共同記者会見(2025年3月28日)
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2024年4月1日
(共同記者会見)京都市動物園ゾウ繁殖プロジェクトへの支援に関する京都信用金庫及び京都市との共同記者会見


概要
1 日時
令和7年3月28日 午後1時30分~2時15分
2 場所
QUESTION 4F Community Steps
3 出席者
京都信用金庫 理事長 榊田 隆之
京都市長 松井 孝治
京都市動物園長 和田 晴太郎
4 次第
・出席者紹介
・覚書署名および写真撮影
・出席者より御挨拶および御説明
・質疑応答
ゾウ繁殖プロジェクトの継続支援の表明についてのスピーチ
(理事長)
コミュニティ・バンク京信、京都信用金庫理事長の榊田と申します。本日は京都市動物園ゾウ繁殖プロジェクトの継続支援に関する記者会見にご参加いただきまして本当にありがたく思います。
御案内のとおり、コミュニティ・バンク京信は、今から10年前、2014年に支援をスタートいたしました。この京都市動物園様の、ゾウ繁殖プロジェクトに金銭的、そして人的な支援、こういったことを、10年間継続するという約束で、総額1億円の寄付をさせていただきました。
私どもはちょうど創立90周年を迎える節目の年にあたり、私も90周年らしい記念事業として、何かしたいという中で、ゾウ繁殖プロジェクトに参加をさせていただきました。10年が経過いたしまして、私どもは、さらなる10年に向けて、引き続きゾウ繁殖プロジェクトの支援をさせていただきたいという思いで検討して参りました。従来の1億円という迫力のある金額は、少し難しい状況にありますけども、年間200万円を10年間、計2,000万円を、今後のゾウ繁殖プロジェクトに対して、特に飼育費の補助、いう形でお役立ていただきたいという思いで、引き続き継続の支援をさせていただきたいというふうに思います。
そもそも、京都市動物園にゾウがいるということ、私の小さい頃からの思い出としてありましたけれども、1978年、マレーシアからゾウをいただくということで、これに関しても、当時、京都信用金庫が一定のこの関わりを出していただいたという、そういうご縁がございます。そのご縁を大切にしていらっしゃる大野様とか、ラオスの関係の皆さん方をはじめとして、何とかラオスからゾウをお預かりして、日本でゾウの繁殖をしていくという、そういう壮大なプロジェクトに、私どもは非常に共感をいたしまして、何かできないかという思いで、2014年に、ゾウをこの京都市動物園に美都ちゃんと、その後継という形で、お連れしたという、そういうふうなことであります。
ゾウというのは本当に、特に小さいお子様にとって一番親しみやすいなじみのある、そういう動物です。動物に触れる環境も引き続き、京都市民の皆様をはじめ、ここに訪れる大勢の方々が、京都市動物園を訪れ、そして幸せな気持ちになっていただくという、こういったことを私ども、引き続き皆さまとともに支援していきたいと思います。金銭面のことはもちろんありますけども、この10年間、私どもは、社内の職員を中心に、このゾウの繁殖プロジェクトに参加したい職員がボランティアで参加する形で、そしてその家族がそれに参加する形で、様々な、ゾウ繁殖プロジェクトの方にご協力をさせていただきました。
事例としては、例えば、ゾウ繁殖プロジェクトに関して、乾パン。私どもは非常食として、この95店舗に備蓄食料として乾パンを用意しておりますけれども、これが5年に1度程度、賞味期限を迎えます。賞味期限が近づいてきた場合については、従来は破棄をするというような、非常にロスにつながることをしておりましたけども、京都市動物園のゾウに食べていただけるということ、再利用いただけることを聞きまして、京都市動物園の皆様のご助言をいただきながら、定期的に廃棄される備蓄食料の寄付をさせていただいたり、或いは、定期的に、このゾウ舎の清掃ですね、さしていただいたり、いろんなことをして参りました。今後10年も引き続きそういったことを続けていきたいと思います。併せて、どうしても信用金庫がありますからこの地域の、多くの企業の皆さん方にもお声掛けして、この京都市の動物園のゾウ、引き続き支援をより多くの企業が関わる形で、今後、協力のお声掛けをしていきたいと思います。
プロジェクトに引き続き参加させていただいたことを大変光栄に思って、そして、コミュニティ・バンクとしての役割をしっかり果たすことを誓い申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。
(市長)
はい皆さんこんにちは。年度末忙しい時に集まりくださいまして、心から感謝申し上げます。
この度、コミュニティ・バンクの共同支援企業様、榊田理事長の方からですね、これまでの長年にわたるご支援に加えて、さらに今後10年間の多大なご支援をいただけるということになりましたところ、この場を借りて御礼申し上げております。本当にありがとうございます。
