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門川市長緊急記者会見(2020年12月28日)

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2023年4月12日

市長緊急記者会見(2020年12月28日)

「今後の行財政改革の視点及び主な改革事項」の方向性について

 本日は,今後の行財政改革について,その方向性と私の決意をお伝えしたく,お集まりいただきました。年末大変お忙しい中恐縮でございますが,よろしくお願いします。

 12年前,私が市長に就任した直後に,リーマンショックに端を発した100年に1度と言われる世界同時不況が発生しました。当時も,市税収入は過去最大の減収となり,市バス・地下鉄の巨額の赤字に加え,一般会計も過去最大の30億円の赤字。その結果,全会計連結実質赤字が300億円を超えており,危機的な財政状況でありました。

 しかし,今我々が直面している財政状況は,当時をはるかに上回る状況であります。今,改革に手を付けなければ,住んで良し,働いて良し,子育てして良し,京都の魅力,都市格の向上に市民の皆様とともに積み上げてきたこと,これまでの努力が水泡に帰す。このことに対する危機感を強く持っております。

 これまでの延長線ではなく,抜本的な改革を私自身が決断し,実行する。今がその時であります。不退転の決意を持って,今と未来のために取り組んでまいります。 

 

 まず,この改革の目的と必要性についてです。本市財政は,京都の都市特性により,かねてから他都市と比べて市税収入が少なく,ぜい弱な税収構造が長く続いてきました。更にリーマンショック時には,市税が過去最大の減収になりました。そうした厳しい財政状況のもとにあっても,例えば昭和41年度に開始した保育士の処遇改善など,保育所等への独自の助成制度を守り,また障害児保育や1歳児保育における保育所の配置については本市独自にさらに充実してきました。

 コロナ禍が厳しい財政状況に拍車をかける中にあっても,こうした市民の皆様と積み上げてきたものを守るために,さらなる改革が必要であります。

 福祉・子育て・教育に加えて,まちの活性化にも積極的に取り組んでまいりました。文化を基軸としたまちづくりを進め,文化庁の京都への全面的移転を実現。また京都の守るべき骨格を堅持しつつ創造的に継承していく景観政策の実施。いのちと暮らしを守る防災基盤の整備。地域コミュニティを軸とした安心安全の取り組みなど積極的な政策を進め,都市格の向上を図ってまいりました。こうした取り組みにより,京都のまちづくりが大きく前進し,高く評価されています。創造的な人や企業が京都で生まれ,また集積し始めており,スタートアップ・エコシステムの構築,イノベーションを生み出す機運が高まってまいりました。

 こうした成果は数字としても表れ,この5年間で,個人市民税の納税義務者が5%増,過去最高の67万人に。市税収入は9%増,過去最高の2,770億円となりました。

 一方この間,国の方針による地方交付税の削減により,税収が増加しても本市が自由に使える一般財源収入が増えないという状況が続いております。私は先に述べましたように市民の皆様のいのちとくらしを守り,まちの活性化を図るために必要な財源を確保するために徹底した行財政改革を進めてまいりました。平成20年度以降,事業の見直しにより649億円の財源をねん出。職員数でも約3,500人,人件費で年間270億円を削減してまいりました。

 また,将来世代が背負うことになる借金の残高,本市が返済に責任を負う,実質市債残高は平成19年度比,全会計で17%,3,380億円削減しております。しかし,こうした行財政改革を実行してもなお,毎年度の支出がその年度の収入を上回る財源不足が続いております。今まさに公債償還基金枯渇の危機に直面しております。

 都市の成長戦略の推進や経済対策の実施,宿泊税などの独自財源の確保の取り組みによって,この間税収増の明るい兆しが見えてきておりましたが,今,新型コロナウイルス感染症の拡大によって,税収増に寄与してきた観光,地域企業,中小企業等へ大きな打撃を与え,本市独自の財源であります宿泊税収入も大幅に減少し,財政状況の悪化に拍車をかけました。

