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門川市長臨時記者会見(2021年2月3日)

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2021年2月19日

令和3年度予算案の概要

 コロナ禍で厳しい状況にある市民の皆様の,いのちと健康を守り抜く,市民生活,地域企業,中小企業の経営や暮らしを守り抜く。同時に,厳しい財政のもとで,将来にわたって持続可能なまちづくりへの道筋をつける。この両立が極めて大事であります。そして,京都の今と未来に責任を果たすため,全庁一丸となって議論に議論を重ねて,予算編成にあたりました。本日は,その概要がまとまりましたので,御説明致します。

【予算編成方針】

 それでは資料の1ページを御覧ください。はじめに,予算編成に当たって,私の考え方を申し上げます。令和3年度予算は,コロナ禍と財政危機,この「2つの危機」に対して,京都の今と未来を見据え,市民の皆様の命と暮らしを守り抜く予算であります。これまで市民・事業者の皆様,市会議員の先生方とともにつくりあげてきた,安心安全で,活力と魅力あふれる京都を将来にわたって継承・発展させる。そして,徹底した市民ぐるみの議論のもと練り上げた新たな基本計画「はばたけ未来へ京プラン 2025」に掲げる京都の未来像を実現するため,行財政改革をこれまで以上に徹底します。同時に,国の経済対策と歩調を合わせ,切れ目のないコロナ対策と,防災・減災対策などについて,令和2年度2月補正予算と一体的に編成いたしました。昨年秋の試算で500億円もの巨額の収支不足が見込まれ,このままでは令和8年度に財政再生団体になってしまいかねないという危機的な状況であったことから,絶対に財政再生団体にならないという決意のもとに,この状況を公表し,市民の皆様への説明責任を果たすと同時に,今後3年間を,集中改革期間と位置付け,私自身が抜本的な改革を決断,実行する,その不退転の決意と覚悟を昨年末にお示ししました。そして,改革の検討過程を透明化し,市民の皆様からの御意見をいただくとともに,市会において活発な御議論をいただくため,予算編成に先行して,今後の改革の視点を6つ,お示ししたところです。令和3年度予算は,この6つの視点のもと,全庁を挙げて議論を重ね,215億円の財源を捻出しました。これは,平成14年度及び平成15年度の財政非常事態宣言時における財源捻出額の約2倍に相当しております。そうした改革の取組を進め,昨年10月に500億円と見込まれていた収支不足を236億円まで圧縮したものの,なお残る収支不足については,公債償還基金の取崩し181億円を含む特別の財源対策を講じざるを得ず,引き続き,危機感を持って,更に大きな改革に取り組まなければなりません。今回の予算案は,その第一弾となるものです。なお,収支不足の詳細は,6ページに記載しております。

 2ページを御覧ください。それでは,これからの改革の大きな視点,6点に基づいて御説明申し上げます。まず1つ目の視点「将来にわたって全ての世代が安心安全で暮らしやすい,魅力や活力あるまちづくり」です。現在,コロナ禍で厳しい状況にある市民生活,地域企業・中小企業等の下支えが喫緊の課題であり,総額2,739億円を計上し,ワクチン接種,施設の感染防止対策や,PCR検査体制,保健所体制のさらなる充実とともに中小企業の経営を守るために無利子・無担保融資の限度額引き上げなど実施いたします。また,きめ細かい相談体制の充実などに万全を期してまいります。なお,新型コロナ対策の事業の概要につきましては,資料の24ページ・25ページに記載しております。同時に,今と未来の京都に対して責任を果たすため,京都経済の原動力である,地域企業,中小企業のデジタル化支援,首都圏企業等の京都への投資喚起など京都経済の回復・持続的発展と都市の活力を創造する取組にスピード感を持って着手してまいります。そして,将来の市民生活に豊かさをもたらし,担税力の強化につなげてまいります。

