尽力のもとで、世界的にも稀有な学術機関や有形・無形の文化遺産を守り育んできた。大学のまち・学生のまちと称され、13名のノーベル賞受賞者が市内の大学で研究に携わった経験を有し、また、15箇所の寺社城がユネスコ世界文化遺産に登録されていることに象徴されるように、わたしたちの京都市は学術と文化・藝術の双方において世界有数の都市、いわば学藝の府である。

 このまちを学藝の府たらしめてきたのは、褒賞や登録の対象となった人々や寺社城のみではない。日夜の稽古に心血を注ぐ師弟、寸分の差に生涯を賭す職人、真髄を見定める市井の愛好家といった人々の日常の蓄積こそが、真理の探究や人間の極致の体現を志向するこのまちの学藝を深めてきたのである。学藝を取り巻くこれらの有名・無名の人々、いわば京都学藝衆もまた、わたしたちの京都市が世界に誇るべき人間的遺産にほかならない。

 グローバル化とデジタル化の進展を受けて、このまちの学藝とこれを担う学藝衆とが世界とより密接に繋がり始めている。わたしたちの京都市は、悠久の自然、歴史の重なり、文化の奥ゆき、ひとの連なり、節度と矜持、そして、ひらかれたまち柄によって織り成される世界有数の学藝の府として、このまちが守り育んできた学藝と京都学藝衆とを、言語や文化的背景をも超えて、人類社会に広げていくことができる大きな可能性を有している。

第三章 世界・日本・京都市のいまと未来への課題

第一節 人口動態の変化とその影響

 21世紀最初の四半世紀にわたって、世界人口は増加の一途を辿ってきた。一方で、この間、国内人口は2008年をピークに減少局面に入り、2024年現在は約1.2億人、2050年代には1億人を下回る見込みとなっている。2025年現在、すでに、内需の縮小、労働力の不足、社会保障費の増大といった影響が顕在化しつつある。

 京都市の人口は長らく147万人前後で推移してきたが、2010年代後半から減少局面に突入し、特に就職や結婚・育児などのライフステージの変化に伴う若年層の流出が顕著となっている。この人口動態の変化は、市内各地域における人間関係を弱体化させているのみならず、このまちが長い歴史の中で育んできた住民自治の伝統や支え合いの精神と実践の双方を希薄化させており、孤立・孤独への対応をはじめとする福祉の維持・拡充と、各地域の歴史に根差した行事やこれらを彩る有形・無形の文化の保全が求められている。また、国内有数の大学街である京都市においては、学生数減少の多大な影響も予見されるところであり、まち全体としてのあり方も大きな変容を迫られていくだろう。

第二節 日本経済の動向と京都市の産業

 日本経済は、20世紀末からの不況が尾を引く中でも2010年までGDP世界第2位を維持していたが、人口減少・少子高齢化や成長産業における日本の国際競争力低下などを受けて、2025年においてはGDPで世界第4位となった。この間、所得格差の拡大や労働力不足の深刻化、年功序列や終身雇用といった従来の雇用形態の変化、労働時間に関する規制の厳格化、転職や副業・兼業の一般化、女性の社会進出の進展なども見られた。特に2020年代に入ってからは人工知能(AI)技術の発達と普及がめざましく、今後の産業及び雇用のあり方への甚大な影響が予期される。

 京都市においても、製造業を中心とする大企業が世界市場で重要な位置を堅持する一方で、このまちの経済はもとより市民のくらしや文化を支えてきた中小企業を含め、労働者・後継者の不足が課題となっている。スタートアップ企業や新規事業の創出・拡大に向けた支援もさまざまに展開されているものの、例えば、大学等での最先端の研究成果の事業化や、文化と市場の適切な接続など、グローバル化とデジタル化の流れの中で地域に根差しながら未来を担っていく人材を確保・育成していく必要性が年々増している。

 京都市を訪れる観光客は過去四半世紀で2割以上増加し、2008年には5,000万人を突破した。2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行によって一時的に減少したが、2023年に同水準に戻り、現在は特に海外からの観光客が大幅に増加している。一方で、特定の観光地への訪問客の集中、公共交通機関の混雑、幹線道路の渋滞、文化や生活習慣の違いによるトラブル、伝統的な町並みや商いのあり方の変容など、市民の生活と生業への悪影響も生じている。京都市の歴史や文化が表面的に消費されていることへの強い懸念も見られるが、今後も国内外から多くの人々の来訪が見込まれる中、歴史や文化の深みや真髄を多彩な人たちに伝えていく新たな工夫と努力が求められている。他方で、日本社会全体として労働に関する考え方や規制は年々変化を続けており、徒弟制のもとで長年の修行を重ねた上で生涯を捧げることが期待されてきた伝統産業や藝能における後継者不足への向かい風となってもいる。

