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市長定例記者会見(2022年11月22日)

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2023年4月12日

市長定例記者会見(2022年11月22日)

実施日:令和4年11月22日(火曜) 午前11時~12時

会場:京都市役所 本庁舎4階 正庁の間

※本記者会見は、市長と記者の質疑応答形式で実施されました。

質疑応答(摘録)

記者

 市長は韓国(安東市)で開催された第18回世界歴史都市会議(11/14~16)に参加されたが、その目的と意義についてお答えください。


市長

 歴史都市には、人類の叡知が重なっています。それを歴史都市が連帯して様々な課題解決に取り組もうというのが世界歴史都市会議の発足の趣旨であります。その大前提として、交流による平和への貢献などがございます。近年は環境問題も大きく取り上げてきました。今、コロナ禍で貧困や孤立、分断、さらに格差、そして、ウクライナでの悲惨な戦争、人命が奪われ、貴重な歴史的遺産が毎日潰されていく、そんな中での安東市での第18回会議でありました。非常に意義ある会を開催できました。また、安東市に対しても敬意を表したいと思っています。

 総会では、私が提案した平和連帯声明を世界歴史都市連盟として発出することを決定しました。早期の平和回復、そのために連帯して行動するということを決めました。ロシアの都市も参加していましたが、ウクライナの青い空に麦畑の衣装や、ウクライナ国旗を掲揚していくわけにはいかないため、最後の挨拶で、今も命が奪われ、貴重な歴史遺産が崩されている、それぞれの歴史都市が可能な限りの連帯と、そして、支援を行っていきたいということを申し上げ、多くの方々から賛同の拍手をいただきました。

 もう1点は、安東宣言を採択しました。地域コミュニティを徹底して生かして、持続可能な未来志向の歴史都市をつくっていこうというものです。地域コミュニティで、次の担い手が育ちます。さらに、とりわけ中高生から大学生まで若い人の参画が多かったのですが、新しい技術、デジタル技術等を生かした歴史都市の保存、再生についても触れられており、率直に言って感銘を受けました。また、SDGsの達成にも歴史都市が連帯して貢献していこうということも宣言に盛り込まれました。

 少し話が離れてしまい申し訳ないのですが、安東市には、緒方恵子さんという安東市職員がおられました。日本人で、20年間、安東市に勤めておられます。韓国では、外国人で初めての自治体職員、公務員です。日本の大学を出て、韓国の大学院を卒業されて、大統領等の通訳も担っておられ、韓国で大きな役割を果たしておられました。

 また、オープニングセレモニーでは、デジタルアートが使われておりました。画期的なものでありました。

 専門家会議では、NTTデータの方がプレゼンテーションを行っておられました。同社でヨーロッパにおられた方が、東京に帰っておられますが、開催市である安東市が、世界トップ水準の方だということで呼ばれました。日本の会社の方がメタバースの活用などをプレゼンテーションされたということで、いろいろな意味で意義があったなと感じております。

 総会では、連盟内での選挙で、総意の下に信任の拍手をいただき、引き続き、京都市長が会長を務めさせていただくことになりました。この厳しい状況の中でも、しっかりと役割を果たしていきたいと決意を新たにいたしております。


記者

 高さ規制緩和を盛り込んだ都市計画見直し案について、パブリックコメントが終わったところですが、周知や市民理解に向けて、どのように取り組まれますか。


市長

 パブリックコメントでいただいた意見の詳細な分析はこれからであります。一つ一つ丁寧に拝読させていただき、それを生かしていくというのが基本的な姿勢であります。約2,000件の御意見を賜りました。京都市のパブリックコメントに寄せられた意見の数は、全国の政令指定都市の平均数と比較すると約6倍というデータ(平成29年度)もあります。しっかりとお声に耳を傾けて取り組んでいきたいと思っています。