 次に,2つ目の視点「市民のいのちと暮らしを守るために真に必要な施策を持続可能なものとして実施するための事業見直し」です。全庁を挙げて寄付の増収に取り組んできた,ふるさと納税寄付金収入が大きく数字を伸ばし,今年度は,前年度2億5千5百万円の7倍となる,18億円の見込みです。厳しい状況にある京都の伝統産業,あるいは京都が誇る食文化等の振興にも役立つものとなりました。令和3年度は42億円と,倍以上の高い目標を掲げ,引き続き,全庁を挙げて取り組んでまいります。3ページを御覧ください。スクラップアンドビルドによる財源捻出,補助金・支援金については,大胆に取り組んでまいります。補助金・支援金については,社会情勢の変化,政策目的の達成状況,効果の再検証を踏まえた見直しを行いました。特に京都市においては,国や他都市で施策が実施されていない昭和の時期等に全国トップ水準の福祉・子育て支援施策を独自に先駆けて,実施してまいりました。私が市長就任後も維持,向上させてまいりました。これらについて,その後,国制度が充実されてきたにもかかわらず,国施策と調整を行わずに,そのまま積み上げてきたことを踏まえて,見直しに着手してまいります。持続可能なものになるように,この機会に見直さなければと思っています。一方で,現下の課題に対し,補助金の手法が効果的・効率的なものについては,原則,終期を設定したうえで,新たな補助事業を創設し,支援してまいります。また,イベントについては,令和3年度は本市主催イベント全て,休廃止又は本市の財政負担ゼロで実施してまいります。さらに,共催,実行委員会形式のイベントについても,休廃止や可能な限りの経費縮減を行ってまいります。これにより,コロナ禍の下,限られた人員を市民のいのちと暮らしを守る事業に重点的に振り向けてまいります。これからの一年はワクチンの接種,これをあらゆるマンパワーをいかして取り組んでいく。これも極めて大事な取り組みであります。同時に,この機会にイベントそのものの本来の目的,効果等についても検証する,立ち止まって考えてみる,そんな機会にしたいと考えています。

 4ページを御覧ください。次に,3つ目の視点,「投資事業の選択と集中」です。極めて厳しい財政状況の中にあっても,市民のいのちを守る防災・減災対策や子育て・教育環境の充実のための予算はしっかりと確保してまいります。また,文化庁の京都への全面移転を控える中,「世界の文化首都・京都」としての都市格の向上,文化による社会・経済の活性化,社会的課題の解決につながるその重要な施策として,芸術大学移転整備事業についても,着実に推進いたします。市民の安心安全を確保するため,市営住宅団地再生事業,地域リハビリテーション推進センター,こころの健康増進センター,児童福祉センターの3施設一体化整備事業を進めるとともに,投資に要した本市負担を中長期的に回収するため,ライフサイクルコスト,運営経費の縮減や,地域活性化につながる跡地活用を進めてまいります。一方,令和3年度からの3年間は,持続可能な財政運営に道筋をつけるための,特に重要な期間であります。昨年末にお示しした,新規着工など事業費が増大する見込みの14事業については,少なくともこの3年間,予算計上を見送ることとしております。あわせて,毎年一定規模で実施してきた施設整備等の事業であっても前例に捉われず,予算計上見送りも含め,進捗計画を可能な限り見直しております。なお,国庫補助事業については,国と調整し対応してまいります。

 次に,4つ目の視点,「公共施設の適正管理・受益者負担の適正化」です。道路占用料など3件の料金改定のほか,市営住宅の公募戸数の最適化,南部クリーンセンターの運営費の減,土地売却など資産の有効活用などにより,計24億円の財源を捻出しました。5ページを御覧ください。CO2排出量削減,経費節減の観点から,施設の照明のLED化も,順次,進めてまいります。

 次に,5つ目の視点,「連結の視点(繰出金)」です。一般会計の危機的な財政状況を踏まえ,公共下水道事業に対し,出資金を休止するなど,一般会計の負担を34億円縮減しました。これに伴い公共下水道事業の資金収支が一時的に厳しくなりますが,将来の施設事業費の見直しにより,中長期的に収支均衡を目指してまいります。また,国民健康保険事業についてもこの間の黒字を活用し,保険料率は据え置きつつ,一般会計からの財政支援を18億円縮減しました。

 最後に,6つ目の視点,「組織・人員体制・人件費の適正化」です。職員数の削減や,時間外勤務の縮減,職員の給与減額により,令和3年度から5年度の3年間で,100億円以上を捻出します。令和3年度については,必要な執行体制は確保する。増員の必要なところには増員する。そして,創意工夫をこらして業務量の減少が確実に見込める部分については削減する。そして全体として職員数を88人削減するほか,業務の見直しや徹底的な働き方改革を進め,時間外勤務を縮減いたします。また,危機的な財政状況にあっても,災害・新型コロナなどの緊急事態に際して,機動的に市民の皆様のいのちと暮らしを守る財源を確保するため,臨時的な措置として,職員の理解と協力を得て,給与カットにより14億円を捻出しました。なお,3年間で50億円の捻出をします。これを災害救助基金に6.4億円,財政調整基金に7.4億円積立て,災害や新型コロナなど緊急の事態に備えてまいります。職員の協力に感謝します。

