門川市長臨時記者会見(2021年2月12日)
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2021年3月1日
京都大学医学部附属病院との包括連携協定に基づく「高齢者施設検疫モデル」の対象拡大及びPCR検査の実施について
市長
医療関係者,福祉関係者はじめ,多くの方々の献身的な御尽力によって,この間,新規感染者は大きく減少してきました。しかし,早期収束へ,これからが一番大事な時期であります。より一層,感染拡大防止のための基本の徹底,新しい生活スタイルの徹底。さらに,事業者等におけるガイドラインの遵守等を要請していきたいと思います。
京都において,なお緊急事態宣言が延長されている。そのことをしっかりと私どもは認識して全力を挙げていきたい。
本市では,京都大学医学部附属病院と昨年11月に包括連携協定を結び,「高齢者施設検疫モデル」の実施を進めてまいりました。
この間,高齢者福祉施設で感染拡大,クラスターの発生がとりわけ1月以後,急増してきました。この数日落ち着いてきていますが,重症化リスクの高い高齢者,また基礎疾患をお持ちの方が多い高齢者の,いのちと健康を守っていく。極めて重要であります。
そんな中で国からも,高齢者施設の職員に対する検疫,PCR検査等の新たな方針を示されたところです。そこで,本市では,京都大学医学部附属病院の協力のもとに,「高齢者施設検疫モデル」を拡充していきたいと考えております。
1つは,モデル施設において,新規入所者の入所前2週間,徹底して感染防止の行動をしていただく。自己隔離を2週間していただき,そして入所される時にウイルスを持ち込まない。そして,入所の段階でPCR検査を実施するということを進めてまいりましたが,それを494の入所系の高齢者施設すべてで実施してまいります。
次に,494施設の職員について,京都大学医学部附属病院と施設の協力のもとに,全員のPCR検査を実施していく。今,全力で体制を確立していますが,早ければ2月下旬から実施し,3月中には全職員のPCR検査を完了したいと考えております。検査対象者は推定17,000人です。なお,高齢者福祉施設で,その他の入所者についても,PCR検査を実施したい希望がある施設については協議し,希望に応じていきたいと考えています。
高齢者のいのち,健康を徹底して守るために,施設はもとより,京都大学医学部附属病院等々と連携をさらに強化して取り組んでまいりたい。
なお,検査することが目的ではございません。この間の高齢者福祉施設における感染,あるいはクラスターの発生の時に,職員がウイルスを施設内に持ち込んでいるという事例があります。喉が痛い,倦怠感がある。しかし,出勤されていた。新しい生活スタイルに多くの方が懸命に努力されている中でも,一部,一時に気の緩みがあったということがあります。
したがって,京都大学医学部附属病院と協定を結んで,関係者の協力のもとに,この間オンライン研修を実施してきました。
さらに,度々京都市から施設に対して,新しい生活スタイルの徹底,施設内にウイルスを持ち込まないという取り組みを進めてきました。
今回,全員のPCR検査を実施するにあたり,まず,お一人おひとりが感染防止に留意する。そして,施設内にウイルスを持ち込まないという取り組みを徹底した上で,PCR検査の準備をし,全員のPCR検査を実施する。
こうした取り組みを進め,高齢者施設における感染を起こさない。こうした取り組みを皆さんと全力投球したいと考えております。
質疑応答
記者
PCR検査の回数は1人1回でしょうか。また,その後の継続的な検査は実施されますか。
市長
まずは,1回の検査を,3月中に実施したい。その後は,状況に応じて検討します。極端に言うと,検査はその時陰性でも,翌日陽性になるかもしれません。そのため,今回は検査そのものが目的ではなく,一番大事なのは新しい生活スタイルを毎日徹底いただくことだと考えています。PCR検査を実施することで,新しい生活スタイルを一人ひとりが徹底していただくきっかけとしていただきたい。もちろん,必要に応じて複数回実施する場合もあります。
記者
1回の検査について,どれほど効果があるのかという疑問もある中で,国からの高齢者施設職員等への検査の集中的実施についての要請には,どのようにお考えでしょうか。
市長
全国的に,入所系の高齢者福祉施設で,特に1月以降,新型コロナウイルスの感染者が激増しているという状況のもとに,国が判断し,2月上旬に通知されたと承知しています。京都市でもしっかりと現状を把握し,体制を整えながら,本日こうして発表した次第です。
記者
今回,入所系が対象ということですが,デイサービス等の通所系についてはいかがお考えですか。
市長
もちろん通所系の施設でも,感染は起こっており,感染拡大防止の徹底は不可欠です。ただ,24時間生活を共にされる入所系のところは更にリスクが高いという事実もあります。国からも,入所系施設のリスクが非常に高いということでした。そうしたことから,494施設全てに対してPCR検査を実施していくこととしています。
記者
検査はすべて京大病院で担われるのでしょうか。
市長