 今回の見直し案に、概ね7割の方が肯定的な意見をいただいています。保全と再生、さらに創造が大事です。様々な京都の企業が生産拠点を他府県に移しており、企業活動できる場所がないとか、あるいは、若い人への住居の提供が不十分であるなどの意見の一方、景観の骨格はちゃんと維持されているなど、肯定、賛成の意見が多かったです。

 もちろん、高さ規制の緩和は、景観政策の趣旨に合わないのではないか、という御意見も出てきています。しっかりと全ての意見をトータルで受けとめ、スピード感との戦いでもありますが、早期に都市計画の見直しを実施し、住んでよし、働いてよし、学んでよし、子育てしてよし、訪ねてよし、こういった魅力あふれる京都をつくっていきたいと思っています。


記者

 新型コロナの感染状況について、前の週の同じ曜日を上回る日が多くなってきましたが、感染状況について、どう見ていますか。


市長

 第8波に入ったと認識しており、緊張感を持ってあらゆる取組をさらに強化しております。国でもいろいろな想定をされていますが、第7波の教訓を生かし、最悪の事態に備えて最善を尽くしていかなければならないと思っています。

 第7波で一番多かった8月の第1週頃、1週間当たり新規感染者が約2万3,000人でした。国において第8波は、第7波の1.5倍、あるいはインフルエンザと複合した場合には1.9倍という想定もされておられますが、私どもは現時点で第7波の2倍以上の1週間当たり新規感染者が5万人になっても、市民の皆さんの命、健康を守り抜くという決意の下に、保健所体制、検査体制、府市協調での医療機関との連携の下の医療体制等を整えております。

 とりわけ、ワクチンの接種が大事であります。3回目接種、既に案内は行っていますが、この間、前倒し、接種間隔の短縮等がありましたので、改めて、3回目までの接種がお済みでない約47万人の方に接種の案内をお届けしました。

 4回目接種につきましては、接種がお済みでない約37万人の方に12月の中旬までに案内を送付するために、全力で作業を行っております。既に接種券はお届けしていますが、再度の接種のお勧めも含めまして12月中に接種してくださいという願いも込めてお送りします。

 もちろん、地域の医療機関、KBSホール、みやこめっせにおける、事前予約なし、金曜日、土曜日の夜も含めた接種体制を整えておりますので、接種をよろしくお願いしたいと思います。

 また、第7波の教訓を生かして、在宅療養者、あるいは高齢者施設等での療養者に対応するため、保健所にコントロールセンターを作りました。さらには、在宅の方に往診、緊急の往診をしていただく医療機関に補助金を出して、在宅療養者でもいざという時に保健所が仲介して診察を受けていただけるなど、必要な人に、必要なときに、必要な治療に結びつく体制を強化しております。


記者

 京都にはたくさんの観光客の方が訪れているかと思います。ライブカメラの充実など、混雑緩和策を取られていますが、効果として見えてきているものはありますか。


市長

 市民の皆さんの安心・安全、旅行者の安心・安全、これを両立させていくことが大事であります。

 コロナ禍の一番厳しい時に二つの取組をしました。2025年に向けて京都観光のビジョンと、京都観光モラル(京都観光行動基準)を作り、多言語で発信しております。

 御質問いただいたように、ビッグデータを徹底して生かして、観光快適度を5段階で多言語発信をしております。混雑する時期、場所を発信し、良い観光の場所でも混雑していれば、観光満足度は低いですよ、こっちに行ったほうがいいですよ、という案内をしております。混雑状況の見える化、ライブカメラを増やし、多言語で発信し、そういう取組の効果はかなり出てきていると思います。

 インバウンドも大きく改善しているようには見えますが、コロナ以前と比べるとまだ少ない。見えている以上に少ないという状況ですので、これからより強化していかなければと思っています。

 もう一つは、感染防止です。これも市民を対象としてきた感染防止対策の徹底を多言語で発信するなどを進めております。

 なお、今朝の発表時点で、人口10万人当たりの新規感染者の1週間平均は、京都府は47都道府県で41番目という状況です。多くの事業者、市民の皆さん、多くの関係者が感染防止等、留意いただいている結果でもあろうかと思います。