 6ページの公債償還基金の取崩しの状況は,先ほどの説明のとおりです。次に,7ページ及び8ページを御覧ください。公債償還基金の枯渇が令和8年度に迫る中,令和3年度から3年間の集中改革期間で大胆な改革を断行するとともに,最低限のラインとしている基金残高,令和7年度に1,000億円を確保し,何としてでも基金の枯渇を回避しなければなりません。また,それが終わりではありません。併せて,京都の強みを生かした経済の活性化等による歳入増加にも取り組み,歳出・歳入,双方の改革により早期に公債償還基金取崩しから脱却してまいります。こうした見通しのもと,令和7年度に公債償還基金の残高を1,000億円以上確保するためには,5年間累計で,1,630億円の改革が必要です。今回の令和3年度の改革により,財源捻出額は累計で631億円,令和4年度以降4年間で必要となる改革は累計で760億円となります。今後,改革に取り組むにあたっては,単年度の財源捻出だけではなく,後年度にも効果が継続する財源捻出策を早期に実行していかなければなりません。市民の皆様への説明や,市会における徹底した議論,そして関係団体との調整に一定の期間が必要になってまいります。そのため,令和3年度予算に反映させていない補助金の総点検や施設使用料の改定,敬老乗車証のあり方検討などにつきましても,現在持続可能な行財政審議会におきまして開かれた場で議論をしていただいております。3月に答申をいただく予定でございます。その答申に基づきまして,行財政改革計画の案を作り,市民意見を募集しまして,それを反映させ策定する「行財政改革計画」を通じて,早期に策定し,令和4年度予算から反映させてまいります。

【重点施策】

 それでは重点政策を御説明させていただきます。9ページを御覧ください。ここからは,令和3年度の主な重点施策についてです。私からは,9つの柱毎に,大きな考え方や概要を御説明させていただきます。

 10ページを御覧ください。1つ目は,多様な文化を創造・発信する「世界の文化首都・京都戦略」です。コロナ禍のもとで,文化芸術が不要不急のような雰囲気もあります。しかし,多くの市民・国民の皆様,また私も,ウイズコロナ社会において,人間が人間らしく,生き生きと生活していくためには,必要不可欠なものと考えています。そのために,文化芸術関係者の表現の場を作っていく。文化芸術関係者に対する相談窓口や民間資金を活用した支援など,厳しい社会経済情勢にあっても,持続的に文化芸術の振興を図る仕組みを構築してまいります。また,文化庁の京都への全面的移転や「大阪・関西万博」を見据え,文化を基軸としたまちづくりを更に加速させます。京都の強みである文化を共生社会の実現や担い手育成,まちの活性化,経済の持続的発展につなげる施策を展開し,市民生活の豊かさにつなげてまいります。

 11ページを御覧ください。2つ目は,都市環境と価値観の転換を図る「脱炭素・自然共生・循環型まちづくり戦略」です。2050年CO2正味ゼロへの挑戦,その取組が産学公連携により,新たなイノベーションを起こす。スタートアップの契機にもなる。京都議定書誕生の地,パリ協定実行のためのIPCC京都ガイドライン採択の地である京都市は,その大きなポテンシャルを持った都市であります。昨年5月に全国のトップをきって,2050年CO2ゼロを京都市は宣言しました。それが全国に広がり,226の自治体で宣言され,9000万人以上の国民がその宣言下に暮らしておられ,さらに国の方針ともなりました。その新たなスタートとして脱炭素社会の実現に覚悟を持って取り組まなければなりません。昨年12月に改正した地球温暖化対策条例に,そのことを明記しております。環境と調和した持続可能な社会を目指し,地球温暖化対策,生物多様性保全,ごみ減量等の課題に対して,市民,事業者,地域団体,行政等のオール京都で,これまでの延長にとどまらない取組を実践してまいります。

 12ページを御覧ください。3つ目は,京都ならではのはぐくみ文化が広がる担い手成長支援戦略です。京都の歴史において,最大の危機は明治維新だったとも言われています。その危機の中で,京都の先人たちは,ただ下を向いて嘆くのではなく,「まちづくりは人づくりから」,「子どもさえしっかり育てれば,京都の未来は明るい」という信念のもと,行動しました。今,まさにその精神が求められています。そのために,妊娠前から子ども・若者までの切れ目のない支援を更に推進するとともに,地域や社会全体で子育てを支援する環境や,障害等で支援が必要な子どもの学びの環境を充実させてまいります。また,コロナ禍の中,子育て支援の現場に対して,必要な物資の支援を行うとともに,イベント見直しにより業務負担の軽減を図ってまいります。同時に,これまで国の制度が不十分であった昭和の時代から,民間保育所の保育水準の充実に大きく貢献してきた本市独自の給与等運用事業補助金について,この間,国の制度が充実されていることを踏まえ,令和4年度以降,持続可能な制度となるよう見直しを行ってまいります。

