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門川市長記者会見(2020年11月6日)

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2020年11月20日

市長記者会見(2020年11月6日)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた「京都大学医学部附属病院との包括連携協定の締結」及び「大規模疫学調査の中間結果」について

市長 

 皆様ありがとうございます。また,京都大学医学部附属病院 長尾美紀先生,ありがとうございます。
 本日は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた京都大学医学部附属病院と包括連携協定の締結及び,大規模疫学調査の中間結果について御報告させていただきます。

 まずは日々,新型コロナ感染症対策の最前線で御尽力いただいております医療従事者の皆様をはじめ,福祉や教育,子育て支援,社会基盤を支えていただく多くの方々に感謝申し上げます。また,感染拡大防止と社会経済活動の再開の両立も大事であります。市民事業者の皆様においても,大変な御尽力をしていただいていることに,改めて敬意を表し,感謝申し上げます。

 京都市では,保健所の体制を強化し,徹底した積極的疫学調査はもとより,本市独自の PCR 検査基準を設け,濃厚接触者をはじめ,感染の可能性を広く捉えて PCR 検査を実施するなど,市民,事業者の皆様,医療関係者の皆様と危機感を共有し,対策を進めてまいりました。特に京都府との協調,また医師会との連携で取り組んでまいりました。
 また市民,事業者の皆様の御協力をいただきながら,9月を感染防止徹底月間と位置づけて取組を実施しました。取組の結果として,新規感染者は8月の513名に対して,9月は200名,10月は177名と落ち着いてきています。
 そして文化的な行事や大学の対面授業の再開,あるいは国のGoToキャンペーンを通じての観光客など,人の動きが活発化しつつありますが,ウィズコロナ社会の下で,やはり感染拡大防止を徹底することと,社会経済活動との両立が極めて大事だと思っています。
 また11月に入り,連日新規感染者が確認されておりますが,東京や大阪また北海道でも感染者が増えるなどその状況は予断を許しません。京都市内では比較的落ち着いてはおりますが,これからが極めて大事だと思っています。

 インフルエンザと同時流行も危惧されます。市民の皆様の命を守るため爆発的な感染拡大は絶対に防がなければなりません。
 そのために,今月1日に,わが国において有数の医療技術,最先端の医療を実行し,研究されています京大附属病院と,感染症拡大防止に向けた包括連携協定を締結するに至りました。
 本協定は,本年8月6日に京大病院が発表された提言をしっかりと受け止め,京大病院と連携していこうと,いろいろ相談させていただきました。宮本病院長はじめ,本日同席していただいている長尾教授の御尽力に本当に感謝申し上げたいと思います。

 本協定に基づく具体的な取組として,今後3つの取組を実行します。こちらを御覧いただきたいと思います。

 一つ目は,「行政検査への協力」です。
 大規模な集団感染事案の発生,またこれが同時に複数発生するなどの状態があります。一時に多量の PCR 検査を実施する必要が生じた場合,高機能の検査機器を保有し,高い検査能力を有する京大病院に PCR 検査を依頼いたします。
 現在,行政による PCR 検査が,京都府下全体で1日あたり800件の実施が可能であります。年内に,さらに府市協調して,1日あたり1,500件まで拡充することを目指して,今取り組んでおります。
 こうした十分な検査能力を有しております。またそれぞれの病院が最新の機器を持って主体的に実施される,こうしたこともありますが,本協定により医療機関をはじめ,高齢者施設や学校等における集団感染が発生したとき,一時に多量の検査が必要になった場合のために検査体制をさらに強化していきます。
 京大病院におかれましては,京都大学 iPS細胞研究所の山中伸弥教授などの御協力により,PCR 検査機器が十分に整備され,最大1日900件程度のPCR 検査を行う能力を持っておられます。
 市民の皆様の命,健康,暮らしを守るために,京大病院としっかりと連携しながら徹底した検査を行い,クラスター等の集団感染の封じ込めに全力で取り組んでまいります。なお,市立病院でクラスターが発生した時に,2,000人近い入院患者と医療スタッフ等の検査を集中的に行う必要がございました。京大病院が1日500件を超えるPCR 検査を実施していただき,早期の収束へ大きな役割を果たしていただいたことにも感謝申し上げたいと思います。

 二つ目は,「大規模疫学調査の実施,拡大」です。
 本年7月から京大病院の最新の知見,最新の技術を常に取り入れながら抗体検査を中心とした大規模疫学調査を実施しております。これは医療,福祉施設や保育所,学校の教職員など,市民生活の最前線で献身しているメンバー,これが社会生活,市民生活の維持に欠かせない仕事をされている方。いわゆる,エッセンシャルワーカーを対象に,またどちらかと言うとリスクの高い方々を対象に大規模な疫学調査を継続的に実施していただいています。地域における感染の広がりの把握,また新たに得られた知見を新型コロナウイルス感染症対策に活用していくものです。
 これらの実施状況は後ほど御報告いたしますが,今回のこの大規模疫学調査を実際にクラスターが発生した高齢者施設や,接待を伴う飲食店の従業員等にまで調査対象を拡大してまいります。なお,拡大分については今月から実施し必要に応じて,同じ人に複数回調査を実施するということも検討しています。
 実際にクラスターが発生した施設における感染状況の実証,当該施設における再発防止に役立ててまいります。

