共同記者会見(2025年7月4日)
ページ番号343812
2025年7月17日
(共同記者会見)府市共同で「サマーコンテンツシリーズ」3イベントをPR ~コンテンツ過多な京都の夏がきた~
概要
1 日時
令和7年7月4日 金 11:15~11:30
2 会場
京都府庁1号館3階会議室
(〒602 8041 京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町)
3 出席者
京都府知事 西脇 隆俊
京都市長 松井 孝治
4 内容
共同プロモーションとサマーコンテンツシリーズの取組概要について
出席者によるスピーチ
「サマーコンテンツシリーズ2025」について
(知事)
本日の発表項目は京都市との「サマーコンテンツシリーズ」の共同プロモーションについてです。なお、本件は昨年度の府市トップミーティングにおける合意に基づいた事業でございますので、本日は松井京都市長に御同席いただいております。 京都は、映画・ゲーム・アニメ・マンガといった日本を代表するコンテンツの発信地であり、京都府・京都市はそれぞれのコンテンツ分野の振興に取り組んでいます。このたび、京都のコンテンツ産業をさらに盛り上げ、分野を超えた交流を促進してビジネス展開の強化を図るため、日本最大級のインディーゲームの祭典「Bit Summit」と、西日本最大規模のマンガ・アニメの総合見本市「京まふ」、コンテンツ関係のピッチコンテスト「太秦NINJA PITCH」の3つのイベントを「サマーコンテンツシリーズ」と銘打ちまして、一体的に連携して開催いたしますととともに、共同プロモーションを行うことといたしました。共同プロモーションのキックオフとして、7月11日に高台寺前・ねねの道、15日にはJR大阪駅にて、コスプレイヤーのみなさんにサマーコンテンツシリーズの魅力をPRしていただきます。なお、府市トップミーティングでは、12月を「京都映画月間」と位置付け、映画関連の事業の一体的な開催についても合意しておりますが、こちらについては後日改めて発表させていただきたいと考えています。映画も含めてですけれども、こうした取組を通じて、京都のコンテンツ産業をさらに盛り上げていきたいと考えていますので、周知と当日の取材について皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
(市長)
知事からも、府市トップミーティングで合意した案件なので市長も来たらどうかとお誘いをいただきましたので、参りました。やはりこういうメディアアート系のイベントを府市で一緒にやる、特にメディアミックスと言われてる中で、マンガ・アニメ・ゲーム・映画、ここはまさにコンテンツという言葉で統合される訳ですが、できるだけミックスしていくということです。去年も、アートについてACK(Art Collaboration Kyoto)と、art KYOTOを同じ時期に開催し、非常に多くのアート関係者が京都に来られました。今年のことはこれからですが、非常に盛り上がったということもあって、やはり府と市がそれぞれ連携するような活動をすれば、関係者も盛り上がりますし、そして京都市は「京まふ」を主催させていただいていますが、これからは「太秦NINJA PITCH」にもしっかり積極的に参画します。あるいは、今知事が仰ったように相互連携をすることによって相互に相乗効果を上げられると思いますので、こういう形で、「サマーコンテンツシリーズ」ということで、この夏、府市共同の企画が盛り上がるというのは、とてもいいことだと思い、私も同席させていただくことにしました。どうぞよろしくお願いします。それから、また後日ですが、「京都映画月間」も盛り上げていきたいと考えていますので、こちらも含めて、アートの夏・秋をよろしくお願いします。
質疑応答
(記者)
「サマーコンテンツ2025」について、3つのイベントが連携して開催されるということだが、来場者の客層なども異なると思われるが具体的にどういった相乗効果を見込んでいるか。
(知事)
最初に事業を始めたときは、趣旨や対象が異なるため、それぞれで実施しました。ただよく見ると、最近のコンテンツ関係は相互の連携が非常に多く、共通点も多いのではないかという指摘もありましたので、そういうことであれば、相乗効果を求めるためには連携を深めた方がよいのではないかということで、府市トップミーティングで合意したということです。具体的に言うと、例えば、「Bit Summit」と「京まふ」では、相互の会場にそれぞれのブースを設けます。もともとクリエーター同士の繋がりもあるかもしれませんが、ゲームとマンガとで分野は異なっていますし、そのブースを設けることによって、クリエーター同士の交流が促進されるということが期待されます。