 14ページを御覧ください。4つ目は,人生100年時代に対応する「地域力・福祉力を高めて支え合うまちづくり戦略」です。「誰ひとり取り残さない」SDGsの理念の実現が極めて重要であります。本年1月の全国紙の調査において,京都が前回の1位についで2位という高い評価もいただいております。コロナ禍により,貧困,孤立,格差など,様々な社会的課題が顕在化し,あるいは,加速しております。厳しい状況にある市民の命と健康を守るための,保健・医療,セーフティネットにかかる予算は最大限確保いたします。また,障害や疾病等で支援が必要な方を含め,すべての人が地域社会で支え合い,安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。さらに,子どもからお年寄りまで,すべての世代が笑顔でいきいきと健やかに暮らせる「健康長寿のまち・京都」の実現に向け,京都ならではの地域や人とのつながりの中で,市民が主役となって,楽しみながら健康づくりに取り組む仕組みを,民間企業や大学とも連携し,構築いたします。同時に,敬老乗車証については,今後ますます進む高齢化社会を見据え,受益と負担の状況や,制度の維持に必要な税負担などを,市民の皆様に丁寧に説明し,持続可能な制度となるよう,在り方を検討してまいります。

 16ページを御覧ください。5つ目は,いのちとくらしを守り,都市の活力を支える「強靭なインフラ整備戦略」です。市民の命と暮らしを守るため,激甚化・多様化する自然災害に対する防災・減災対策は急務であります。投資的経費の総額を抑制する中にあっても,橋りょうの耐震補強・老朽化修繕や緊急輸送道路等の防災対策,雨に強いまちづくりなどは着実に進めてまいります。併せて,市民,地域団体,事業者,行政等の多様な主体のそれぞれが的確な行動を取り,相互に連携・協働するための,より効果的な情報伝達体制を構築し,都市のレジリエンスを向上させ,あらゆる危機にしなやかに強く対応できるまちを目指してまいります。

 17ページを御覧ください。6つ目は,歩いて楽しい持続可能な都市を構築する「土地・空間利用と都市機能配置戦略」です。コロナ禍により,公共交通事業者の経営が悪化し,路線の減便や撤退等が危惧される中,市民の日常生活の移動手段を守るための支援を行ってまいります。そして,146万人の京都市民の皆様の暮らしを支える公共交通機関として,地下鉄・市バスも,重要な役割を担っています。コロナ禍で,厳しい状況でありますが,市民の皆様の足である地下鉄と市バスを守り抜き,また,まちづくりやあらゆる施策にも活かすため,私は責任を持って持続可能な運営に取り組んでまいります。また,多様な地域で受け継がれてきた伝統や文化などの資源や特性を生かし,まちの魅力をさらに高めていくため,オフィスや産業用地などの創出,若年・子育て層の定住促進,民間活力を導入した公園の利活用の推進など,都市の魅力につながる積極的な土地利用などを図り,市民の豊かなくらし・活動を支え,新たな価値を創造する持続可能な都市の構築を目指してまいります。

 19ページを御覧ください。7つ目は,京都の文化,知恵を生かした「社会・経済価値創造戦略」です。新型コロナの影響が長期化する中,伝統産業,観光関連産業をはじめ,企業の業態や規模を問わず,多くの事業者の皆様が売上や受注の減少,雇用の維持に苦しまれています。危機的な状況をなんとしても乗り越えていかなければなりません。まずは感染拡大防止早期収束が,最大の経済対策と考えています。同時に,事業継続と雇用を守ることも私の使命であります。地域企業・中小企業が危機的状況を乗り越えられるよう,国の事業とも連携いたしまして,相談体制や融資制度の充実など徹底した支援を行ってまいります。加えて,このような危機的な状況においても,SDGsや社会的課題を解決する新しい産業やビジネスの創出を推進してまいります。さらに,ウイズコロナ・アフターコロナ社会においても,京都の魅力や可能性について,首都圏を含め,幅広く発信するとともに,企業誘致や投資への取組を抜本的に強化してまいります。

 21ページを御覧ください。8つ目は,市民生活の豊かさと文化の継承・創造につなげる「観光の京都モデル構築・発信戦略」です。今後の京都観光は,コロナ以前に戻すのではなく,市民生活や地域文化をより重視し,市民の皆様が豊かさを感じられる持続可能な観光へ進化させなければなりません。コロナ禍により観光客数が減少し,幅広い産業が甚大な影響を受けています。観光がこれほど京都経済に,また雇用に大きな影響を与えていたのかと,多くの市民の皆様が今実感されている時でもございます。この未曽有の危機からの回復を目指すとともに,様々な観光課題が発生していた新型コロナウイルス感染拡大前の姿に戻すのではなく,市民の暮らしの豊かさの向上や地域や社会の課題解決など,SDGsの達成に貢献し,様々な危機や環境問題に対応していく持続可能な観光の実現に向けて取り組んでまいります。