後程また園長の方からお話もあるかと思いますが、この、京都でゾウの親子を見たい、その繁殖プロジェクトということで、詳しく経緯などもご紹介させていただきますが、京都信用金庫様は、1978年、先ほど、今さっき理事長さんもおっしゃったように、1978年にゾウ来園への支援、美都ちゃんの来園のご縁をいただいたのは京都信用金庫様でございますし、また、この10年間を、ここに多大なご支援物心両面でいただきました。金銭的なこと、とてもこれもありがたいんですが、それに加えてですね、今、理事長がおっしゃったように、コミュニティ・バンク京信さんの職員さんのお支え、或いは、いろんな他の企業さん、団体さんへの、お声がけ含めてですね、大変熱いご支援をいただいていて、これが今非常に厳しい経済状況の中でですね、さらに10年間温かいご支援をいただけるというのは、本当にありがたいことだと思います。今日は大野領事もお見えでございますが、京都市動物園のゾウというのは、本当に多くの方々を国境を越えたご支援によって成り立っているわけでありまして、我々はそういう内外のたくさんの方々のご支援によって、こうやってゾウがしっかり飼育できている。そのことを含めて、感謝を申し上げたいと思うわけであります。
これまで本当に11年間のご支援で、飼育環境の改善、繁殖研究を推進、そして、来園者の方々にゾウの魅力というものをしっかり味わっていただく、共感いただける、そういうことに大きく貢献いただいたわけでありまして、これから、来週から始まる7年度においても10年間継続支援ということで、ゾウの繁殖研究を含めてですね、さらに、私どもとして、いただいたご支援を今日地域の皆さんにこのすばらしいゾウをお会いしていただけるような環境をこれからも作っていきたいと思います。後程また園長の方からお話があると思いますが、魅力溢れて市民にも来訪者の皆さんにも愛していただけるような、動物園に我々も邁進していきたいと思いますし、今後ともいろんな形で、コミュニティ・バンク京信さんを中心とした、地域の皆さんとしっかり連帯していろいろ支援進んでいきたいと思います。
本当に今回ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。京都市動物園におけるゾウ繁殖プロジェクトの歩みや現状について
(園長)
京都市動物園の和田でございます。本日はこのような機会をいただいてありがとうございます。
ゾウ繁殖プロジェクトですけれども、京都市動物園の110周年記念、それから日本ラオス外交関係樹立60周年を契機に発足をしております。発足する際には、京都の名誉領事館があるというところも非常に大きな後押しになっておりまして、その中に、両国友好のシンボルとして、現在もプロジェクトを進めさせていただいております。
京都信用金庫様からいただいている寄付金につきましては、2014年にラオスからゾウを日本に移送する費用、そのあと10年間のえさ代、ゾウが健康に過ごし成長するためのエサ代ですとか、行動調査、繁殖に係るデータ収集、研究にかかる費用について、使わせていただいております。
ゾウにつきましてはですね、今現在5頭飼育しておりまして、大体1日50キロほど、食べているわけですけれども、園全体の飼料費の約3割がゾウのエサ代になる。そこで大きな京都信用金庫様を初め、市内の事業者様、それから生産者、そういったところからもご寄付いただいておりまして、それによってゾウが健やかに成長できてるというふうに思っております。
来園当初から比べますと、2倍から3倍に体も成長しておりまして、体の成長とともに、いわゆる性成熟と言ってですね、繁殖に携われる年齢或いは体の大きさになったというところで、2022年5月からですね、ラオスから来た一番の年長のメスの冬美トンクンと、オスの秋都トンカムの同居を開始して繁殖に取り組み始めました。ただゾウの場合はですね、繁殖期が大体98日周期なので、年に3回から4回しかチャンスがないので、トンカムの経験としてはやっぱりそのチャンスしか経験できないんですね。そうするとなかなか経験値が積み上がらなくて、調子のいいときはですね、一日10回以上マウントして、もうすぐ精通できるようなところまで経験は積み上がってきたんですけども、まだまだちょっと経験不足というところが否めませんので、この間に成長してきた、夏美ブンニュンも、昨年12月から同居を開始して、これによって、6回から8回の年間のチャンスが増えるわけなので、そこでさらに経験を積んでもらって、今後皆様に良い報告をできるように、取り組みを進めていきたいと思っております。
