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共同記者会見(2020年8月12日)

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2023年4月12日

「高雄~京北地域の公共交通の利便性向上に向けた取組について」

記者会見


会見の様子

1 日時  令和2年8月12日(水曜日)午前11時~(約30分)                         

2 場所  京都市役所 第一応接室

3 出席者(敬称略)

  高雄自治連合会 会長 中川太久治

  高雄保勝会 副会長(神護寺貫主) 谷内 弘照

  西日本ジェイアールバス株式会社 代表取締役社長 北野 眞

  京都市 市長 門川 大作

  公営企業管理者交通局長 山本 耕治

4 内容  高雄~京北地域の公共交通の利便性向上に向けた取組について

5 次第  

  出席者紹介

  連携事業の概要について

  市長あいさつ

  西日本ジェイアールバス株式会社 代表取締役社長あいさつ

  高雄自治連合会会長あいさつ

  高雄保勝会副会長あいさつ

  記念撮影

  質疑応答

連携事業の概要について

 この度,西日本ジェイアールバス様と連携し,お客様へのサービスが飛躍的に向上する「高雄地域への均一運賃区間の拡大」,「市バスの栂ノ尾への延伸」,「西日本ジェイアールバスの栂ノ尾~周山間における運賃の見直しの検討」の3点につきまして,本日,共同で記者発表をさせていただくものでございます。

 まず,1点目の取組は,「高雄地域への均一運賃区間の拡大」についてでございまして,ア・イ・ウの3点の実施内容がございます。

 「ア 運賃の均一化」につきましては,高雄地域から京都駅や四条烏丸までのバス運賃は現在160円~530円となっており,230円の均一運賃と比べて最大で300円もの運賃差が生じておりますが,これを市内中心部と同じ230円の均一運賃に変更いたします。これにより,一部運賃が上がる区間は生じるものの,高雄地域から市内中心部へ230円で御乗車いただけるようになりますので,非常に分かりやすく,利用しやすい運賃となります。

 次に,「イ 「市内中心フリー」定期券の適用範囲の拡大と西日本ジェイアールバスとの共通利用範囲の拡大」につきましては,均一運賃区間を適用範囲とする市バスの「市内中心フリー」定期券について,新たに高雄地域でも,御乗車いただけるようになります。なお,今年4月から共通利用を行っていますICOCA定期券については,市バス同様に西日本ジェイアールバスにも御乗車いただけます。

 「ウ 「バス一日券」等の適用範囲の拡大と西日本ジェイアールバスとの共通利用化」につきましては,均一運賃区間を適用範囲とする「バス一日券」について,新たに高雄地域で,市バスに御乗車いただけるようになります。また,「バス一日券」及び「地下鉄・バス一日(二日)券」で,新たに西日本ジェイアールバスにも御乗車いただけます。

 2点目は,これまで地元から御要望をいただいておりました「市バスの栂ノ尾への延伸」でございます。

 この均一運賃区間の拡大に合わせ,現在,高雄まで運行している市バス8号系統につきまして,全便を栂ノ尾まで延伸いたします。これにより,この地域にお住いの皆様の利便性向上はもとより,地域一体での観光振興に寄与するため,これまでの神護寺に加え,新たに西明寺や高山寺へお越しの方々のアクセスの充実を図ります。

 3点目は,「西日本ジェイアールバスの栂ノ尾~周山間における運賃の見直し」についてでございます。

 西日本ジェイアールバス様におかれましては,地域の足として市民の暮らしをしっかり支えるため,均一運賃区間外である栂ノ尾以北の運賃につきましても,見直しを検討いただいているところです。

 次に,「実施時期」についてでございます。これらの取組は,認可申請の審査を経てからとなりますが,来年3月の実施を予定しています。

 最後に,「その他」といたしまして,この取組に合わせ,今後,区役所等の関係部署,地域の皆様及び西日本ジェイアールバス様と連携して,高雄~京北地域の更なる活性化に向けた検討を進めてまいります。

出席者挨拶

京都市 門川市長

 まずは,西日本ジェイアールバス株式会社の北野社長をはじめ,関係者の皆様の御英断に心から敬意を表し,御礼申し上げます。また,高雄自治連合会,高雄保勝会にも御臨席賜り,ありがとうございます。地域の皆様の長年の御要望が実現し,嬉しく思っています。

 新型コロナウイルス感染症によりまして,全国の公共交通が極めて厳しい経営環境でございます。その中で,大変前向きな,画期的な発表をさせていただくことを,非常に嬉しく,ありがたく思っています。

