共同記者会見 (2024年6月26日)
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2025年2月5日
(共同記者会見)国内最大規模のスタートアップカンファレンス 「IVS2024 KYOTO」開催に向けての共同記者会見
概要
令和6年6月26日 午後1時10分~1時40分
2 場所
元離宮二条城 香雲亭
3 登壇者
島川 敏明 IVS KYOTO 実行委員会委員長(株式会社Headline Japan 代表取締役)
西脇 隆俊 京都府知事
松井 孝治 京都市長
4 次第
(1) 登壇者紹介
(2) 登壇者挨拶
(3) 概要説明
(4) 質疑応答
(5) 記念撮影
当日投影資料
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登壇者挨拶
(IVS KYOTO 実行委員会 島川委員長)
IVSとしては、これまでも京都で開催したことはありましたが、この歴史ある地の京都をさらにスタートアップで盛り上げるべく活動しています。来週には国内外からスタートアップの起業家や投資家が一同に集まる非常に熱のある場になるので、起業家や投資家の方たちが織り成す熱量や目の前で繰り広げられるものを見ていただければと思います。
(西脇府知事)
まずは日本最大の国際的スタートアップカンファレンスが2年連続京都で開催できることを大変嬉しく思います。京都は2020年7月に、国からグローバル拠点都市に選定され、その後、オール京都体制で、起業家の招致、支援者の集積、協業機会の拡充、海外への進出環境の整備に取り組み、世界に伍するスタートアップ・エコシステムの形成に取り組んできました。その結果、拠点都市選定前と比べ、スタートアップ設立数は倍増し、総数580社となるなど成果は出てきています。今回のIVSでは、例えば府内の大学との連携による学生参加の促進、府内の大企業とのマッチング支援などの企画に取り組んでおり、その準備を進めてきました。また、前回に続き、「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」の優勝者にスタートアップ京都国際賞を授与することとしています。この3日間は京都のまちがスタートアップの関係者であふれることと思います。この機会に世界に羽ばたくような企業が生まれることを期待しています。
(松井市長)
市長に就任してまだ4カ月ですが、私が最も楽しみにしていた催しがIVSです。京都府と京都市はペアで、府市一帯となり動こうとしていますが、その1つのシンボルが「IVS」です。
京都はスタートアップのまちでなければならないと感じています。京都は新しいものを生み出すまちであります。人口の1割を超える学生がいて、そこで次々に日本を代表する世界的なビジネスを生んでいくのが京都の伝統だと思います。それをさらに加速させていきたいと思います。今年のテーマは「Cross the Boundaries」ですが、境界を越えて多種多様な人材が交流し、新しいビジネスチャンスを生んでほしいと思います。京都は文化のまちであり、閉じこもった文化ではなく新しい価値の融合、創発の機会となるような3日間となり、そしてこの期間、京都のまちがスタートアップ一色に染まり、その波が一年を通じて、全国に広がっていくことを心から期待しています。
概要説明
(島川委員長)
IVSは「次世代の、起爆剤に。」をミッションに掲げ、次世代の挑戦者とともに作り上げるイノベーションプラットフォームです。IVSは2007年の初開催以降、経営者限定の招待制のイベントとしてスタートした「第1フェーズ」、ボランティアスタッフ制度や海外展開を行い、規模を拡大した「第2フェーズ」、そして招待制の廃止とIVS Cryptoを開催した「第3フェーズ」という3段階のフェーズを経て、初回開催から18年目、31回目の開催を迎えました。昨年は、サイドイベント含め3日間を通じて大盛況で、来場者数は10,500名となり、目的であるスタートアップ関係人口の拡大に確かな手ごたえを感じました。
本年のテーマは「Cross the Boundaries」です。様々な境界を超えて、ヒト、モノ、カネの全てをコンテンツ、機会、情報を通して提供し、スタートアップ関係人口のさらなる拡大とスタートアップの人材流動性を高めていきたいと思っています。