 将来の借金返済に備えた積立金である公債償還基金の計画外の取り崩しに,多くの財源を頼らざるを得ない厳しい財政状況が続いています。このままいけば現在の試算では令和8年度には公債償還基金の残高が尽きてしまう見込みとなっています。

 そこで改革の必要性でございます。
 資料の4ページに記載しておりますが,公債償還基金を使い切ってしまい,収支不足を補てんする手立てがなくなれば,「財政再生団体」となり,財政運営に国の強い関与を受けることになります。そうなれば本市が独自で行ってきた施策は一切出来なくなります。

 例えば試算ですが,国基準との差,国民健康保険料で約3割,保育料で約4割。一気に大幅な値上げになり市民生活に大きな影響が出てしまいます。このような事態は何としても回避しなければなりません。これまでと同等の改革では到底この危機を乗り越え,持続可能な行政財政を確立することは叶いません。

 しかし,危機は変化・改革への契機,本市が培ってきたレジリエンスの力を発揮する場面でもあります。

 子ども・若者,子育て世代から高齢者まで,全ての世代の方々が未来への展望をひらき,安心安全に豊かに暮らせるまちづくりをするために,必ずやこの財政危機,コロナ禍を乗り越え,持続可能な行財政を確立し,魅力的な京都の未来を皆様と御一緒に作りたい。

 そのことが本日この場で,市民の皆様に私自身がお約束し,改革を断行する。そのために私の覚悟と決意を表明させていただきます。

 

 それでは,改革の大きな視点6点について御説明申し上げます。6ページを御覧ください。

 

 視点1。将来にわたって全ての世代の方々が安心安全で暮らしやすい,魅力や活力あるまちづくり。
厳しい財政状況であっても未来を展望し,都市の成長により担税力を強化。財政の健全化の取組は積極的に実施してまいります。
 「暮らす」「働く」「子どもをはぐくみ,育てる」「訪れる」まちとして活性化を図り,市民生活に豊かさをもたらすことで,担税力の強化を図る。若年層や企業の定着,持続可能な都市の構築により,子ども・若者,子育て世代から高齢者まで,支え手の厚みを増し,全ての世代が暮らしやすいまちづくりを進めます。

 

 視点2。市民のいのちとくらしを守るために,真に必要な施策を持続可能なものとするために,実施する事業を見直してまいります。新型コロナに対しては,国の財源を最大限活用し,感染防止と市民生活・京都経済の下支えに取り組みます。

 同時に,これまで実施してきた国の基準を上回る手厚い施策につきましては,少子高齢化により将来世代の負担が過大となっております。今後はこれを持続可能で,全ての世代が安心する制度として構築するために,限られた財源の配分のあり方について,世代間のバランス,また受益と負担のバランスを図る観点で点検の上,見直してまいります。

 例えば,敬老乗車証制度につきまして8ページにも記載しております通り,事業開始当初,事業費は3億円だったものが,現在は52億円に。今後,高齢化が進むことで令和12年度には57億円,令和27年度には63億円に膨れ上がる試算となっています。また平均寿命が制度発足当時から約11歳伸び,具体的には男性は70.7歳から81.3歳,女性は76歳から87.3歳と伸びております。利用者数は約2倍15万人に増えております。敬老乗車証利用者一人当たりの公費での支援は3万4,000円。これはすべての納税者一人当たり8,000円を超える御負担になっています。利用者の64%を占める9万7,000人の方は,ひと月250円,年3,000円の御負担で市バス地下鉄の年間フリーパスの交付を受けることができます。仮に週4回程度利用された場合,運賃の約9割が税金で助成されているという計算です。

 こうした状況も踏まえ,現在の負担額を市民の皆様にお知りいただいた上で,受益と負担のバランスや平均寿命の延伸を踏まえ,この制度自体の持続可能性について検討が必要であると考えております。