第三節 環境問題・自然災害の深刻化と自然との関わりの希薄化

 この四半世紀は、世界的に環境問題が一層の顕在化を見た時代でもあった。都市化、都市部への人口集中、気候変動、生物多様性の喪失などに対応するべく、国家の枠組みを超えた地球規模での協力が志向されてきたが、政治・経済・宗教等の差異に由来する限界など、国際協調に向けた課題が顕在化してもいる。

 日本においても、農山村の衰退、都市部への人口集中、都市の居住環境の悪化、郊外の里地・里山の多面的機能の低下や喪失といった課題が表面化している。また、地震や台風などの自然災害も発生し続けており、防災・減災対策の重要性が高まり続けている。

 京都市においても、歴史・文化を支えてきた自然の危機が顕在化してきている。山麓部への都市域拡大、山間地域の過疎・高齢化、記録的な豪雨や猛暑日の増加などに加えて、祇園祭の厄除け粽や京料理の敷き笹に使われるチマキザサや葵祭の象徴たるフタバアオイなど、京文化を支えてきた在来種が消失の危機に瀕している。都市部への人口集中をはじめとする社会環境の変化の中で市民の自然への関与が希薄化していき、これに伴い自然環境も変化してきたが、里地・里山の劣化が農林業の不振と表裏一体であるように、自然環境の変化は文化や歴史はもちろん産業ひいては市民の日常生活にも着実に影響を与えている。

第四節 その他の国際的課題

 2020年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、身体的・物理的な活動が不可欠な多くの文化を存続の危機に追いやるとともに、日本を含む世界各国に甚大な経済的損失を与え、多くの事業者が閉業・廃業に追い込まれた。この間、国際機関や国際的枠組みの限界、国家間の経済力・技術力・行政対応能力の格差、ワクチン等の開発や分配にあたっての企業間の競争姿勢などが、随所で顕在化する結果となった。

 また、21世紀を迎えてもなお、戦争や紛争の悲惨は発生・継続しており、特に2020年代に入ってからは国際社会の緊張感が一層増している。日本、そして京都市は、戦後長く培ってきた世界各国との信頼や敬意に基づく相互理解の深化ひいては世界平和への貢献余地が年々高まっている。

 2010年代からは、ESG(環境・社会・企業統治)を重視する投資、SDGs(持続可能な開発目標)、DEI(多様性・公正性・包括性)といった、世界全体での公益追求に向けた包括的な取組も進められてきた。一方で、これらの取組にも課題や限界があり、2025年現在においては自国第一主義への回帰など反動が見られつつもある。来る四半世紀においては、世界全体での人口動態の変化とこれに基づく国際政治・国際経済上の力学構造の変化を見据えて、協調に向けた新たな気運醸成と体制構築が求められていくだろう。

第四章 わたしたち京都市民がめざすまち

 わたしたちの京都市は、地域に根差す職人や達人、世界を牽引する研究者や技術者、市井の愛好家、歴史と伝統を背負う家元や名工といった人々の夢中と献身が世界中の人々の敬意と愛着と交わり、人間関係を織り成しながら人類社会の新たな地平を拓いてきた、世界有数の学藝の府である。学術、藝術、そして必ずしもこれらに分類されないさまざまな人間的営為において真理の探究や伝統の継承と創造に挑む人々の生き様は、その土壌となった豊かな自然と併せて、わたしたち京都市民のかけがえのない財産である。

 これらの人々は、市内の各地域においては、立場や肩書きを超えてこのまちの日常と非日常をともに織り成している。子どもたちの登下校を見守り、門掃きをする。災害や火災に備えて地域を見回り、地域の祭礼に奉仕する。喫茶店や居酒屋で談笑し、画廊や古書店で語らい、銭湯で湯を浴む。そして、こういった取組や商い自体もまた、このまちの魅力を重層的に支えてきた。

