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門川市長記者会見(2020年8月5日)

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2023年4月12日

市長記者会見(2020年8月5日)

令和元年度決算概況について

 7月豪雨において,全国各地に甚大な被害をもたらしました。犠牲になられた方々に哀悼の誠を捧げますとともに,被害にあわれた方々の,お見舞いと一日も早い回復をお祈り申し上げます。また,本市においても,大雨により,各地で土砂崩れ,道路被害,鉄道等の公共交通への被害,家屋の浸水被害など,幅広い被害が生じましたが,24時間体制で復旧作業に当たるなど,地域の皆様とともに,全庁をあげて,対応を進めてまいりました。コロナ禍のもと初めての対応となる中,自主防災会,消防団,水防団,自治会,また,土木事業者の皆様の,懸命な取組に敬意を表したいと思います。本日は,令和元年度決算概況を御報告しますが,平時には,見えにくい河川浸水対策などの備えについても,今後もしっかりと予算を確保していまいります。

それでは,令和元年度決算の概況をお知らせします。

 資料の1ページを御覧ください。まず,新型コロナウイルスの感染拡大につきましては,市民生活・企業活動等を直撃し,市税にも大きな影響が生じつつあります。本日,御説明する令和元年度については,その影響が限定的であったことから,市税は増加しておりますが,今年度,来年度については極めて厳しい状況であると考えております。それでは,ポイントについて説明いたします。歳入面では,市税が平成9年度のピーク時を上回り,2,770億円と過去最高,平成9年度からは51億円増加しており,明るい兆しが見えておりましたが,地方交付税等が大きく減少したため,一般財源収入は減少し,依然として厳しい状況です。こうした中,「はばたけ未来へ 京プラン」実施計画第2ステージの全307事業を,着実に推進してまいりました。全国トップ水準の福祉・教育・子育て支援の維持・充実,また,市民の皆様の安心・安全を最優先に,社会福祉関連経費の増加に87億円,一般財源で46億円,また,平成30年に発生した災害の復旧や支援に50億円,一般財源で22億円を投じました。このため,行財政改革を徹底しても,なお財源が不足し,将来の借金返済に充てるべき公債償還基金を取り崩して補てんせざるを得ない,厳しい財政状況が続いております。また,令和2年度以降につきましては,新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,市税などの大幅な減収も想定されますが,市民生活や地域経済の下支えは進めていく必要があります。市バス・地下鉄・上下水道事業の公営企業会計につきましても,令和元年度は全会計とも引き続き黒字を計上しておりますが,令和2年度の経営は非常に厳しい見通しとなっております。後ほど詳しく説明いたします。

 2ページを御覧ください。一般会計決算でございます。歳入総額は7,728億円,歳出総額は7,705億円となり,翌年度への繰越財源を除いた実質収支は,4億円の黒字となりました。歳入,歳出の特徴を御説明いたします。まず歳入面です。個人市民税・法人市民税・固定資産税の増加に加え,平成30年10月から導入した宿泊税収入の平年度化も合わせて,市税収入は前年度比で138億円,4.7%増加しましたが,一方で,地方交付税等が前年度比で119億円減少しました。一般財源収入は前年度比26億円,0.6%の増加となっておりますが,これには国民健康保険事業への財政支援などのために行った,財政調整基金の取崩し39億円が含まれており,これを除くと13億円,0.3%の減少です。なお,歳入決算額7,728億円につきましては,本日,午前中に市会に報告しました「子どものための教育・保育給付交付金」に係る過大交付14億円が含まれております。この14億円につきましては,令和2年度に予算を補正し,適切に国,府に返還いたします。次に,歳出面でございます。防災・減災対策や,増加する社会福祉に必要な経費をしっかり確保したほか,市債残高を縮減しつつ,南部クリーンセンターや下京雅小学校,京都京北小中学校,京都市京セラ美術館など,必要な投資も着実に推進いたしました。これらの財源として,市債を発行しておりますが,計画的な返済の範囲内におさめることにより,国が返済に責任を持つ臨時財政対策債を除いた,実質的な市債残高は,一般会計で51億円の減,全会計で245億円の減と着実に縮減しております。市民の皆様の今と未来に必要な施策を着実に推進するため,行財政改革を徹底してもなお不足する財源については,公債償還基金を50億円取り崩して補填しました。全庁あげた節減の取組や市税収入の予算以上の確保により,予算額87億円からは37億円圧縮したものの,引き続き,厳しい状況にあります。なお,将来の市債償還に備えた計画的な積立ても406億円行っており,基金残高は1,372億円,前年比で56億円の増となっております。

 3ページを御覧ください。市税などの一般財源収入の状況でございます。個人市民税は8年連続,法人市民税は3年連続,固定資産税は7年連続の増加であり,市税は堅調でした。とりわけ,個人市民税については,納税義務者数が7年連続の増加,3年連続過去最高の67万人に,平成27年度の63.8万人から4年間で3.2万人の増加となっている。納税義務者一人当たりの所得も6年連続で増加し,平成30年度に比べて4万2千円増加しており,この間の経済政策の効果が市民所得の増加,市税の増加に反映されてきたものと考えております。今後,これらをどのようにしていくかが大きなテーマであります。