「太秦NINJA PITCH」で言えば、「京まふ」の開催日に合わせて予選会を行いますので、マンガやアニメ分野でスタートアップに参入していただくことを期待しています。元々、マンガやアニメ分野も(「太秦NINJA PITCH」の)スタートアップの対象ではあるのですが、参入が若干少ないので、(相互連携することで)「太秦NINJA PITCH」のところにも促進されるような相乗効果をねらっています。また、こうして共同でプロモーションすることによって、最大公約数として、興味を持ってもらえる範囲が広がるので、「そういうイベントもやっていたのか」ということで、認知度のアップにも繋がるのではないかと考えています。まずは試みということでやっていきますし、その検証も行うことによって、より効果的な相乗効果もこれから工夫できるのではないかと考えています。まずは連携して、PRを兼ねてやってみるということです。
(市長)
やはり、京都はコンパクトシティーが良いところです。例えば、「太秦NINJA PITCH」の、予選会は(岡崎の)国立近代美術館を使わせていただきますが、そういう意味では国と府と市が連携して予選会が行われます。また、太秦というひとつの聖地もあるけれど、岡崎というアートの中心地もあります。音楽で言うと、いつも北山の府立植物園の近くを市で使わせていただいているということもあります。やはり京都で府市が連携することによって、アートも含めいろんな分野で相乗効果があると考えています。
(記者)
今着ている法被はどのようなものか。
(知事)
これは、神社仏閣や盆地など、京都に関わりの深い文化や思想や風景がピクセルでデザインされています。デジタル表現では最小単位がピクセルなので、それを用いることで伝統を大切にしながらも常にアップデートしてきた京都を表現するなど、少ない要素、最小の単位でいろいろなことを表現しています。文化を表現する方法を表すということで、一言でいうとクールなカルチャーを表しています。そういう思いで作成しました。京都を象徴する柄だとご理解ください。
(記者)
この取組による来場者数の目標はどうか。
(知事)
昨年度の実績はあるので、今回の取組によって(昨年度よりも)増えることは期待したいですが、もともと来場者というよりもクリエーター同士の交流を目的としているので、来場者を増やすことだけが目標ではないです。来場者には、クリエーターもいれば「京まふ」なら(マンガ・アニメ・ゲーム等の)ファンもおられるので、一般的な客層の入場者数を増やしたいですし、効果としてはあるかもしれませんが、どちらかというとクリエーターの交流です。
(職員)
去年の来場者数は、「Bit Summit」が38,333人で、「京まふ」が35,730人です。できればそれらが合計されるくらいには(したいと考えています)。
(知事)
たしかに、相互交流ですから一方に参加した全員がもう一方に参加するとなればそういう数字にはなりますが、それ以外にも裾野は広げたいと考えています。
可能性としては、それぞれにそれだけの人がおられるわけですから、連携することで相互に参加いただければより効果があると考えていますが、明確な目標値は定めていません。
(記者)
京都は伝統文化もあるが、そうした分野との連携はあるか。
(市長)
今IVSを開催しています。Notion Labs CEOのアイバン・ザオさんは、伝統工芸からヒントを得て最先端のソフトウェアを作られています。ましてや映像作品や映画となると伝統と革新をいかに調和させるかです。京都という場所自体のモチーフとしても、そこは伝統の街ですから当然のことだと思います。
(知事)
補足すると、IVSで私と市長、全世界で1億人以上が使っているという「Notion」を開発したNotion Labs CEOのアイバン・ザオさんと3人でトークセッションを実施しました。アイバン・ザオさんは9年前にサンフランシスコから京都に引っ越してきて、京都でプログラムを開発されたのですが、京都の伝統工芸品を作っていた職人の技や気質、精神といったものをAIのソフトウェアプログラムの開発に活かしたという話でした。それは、ユーザーを意識して、使ってもらう人の立場に立つというのが、京都の職人とプログラム開発も同じということでした。
(市長)
その時は何を仰っているのかよくわからなかったのですが、その話をXに書き込んだら、「Notion」の使い手の人が「すごくよくわかる」、「Notionの製品を使っているが、この感覚が良さなんだ」などと何人かからコメントをいただきました。(アイバン・ザオさんは)そういう作り手としての職人気質みたいなものがすごく勉強になったと仰っていました。
(知事)