 22ページを御覧ください。9つ目は,基本計画を進めていくための基盤となる「行政経営の大綱」です。コロナ禍や財政危機の中にあってこそ,SDGsの達成,誰ひとり取り残さない持続可能な社会の構築が求められております。多様な市民のニーズや新たな課題に的確かつ迅速に対応できるよう,市民,地域団体,NPO,民間企業,大学,行政等の多様な主体の参加と協働によるまちづくりを一層推進するとともに,市民サービスの向上と事務の効率化につながる行政の人にやさしいデジタル化を進めてまいります。

 24ページを御覧ください。参考としまして,令和3年度予算における新型コロナ対策の概要を記載しております。感染拡大防止の取組,京都経済・市民生活の下支えに,しっかりと取り組んでまいります。

 また,26ページには,主な府市協調事業などを記載しております。新型コロナの対策をはじめ,地域気候変動センターの創設など,構想段階からこれまで以上に,府市協調で積極的に取り組んでおります。また,法的根拠なく,京都市だけが除かれる,又は補助率等が他の府下市町村と差をつけられている事業について,西脇知事と話し合いをしたところ,解消への方向性を示されました。来年度から着実に実現していただけると確信しております。そうした課題解決とともに,文化・産業の振興,安心安全など,京都全体に効果をもたらす府市協調の新たなステージへと進化させてまいります。

【令和3年度の予算規模と財源不足の状況】

 27ページを御覧ください。ただいま御説明いたしました施策を盛り込んだ令和3年度予算の規模は,特別会計,公営企業会計も含めた全会計で1兆8,877億円,一般会計で1兆5億円となります。28ページを御覧ください。国が返済に責任を持つ臨時財政対策債を除く実質市債残高は着実に縮減しております。将来世代に負担を先送りしない,これが私の一つの理念であります。全会計の実質市債残高は1兆6,528億円,前年度比55億円の減,一般会計については,8,722億円,前年度比13億円の減となっております。私の市長就任以降,平成19年度末と比較すると全会計で3,375億円,17%の減,一般会計で1,047億円,11%の減であります。私からの説明は以上です。

 これらの取組を盛り込んだ来年度予算案について,2月市会に提案し,御審議いただくことになります。京都の1000年を超える歴史。これは,天変地異,疫病,応仁の乱や明治維新と,度重なる危機を町衆,市民の皆様と,その時々の為政者が真正面から対峙して,克服し,より魅力的なまちづくりを進めてまいりました。まさにレジリエンスを実現してきた歴史であります。この「コロナ禍」と「財政危機」にしっかりと,市民の皆様と,議会と向き合い,そして京都をより魅力的な街に発展させていく。その決意のもとに,皆様とともに取り組んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

質疑応答(摘録)

記者

 令和3年度で215億円捻出するために,補助金やイベント等を見直すとのことですが,事業者等からの理解は得られるのですか。またどのように説明していくのですか。

市長

 市民の皆様に実情を丁寧に説明し,そして,京都の未来について共に考え,解決策を見つけ実行していく。これが極めて大事であります。そして,年末に私の決意と視点を申し上げ,この間,コロナ禍の厳しい状況の中ではありますが,その都度,様々な場で説明させていただきました。厳しい御意見もある一方で,これを乗り越えて,改革していかなければならないとの声も多数伺っております。改めて,京都の市民の皆様の,また企業や経済関係の皆様の高い志に感銘を受けております。もちろん,厳しい批判も受けております。何よりも,実情をしっかりと御説明し,そして,英知を集めていく。これからの世代に,しっかりと京都の魅力を持続可能なものにして,繋いでいく。このことについては,誰も異論がございません。そうした取組に全力を傾けていきたいと思います。

 

記者

 コロナ禍で,行政の業務は増えると思いますが,実際に88人削減することは実現可能なのですか。

市長 

 例えば8月以降,「80・50問題」の対策として,20名を超える増員もしてきております。前にも御説明したと思いますが,京都市は,人口100万人都市の中で,人口1万人あたりで最も多い保健師を配置しております。「誰ひとり取り残さない」,そんな取組も進めてまいりました。必要な所に,必要な人員を配置しながら,一方で,ICTや民間活力を活用し人員を削減する。その差が88という人数であります。確実なところを見込んでおります。しっかりと取り組んでいきたいと思います。

 

記者

 今回の会見では,まず財源捻出について説明されました。215億円を捻出した一方で,コロナ禍ということもあり,一般会計は1兆円を超え過去最大規模となっています。捻出されたにもかかわらず,これだけの歳出額になったことについては,どのようにお考えですか。