開催期間は7月4日から6日で、平日参加が難しい学生や、社会人の方たちから要望があり、我々としても新しい挑戦として土曜日の開催を初めて加えました。
今年は、京都パルスプラザをメイン会場に実施予定です。
さらに、今年の目標として掲げている海外参加比率40%、女性参加比率30%の達成に向けて、海外の方向けのコンテンツの拡充や女性が参加しやすい環境作り、セッションテーマを多く用意しているところです。
そして2日目に行われるIVSのメインコンテンツである「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」は、スタートアップ起業家の登竜門とされている国内最大のピッチイベントです。これまでの累計エントリー数は5,000社以上、過去に登壇した企業の40社以上が10億円以上の資金調達をするなど、スタートアップの急成長につながっています。
(西脇府知事)
LAUNCHPADでは厳しい選考を経て選ばれたファイナリストの方たちが、 投資家や経営者、企業から選出された審査員の前で自社のプロダクトとそれにかける熱い想いを6分間でプレゼンテーションし、優勝を争うピッチコンテストです。今回の応募総数は300社以上、その中から事前審査を勝ち抜いた15社がファイナリストとして登壇されることになっています。
ファイナリストとして女性5名が登壇されることは過去最多です。ファイナリストは15社で、うち3社が海外企業となっています。残りの12社も、京都大学との共同研究を進めてこられた企業や、環境、ライフサイエンス、映像関係という、京都が注力しているようなテーマに沿った新しいビジネスモデルを提案する企業などであり、私自身もどのような発表になるのかを楽しみにしています。
優勝者には「スタートアップ京都国際賞」とともに、副賞として1,000万円の事業支援資金を用意しております。事業拡大など必要な経費に幅広くご活用いただけると思っております。当日は私も決定の瞬間に立ち会います。
(松井市長)
サイドイベントはIVSの開催期間中とその前後に参加者などが京都内外の各地で独自に開催するイベントです。サイドイベントは昨年も好評で、今年もたくさんのサイドイベントが予定されています。昨年は150件ものサイドイベントが開催され、メインイベントとはまた一味異なった雰囲気の中で非常に密なコミュニケーションを取ることができ好評でした。今年は現時点で200件を超える申請をいただいており、250件を超えるサイドイベントが開催されるものと想定し期待しております。
いくつか事例を紹介します。まず初めに、2つの公式ネットワーキングパーティである「IVS START BAR」と「IVS HOUSE」です。
「IVS START BAR」は、立誠ひろばにバーを設置し、サイドイベント案内所や交流スペースとなるバーを設置します。普段の憩いの場をIVSに活用いただきます。「IVS HOUSE」は登壇者同士の交流を図る特別なネットワーキングパーティを開催します。
その他として、「PASSION JACK KYOTO」は、京都の学生起業家・団体等が中心となり市役所を会場にピッチコンテストやワークショップ、プロジェクションマッピング等を実施します。「エンタメ系CVCカジュアルミートアップ in KYOTO」は、日本を代表するエンタメ企業のCVC部門担当者をキャンパスプラザ京都に招き、トークセッションや交流イベントを開催するものです。府市協調の象徴である「けいはんなスタートアップツアー」では、起業家・研究者・観光プロモータ限定の交流イベントとして、けいはんな発のスタートアップの技術の視察が行われます。
質疑応答
(記者)
昨年初めてオープンにしてみやこめっせで開催され、相当な熱量を感じました。そのときは今年の開催地はまだ言及していませんでしたが、京都での開催を決めた大きな理由を教えてください。
(島川委員長)
IVSの特徴となっているのがサイドイベントの文化ですが、サイドイベントのやりやすさというところが理由の一つです。また、運営において京都府・京都市に多大な御協力をいただき、他に代えがたい関係を構築することができました。そのような背景から、始めて2回連続で同じ場所、京都で開催することにしました。
(記者)