はい。この検査は京大病院で担っていただくということで合意いただけました。
記者
一人1回の検査とすると,検査回数は約17,000回ということでしょうか。
市長
そうですね。加えて,施設によっては,この機会に全入所者の検査をしたいという希望があれば,応じていきたいと考えています。ただし,御高齢の方々ですので,検査体制としては,施設の方でも相当準備していただかなければならない部分もあります。全施設の入所者を定員で計算すると,約25,000人。もし施設職員から,PCR検査で陽性が出たら,施設内の全入所者への検査を希望する場合も想定されます。
記者
PCR検査の結果,入所希望者・入所者から陽性が出た場合,無症状だが介護が必要となる場合も想定されます。そうなると,どこに隔離するのかも難しくなると思います。どういった対策をされるのでしょうか。
市長
基本は,国や京都府の基準に基づき,入院していただきます。入院希望が同時に多数あるなど,様々な条件によって,京都府の入院医療コントロールセンターが入院先について判断します。また,施設内の動線を分ける,スタッフの応援体制を強化する,など個別に判断する必要となることもあります。現時点では,新規感染が少し減少してはいますが,医療体制のさらなる充実も含め,総合的に取り組んでいかなければならない課題だと思います。
記者
陽性と出た方が,無症状であった場合,病的な何かが無ければ入院させてもらえないということでしょうか。
市長
年齢や既往症などを踏まえての判断となります。
記者
入所者の中には,身寄りがない方や,家族で面倒を見られない方も想定されますが,陽性の方が,入院基準を満たさなかった場合はどうなるのでしょうか。
市長
施設内で十分にゾーン分けをして,感染防止対策を徹底していただくことになります。医療スタッフを充実するなど,施設内での取り組んでいただくこともあるでしょう。
記者
今回の拡充の財源はどのようにして御準備されるのでしょうか。
市長
今回,京大病院の全面的協力で成り立っているわけですが,予算についての単価の協議はまだ終えていません。なお,半額は行政検査として国費でまかないます。予算を確保して,事業を実施するのが鉄則ですが,今回はまず実施するということになりました。予算規模については,恐れ入りますがもう少し待っていただきたい。議会にも説明させていただき,予備費でまず実施していきたいと考えております。
記者
検査対象に,既入所者を最初から対象と設定しないのはなぜでしょうか。
市長
ウイルスを施設内に持ち込まないということが一番大事という認識のもと,新規入所者とその施設の全職員を重点に対象を設定しました。しかし,推移を見ながら,施設が既に入所されている方に検査をしたいという希望については応じてまいります。これも例えば,この1~2週間以内に入所された方とか,1~2年入所されている方とか,様々なパターンがあります。その施設内での感染の状況もあります。そこは,柔軟に考えてまいります。
記者
「全部を検査することが,そもそも良いのかどうかということもある」という御説明でしたが,それでも今回,一斉に検査するということになったのは,やはり国からの通知がきっかけなのでしょうか。
市長
国の通知もある中で,この機会にと決断しました。2月2日の市のコロナ対策本部会議でも,この間の高齢者施設でのクラスター発生の要因分析を徹底して実施していたことを発表したところです。それ以後も,高齢者施設の関係者等とも協議しており,徹底した感染防止対策を一人ひとりの職員が実行し,またPCR検査をこの機会に一斉にした方が良いのではないかという御意見もありました。しかし,ただ単に検査するだけでは,感染防止にならない。既に11月1日から京大病院と包括連携協定を結んでおりますので,それを活かしていく。新規入所者は2週間の自己隔離,さらに,職員についてはオンライン研修,新しい生活スタイルの徹底,こうした指導を拡大して行ってまいります。その一環として,PCR検査も実施するということです。
記者
予算の件はこれからとのお話でしたが,京都府との兼ね合いや,予算措置等を要望していくなどありますか。
市長
半額は国費,半額は京都市の予算,臨時交付金を充てて実施する予定です。
記者
高齢者施設のクラスター発生状況を見ていても,入所系の施設が多いものの,通所系の施設でもクラスターは発生しています。通所系の事業者や,そこに通われている方,御家族から,PCR検査をやってほしいという声が予想されますがどうお考えでしょうか。
市長
市内の入所系施設は494施設。それに対して,通所系施設数はおよそ10倍。そして,関係者の皆様の努力で,入所系と比べれば抑えられている状況であり,国も同様に入所系に重点を置かれているという認識です。京都市では,保健所の体制の強化,徹底して疫学調査を行い,一人でも感染者が出た場合には,感染の可能性がある人にPCR検査を実施しています。繰り返しPCR検査を実施している例もあります。引き続きそうした取組を充実させていきたいと考えております。
記者会見資料
記者会見動画
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