市長

 本来なら,まず事業を説明した後に,その財源について説明するのが普通です。今回は,昨年秋に,財政危機で500億円不足するという状況を説明した以降の経過を申し上げたうえで,令和3年度予算では財政危機の中であっても取り組まなければならないものについて,焦点化して取り組むという決意を説明させていただきました。コロナ禍のもとで,命と暮らしを守るために必要なもの。さらに,災害が続発している中で,止めてはならないもの。例えば,京都は高速道路が縦貫しておりません。大きな地震が起これば,災害救助隊も全て一般道を通ってきます。その時に,一本の橋が潰れていたら,そこで救助隊や支援物資も止まってしまいます。東日本大震災後,計画を立てて取り組んでおりますが,こうした取組は絶対におろそかにできません。あるいは,治水対策や河川整備。止めてはならないものはしっかりと推進していきます。この決意のもとに,予算を編成しました。ただ,予算の規模としては,中小企業の支援のための預託金2300億円が影響しております。それを除くと,それほど大きな増額ではありません。除けば全会計で1兆6,577億円,一般会計で7,705億円です。

 

記者  

 財源を捻出する一方で,公債償還基金を約180億円取り崩すことになりましが,これについての市長のお考えをお聞かせください。

市長

 最大限,特別な財源対策,公債償還基金の取り崩しを減らすというのが大きなテーマであり,全力を挙げました。先程も申し上げましたが,平成14年,15年当時の約2倍の財源を捻出しました。しかし,このような予算編成となってしまった要因の1つは,コロナ禍において,市民の安心安全のために止めることができない事業や,様々な福祉施策などについて,きめ細かく配慮したことです。また,集中改革期間5年間のうち,特に3年間が重要です。この間,持続可能な行財政審議会において,公開の場で議論いただいております。答申を3月に受理した後に,その答申に基づく改革案をまとめ,パブリックコメントをする。これが私の基本姿勢です。本格的な改革は,そこから新たにスタートすると言っても過言ではありません。したがって,今は緊急事態であるため,やれることは最大限実行する。同時に,制度本来の在り方も含めた議論は,関係団体も含めてしなければならない。これには一定の時間が掛かります。そのため,それらを反映させていくのは令和4年度以降の予算となります。より一層,改革にスピード感を持って実行してまいります。そして,当面は,基金の取り崩し額を更に縮減していくことが大事だと認識しております。

 

記者

 年末年始において,自宅療養中に亡くなられた方がおられました。その対策予算は盛り込まれてるのでしょうか。また,現在の自宅療養者の状況についての受け止めも教えてください。

市長

 来年度予算は4月からであり,それでは間に合いません。例えば,保健師の体制強化は,直ちに行います。この後の新型コロナウイルス感染症対策本部会議で具体的な内容を確認していきたいと思います。自宅療養者の問題は大きな課題であります。京都府にも率直にお願いし,病床を拡充いただいています。私どもも,これまでから自宅療養者に対するフォローアップに取り組んでおりますが,更に充実強化を検討していきたいと考えております。

 

記者

 コロナ禍ということもありますが,過去最大の公債償還基金の取り崩し額となっています。市税の減収分については地方交付税の充当があるにもかかわらず,これだけ収支が合わないことの要因はどのようにお考えですか。

市長

 コロナ禍における対策など,必要な施策は確実に実施するということを大事にしました。財政改革では,短期でできることと,中長期でやらなければならないことがあります。同時に,都市格を高めて,そして市民の豊かさに繋ぎ税収増に繋げていく,これが王道であります。その視点も大事にしております。

 

記者

 新規充実事業数は今年度に比べると減っていますが,それでもハード事業が多いです。市立芸大の移転など,様々なハード事業がありますが,それも削れるのではないのかと市会でも意見があると思います。その点についてはどのようにお考えですか。

市長

 京都の財政は一貫して厳しいです。先人たちは,人を育てる。文化を大事にする。そして,それを経済の活性化,地域力の向上にいかしてきた。これが京都のまちづくりの背骨であります。このおかげで今の京都があります。人を育てること,文化を大事にすること。これをおろそかにすれば,単なる地方都市になると思います。文化を基軸とした都市経営を一環としてやってきました。そして,昭和の時代から,文化庁の京都への移転を要望し続けてきました。その中で,明治維新以降,初めて政府機関の移転を実現しました。当時,財政に余裕があったから,文化や人を大事にしたということでは決してありません。明治維新後に,学校を作られました。明治維新の食べ物さえ厳しい時代に,芸術大学の前身を発足されました。その心意気は偉大です。そして,産業を興し,京都の都市格を高めてこられました。だからこそ,都の地域を失った150年後の今でも世界へ輝いています。