京都の国際的な立地の特性や、学生が多い点はどう見ていますか。
(島川委員長)
まさにそれが昨年IVSを京都で開催するに至った理由ですが、IVSは東京以外の地域で開催しており、京都は大学が多く、そこに関連して将来起業家となる学生が多かったり、また、研究者が非常に多く、その方々の研究シーズを発端にして、ディープテックが育ちやすいところも大きなポイントです。日本の製造業を支えてきた大企業の本社が京都をはじめとする関西に多くあることから、日本の産業をより盛り上げていくために、京都は最適と思うところがあり選んでいます。
また、海外の方から見て、京都は印象的であり、京都だから行きたいという海外の人も実際に多く、そういった意味も込めて、京都という地がベストということで選んでいます。
(記者)
今回来場目標を1.5万人に引き上げ、女性参加比率を30%と掲げられました。託児所も創設されるとも聞いています。その辺の想いを島川委員長にお聞きしたいです。また、西脇知事には昨年実際に参加された際、どのようにご覧になり、その辺の可能性をどのように感じたか教えていただきたいです。そして、市長には今年からIVSに京都市が加わった想いと、ベンチャーの都といわれながらも大企業が育ちにくい現状の問題をどのように考えているかをお聞きしたいです。
(島川委員長)
想いは大きく3つあります。1つ目は、託児所のようなものを用意して、女性起業家や起業しようと思っている方が、家庭が忙しい中カンファレンスに参加しやすい環境を整えるということです。
2つ目は、女性起業家とIVSの前に事前のイベントを何度も開催していますが、事前に女性の参加者同士がつながって参加しやすい状態をつくることを心掛けています。仲間同士で参加しないと参加のハードルが高いと思います。
3つ目は、当日のコンテンツについてです。今回、“EmpowerHER LOUNGE”という女性起業家支援に特化したステージを初めて用意しています。 女性起業家がどのように活躍しているのかをメイントピックに、ネットワーキングの場の用意などをしました。IVSとしては、多角的な施策をもとに、より日本のスタートアップにおいて、女性の起業家が生まれやすく、活躍しやすい場をつくっていきたいと考えています。
(西脇府知事)
昨年は3日間とも参加しましたが、海外からの人を含む1万人の熱量を会場全体で感じました。LAUNCHPADのファイナリストは、京都の企業は1社でした。ただ、京都の企業だけが参加しても意味がなく、京都がスタートアップの皆様が集積する拠点となれば、そこから様々な動きがおこり、京都のためになると考えています。その根拠として、昨年のIVSの後、首都圏のベンチャーキャピタル4社が京都に拠点を置いたり、ファイナリストの企業が京都府内に拠点を設置したり、京都にとっても大きな効果がありました。門戸を大きく開き、いろいろな、まさに「Cross the Boundaries」の動きがスタートアップ育成にもつながります。そういう意味では、今回、学生の参加や府内の大企業とのコラボは、まさに京都への波及への道筋がつくというところでおおいに期待しています。
(松井市長)
京都はベンチャーの都と言われて久しいですが、世界的に有名になった京都の企業が出た後は、順調に続いてきたかというと必ずしもそうでもない面もあります。京都大学を中心に36の大学が市内にあり、それぞれ素晴らしい研究シーズがありますが、経営人材が不足していたり、マッチングがうまくいってなかったり、といった問題があります。
もっと京都という素晴らしい「ぬか床」を混ぜ合わせ、まさに「Cross the Boundaries」でいろいろな人の出会いをつくり、京都だけで社会を変えるのではなく、全国の、世界中のいろいろなアイデアを集めて掛け算をして、1+1が2ではなく10や100になるような新しい交流を生むことが大切です。京都市としては、国内外からスタートアップ関係者や投資家、大企業の方たちが集まる中、京都のまち全体がスタートアップを応援するという機運を府市一帯となって盛り上げていきたいです。また、国も京都をスタートアップの都として認知いただき、国からの支援もいただけるように府と共に活動できたらと思います。
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