 ただ、(人口10万人当たりの新規感染者の1週間平均が)北海道がトップになっているように、寒い時期、感染が急拡大するということがあります。インフルエンザワクチン接種も含めて、市民の皆さんに対応していただくよう、より徹底してまいりたいと考えております。


記者

 11月市会を控え、総額で25億円余りの物価高騰対策の補正予算については、どのような方針で計上されましたか。


市長

 コロナ対策は、これまで市会の理解も得て、度々の補正予算を組むとともに、国の臨時交付金等を有効に活かして取り組んできました。長引くコロナ禍に加え、原油高に端を発する物価高騰もあり、現在、京都の中小企業や個人事業主が極めて厳しい状況にあります。スピード感を持って、また簡潔な手続で早く支援することが必要だということで議論しまして、20億を超える中小企業等物価高騰対策支援金としました。複雑な手続きが必要な補助金ではなく、あえて支援金とし、中小企業、個人事業主、最大4万8,000件の方々に対応できる予算を確保しました。

 その中で、収入が3割減ったところに対する、既に実施しています中小企業等総合支援補助金申請数は約2万2,000件でしたが、この補助金の交付決定を受けた方々には、新たな申請なくプッシュ型で取り組んでいきたい、そうした取組もスピード感を持って、これも議会の議決を得て取り組んでまいります。

 国が第2次補正予算で地方創生臨時交付金も計上するということですが、まだ詳細は分かりません。そのような状況下でも、ありがたいことに、今年の税収見込みが少し上振れしておりますので、その上振れ約9億円を使って、単費ででもやり抜くということで御理解いただきたいと思っております。


記者

 都市計画のパブリックコメントで7割の方が肯定的な評価だったということですが、市長自身の受け止めはいかがでしょうか。


市長

 前市長の時代に、議会の同意の下に全国初の景観政策を実施しましたが、私は市長就任以来、これをしっかりと守ってまちづくりをしてきました。そして、都市格は大きく向上しました。

 しかし、現在の景観政策では、市域全体が保全地域になったかのようなイメージを与えてしまっています。京都市の周辺地域でどんどん高い建物、住宅が提供される。あるいは、他都市でどんどん産業用地が提供される。そういうことで、これが京都の経済の活性化、市民生活の豊かさに影響を及ぼし、人口流出につながっているという議論もあり、多くの市民の方々と課題意識が共有されてきたと感じております。

 もちろん、景観政策は今後も大事です。骨格はしっかりと維持します。しかし、景観政策をしっかりと守っていきつつ、市民生活の豊かさのために、若い人が働く場や住居を求められるために、必要な見直しを行っていこうという市民の皆さんの反応だと思っています。引き続き、しっかりとスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。


記者

 先ほど、コロナ禍に関して、第8波に入ったという認識を示されるとともに、第7波の教訓を活かして取り組みたいとのお話でしたが、具体的に国や府に対してどういった要望をし、感染拡大に備えていかれますか。また、インフルエンザの同時流行の懸念について、どういった形で対策を講じていかれますか。


市長

 やはり、国の取組の影響力というのは大きいものがあります。まず一つは、ワクチン接種の促進、この効果等について強力なメッセージを特に若い人に向けてお願いしたいです。私どももあらゆる広報手段を使って全力で取り組んでいますが、これを改めてお願いしたいと思います。

 さらに、引き続き、必要な財源確保についてもお願いしたいと考えております。

 あと、制度の改革等はすぐにできるものではございませんので、京都府、京都市、医療機関が全力を挙げて、現行の国の制度の中で最大限の効果を発揮できる取組を今進めております。

 特に、リスクの高い方、高齢者等の命を守り抜くことが大事ですので、施設内療養、あるいは在宅療養の方に対して必要な時に必要な医療を受けていただけるよう、保健所に調整チームを設置しています。

 さらに、京都はありがたいことに民間の医療機関が整っております。その医療機関が積極的にコロナに対応しようということを言っていただいていますので、在宅療養者に対して必要な時に訪問看護ができる、介護施設や高齢者施設と連携できる取組を強化しております。