 したがって,行財政改革は徹底します。同時に,大事なものはしっかりと推進していきます。その決意のもとに,市立芸術大学の移転も進めてまいります。市立芸術大学の教職員の皆様が認識して欲しいのは,単なる一つの大学移転ではないということです。文化を基軸とした都市経営,それを市民の幸せ,豊かさ,経済の活性化に結び付けていくという決意であります。色んな御意見があることは察しておりますが,人づくりと文化を大事にしなければ,京都の未来は無いと確信しております。単純な校舎の改修等については,教育委員会において辛抱していただいております。ただ,学校統合し,新しい教育環境を作っていくことが,地域を活性化していく。これは,人件費を削減するためにやるわけではありませんが,4校の小中学校を一つにしたら校長先生が一人に,教頭先生も二人ぐらいになります。教職員は削減することができ,教育効果も飛躍的に高まります。このようなことについては,国の補助金も活用しながら,統合を図っていきます。障害のある子どもの学校は,施設環境の改善を図らなければなりません。生徒数が増えている学校についても,施設をプレハブで対応することはやってはいけないと思います。そうしたことが来年度予算では重なっております。それらを確実に実行していくのが私の責務だと思っています。

 

記者

 3年間の改革で,どの程度の削減額を目標としているのですか。特別の財源対策の早期脱却というのは,10年後ということですか。それでは,早期とは言わないと思いますが,その点はどうお考えですか。

市長

 まず,今最大限の努力をしている,最重要課題は,公債償還基金を枯渇させない。財政再生団体に陥らないことであります。そのために,あらゆる改革を集中し,令和7年度に1,000億円を絶対に確保する。その次に,令和15年度に返済しなければならない金額の一年分は確実に担保する。この10年間で,新たな市債の発行額は平均450億円です。ぐっと減らしてきております。しかし,平成7年は1,135億円です。無駄な事をしていたとは思いません。その時には,JRの複線高架など様々な事業があったため,平成7年から平成13年は今よりも市債を多く発行していました。その返還が集中するのが,数年後から令和15年までであります。その時にまで備えないといけません。発行した市債の30年満期返済にしっかりと備えることも含めて取り組んできました。したがって,市債残高は,私の市長就任以来,3,000億円を超えて減らしています。令和15年としているのは,一番返済しなくてはならない時でも,返済が可能であることを最低限としています。同時に,削減だけで財政が良くなるものではありません。未来への投資もしっかりとしていかなければなりません。この5年間で市税収入が9%伸びてきました。京都のポテンシャルを活かした取組との両立が大事と考えております。

 

記者

 ふるさと納税について,財政難の中,寄付額が最高になり喜ばしいことですが,市長は当初過度な返礼品競争はしないとして,ふるさと納税には消極的でした。過去最高額になったことへの受け止めをお聞かせください。また,来年度目標が42億円と高すぎるのではないかと思いますが,その意気込みもお願いします。

市長

 私は,今もなお,ふるさと納税制度については,疑問に感じています。そしてその制度の改革を国に要望してきました。しかし,取り組む理由は二つあります。一つは,厳しい財政状況であること。もう一つは,京都ならではの伝統産業や食文化が,コロナ禍で厳しい時に,これをふるさと納税にいかせることです。制度の趣旨を取り違えた返礼品競争をするつもりは一切ありません。去年の秋から年末にかけては,おせち料理だけで6億円ぐらいの寄付がありました。厳しい状況の料理屋さんにも喜んでいただきました。お客さんは来られないが,おせちは選ばれました。数はまだ少ないですが,西陣の伝統産業製品も返礼品としていかせる。あるいは,期限を設けない,落ち着いたら京都に来てくださいという京都限定の旅行券が喜ばれております。年末で,約2億円のふるさと納税の寄付がありました。改めて全国に京都ファンの方が居ていただいているということも実感しました。もう一つはふるさと納税の企業版です。これも今年度から充実されてきた制度です。利益の出ている企業が京都市にふるさと納税をされると,例えば,1,000万円の寄付で,900万円まで控除になり,実質100万円の負担になります。いろんな条件があり,簡単には適用しにくい面もありますが,積極的にいかしていきたいと思っています。

 なお,昨年度39億円市税が流出し,寄付金2億5,500万円しか入ってきませんでした。流出した分は,全てふるさと納税でいただこうということであります。42億円は,全庁を挙げて,様々な返礼品開発を行い,京都の魅力を最大限いかすことで,可能な目標だと考えております。

 

記者

 新規事業の中に,大型汎用コンピュータオープン化事業再構築に向けた,国の標準仕様書の内容と本市システムの相違点の分析に1億4,800万円計上されています。非常に金額が大きいですが,どのようにお考えですか。