 また補助金につきましては,7ページに記載の通り,一旦休止したとしたら何が生じるのかの観点から総点検に着手し,点検結果を踏まえ現在補助が存続していること自体に引きずられず,ゼロベースで見直してまいります。

 令和3年度は先行して社会情勢の変化や今日的意義を踏まえた見直しを行います。イベント事業につきましては本来の趣旨と効果をゼロベースで点検し,民間資金の獲得,民間等による自走化,イベント以外の使用による代替等により公的関与を最小化してまいります。

 令和3年度は一旦,京都市主催の事業については全て中止,または公費負担ゼロに。同時にコロナ禍のもと,限られた人員を,例えば新型コロナ感染防止対策や来年の大きな取り組みとなるワクチンの接種体制,毎年突発する災害への対応など,市民の皆様のいのちとくらしを守る事業に重点的に振り向けてまいります。

 

 視点3。投資事業の選択と集中についてです。
 市民を守る防災・減災に係る事業や,将来の担税力の強化のための「京都らしさ」を活かした,早期に民間に新たな投資や担い手を集める事業は優先して実施してまいります。

 同時に費用対効果や緊急性等の点検を徹底しまして,進捗計画を見直し・延伸してまいります。なお,国の補助事業につきましても,国としっかりと調整してまいります。

 

 視点4。公共施設の適正管理,受益者負担の適正化でございます。
 施設使用料の改定,市営住宅の戸数の最適化の検討,家賃減免や運営のあり方の見直しの実施など受益者負担の適正化や利用増加策の推進,民間活力導入により施設の管理コストを縮減してまいります。また施設の保有量につきましては,人口減少や今後の老朽化対策経費の増加などを踏まえまして,例えば京都市健康増進センターヘルスピア21のあり方の見直しなど,現在保有する施設の長寿命化・更新を前提とせず,民間施設等による代替なども含め幅広く検討してまいります。

 

 視点5。連結の視点でございます。公共下水道事業繰出金など特別会計を含めた全会計連結の視点で財源の確保を目指してまいります。

 

 視点6。組織・人員体制・人件費の適正化でございます。職員と今の財政の危機の状況を共有し,市民の皆様のいのちと暮らしを守るために必要な執行体制をしっかりと確保しつつ,業務の効率化,委託化・民営化等により職員数を削減してまいります。

 また,働き方改革, ICT・デジタル化技術の積極的な活用により時間外勤務を縮減します。
 更に,危機的な財政状況にあっても,災害や新型コロナなど緊急事態に際して機動的に対策をとらなければなりません。短期的な人件費抑制により,財政的にも,緊急の事態への対応,市民の安心安全に万全を期してまいります。
 こうした改革により,子ども・若者,子育て世代から高齢者までの,全ての世代の方々が未来への展望をひらき,安心安全に豊かに暮らせるまちづくりのため,必ずやこの財政危機,コロナ禍,この2つの危機を乗り越え,持続可能な財政を確立してまいります。

 

 千年を超える京都の歴史は疫病,自然災害など都市の存亡に関わる大きな危機に直面しても町衆の力,地域の力を結集して,それらを乗り越え,より魅力的な街へと発展してきた歴史でございます。この歴史に学び,市民の皆様としっかりと情報を共有し,御理解いただきながら危機に立ち向かい,そして必ずや展望がひらかれる,明るい未来が見えてくる,私はそう確信しております。

 そのために,私は誠心誠意,覚悟を決めてこの難局に取り組む,そう決意しております。どうぞよろしくお願いします 。

 

質疑応答

記者

 まず,大変厳しい財政状況についての受け止めと,その原因をお聞かせください。

市長

 長期にわたって京都市財政は厳しいです。しかし,行財政改革を断行しながら,全国トップ水準の福祉や教育,子育て支援,また安心安全の取組などを実施してきました。そして将来の成長戦略も実行してまいりました。それらが好循環を生み出したのが,この5年間であります。しかし,コロナ禍によって,それらが大打撃を受けました。そして,このままでは,財政再生団体に転落しかねない。そのような危機の中,従前の改革の延長では駄目です。市民の皆様,議会の皆様に,覚悟を持って,その厳しさを御説明するとともに,将来を展望し,市民の皆様とつくってきた魅力あふれるまちづくりをさらに発展させる契機にしていきたい。覚悟を決めて取り組んでまいります。

記者

 理由というのは,新型コロナでしょうか?