 わたしたち京都市民は、このまちのいたるところに根差す学藝のもとで市域ひいては時代をも超えてつながるこれらの人々、すなわち京都学藝衆とともに、世界文化自由都市という都市の理想の体現を通して、人類社会の未来に貢献していく。この際、過去と現在と未来、人間と自然、自己と他者とを本質的に不可分と捉えてきたことに鑑み、歴史と文化を介して人間性を恢復できるまち、自然への畏敬と感謝の念を抱けるまち、自他の生をともに肯定し尊重し合えるまちを、世界へと提示していく。

第一節 歴史と文化を介して人間性を恢復できるまち

⑴ 本物(ほんまもん)を追究・創造し続ける

 わたしたち京都市民は、先人たちから受け継いできた先義後利・不易流行・自利利他といった思想のもと、短期的な利益のみに囚われることなく、年月を賭して自らの技量を熟達させながら、市外の人々とも積極的に連携・協働し、また、最先端技術を活用していくことで、世界に類を見ない独自の価値を新たに創造し続けていく。この際、このまちが醸成してきた節度と矜持のもと、時勢に翻弄されることなく本物(ほんまもん)を見極める感性を研ぎ澄まし続け、これを後世と世界とに伝え遺していく。生身の人間同士の信頼関係のもとで切磋琢磨し合うとともに、近隣都市とも協働しながら、本物(ほんまもん)のさまざまなかたちを学び、受け容れ、創り出し、経済ひいてはまち全体の活力の源泉としていく。加えて、このまちの学藝をさまざまに担う京都学藝衆と学域・地域のつながりを深めることで、この本物(ほんまもん)とこれを見極める感性の次世代への継承・教育の機会を創出するとともに、このつながりを市外ひいては国外に住む人々とも結い合わせながら、学域・地域を持続させていくための土壌としていく。

⑵ 世界の文化と交流し、新たな文化を創造し続ける

 わたしたち京都市民は、ひらかれたまち柄のもとで世界との文化交流を重ねながら、国際社会ひいては人類史をも豊かにする新たな文化を創造し続けていく。グローバル化とデジタル化が進展していくこれからの時代においてこそ、今日の本物(ほんまもん)もまた進取の気性と創意工夫に満ちた遊び心によって発祥を見たこと、加えて、このまちの歴史と文化が時に異端や辺境とされていたものの受容や外部との交流によって織り成されてきたことを忘れることなく、市内の人材がその進取性と遊び心とを最大限に発揮し、世界へと活躍の場を広げ、また、世界中の国や地域から突き抜けた人材が集まるように、工夫と努力を重ねていく。これらの人材をはじめとする多様で多彩な人々がこのまちと交ざり合う中で生まれる新たな文化を積極的に受容しながら、京都市の多様性と包摂性をさらに高めていき、日本中・世界中の人々から活動の拠点として選ばれるまちにしていく。

⑶ 「夢中」と「感動」に溢れ、学び続けられる

 わたしたち京都市民は、日々の生活の中に歴史と文化が息づき、多様な個性が受容されてきたこのまちで、自身の生涯を通じて学びたいこと、体得したいこと、夢中になれることを見定めていく。また、人生とまちに対するこのような姿勢を互いに尊重し合い、これをまちの空気としていくことで、市外ひいては国外からも人が集い、夢中が溢れるまちをつくっていく。特に、わたしたちの京都市の未来を担う子どもや若者が、このまちの自然や歴史と文化を通じて豊かで鋭敏な感性を育み、学問から藝術、武道、技藝、さらにはスポーツに至るまでのさまざまな物事を個性に応じて追求できるまちであり続ける。加えて、大学や博物館、名勝や史跡、伝統産業から先端産業までもが広く集積することを活かして、まち全体をキャンパスと捉えてこれらを有機的につなぎ合わせながら、年齢、性別、国籍、文化圏などを超えてともに学び合える、夢中と感動に溢れた人生とまちを織り成していく。 

⑷ 平穏と静寂のもとで自己と世界に深く向き合える

 わたしたち京都市民は、このまちの自然と歴史と文化が醸成してきた平穏と静寂のもと、日々、直向きに自己の在り方を省み続けるとともに、他者、地域、ひいては国際社会との関わり方を真摯に考え続けていく。このまちが保全してきた深い静謐を後世の京都市民に遺していくのみならず、戦争や紛争の発生・継続、生身の人間関係の弱体化、自然との関わりの希薄化、社会的分断の深刻化といった時勢が世界的に強まり続けていく中でこそ、他国・他地域の人々にとっても、自己と世界とにしずかに深く向き合えるまちであり続ける。文化を介して人間の人間たる所以をともに問い、人間の儚さと脆さ、そして尊さをともに抱擁し、わたしたち人類が国境や文化的背景をも超えて互いに尊重し合えることを再確認できるまちであり続けることで、人類社会の恒久の平和と共栄に貢献していく。