 京都市では,人と公共交通優先の「歩いて楽しいまち・京都」を実現させるため,市内を運行する交通事業者と連携して,「鉄道・バスのネットワークの連携強化」や「バスのダイヤ改善」などを進めてきました。今回の取組は,より便利で,暮らしやすいまちに向けて,大きな前進になりました。自動車分担率は,この20年で,28.3%から22.3%と減少した一方で,鉄道・バスの分担率は21.8%から28.0%と向上しています。マイカーから鉄道・バスへと,全国の中でも画期的に前進しています。

 これまで,様々な取組を行いましたが,その一つが市バスの「均一運賃区間の拡大」です。これは,長年の懸案でしたが,京都バス様の御協力を得て,平成26年に「嵯峨・嵐山地域」,続いて,平成28年に「岩倉・修学院地域」,さらに,平成29年に「上賀茂・西賀茂地域」に拡大してまいりました。経営が立ち行かなくなるのではないかなど,社内で侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論もあったと聞いています。この決断により,京都バスも市バスも,お客様が増加しております。

 西日本ジェイアールバス様ともそうした話し合いを続けていく中で,この4月から「ICOCA定期券の共通利用化」が実現し,そして本日発表させていただく,「均一運賃区間の拡大」を実現できることとなりました。

 とりわけ,今回の「均一運賃区間の拡大」については,運賃が最大530円から230円と57%の値下げになります。一部,値上げになる区間もありますが全体の5%であり,95%のお客様にとっては大幅な値下げになるか,これまでと同等であるといった大改革です。厳しい状況下に,大変な御英断をいただき,あらためて敬意を表したいと思います。

 さらに,今年は京北町との合併15周年ですが,人口減少等が深刻な状況です。その中で,栂ノ尾の先についても運賃の見直しを検討していただいているということで,御礼申し上げます。

 コロナ禍で,市バスも大赤字を抱え,将来の見通しの立たない大変困難な状況であり,西日本ジェイアールバス様においても深刻な状況ですが,住民の立場で前向きに挑戦していくことが,極めて重要であろうかと思います。

 そして,住民の足を確保すると同時に,3密を回避するウィズコロナ時代の観光の在り方,高雄地域の魅力をしっかりと発信してまいります。さらには,利便性を向上させ,特に今回,市バスと西日本ジェイアールバスの徹底したシームレス化に向けた取組,「バス一日券」などの共通利用や,「市内中心フリー」定期券の共通利用範囲拡大などによって,地元の方にとっても,お越しいただく方にとっても,快適に御乗車いただけるよう取り組んでまいります。加えて,京北の方にとっても,地域の活性化につながるよう,しっかりと取り組んでまいります。

 

西日本ジェイアールバス 北野社長

 ただ今,門川市長からありがたい言葉を頂戴し,また,このような席に同席させていただきましたこと,改めて御礼申し上げます。

 当社の高雄京北線につきましては,京都駅を起点に,市内を北西方向に抜け,終点は京北地域の周山に至る,全長33キロの路線でございます。

 現状申しますと,この路線を含めて,乗合バスを取り巻く環境は,少子高齢化による人口減少や,昨今では新型コロナウイルス感染症の影響で,大変厳しい状況でございます。このような路線を地域の皆様の移動手段としてこれからも維持していく,さらには,地域の外から観光にも御利用いただけるようにしていく,こうした取組というものは,私ども一事業者で行うには中々困難でして,地域の皆様とも課題を共有しながら,事業者との間でも可能な連携や協力を模索する必要があります。昨年は,近畿運輸局様の旗振りで,京都市域におけるバス交通の在り方を事業者間で検討する勉強会も立ち上がったところです。

 こうした中で,門川市長のリーダーシップの下,弊社と京都市交通局様の連携・協力の議論が深まり,今回の「均一運賃区間の拡大」が実現できました。具体的には,途中の「栂ノ尾」までを市内均一運賃とし,「バス一日券」などにも加えていただくことで,この地域にお住いのお客様の利便性向上はもとより,市外あるいは府外,あるいは今後,インバウンドが復活して海外からのお客様にも分かりやすく,観光にも御利用しやすくなると考えております。

 なお,門川市長をはじめ,京都市様におかれては,地域の交通手段の持続化・活性化に,私ども事業者と一緒になって取り組んでいただける,そして,京北地域への観光振興にもますます力を入れられるという力強い言葉を頂戴し,弊社としても可能な限りの協力を精一杯行ってまいる覚悟でございます。

 まずはこの施策,来春の実施に向け,京都市様,京都市交通局様と,しっかり連携・協力しながら準備を進めてまいります。

 これからも,市バスはもちろんですけれども,西日本ジェイアールバスをたくさんの皆様に御利用いただくことをお願いいたしまして,私の挨拶とさせていただきます。

 