市長

 デジタル庁ができ,国が地方自治体と連携して進めていくことに基づいた計画であります。現時点で,国が全額負担することになっています。

 

記者

 京都の財政が一貫して厳しいという発言がありましたが,市長就任以降,財政難はこれまでもありました。改善に至らなかった要因はどういうところにあるか,その要因を踏まえてどう臨んでいくかお答えください。

市長

 一つは,構造的な財政の脆弱性を何とかするため,様々な取組をしてきました。これは正直申し上げて,この2,3年は良い方向になってきました。他都市と比べた市民1人当たりの税収も大きな差があったのが,差が縮んできています。京都は観光の都市ではない。あらゆる京都の都市の魅力をいかして,経済の活性化をつなげていくという基本は変わりません。この数年で見て,一番先に効果が出たのが観光で,これが最も打撃を受けました。

 もう一つは,京都は昭和の時代から,福祉施策も子育て支援施策も含め,様々な施策を構築してきました。これが構造的なものになり,どんどんと積み重ねざるをえないものになっています。これはこれで効果があります。例えば保育所です。民間保育所の保育士の配置基準は極めて厳しく,さらに,民間保育士の処遇は極めて厳しいです。しかし京都市は独自に配置基準を作り,職員の給料も補償する制度を作ってきました。これは,良いことです。その結果,保育所の待機児童7年連続ゼロ。これは政令指定都市でどこも実現できていないことですが,トップを切って達成しました。民間保育士の定着率は全国トップです。離職率が極めて少ない。平均勤続年数が長い。ベテランがおられる。しかし,ようやくこの近年,保育士の給料を国が改善するようになってきました。そうすると,その1パーセント改善されれば,京都市は職員が多いため,その1.33倍必要です。基本が高いうえに,率を掛けるため,さらに賃金が必要になります。こういう構造になり,負担がどんどん増えてきています。これは,そう簡単に制度を見直すのではなく,その理念から議論が必要で,勢いでやるべきものではないと思います。理念から議論して,どういう改革をしていくのか。改革が進まなかった要因の一つとして,こういったこともあります。見方によっては,京都にも改善余地があるという意見もあります。したがって,他都市や国の基準も参考にしながら,施策の目的・効果・持続可能性を,一つ一つ丁寧に議論する必要があります。そうしたことに取り組んでいくのは,私の使命だと考えております。

 

記者

 市長はかねてより聖域なき改革を断行されるとおっしゃられていますが,今回の捻出額に関しての受け止めはいかがでしょうか。

市長

 いろんな評価があると思います。平成14年,15年当時の財政非常事態宣言のときの倍の効果額です。しかし同時に,公債償還基金の取り崩しは181億円と過去最高です。危機的な状況が変わってないという評価もあると思います。どちらも当たっていると思います。ただ,重要なのは,これからどうしていくかです。さらに踏み込んだ改革については,持続可能な行財政審議会の答申を踏まえ,京都市で原案をまとめ,市民の皆様の御意見も聞き,議会でも議論をしていただき,その上で,来年度早い時期に新たな行財政改革の計画を示していきたいと考えております。

 

記者

 職員の給与を最大で6%削減ということですが,これはどのようにして決められたのでしょうか。

市長

 職員の皆様がコロナ禍のもとで懸命に努力されています。その中で,非常に心苦しいことです。また,人事委員会勧告制度もある中で,この選択には苦しみました。しかし,市民の皆様とともにこの危機を克服していくために職員にも我慢して欲しいとお願いしました。理解・協力していただいた職員及び職員団体には感謝したいと思います。かつて職員給与の減額率の最高は5%でしたが,今回は6%です。給与の低い方を除いて,ほとんどの職員に適用します。人員削減,超勤縮減により,3年間で100億円を超える財源を捻出し,そして,臨時的な給与削減では,3年間で50億円を確保したいと考えています。来年度予算では,緊急事態,コロナ禍に備えておりますが,今回の給与削減については,現在ゼロとなっている基金に積み立てたいと考えています。

 

記者

 最大6%という職員給与の削減幅の一方で,副市長の削減率は12%から15%となっております。削減率の幅だけを見ると,副市長を上回る削減幅になる職員の方もおられます。こうした状況がある中で,副市長の給与削減率については,どのようにお考えでしょうか。

市長

 全国の他自治体では,副市長が10年を超えて,これだけの率で給与を削減している例はほとんどないと承知しています。

 

記者

 今後の改革の捻出額が,令和3年度から630億円として,それでも,まだ760億円足りないということですが,本当に財政再生団体になることを免れることはできるのですか。

市長

 絶対に財政再生団体に陥れない。その決意で実行してまいります。そのために,議会や市民の皆様の御理解をいただきながら,取り組んでまいります。

記者会見資料

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

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