第二節 自然への畏敬と感謝の念を抱けるまち

⑴ 謙虚に自然と関わり続ける

 わたしたち京都市民は、豊かな自然の恵みこそがこのまちの歴史と文化の根底を成してきたことを忘れることなく、自然との共生を志向し続けていく。また、このまちにおけるわたしたち京都市民の四季折々の生活の基盤に自然があること、ひいては、自然こそがわたしたちの生の源泉であることを深く認識し、自然の中を生かされている命の一つであるという謙虚さのもと、日々の生活と生業とを営んでいく。

 加えて、このような自然観が年々希薄になっていく時勢において、自然との不可分性・一体性を改めて体感し体得できる機会を意識的に創出していくとともに、京都議定書誕生の地としての矜持を保持し、また、予てより自然との共生に真摯に取り組んできた人々を積極的に支援しながら、京都市民のみならず人類社会に対しても、この自然観を伝え遺していく。

 ⑵ 災害や感染症などの危機からしなやかに立ち直る

 わたしたち京都市民は、このまちが千年以上の歴史の中で培ってきたしなやかさを保ちながら、さまざまな危機に先んじて備え、対応する術を探求し、危機を克服して立ち直ることができるまちをつくっていく。

 このまちは、幾度もの戦乱を経験し、そして、その都度、復興を遂げてきた。このまちが千年以上にわたり都市機能を遮断することなく存続し続けてこられたのは、先人たちの不屈の精神と知恵や工夫、そして、これらを体現し支えてきた文化の力に依る。過去四半世紀の間、わたしたち京都市民もまた、自然災害や感染症の脅威を経験し、立ち直ってきたが、その土台にはこのまちが歴史の中で育んできた重層的なひとのつながりがある。地域住民、地域企業、地域団体、市民団体といったさまざまな主体が、それぞれに備え、また、連携・協働し、防災・減災・復興に取り組んでいくとともに、このまちへの愛着と敬意とを、わたしたち京都市民はもとより国内外の人々までもが抱き続けられるよう、自然、歴史と文化、ひとの連なりを守り続けていく。

第三節 自他の生をともに肯定し尊重し合えるまち

⑴ 多層的でゆるやかなつながりが続く

 わたしたち京都市民は、番組小学校の設立に象徴され、また現在では町内会や学区などで体現されている住民自治の伝統を継承しつつ、京都市にかかわるあらゆる人々と、趣味、習い事、商い、祭事などを介して、ゆるやかでひらかれたつながりを紡ぎ続けていく。また、互いの肩書きや立場を超えて人間同士として笑みを向け合い、言葉を重ね、酒を酌み交わせる、そういったこのまちの人々の粋な在り方を、後世にも伝え遺していく。加えて、市外から通勤・通学する人々から観光客に至るまで、京都市とさまざまな関わり方をしている人たちもまた、わたしたちの京都市の現在を担ってくれていることに感謝と敬意を抱きながら、多彩なつながりを多層的に織り成していき、誰もが安心と愛着とを抱ける心地よいまちをつくっていく。

⑵ 支え合いの中で日々の生活を営める

 わたしたち京都市民は、支え合いの福祉を守り、これを広げていくことで、誰ひとり社会から取り残されることなく安心と安全のもとで健康で文化的な生活を営み続けられるまちであり続ける。

 このまちは、支える人たちと支えられる人たちとが場面や事情に応じて普段から役割を循環させながら、互いに支え合って歴史と文化を紡いできた。さまざまな形でこのまちとかかわりを持つことで笑顔や感謝に包まれるのみならず、自分自身もさまざまな形でこのまちに支えられる。地域の人々がともに子どもたちの登下校を見守り、子どもたちの声と笑顔が地域に活力を与える。こうした相互関係の中で、笑顔や感謝がまち全体にまで広がっていくとともに、夜間保育事業など全国的な先駆けとなった取組も進められながら、現在のわたしたちの京都市が育まれてきた。