 4ページを御覧ください。必要な施策を進めるための財源確保についてでございます。全国トップ水準の福祉・教育・子育て支援の維持・充実,都市の成長・都市格の向上につながる施策を推進するため,徹底した行財政改革を進めました。市税徴収率については,新型コロナウイルスの影響等で前年度から0.1%低下したものの,ほぼ同水準の98.9%を確保しました。資産の有効活用による財源確保については,土地の売却等により10億円を確保したほか,ネーミングライツの導入にも積極的に取り組みました。また,社会福祉や防災・安全等,必要な部署には必要な人員をしっかりと配置する一方,委託化・民営化などで,職員数を140人削減し,これにより,年間の人件費を12億円削減しています。

 5ページを御覧ください。公営企業の決算でございます。まず,市バス,地下鉄についてですが,1日当たりのお客様数については,両事業ともに令和2年1月までは順調に推移しておりました。しかしながら,新型コロナウイルスの影響により,2月以降は大幅に減少し,市バスでは35万7千人,地下鉄では40万人となり,市バス,地下鉄の合計では前年度比3,300人の減となりました。市バス,地下鉄ともに,かろうじて黒字を維持しましたが,市バスについては,バス運転士等の担い手不足の影響により運営コストが急激に増加しており,また,地下鉄については,3,445億円もの多額の企業債等残高を抱え,全国一厳しい経営状況にある中,今後,車両・設備の更新に多額の費用を要し,両事業とも大変厳しい経営見通しにあります。加えて,令和2年度の業績見込みは,深刻な状況にあります。新型コロナの感染拡大防止を最優先に,緊急事態宣言発令中は御利用を8割削減させることを目標に,不要不急の外出自粛の対策に取り組み,皆様の御理解・御協力により,前年度と比べお客様数は大幅に減少し,地下鉄については12日間において目標の8割削減を達成しました。

 一方で,この取組が経営に与える影響は極めて大きく,4月から6月の3箇月間における運賃収入は,市バス・地下鉄の合計で,対前年度比△59億円,△49%の減となっており,今後もお客様数の回復には相当の時間を要することが見込まれることから,過去に類を見ない減収は避けられず,経営は危機的状況であります。経費節減はもとより,増収・増客の取組や国に対して支援を強く求めながら市民の皆様の足をしっかりと確保してまいります。

 6ページを御覧ください。上下水道事業についてでございます。老朽化した水道配水管更新のスピードアップを図るとともに,浸水対策として,これまでに1,750億円をかけて,雨水幹線の整備等を実施しております。5年に1度の降雨への対応が完了した面積の割合(雨水整備率)は約91%で,全国平均の59%を大きく上回りトップ水準となっております。経営面では,水需要がピーク時から水道で23%減少,下水道20%減少している中,民間活力の導入など一層の経営効率化に努め,水道事業,公共下水道事業とも黒字を確保いたしました。今後,人口減少による水需要の減少に加え,新型コロナウイルスの影響による使用水量の減少により,水道料金,下水道使用料収入の大幅な減収が見込まれ,経営環境はこれまで以上に厳しい見通しではありますが,あらゆる観点から経費削減,財源確保に努め,市民の重要なライフラインをしっかりと守ってまいります。

 7ページを御覧ください。令和元年度の取組と主な成果でございます。

 「安心・安全のまちづくり」でございます。河川改修などの浸水対策や,橋りょうなどの耐震補強・老朽化修繕に468億円もの経費を投じるとともに,保育園児等の移動経路の交通安全対策にも取り組みました。

 次に,「子育て環境日本一,福祉・教育の充実」でございます。保育所等待機児童は,7年連続ゼロを達成しました。保育士の配置基準,平均年収などの処遇についても全国トップ水準であります。また,特別養護老人ホーム80人分(累計6,311人分)など高齢者福祉施設の整備も積極的に進め,高齢者が安心して健やかに暮らせる福祉のまちづくりを推進しました。

 次に,「「世界の文化首都・京都」の実現」に向けた取組でございます。次代を担う子どもたちが伝統文化をはじめとした文化芸術に触れる機会を充実するとともに,「ICOM(国際博物館会議)」の日本での初開催や,京都市京セラ美術館の整備など,文化を基軸としたまちづくりを更に加速させました。

 次に「京都経済の活性化」です。地域企業の担い手育成や事業継承などの取組を応援するとともに,京都経済センターを核とし,新たなビジネス創出の支援などオール京都の産業振興を推進しました。