市長

 従前から財政が厳しい。そんな中でも,やはり一人一人を大切にする,様々な施策を展開してきました。その中で,毎年の収支が合わない部分を,公債償還基金の取り崩しに頼らざるを得ない状況にありました。これを税収増等によって,賄っていこう,越えていこうという時に,今回のコロナは京都の都市特性もあって,打撃が極めて大きい。こういうことであります。

記者

 色々なターニングポイントがあったと思いますが,途中で歯止めをかけるということは出来なかったのでしょうか?

市長

 行財政改革を徹底し,人件費270億円の削減などを実施してきました。そして,福祉や子育て支援,様々な取組。これも大事であるがゆえに実施してきました。無駄なことをしてきたとは一切思っておりません。ただ,コロナ禍によって,継続出来なくなったという状況であります。

記者

 この時期に,メッセージを出した理由と意義をお聞かせください。

市長

 まず,来年度予算の編成と,それから中長期にわたる行財政改革,持続可能な財政への取組の両方が大事であります。その基本となる改革の視点と方向性であるため,全庁的な議論を積み重ね,私自身も熟慮に熟慮を重ねてまいりました。そして,今,この時期に方向を出すことによって,1月には議会にも御説明し,そして,来年度予算編成に取り掛かる必要があります。年末のギリギリになりましたが,そういう事情があります。

記者

 先ほど,「好循環を生んできた5年間」という御発言がありましたが,このような事態になるまでの間に,公債償還基金の取り崩し額をもっと圧縮した予算編成を毎年度すべきであったかどうかという反省の点について,何かお考えはありますでしょうか?

市長

 特別な財源対策,これを脱却するというのが大きな目標でした。例えば,一昨年,戦後最大の台風等の様々な状況を踏まえて,脱却出来なかったというのは反省点であります。

記者

 これまで3期12年市長を務められ,結局は,新型コロナが追い打ちをかけたのか,それともこれまでの12年間の予算編成が行財政改革をしているものの甘かったのか。その辺りのバランスを教えてください。

市長

 直接的には,コロナが極めて厳しい状況を生み出しております。同時に,公債償還基金を取り崩さざるを得ない,これまでの状況については,全国の他都市と比べて高い水準の福祉や子育て支援等々を継続してきたからであります。

記者

 2021年度から2023年度を集中改革期間と位置付けられていますが,2023年度の段階で,基金の取り崩しをどれくらいに抑えるなどの,目標値などはありますか。

市長 

 現時点で視点と方向性をまとめ,これを詰めて改革を計画していく。そのうえで,来年度の予算を編成する。中長期の計画を立てる。そして,持続可能な行財政審議会を開き,公開のもと議論いただきます。その答申が3月に出る予定です。それらを踏まえて,来年度の早い時期に行財政改革計画を立てます。現時点で金額を申し上げられる段階でありません。ただ,努力することは当然のことであります。

記者

 人事委員会からの報告及び勧告では今年の給与改定は据え置きとのことでしたが,人件費のカット等については検討するのでしょうか?