 インフルエンザについても啓発を徹底しております。10月15日から高齢者インフルエンザ予防接種が始まりましたが、10月いっぱいまでの接種率は、まだ正確な数字ではないですが、この過去5年間(接種開始日が異なる令和2年度を除く。)では最高になっています。ありがたいことだと思います。この2年間は日本でインフルエンザが流行しませんでしたが、一方で、オーストラリア等で感染状況が厳しいということも踏まえながら、引き続き、接種の促進に向けてしっかり対応していきたいと思っています。


記者

 都市計画のパブリックコメントについて、公表の時期など今後のスケジュール感を教えていただけますでしょうか。


市長

 2,000件という、ありがたい、うれしい悲鳴が上がる件数の御意見をいただきました。丁寧に見ていきますので、まとめるのに少し時間をいただけたらと思いますが、いずれにしても、今後、来春には都市計画の見直しを実施していきます。パブリックコメントの集計はそれよりも早くまとめ、市民の皆さんと情報共有して、さらなる理解の促進に努めていきたいと考えております。


記者

 今、観光の紅葉の見頃のピークも迎えており、大変大勢の観光客がお見えになっているかと思います。担当課に聞くと、今のところ、まだオーバーツーリズムの状況にはなっていないという認識でしたが、一方で、例えば、市バスに乗りきれない地元の方がおられるという状況が実際に起きつつあります。こうしたオーバーツーリズムに関する現在の認識と、その対策について教えてください。


市長

 市民の皆さんの満足度、観光に来られた方の満足度、そして観光従事者、観光事業者の満足度、この三つを高めていくということを目的にしておりますので、さらなる取組の徹底が大事であると、このように基本的に認識しております。

 ただ、例えば紅葉シーズンの真っ最中に東福寺が混雑するのは戦後間もない時からずっと続いています。京都の人は、その時期には東福寺の周りには行かないようにされる方もおられます。他にも紅葉シーズンの真っ最中に渡月橋がいっぱいになる、祇園祭の時に、宵山、宵々山で混雑するということも京都のまちの特徴で、これらはオーバーツーリズムという概念とは異なると思います。

 年中、特定の場所がいっぱいになるということは避けなければならないですが、コロナ禍の影響で観光客が3分の1、4分の1になっていました高雄では、やっとお客さんが戻ってきたと喜んでおられます。秋の高雄というのは、紅葉シーズンは観光客で一杯になるのが普通の状態であったということです。ですから、「1年間のうち、この1週間が満員になる」という話以前に、もとより、30年、50年前から多くの方が足を運ばれているということです。

 しかし一方で、例えば、伏見稲荷大社は、10年前はお祭りの時以外はほとんど混雑することはなかったですが、近年は年中観光客で混雑しているというケースもあります。

 そこで、私どもは、この間、三つの集中を避けることに注力しています。一つは時期の集中です。これは20年前、11月と2月の観光客数は3.6倍の差がありましたが、コロナ前は1.3倍に平準化されました。

 もう一つは、時間の集中であります。宿泊観光が2割で、日帰りが8割でした。朝観光、夜観光等に取り組み、「泊まってこそ京都」というフレーズの下に新たに旅行会社、観光事業者にも取り組んでいただき、宿泊観光が5割増えて3対7になりました。その結果、お昼から夕方まで混雑し、午後7時になったらガラガラになるという状態が緩和されてきました。

 もう一つ、場所の集中です。これも大きく全体としては改善されてきましたが、インスタ映えという言葉に象徴されるように、人が人を呼び、伏見稲荷大社など、特定の場所に急に行列ができるという現象があります。それらについても、先ほどの観光快適度を5段階評価で、コロナ禍以前は5か月前までのデータに基づいて案内していましたが、現在は2か月前までのデータに基づいて案内して、1か所に集中しない取組をしていきたいと思っています。