高雄自治連合会 中川会長

 西日本ジェイアールバス様,京都市交通局様には,高雄地域において80年以上の長きにわたって,路線バスを維持していただいています。地域住民の足を守るとともに,観光振興に大きな御貢献・御配慮いただいていますことに御礼申し上げます。重ねて,高雄地域への「均一運賃区間の拡大」,そして「市バスの栂ノ尾への路線延伸」は,我々地域住民にとって長年の大きな夢でありました。簡単には実現できない夢と思っていましたが,この度,大英断いただきましたことに,地域住民を代表して厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

 現在,高雄地域は均一運賃区間外であるため,「高雄は遠い」と思われがちですが,今回の「均一運賃区間の拡大」によって,そのイメージも変わり,「高雄は近い」といった印象を持っていただけると思います。さらに,市バスの路線が延伸することで,世界文化遺産である高山寺にも市バスで訪れることが容易になり,新たな形の観光も期待しています。

 今後,高雄地域は近く,便利になります。我々地元住民も地域振興に努めてまいりますが,今後とも,西日本ジェイアールバス様,京都市交通局様をはじめ,多くの方々の御支援と御指導をいただかなければならないと考えております。引き続き,よろしくお願い申し上げます。

 

高雄山神護寺貫主 高雄保勝会 谷内副会長

 昨今,暗いニュースも多い中,この度の西日本ジェイアールバス様と京都市交通局様の取組は,久しぶりに明るいニュースが飛び込んできたということが実感です。

 バスで高雄地域にお越しいただく際,京都駅からは約50分,四条大宮からは約30分の所要時間で,そこまで遠くはないですが,今回,均一運賃区間が拡大し,運賃が値下げとなり,また,一日乗車券がどちらのバスでも利用できるようになり,観光で高雄地域を訪れる方にも便利に感じていただけることと存じます。

 また,これまで高雄より北部にお住まいの方の中には,市バスに乗るために,高山寺周辺から高雄バス停まで交通量の多い国道を歩かれる方も多く,また,高齢者にとってバス停まで歩かれることは大変であったところです。今回,市バスが延伸することにより,これまでの地元の懸案も解消されます。

 高雄,槇ノ尾,栂ノ尾は合わせて「三尾」と称され,紅葉の名所で知られていますが,紅葉だけでなく,文化財も多く残された地域で,平安時代の最澄,空海,鎌倉時代の文覚上人や明恵上人がお住まいになった寺院が,今も変わらず当時の様相を残したまま存在しています。歴史などに興味のある方が,便利になった高雄地域へ行ってみようと思っていただけるような取組が実現したことは,非常に喜ばしいことと感じています。

質疑

記者

 バス一日券など市バスと西日本ジェイアールバスを相互利用できるようにすることが大きいと考えるが,西日本ジェイアールバスとして,均一運賃区間の拡大について経営判断をどのように行ったのか。また,京北までの運賃見直しの実施時期は,来春を予定しているのか。

北野社長

 実施時期については,均一運賃区間の拡大に合わせ,来春を予定しております。

 今年6月に着任し,高雄京北線にも乗車しましたが,お客様の御利用は寂しい状況であり,社内でこのまま運営するのは将来的にどうか,という議論もありました。

 この度の判断は,たくさんの人に便利に御利用いただき,いずれ,新型コロナウイルス感染症が終息し,たくさんの観光客の方々に戻っていただくと,結果として,弊社にとってもプラスになると判断させていただきました。

 たくさんの方に御利用いただけるよう,影響力のあるマスコミの方々にも宣伝に御協力いただきたいと存じますので,よろしくお願いします。

 

記者

 市長に2点伺いたい。まず,今回の取組についての市のねらいは何か。また,市バス事業が厳しい状況の中で,均一運賃区間を拡大すると減収が見込まれるのではないか。

門川市長

 市バス事業は危機的な経営状況であり,現時点で見通しは立っていません。これまで,西日本ジェイアールバス様と話を続けてきましたが,コロナ禍の下,内心不安もありました。こういう時こそ,地域住民の足を徹底的に守る。そして,これまで京都市民にとって近い存在であった高雄地域に,以前ほどは行かれなくなりましたが,市バスと連携してシームレス化を進め,西日本ジェイアールバスにも乗っていただくことにより,地域住民の足を守り,また同時に,素晴らしい魅力が溢れる高雄地域の活性化が期待される中,今回の取組は,非常にありがたく感じています。

 市バスの栂ノ尾までの延伸も,西日本ジェイアールバス様の理解なしにはできません。もともと,この地域は,西日本ジェイアールバス様が主に運行を担っておられ,市バスもそれに合わせて運賃設定をしています。

 公共交通のご利用を増やすことで,経営改善を図り,そして地域貢献をしていく,西日本ジェイアールバスの皆様の御英断に敬意を表し,我々も共に歩んでまいりたいと考えています。

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