また先ほどお話がございましたように、京都信用金庫様には、支援金だけではなくて、職員の方あるいはそのご家族の方皆様で、動物園の清掃のボランティア活動に来ていただいています。その中で、ゾウについて、やはり知っていただく、或いは、周りの皆様にその魅力を伝えていただくという役割を果たしていただいております。そして先ほどございました乾パンについて、人間が思う乾パンとちょっとイメージが違うようで、ゾウにとっては非常に豪華なご褒美という感覚がありまして、健康に過ごすためにですね、ハズバンダリートレーニングといって、例えばゾウの採血をするときにゾウに協力をしてもらったりですとか、何か治療するときに、ゾウに協力をしてもらって治療をするっていうことをするわけですけれども、それは日々のトレーニングが非常に効果的なんですね。そのトレーニングを頑張ったご褒美が実は乾パン。乾パンはゾウにとっては特別なご飯。そういったところも含めて、またさらに、10年間ご寄付を継続していただけるというところ、大変心強く感じておりますし、ありがたく思っております。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
質疑応答
(記者)
冬美と秋都が繁殖に取り組み始めたのは何年何月かを改めて教えてください。
(園長)
2022年5月の発情のタイミングから、同居を開始しています。
(記者)
理事長にお尋ねします。美都さんがマレーシアから来園したご縁を取り持ったのが京信さんだという事を初めてお聞きした。詳しくお聞きしたい。
(理事長)
私も詳しく承知しているわけではないんですけれども、1978年当時に、マレーシアに、私ども先代の理事長がちょうど行っていて、そのときに、京都に是非ともゾウをという声があり、仲介させていただいて、京都市とマレーシアの政府との間を取り持ったというふうに聞いています。
(記者)
当時の理事長はゾウに思い入れがあったのでしょうか。
(理事長)
そうですね。動物園の一番の象徴的な、いて欲しい存在になりますから、やっぱりどうしても京都市動物園に、その時ゾウさんがいなかったということに対して、何とかゾウをという思いが強かったんだというふうに思います。その時マレーシアに滞在していて、京都市様からのご依頼を受けて、仲介した。つまり、飼育していたゾウがその時亡くなったらしいです。京都市の動物園でゾウが亡くなって、結構大きなニュースになって、市民が非常に悲しんだ。次のゾウを海外からというのは非常に難しいことなので、マレーシアから何とかということで、そういったことをマレーシアの方々にお願いして、ゾウを呼ぶということが実現した。
(記者)
京信さんは京都市動物園サポーター1号とのこと。現在のサポーターの数は。
(園長)
提案型サポーター制度だけだと手元に資料がないのでわからない。京信さま以外もですね、えさを支給していただいている造園業者様ですとか、食品事業者様などにも寄附いただいている。提案型、看板広告とか商品も含めてでは150社。
(記者)
今の話の続きなんですが、150という数は、動物園を運営していくうえで、十分足りてるっていう感覚か。
(園長)
思いとしてはさらにサポートいただけたらありがたいというふうに思っております。
(記者)
困窮はしてないか。
(園長)
なかなか表現が難しい。大変ありがたく使わせていただいておりまして、もちろん物価の上昇ですとか、いろんな予算的なところもありますので、ただご支援いただける方が増えるのはありがたい。
(記者)
ちょっと細かい点なんですけど、ゾウは1日500キロ食べるのか。
(園長)
1頭当たり約50kg。トータルで約150キロですね。体格に若干幅があるんですけども。ゾウは草食動物ですので、食べるのは乾草といって牧草を乾かしたもの、或いは生の牧草か、枝葉ですね。補助として固形飼料、ドックとかキャットフードみたいな栄養素きちっとまとめたものをプラスして、リンゴやにんじん、おからなどを与えています。
(記者)
繁殖や飼育の難しさみたいなものがあったら教えていただきたい。
(園長)
今現在行っていることで言うと、マウントまでは行くんだけれども、交尾に至らないというところで、そればっかり人が教えるわけにはいかないので、いかに経験のチャンスを増やすかというところが必要ということで、新たに別の一頭を繁殖に加えて進めております。
(記者)
飼育する上での難しさは特別難しいということはないか。
(園長)
例えばかなり大きいですし、力も強いので、当然危険のないようにというところは他に比べると、気を付けるところが多いです。
(記者)
年間200万で10年間。今までの1億円に比べれば少ないと。今後、自然環境が良くなったり利益が上がった際には積み増しという事もあるか。
(理事長)
申し上げたように私どもがご縁のある企業、皆さん方にもお声掛けして、やっぱり私ども一切で寄付をというスタイルよりもやはり、皆さんと一緒に、こういったものを続けていくべきだというふうに思いますので、500万円になるかどうかはちょっとあれですけども、私どもとしては、多くのお客様と企業様、他に声掛けして1円でも多くのご支援いただけるように、皆さんと一緒に京都市動物園、そしてその中でも象徴的なゾウのことを守っていく、こういった部分をこの地域にはぐくんでいきたい。