 三つ目は「高齢者の入所施設等の『検疫モデル』」です。
 感染者が発生した場合に,集団感染さらには重症化のリスクが高い高齢者施設等をモデルとして,施設職員に対する研修・指導を実施し,そして施設内の感染対策の強化を図るとともに新規入所者に対する PCR 検査を実施することによって,施設内へのウイルスの持ち込みを防ぐ検疫モデルを京大病院と連携して開発し,その普及を図ってまいります。
 本日,京大病院の宮本病院長からコメントをいただいております。また後ほど御覧いただきたいと思いますが,宮本病院長より,「京大病院が有する高度な検査体制を通じて,地域医療に貢献する」との心強いコメントをいただいています。また,新たな集団感染を防ぎ,もし集団感染が発生した場合,すみやかに感染防止策を講じるため,連携・協力を図るということを仰っていただいています。本当に力強い御支援に感謝し,私どもも想いを同じにするところです。
 今回の協定締結を契機に,京大病院と本市がより一層連携を深め,新型コロナウイルス感染症の克服に全力を挙げてまいりたいと考えています。
こういう高齢者入所施設等の「検疫モデル」についてですが,入所前の利用者の教育,御家族も含めた指導を行うとともに,そして入所前一週間を目処に,対象者が感染予防のために生活を実行された後,入所前にPCR検査を実施する。そして施設においても,職員の感染防止のための予防等を実習しながらモデルを作っていく。こういった取組を考えております。

 次に,「大規模疫学調査の中間結果」でございます。
 京大病院と本市の連携により抗体検査を中心に大規模な疫学調査を継続的に実施することにより,地域における新型コロナウイルス感染症の感染の広がりの把握をはじめ,新たに得られた知見を新型コロナウイルス感染症対策に活用するものであります。京都大学医学部附属病院感染制御部の長尾美紀教授による研究体制でございます。共同研究機関として京都大学 iPS 細胞研究所,そして協力機関として京都市と京都市立病院他でございます。
 これまでに感染したことがあるかどうかを調べる抗体検査の結果,1737名のうち陽性となったものは8名でございます。陽性率は0.46%でした。この数値は厚生労働省が本年6月の段階で実施された東京都,大阪府,宮城県における調査の結果と同程度ということであります。
 なお,同時に実施した PCR検査につきましては,被験者1192名の中で陽性者の方は一人もおられませんでした。
 さらに付け加えますと,府市連携のもと全国に先駆けて,妊娠されて出産間近の方への PCR 検査の助成をしてきております。これまでに2,400件の検査を行いました。陽性患者は発生していない,ゼロということであります。
 不特定多数の市民,利用者との接触の機会が多いため,感染率が高いと考えられるエッセンシャルワーカーにおいても,感染の広がりが認められなかったことは医療従事者や市民,事業者の皆さんと一丸となって取り組んできた感染防止対策の成果ではないかと考えております。

 京都は,世界を牽引する優れた研究開発を行なう大学,研究機関が集積しているまちです。その象徴が京都大学です。そうした京都ならではの特徴を最大限に活かして我が国の感染症対策をリードする。そして,市民や京都訪問者,ひいては我が国の安心安全をしっかりと守って行かなくてはならない。引き続き京大病院はじめ,国や京都府,医師会,さらに経済団体等としっかりと連携して感染拡大防止に全力で取り組んでまいります。

長尾教授

 京大病院の長尾でございます。今,門川市長から御紹介いただいた通り,こちらは中間結果ですので,解析結果を含めて,改めて皆さんに御報告申し上げるところではございますが,京都市のエッセンシャルワーカーの方々においては,非常に御協力いただきまして,今回の研究を遂行することが可能となっています。この抗体検査の結果については,先生方,皆様,いろいろ思われることはあると思いますが,抗体検査というのは,陽性だからといって必ずしも感染していたかどうかは分からないという一面もございます。現時点では,8名の方は陽性ではありましたが,明らかにコロナ感染であったかについては,恐れ入りますがこの場での言及は控えさせていただきます。

質疑応答(摘録)

記者
 今回,京大病院が行政検査に協力するとのことですが,一時に多量のPCR検査が必要となった場合というのは,どれくらいの数を想定していますか。

市長 
 京大病院では,1日最大900件までPCR検査できます。大量の検査を迅速に実施していただけることは非常に心強いです。現に,京都市立病院で集団感染が発生した際には,1日500件,必要な検査を全て京大病院で実施していただきました。