 京都のまちは非常に広い。大阪の約4倍あるまちですが、その市域の本当に特定の一部のところに観光客が偏ってしまっているので、これを分散して、色んな方に満足していただくと同時に、観光の効果を京都市域、また府下も含め多くの方に享受していただける取組をなお強力に進めていきたいと思っています。


記者

 市長は、市会、記者会見、また、様々な催しなどの挨拶でも、「都市格」という言葉をよく口にされています。市長の考える、「都市格」とはどういうものでしょうか。また、「都市格を向上する」というのは、どのようなことを意味するのでしょうか。


市長

 私は、「都市格」というのは、都市の持つ明確な理念として、住んでおられる方が快適に住めて、また、そこで学んでおられる方、子育てしておられる方、働いておられる方の満足度が高い、更には、そこを訪ねる人が敬意を払われる、感動される。こういうまちだと思います。

 住んでよし、訪ねてよし、学んでよし、子育てしてよし。その根本には明確な理念がある。京都市は、44年前に世界文化自由都市を宣言しました。都市は人を必要とする。京都は、世界の人々が人種、宗教、社会体制、その違いを超えて平和のうちに京都に集まり、そして、自由な交流の中から新たな文化を創造し、世界の平和と人々の幸せのために貢献する。こうしたことを宣言し、文化を中心とした都市経営を進めてきました。こうした背景も含めた都市格だと思っています。

 また、ウクライナ支援もそうですが、そうした世界の平和に貢献することも含めて、都市格だと考えております。


記者

 京都市京セラ美術館の運営について、リニューアル以降、公費負担が拡大しているという報道がありました。これについて、市長の受け止めと見直しの必要性についてお聞かせください。


市長

 可能な限り効果的かつ効率的な運営に努め、経費の適切な削減に努めてまいりたいと考えています。実際に、令和3年度に決算に比べ、令和4年度予算は、1億円減額しているところです。

 設備面について、リニューアルの際、全面的に改装・増築し、面積は1.7倍となり、また、以前の設備では、館内の展示物に対する温度や湿度の管理の徹底することも難しい状況でしたが、これは改善されました。

 また、美術館は、設備だけでなく人も大事だと考えています。これは、施設そのものだけでなく、キュレーター機能を強化するということです。キュレーター(学芸員)を直接雇用する方法もありますが、その都度、民間事業者に委託し、トップレベルのキュレーターに運営に参画いただく方が効果的である場合もあります。京都での様々な縁、繋がりも活かしながら、もちろん適正な審査のもと、委託先を決めています。そうしたことも含め、積極的な美術館運営をしており、大変評価が高まっています。 

 リニューアルのオープニングの際は、コロナ禍で式典も実施できないという状態での出発でしたが、評価が大きく高まっており、これから文化庁の京都移転も含め、大きな効果を上げてくれると考えております。

 なお、収支について、税金が適正に使われているかどうかといった議論については、収支比率という指標があります。これは、運営総額に対する収入の比率です。東京都美術館は49%、大阪市立美術館が39%、兵庫県立美術館が12%。それに対して、京都市京セラ美術館は非常に高く、68%と、コロナ禍等で厳しい状況の中でも、収入を確保できています。それだけの価値を生み出しているということです。この間も、休日には1万人を超える方にお越しいただいております。

 リニューアル後も様々な模索を繰り返しながら取り組んでいますが、より一層の経費節減を図るとともに、あのすばらしい施設を最大限に活用していく。また、京都市京セラ美術館ならではの、世界を視野にした企画も充実させていく。こういうことが大事です。京都という場所に、非常に歴史のある美術館(国内に現存する最古の公立美術館建築)があり、また、周辺環境も含めて、それらの経済効果は計り知れないものがありますので、経費節減だけに陥らないよう、しっかりと活かしながら、皆様に御理解をいただけるよう努めてまいります。