市長

 財政の厳しさを職員みんなと共有して,乗り越えていかなければならない。また,この財政の厳しい時にも,新型コロナ感染防止対策や,あらゆる自然災害に対応する必要があります。苦渋の選択ではありますが,全職員に対して給与カットを提案していきたいと考えております。これは職員団体と協議する事項でありますので,丁寧に話をし,御理解をいただきたいと考えております。

記者

 給与カットについては,来年の給与から適用したいということですか。

市長

 それについては,職員団体との協議もありますので,現時点でどういう規模であるか,時期をどうするかというのはまだ決定しておりません。

記者

 来年度の予算について,500億円程度の財源不足が見込まれていますが,今回のその視点と方向性で検討した場合にどれぐらいの額になるのか。おおよその規模感を教えてください。

市長

 削減していくことは当然のことでありますが,今後,これを一つ一つの事業に落とし込んでいきますので,来年度予算にいくら反映するかということはまだこれからの作業です。

記者

 コロナ禍によって財源不足が明らかになり,公債償還基金が厳しいことがより明確になったというのはおっしゃるとおりだと思います。ただ3期12年の間に脱却すると言っておきながら脱却できなかった。こういう改革は平時でなければ市民負担が非常に大きくなります。収入額が減るなど暮らしが厳しい中で,これを断行すると批判を受けることは免れないと思います。3期12年の財政運営の中で無駄な事業はなかったという主張ですが,結果として,財源不足の中で有効な手立てを打てていなかった。その点に対しての御自身の総括,今後の政治的なスタンスを教えてください。

市長

 コロナ禍のもとで,このような改革をすることについては,大変心苦しく思っております。コロナ以前から公債償還基金を取り崩す特別な財源対策から脱却できなかったというのは,私の責任でございます。同時に,この時期でありますが改革していく。未来へのしっかりとした展望を開いていくのも私の責任だと思っています。

記者

 500億円の財源不足が見込まれることに対して,現時点で,市長の思いとして,6つの視点を合わせることで,どれくらいの予算を捻出したいかという数字をお示しいただかないと市民には伝わらないと思いますが。

市長

 視点と方向性を,改革計画に一つ一つメリハリを付けて肉付けしていきます。そして来年度の予算編成作業に改めて入ります。したがって,現時点で申し上げられる数字はございません。

記者

 投資事業について,その選ばれた理由をお聞かせください。

市長

 安心安全に関することは優先します。そして,国の補助事業等については,国と調整を行ってまいります。3年間延期しても決定的な影響を与えないのではないかということで,今回の投資事業を挙げています。

記者

 ほかにも市立芸大の移転や,西京区の総合庁舎の件もありますが,こういったものは現行通りでしょうか。

市長

 京都市立芸術大学は,京都の都市特性を活かし,経済の活性化,市民の皆さんの豊かさに寄与できると考えています。また,財政を健全化していく大きな事業の一つとも思っております。既に,移転先においては,市営住宅を解体し,そして入札等の準備も進んでおります。京都が,日本の文化の都になっていく。市立芸大の移転は,その大きな未来への事業だと考えております。西京区の総合庁舎につきましても,地域住民の福祉や安心・安全,また地域に根差したまちづくりを進めていくうえで,非常に大切な事業ですので,これは計画通り進めてまいります。

記者

 今は中間段階だと思いますが,今後も市立芸大の移転に関しては,予定通り進めるというのは変わりないのでしょうか。

市長

 現時点で変更の予定はございません。

記者

 市長は議会等で,行財政改革については聖域なく見直していくというお話をされています。一方で,市長には選挙の時にマニフェストとして掲げられた政策もあります。そうした政策の中で見直し対象となる事業はありますか。

市長

 私の市民に対する公約の根幹は,「暮らしに安心,まちに活力,未来に責任」であります。そして,その中には,「あらゆる見直しを行い,持続可能な財政を確立する」ということも明記しております。そうした視点で,全体として,市民生活を守り持続可能なものにしていく。未来に責任を持つ。そうした事業を進めてまいりたいと思います。