 わたしたち京都市民は、このような社会とのつながりと役割をそれぞれに担いながら、多層的な支え合いの中で、ともに自分らしくあり続けられるまちをつくっていく。

 ⑶ ひとりひとりの個性や価値観を尊重し合える

 わたしたち京都市民は、人種、信条、性別、社会的身分、門地など、あらゆる差異にかかわらず、すべてのひとが個性を発揮し、互いを認め合い、尊重し合いながら、自分の「居場所」と「出番」を見つけて日々を享受できるまちをつくっていく。この際、国内最初の人権宣言を採択した全国水平社の創立や、福祉事業の全国的な先駆けとなった京都ライトハウス創設をはじめ、京都市の先人たちが実践してきた人権尊重の精神性と先進的な取組とを継承していく。あらゆる個性を互いに受容し、互いを思いやり理解しようとする心を育み、安心・安全のもとで住みたい場所に住むことができる、また、だれもが等しく就労や社会参加の機会を得られ、それぞれが望む生き方やくらし方を実現できるまちにしていく。

第五章 京都を生きるわたしたちのこれから

 第一章で述べたように、本基本構想は、わたしたちの最上位都市理念たる世界文化自由都市宣言を踏まえてつくられたものである。自己の伝統の深い省察、世界の現状の正しい認識、そして、理想の実現に向けた市民の努力によって都市が世界史において大きな役割を果たすという当該宣言の展望を念頭に、各章でそれぞれについて述べてきた。特に第四章では、当該宣言で掲げられた、永久に新しい文化都市として平和のもとでの自由な世界文化交流の中心を担っていくという理想に基づき、京都を生きるわたしたちがめざすまちのすがたとして、歴史と文化を介して人間性を恢復できるまち、自然への畏敬と感謝の念を抱けるまち、そして、自他の生をともに肯定し尊重し合えるまちの3つを掲げた。

 これらのまちのすがたを実現し、京都市がその歴史的・文化的価値の継承と敷衍を通して世界史における大きな役割を果たせるかどうかは、京都を生きるわたしたちのこれからの在り方に懸かっている。換言すれば、わたしたちは、先人たちから継承したこのまちの歴史と文化を介して、京都市のみならず人類社会の未来にも貢献し得るという幸運と重責の中を生きているのである。

 わたしたちがめざすまちのすがたは、市民、行政、市会がそれぞれの役割を果たしながら、ともに真摯に議論と対話を重ね、これを日々の活動に反映し、そしてまた活動の経過や帰結を新たな議論と対話に反映していくという、不断の循環の中で実現されていくものである。

 市政の主体は、市長や市会議員を選出する、市内に居住する市民が担ってきた。

 市長は、市民の想いをもとに市政の方針を示し、行政がこれを実行してきた。

 市会は、市民の代表として、市民の声や活動を行政に伝えていくとともに、市長とともに市政の両輪の一つとしての役割を果たしてきた。


   他方で、このまちは、市内に居住する京都市民によってのみつくられてきたわけではない。わたしたちの京都市においては、働き、学び、憩うために市外から日々足を運ぶ人々、進学・就職・育児等による転出後も深い愛着を抱いている人々、かつて観光で訪れた経験のある人々、訪れたことはなくとも憧れを抱いてくれている人々など、さまざまな関わり方を見出すことができる。わたしたちは、京都市がこれらの人々の想いや献身のもとで存立していることを、忘れてはならない。

 わたしたちがめざすまちのすがたを実現していくためには、従来の市民の枠組みに囚われることなく、人生や日常のほんの僅かな一部であっても京都市の現在と未来をともにつくっていくこれらの人々と、より積極的に協働していくこと、言い換えれば、多義的な市民性を促進していくことが不可欠である。また、この際、これらの人々が銘々において自在に京都市にかかわることができるための設計や、多層的で多彩な帰属意識の醸成と可視化を可能とする取組が求められる。わたしたちの京都市と何らかのかかわりを持った人々が物理的・時間的な隔たりを超えて関わり続けていける仕組みをデジタル技術も活用しながら構築していくとともに、これらの人々との対話を新たに織り成し、深めていく必要がある。