記者

 昨年度、ふるさと納税の収入額は過去最高を記録されていますが、今年度の手応えや受け止めについてはいかがでしょうか。


市長

 昨年は、一昨年から3.4倍に寄付額が伸びました。今年も現時点で非常に順調だと思っております。

 おせちなどに象徴される京都の食文化が好調です。また、数自体はまだそれほど多くはありませんが、友禅や西陣織の帯などの伝統産業製品も返礼品として、効果的に機能しているのではないかと思っています。

 伝統産業については、依然厳しい状況が続いています。高価なものですので、本来は全国で見本市をしながら、様々な製品を吟味して購入される性質のものですが、コロナ禍以降、なかなかそうした見本市が開催できない状況でした。そんな中で、伝統産業関係者の様々な努力、御協力をいただき、ふるさと納税の返礼品として、非常に価値が高いものが揃っていると思っています。

 また、歌手の石川さゆりさんがデビュー50周年ということで、小山薫堂さんの御協力もあり、記念リサイタルを最高の京友禅を身にまとい歌われました。その京友禅の姉妹品等をふるさと納税の返礼品に加える取組も行っており、そうした発信を通じて、京都市のふるさと納税に御興味をもっていただいていることも嬉しく思っています。

 このように、市として様々な後押しをし、その手応えや効果が出てきていると認識しています。


記者

 行財政改革に取り組まれていますが、依然、公債償還基金の取崩しが続いています。宿泊税や空き家税(非居住住宅利活用促進税)など含め、税収の面で今後の取組をどのように進められますか。観光都市としての強みを税収増に活かしていくなど、新しい課税等はありますか。


市長

 宿泊税は、コロナ以前で42億あったものが、コロナ禍(令和2年)で13億円になり、翌年(令和3年)は16億。今年どれぐらいになるかは分かりませんが、これから伸びていく財源だと思います。

 観光で京都経済は活性化し、更には、観光で雇用が生まれてくるという側面があります。しかし、なかなか税収には跳ね返らないという面もあります。様々な観光地の清掃等に8億円使っています。 しかし、地方交付税としては、これは700万円程度でしか見られていません。国にこうした実態とかけ離れた制度を改革するよう要望しています。その際には、宿泊税は非常に貴重な財源になっていくと考えております。

 空き家等の利活用については、あくまでも税収を求めているものではありません。空き家を有効に活用していくことが主旨です。それで税収が増えるという部分も、大部分を空き家の利活用に活かしてまいります。相続の関係等で、「ほとんど使わないが、セカンドハウスとして置いておけばよい。」というケースが多いですが、それはコミュニティ活性化の点からも問題があります。また、京都は市街地面積が非常に少ないということもあるため、積極的に空き家を活用していただくことが大事です。それを奨励するための制度でもあります。全国で初めて実施するわけですが、そのうちに全国のモデルになるのではと思っています。これは、財政危機だからやるということではなく、財政危機とは次元の違う話ですので、御理解を賜りたいと思います。


記者

 京都市の公園整備についてお伺いします。老朽化した公園が200個ぐらいあり、再整備もままならない状況にあると担当課にお伺いました。これについて、市長のお考えと今後の方針についてお伺いします。


市長

 本市では、900を超える公園を管理、運営しています。国の補助もいただきながら整備していますが、国の補助も要件が非常に厳しく、少ない。そんな中で、重要なのは、安心・安全、更には、清潔な環境です。これは全ての公園に全力で取り組んでいます。リニューアルしていくことについては、900もの公園ですので、年次計画的に行っていかなければなりません。あくまでも安心・安全を全体として最優先課題にしているということです。包摂性のある公園を作っていく取組も今進めております。また、Park-PFI(公募設置管理制度)を国が新しく制度を作られましたので、民間企業との連携によって、公園の一角にそのお店などを作り、公園全体を活性化していくような取組も実証実験等を進めております。更には、公園のネーミングライツも推奨していきたいなと思っています。例えば、地域の信頼ある企業が、5年ないし10年間など、いくらかのお金を出すと、その代わりに公園の名前を付けられる。こういう方式も含めて、皆で知恵を出し合いながら、公園の活性化を進めてまいりたいと考えています。


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