(市長)
本当に温かいご寄附をいただいて先ほどからお話あるようにこの金額以上の人的なご支援をいただいているので、我々もしっかり、京都市としては、そこを支えていかなければいけないと思います。
今、150社のサポーターがって話ありましたが、そういう意味ではこういう機会も活用させていただいて、こういう提案型サポートを私どもは、洛中ロータリークラブさんが京信さんと一緒にご支援をいただいてるとか、或いはKBS京都さんであるとか、京都市の農業協同組合さん、大垣書店さんとか、こういう提案型のサポーター制度を活用していただく事例もありますし、それ以外に看板広告とか商品提携とか、或いはエサ代サポーターは本当に個人とか団体でも小口と言っては失礼ですが、本当に1口未満でもですね、500円以上でのオリジナルグッズを差し上げるような形でサポートをお願いしておりまして、やっぱり京都市としてもその努力をして、そして、しっかり市民の皆さんに愛されるような制度を作って、そして市民の方々は、こんな素晴らしい動物園だったら、私も500円でもサポートしようと思っていただけるような草の根の支援をお願いしていかなければいけない。
で、もちろん大変今回のような、大口のご支援、物資両面のご支援ありがたいんですけど我々も、しっかり努力をしていかなければいけないと思っております。
(記者)
このプロジェクトですけども、これは繁殖生態に対する研究ということなんですけどその中では特に今回、10年間の成果をうかがっていいですか。それから改めて、この成果を生かして今後どういうことに取り組むか。
(園長)
まず、春機発動のタイミングをしっかり確認できたというところが1つ。性成熟する前に日本に来ておりますので、次のステップとしては性ホルモンの動態で性周期がわかってきた。採血で周期は分かるが、どうしてもタイムラグがあるんですね。採血してから検査結果を受け取るまでにだいぶありますので、今その性周期の間で簡易に当該日が分かるように、外陰部の腫脹の状態ですとか、そういったものとホルモンの変動を今リンクさせて、検査結果を待たずに即判断できるよう今研究しているところでございます。
(記者)
近年、国内での自然繁殖の例があれば。
(園長)
直近は市原ぞうの国というところだと思いますし、1年ちょっと前は札幌市の円山動物園で自然で生まれたという事例があります。
(記者)
この10年で繁殖に成功する期待というのはかなり高いのか。
(園長)
期待値としては上がっておりますし、期待をしています。それは、トンカムの経験が蓄積されていっているというのはわかりますので、さらに経験が積めれば、繁殖の確率は上がるというふうに考えております。
(記者)
上がっているという点について理事長と市長から一言ずつ、いただきたい。
(理事長)
動物園の皆さんがゾウの繁殖プロジェクトに参加されてる姿に私どもも非常に感銘を受けて、何とかせっかくここまで、10年間一緒にやっておりましたので、成就するといいなあというふうな思いでいっぱいです。年齢的にも、繁殖年齢に達しているということ。まさしくここから先10年間が楽しみな10年間なので、こういう明るいこと、京都市にとっても、新しいゾウが生まれるということを是非とも私も楽しみにしていきたい。
(市長)
私としてもぜひこんな貴重なご支援をいただいてるので、そしていろんな経験値が積み重なってますんで、何とかおめでたを期待したいと思っております。
(記者)
成果として、周期がわかってきた。周期に個体差っていうのは、ありますね。
(園長)
今、繁殖に取り組んでいる冬美トンクンは、大体98日で回ってきまして、ブンニュンは102日。若干ずれていますが、この後同居を続けているうちにリンクする可能性があるんです。お互いの発情に寄って行くみたいなところは、あるかなと思っていますが、今のところは別々のタイミングで来ています。
(記者)
理事長に、期待をお聞きしたいんですけど。今回、赤ちゃんゾウが生まれたら、京都市動物園のゾウになる。今までの意味合いとちょっと違うかなとおもいますが、もし赤ちゃんゾウが誕生するステップにさらに踏み出せたらどんなお気持ちになるでしょうか。
(理事長)
本当に京都市にとってはもう本当に、宝物が生まれて、その背景のストーリーがまさしく本当に多くの方々の力が合わさって、京都市に新しいゾウさんが、誕生するっていうのは、本当におめでたい話なんで、何度も申し上げますけど、是非とも、実現できたら、京都にとっても、とっても明るいニュースになるんじゃないかなというふうに本当に楽しみにしております。
お問い合わせ先
文化市民局 動物園総務課(TEL:075-771-0210)