 日本全体で人口減少と少子高齢化が続いていく見込みの中、今後の京都市においても、行政職員数や予算の制約、地縁の希薄化、家族・親族間の扶助の縮小など、公・共・私のそれぞれにおいてまちを支える機能が低下していくことが予見される。一方で、これまでの京都市においては、町内会、市政協力委員、市民団体、有志団体や地域企業、個別の名称を有さない集まりやつながりの主体的かつ献身的な活動、そして、これらの団体間の連携や協働こそが、重層的にまちを支えてきた。人的資源や行政機能が徐々に縮小していく未来においては、新たな団体や活動の組成を積極的に促すことはもちろん、これらと既存の取組を有機的に接続していくことが必要となる。

 このような姿勢は、節度と矜持のもとで世代や公私の別をゆるやかに超えてきた京都市のまち柄と通底するものにほかならない。行政は、常にこのまちで日々の生活を営む京都市民の視点に立ち、その意見や提案と真摯に向き合い、丁寧に受け止めながら、総合的に判断し、具体的な政策としてまとめ、実行していく責任がある。そのうえで、公務のあり方を不断に見直し、公・共・私の垣根を可能な限り低くすることに加えて、このまちで日々の生活を営む京都市民と、それぞれの関わり方の濃淡を有する広い意味での京都市民とをつなげ、ともにまちづくりを担っていけるような設計に尽力していく。また、この過程において、あらゆる主体が「居場所」と「出番」を見出し、ひいては、これらを新たにつくり出していけるよう協働していくことで、わたしたちの京都市の来る千年の歴史のための基盤を構築していく。

未来への問いかけ

 世界文化自由都市宣言にもあるように、理想の宣言はやさしく、その実行はむずかしい。しかしながら、このまちは、数多の困難や苦難を乗り越えながら千年以上にわたる時を重ねて、今日のわたしたちの京都にまで自然・歴史・文化・まち柄を継承してきた。

 京都を生きるわたしたちもまた、現在そして未来において、数多の課題と向き合っていくこととなる。

・ 利便性や快適性を追求する技術革新が人間同士の生身のつながりを収奪あるいは再定義していく中で、両者の均衡をどう見定め、どう実現していくのか。

・ 人口動態の変化を見据えて、どのように共同体や産業のあり方を再設計し、また、どのように創発を促進していくのか。

・ 観光客が増加を続けていく中で、わたしたちの生活や生業と観光産業をどのように調和させ、伝統的な町並みや商いに支えられているまちの魅力や活力の向上につなげていくのか。

・ 少子高齢化をはじめとする社会的要因で支援・ケアを必要とする人が増え続けつつも支援やケアを担う人材が減少していく見込みであるところ、どのように誰ひとり取り残さないまちを築いていくのか。

・ わたしたちの日々の営みは、このまちの歴史と文化を体現し継承していくという責任を果たせているのか。

・ 政策や市民活動が、直近の時勢や目先の課題にのみ囚われたものでなく、このまちが守り育んできた価値観や思想に立脚できているか。

・ わたしたちの京都が、このまちの千年の歴史に対して、ひいては、これから千年先の未来に対して、胸を張れるものであるか。


 この京都基本構想は、このまちが千年以上もの歴史の中で醸成してきた価値観や思想を確認した上で、世界と日本、そして京都市の現状を踏まえて、これからのまちづくりのあり方を展望したものである。しかしながら、本基本構想は、あくまで、京都を生きるわたしたちの在り方を考えるにあたっての拠り所の一つであり、したがって、今後四半世紀の京都の未来は、わたしたち自身がこれからつくっていくものにほかならない。

 本基本構想を土台として、わたしたちひとりひとりが、上記した問いはもちろん、時代に即した新たな問いをも自ら見出し、毎日のくらしの中で考え続け、不断に議論と対話を重ねながら、複雑で繊細な現実の中でなお直向きに具体化していく必要がある。そして、この過程においてこそ、京都が日本中ひいては世界中の人々に信頼され、人類社会の未来の一端をも担っていく、すなわち、世界文化自由都市として世界史において大きな役割を果たすという都市の理想が実現されていくはずである。

 京都を生きるわたしたちは、このまちが長きにわたり醸成し保全してきた人間的遺産の享受者であり、継承者でもある。この意義と幸福を日々噛み締め、世界文化自由都市という都市の理想の実現を希求し、京都そしてわたしたち自身の在り方を世界とともに不断に問い続けながら生を享受し継承していくことを、ここに改めて静かに決意して、この京都基本構想を結ぶ。

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