記者

 市立芸大の移転は予定通り進めるということですが,一方で聖域なき改革を行うというお話もあります。どの事業を推進して,どの事業を止めるのか。これが不透明のままだと,聖域があるのではという批判も出てくると思います。市長はいかがお考えでしょうか。

市長

 一つの基準を作って,あらゆる事業に機械的に当てはめるということは,現実的ではないと思っています。一つ一つの事業を丁寧に,その効果,将来に与える影響について,議論を積み重ねているところです。

記者

 令和3年度予算における公債償還基金の取り崩しの可能性はありますか。

市長

 現時点で財源不足をどれくらい圧縮できるかも含めて,そういった事項を御説明できる段階にはなく,御理解をいただきたいと思います。しかし,今のままでは令和8年度に枯渇する。これは絶対に避けて,持続可能な財政にしていかなければなりません。500億円という財源不足は縮減しなければなりません。具体的な改革案に落とし込んで,そして来年度予算編成作業を進め,議会にも説明し,議論いただき,取り組んでまいります。

記者

 12月21日の総務消防委員会で発表すべき内容だったかと思いますが,それが御用納めの本日になったのはなぜでしょうか。

市長

 来年度予算は,中長期にわたる持続可能な行財政の確立を見据え編成していく必要があります。全庁的な議論を積み重ね,私自身も熟慮に熟慮を重ね,時間が掛かりました。来年度予算編成も切羽詰まっており,改革待ったなしであります。年内にお示ししたいという想いでしたが,この日になってしまったことを申し訳なく思っています。引き続き,来年度の予算編成,持続可能な行財政の確立に,全力を投入してまいります。必ず危機的な財政状況を克服し,明るい未来をつくってまいります。

記者

 今回発表された改革の方向性は,持続可能な行財政審議会の議論を踏まえた内容となっているのでしょうか。

市長

 当然,行財政審議会の議論を踏まえています。5回にわたり,専門家,市民の代表の方々に,丁寧な議論,真摯な議論,厳しい議論をしていただいております。そして,常に情報を全庁で共有するとともに,ホームページでも公開しております。また,3月の答申まで議論していただきますが,それらについても今後に活かしていきます。

記者

 職員の給与削減に伴い,市長の給与を削減するお考えはありますか。

市長

 私の給与を削減するのは当然のことだと思っています。

記者

 現時点でも既にカットされていると思いますが,今後どの程度削減しますか。

市長

 まだ決めておりません。

記者

 給与の削減は,特別職に適用されるのでしょうか,市長のみでしょうか。

市長

 詳細はこれからですが,特別職に適用する考えです。なお,既に特別職でもカットされているところです。

記者

 国からの交付金がなかなか得られない状況が続いている中で,市長として,国へどのような要望をお考えでしょうか。

市長

 厳しい財政状況に関しては,国からの地方交付税の削減が大きな要因となっております。国に対しては,コロナ禍において極めて厳しい市民生活や地方財政。とりわけ大都市の地方財政として,地方交付税の必要額の確保に向けて,強く要望してまいります。

記者

 市長就任1期目も財政再生団体になるとのことで,行財政改革を断行されました。今回,市長就任以来2度目の行財政改革となります。これについての市長の受け止めを教えてください。

市長

 1度目の行財政改革はリーマンショックにより,100年に一度の大不況に襲われたものでした。今回は,新型コロナによる不況です。税収の大幅減により,特別な対策を講じなければならなくなったということです。厳しい現実を噛みしめていますが,この危機を必ず乗り越え,変革への契機としていきたい。この間,京都の魅力,都市格は大きく向上してきました。市民の皆様と共にこれらを更に発展させていきたいと考えています。

記者

 京都市では,2001年に財政非常事態宣言を出されています。今回,リーマンショック時を上回る財政危機ということですが,今回の危機は2001年も上回るということでしょうか。

市長

 はい,過去最大の危機だと思っております

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

https://youtu.be/kDs7EkW1BtQ外部サイトへリンクします

記者会見資料

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