記者
 大規模疫学調査の拡大について,接待を伴う飲食店の従業員にも拡大するとのことですが,行政機関が飲食店従業員に抗体検査を実施することは,他に例がありますでしょうか。

市長 
 全ての他都市の事例を把握しているわけではございませんが,私は他のそうした事例は承知しておりません。

記者
 妊婦さんのPCR検査の陽性が0件ということですが,これはPCR検査助成のもとで実施した中での陽性件数が0件という理解でよいでしょうか。既に,京都府立医大で陽性となった妊婦さんが出産したという記事もありますが,それとは別枠でよいでしょうか。

市長 
 はい。仰るとおりです。

記者
 市立病院のクラスターの際,京大病院も協力してPCR検査を実施されたとのことですが,それは従来の仕組みの中でも任意に協力してPCR検査を実施できたということですが,それでもなお,協定を結ばれた意義,狙いはどのようなことでしょうか。

市長
 市立病院の集団感染のときは,京都市内でもかなり感染が拡大している時期でした。緊急避難的にお願いして,御理解いただき,緊急に対応していただいた。今回,こうした協力体制について,しっかりと包括協定の中に組み込んでおります。府市協調で取り組んでいる検査体制をより強化・拡大ができると思っております。年内に一日当たりのPCR検査数を1,500件まで拡大していきたいと考えておりますが,これとは別に1日あたり900件検査できるということで,非常に強力な応援でございます。

記者
 今回は京都市と京大病院との協定ですが,府との協定の予定はありますか。

市長
 疫学調査等については,京都府は府立医大と連携して,医療従事者の検査等,疫学調査等を実施しておられます。したがって,それぞれの連携により,京都府全体の医師会,府市協調の取組のレベルアップ,バージョンアップにつながっていくと考えています。

記者
 行政検査の協力は,何人規模のクラスターが発生したらという基準はありますか。

市長
 常に協力体制をとってまいりますので,スピード感をもってその都度お願いし,検査を実施していただこうと思っています。

記者
 市の衛生環境研究所でオーバーした分をお願いするということですか。

市長
 平常時は府市協調,加えて民間の医療機関の協力を得ながら実施します。ただ,大規模なクラスターが発生する,或いは同時に発生するときのため,備える必要があります。どういうときに協力を要請するということではなく,常に,京大病院の検査機能を活用させていただきたいと考えています。

記者
 クラスターが発生したときに京大病院にも検査をお願いするということですが,行政検査と京大病院の検査は,どういう使い分けをされるのでしょうか。

市長
 行政検査は,感染拡大防止のために京都市の衛生環境研究所で行いますが,民間の検査機関に委託して行っているものもあります。行政の責任によって実施する検査です。それを京都大学病院にも委託し,行政検査の1つとして実施してもらうということです。

記者
 大規模疫学調査の中間結果について,エッセンシャルワーカーにおける著しい感染は見受けられなかったということですが,市長の受け止めは。

市長
 大規模な抗体検査,PCR検査。初めて,京都市内で実施された調査結果です。市民サービス,市民生活維持のために,第一線で献身されている方々,どちらかというと感染リスクの高い方々の検査を大規模に実施し,感染率が低いという結果が出ました。これは多くの関係者の,御努力の賜物であると感じており,感謝を申し上げます。同時にこれからが大事であります。より一層感染拡大防止と,社会経済活動の両立に向けて努力してまいりたいと思います。

記者
 大規模疫学調査の中間結果について,現時点での評価は難しいという中で,今後の大規模疫学調査の拡充実施も含め,さらに調査を続ける中で,どういうことが見えてくるのでしょうか。

長尾教授
 抗体検査による調査は経時的に見ることによって,より意義があると言われています。抗体検査陽性者がさらに増える若しくは抗体価がさらに上がるということであれば,感染が増えていると考えてよいと思います。ただ,コロナ感染以外でも非特異的に陽性になる場合もあります,「偽陽性」とよく言われます。そうした可能性があるので,今回の8名の抗体検査陽性の方々が本当に新型コロナに感染されていた方なのか,或いは「偽陽性」かは,この検査だけでは分かりません。今後何回か繰り返して調査を行うことで,全体として増加が見られるか確認します。
抗体検査は,宮城や大阪など,様々な地域で行われていますが,それぞれ検査の属性があります。そして,複数の検査結果が乖離するというのはしばしば見られます。私どもが,行っている検査法は,他の地域と若干異なります。それについても,京大病院では注意して,解釈していく必要があると考えています。また,この間比較的感染者が少ない期間でした。今後どうなるか分かりませんが,改めて時期をあけて調査することで,陽性率が変わるかどうかを見てまいります。

記者
 では,時期を空けて調査した結果で,陽性率が増えていたら,市中感染が広がっているという理解でよいのでしょうか。

長尾教授
 仰るとおりです。

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。(京都市動画情報館(YouTube))

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記者会見資料

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