元々「Bit Summit」も「京まふ」も、京都に流れている文化的な背景や職人の技を基盤にして、最新の様々なコンテンツ産業に繋がっているという意味では、今回の連携の前からそうですが、それが分野横断で連携すればより効果が発現するということであれば、文化的要素の効果も当然、それにつれてより反映されるようになると考えています。
(記者)
子どもたちと関連するものはあるのか。
(知事)
元々、特に「京まふ」は子どもが多いと思います。コンテンツ関係の分野は年齢が若ければ若いほど親和性も高いですし、関心も高いです。全体の連携を深めれば、当然若い世代への影響も大きくなると考えています。
(市長)
「京まふ」は若い人がすごく多いです。大学生はもちろん中高生も来ていますし、確実に将来の京都におけるコンテンツ系の人材輩出に大いに寄与していると思います。「Bit Summit」やマンガ・アニメ・映画まで繋がるように裾野を広げて交流の範囲を広げることで、色んな点を刺激される若者が増えると思います。そのことは京都の次世代の若者の育成にとっては確実に良いことですし、今、府市で高校生の連携に取り組んでいますが、小学校や中学校も含めて、また、部活の地域展開が言われている状況なので、そういうことも含めて、こうした人材が京都にたくさんいることを若いときから知って、そこに関心を持ってくだされば、小中学校時代から将来クリエーターを目指そうということになるかもしれませんし、クリエーターを目指さなくても、そうした視点を持ってソフトウェア開発やものづくりに行こうという子どもたちがたくさん出てくることを期待しています。これは府市協調で全体として次の世代をどう育てていくかを注力しようということなので、今の視点も取り入れていかなければいけないと思っています。
(記者)
「サマーコンテンツシリーズ」について、「サマー」となっているが、開催期間が7月18日から10月までと(イベントが)分散しているように思う。来年以降、もう少し集約していく考えはあるか。
(知事)
松井市長が先ほどアートの話をされていましたが、アートの関係者はコレクターを含めて京都に来るのであれば一緒に(様々なイベントを)回れると効率的だという意見もあります。ただ、イベントごとに性格が異なっているので、ある程度趣旨が違うものを、相乗効果を求めるあまりに合体してしまうと、(かえって)相乗効果がなくなる場合もあります。季節に連動性のあるといいものもあれば、場合によっては(日数が)長いと大変なので少し期間が開いている方がいいという考え方もあります。そこは来場者や出展者の意見を聞かないといけません。コンパクトにしたほうがいいという意見がもしあれば、開催時期や会場確保の観点もありますが、イベントの性格も違うと思います。例えば「京まふ」は完全に定着しています。いつも同じ時期、同じ会場でやっていることが売りだったと思います。連携することで時期を動かして本末転倒になってはいけないので、それぞれのイベントの性格を考えながら最も効果的な連携方法を考えたいです。
(記者)
プロモーションを一緒にやるということだが、共通チケットやスタンプラリーをやる等の方法があると思うが、そのあたりを考えていくのか。
(知事)
当然あると思いますが、それは今後の話です。今までバラバラでやっていて、松井市長が京都市長になられた時から「『京まふ』は京都市の仕事だと言わないで(府も関与して)ほしい」とずっと言われ続けてきました。そういう観点はあると考えています。まずは一緒にやって連携することを外に打ち出すことからです。具体的にはスタンプラリーだけでないと思いますが、連携方法については積み重ねていきたいと考えています。
(記者)
イベントではクリエーター同士の目的にしているということだったが、若い方も多いと思う。Z世代はSNSの利用で繋がることもあると思うが、それでもリアルで会って交流することにニーズはあるのか。
(知事)
先ほど申し上げた通り、「Bit Summit」は来場者が3万人を超えるかなりの規模ですし、「京まふ」は様々な所から来られています。もちろんネットというかスクリーン上の世界もありますが、そこに集まるというリアルの世界に対するニーズは絶対に消えないと思いますし、ネットでそうしたことを深めていくほど実際に見たいということもあります。「Bit Summit」はインディーゲームを売り込んだり発表したりする場で、私も、窓からものを投げるバーチャルゲームを体験しましたが、会場で体験した方がいいと思うからそれだけの方が集まる訳です。もちろんその何倍もの数の方がバーチャルの世界やオンラインでやっておられるかもしれませんが、このイベントの性格上そこに集まるというニーズがあることは変わりませんし、クリエーターの方もファンの方も集まってきますから、それだけのニーズや集客力があるイベントだと考えています。
お問い合わせ先
産業観光局クリエイティブ産業振興室(075ー222ー3306)