 次に「ごみ半減達成,更なる前進」です。南部クリーンセンター第二工場が稼働を開始するとともに,環境学習施設「さすてな京都」がオープンいたしました。ごみ量については,ピーク時の82万トン(平成12年度)から,半減となる41万トンとなり,19年連続での減少も達成しました。以上が令和元年度決算の概況でございます。

 続きまして,8ページを御覧ください。「新型コロナウイルスの感染拡大による本市財政への影響」でございます。日本銀行京都支店の発表した経済状況につきましては,この間の新型コロナウイルスの感染拡大にともなうインバウンドの減少や,外出自粛,イベントの中止・延期等により,あらゆる業種において,非常に厳しい状況であると認識しています。それらの影響により,本市においても,歳出・歳入両面において大変厳しい状況となることが予想されます。まず,歳出面については,地域経済の立て直しや,ウィズコロナに向けた対応は,今後も行う必要があるとともに,生活保護など社会福祉関連経費の動向にも注視が必要です。また,歳入面では,観光客の大幅な減少や企業収益の悪化等による市税収入の減少や長期化,施設の休館・利用停止や外出自粛等に伴う本市の施設使用料収入などの減収が想定されております。この影響も含めて,現在,「京都市持続可能な行財政審議会」において,徹底した市民公開のもと,将来にわたり市民の皆様の安心・安全を守る基盤となる行財政のあり方について,議論をしているところでございます。市民の皆様と危機感を共有しつつ,文化,景観,観光,環境,歩くまち,子育て支援,教育など,京都の強みを経済の活性化や,市民の皆様の豊かさにつなげると同時に,大胆な発想で行政のあり方を改革することに,引き続き,力を尽くしてまいります。

 

質疑応答

報告案件に関する質疑

記者

 決算を受けて,改めて市長はこれまでの取組について,どのようにお考えでしょうか。

市長

 市長就任当時,リーマンショックで過去最大の税収減,一般会計も含めて過去最大の赤字になりました。そこからのスタートでした。財政の第三者機関も含めて,様々な手法を用いながら財政再建に取り組んでまいりました。一つは市民1人当たりの借金の総額を増やさない。これは着実に減少させています。一方で,福祉,教育,子育て支援,京都ならではの手厚い施策など,厳しい中でも必要な施策はしっかりと充実させていく視点が必要です。加えて災害が続発しており,それにも対応する。さらに,持続可能な財政のために,国と連動しながら,京都の強みである中小企業の活性化や産学連携などの経済の活性化等に取り組んでまいりました。今,納税義務者が増えている。人口は横ばいですが税金を納める人が増えている。加えて,市民所得の向上によって,市税収入が過去最高を更新するなど,これらは民間と一体となった経済政策の成果だと思います。しかし,厳しい状況に変わりはございません。この機会に徹底した行財政改革を,さらに一歩進め,持続可能な財政を確立していく。加えて,コロナ禍の下でウィズコロナ社会における持続可能な行財政のあり方に向け,抜本的な見直しも並行して進めてまいります。

 

記者

 コロナ禍によって,予想される今後の税収の落ち込みについて,どのようにお考えでしょうか。

市長

 おっしゃるように,現時点で税収の落ち込みが想定されます。個人市民税は前年の収入に基づいており,今年度よりも来年度の方が影響は大きく,さらに厳しい状況になると考えております。さらに,私が市長に就任したときに一番頭の痛いテーマだったのが地下鉄と市バスの累積赤字でした。この12年間かけて,あらゆる努力をし,市民の皆様の御理解を得て取組を進めてまいりました。例えば,地下鉄ですと10年間で7万人増客し,経営改善に向けて大きく前進しました。市バスにおいても,お客様が増えて路線拡大等ができました。しかし,コロナ禍によりこれが一転して,想定できないほどの危機的な状況になっております。地下鉄と市バスだけでなく,全会計に与える影響は計り知れないものであります。地方都市で,公営交通を持ってないところと,公営交通を持っているところでも差が大きいということも含めて,国に対してやはり地方財政支援として,あらゆる方策を要望していきたいと思っています。

 

記者

 社会福祉関係費が毎年増えている中で,行財政の改革については,どのようにお考えでしょうか。

市長

 京都市の社会福祉関係経費は,この20年で倍増しているという現実があります。一方で,一般財源収入はほとんど増えていない状況です。財政は厳しくとも,福祉はしっかりと取り組むという姿勢で12年間取り組んできましたが,その基本的な姿勢に変わりはありません。高齢者,障害のある方,子育て支援,一人ひとりに視点を沿えて取り組むための財源の確保が必要でございます。国に対して地方がしっかり要望していかなければなりません。同時に,持続可能な福祉政策というのが必要です。たとえ手厚い政策であっても,先の見通しが立たないということでは市民の皆様の不安感は消えません。そうした,福祉施策の持続可能性も含めて,公開の有識者会議等において,市民の皆さんの御意見も伺いながら検討していく必要があると考えております。

 

記者

 全体としては黒字なのか,黒字が赤字になったということかどちらなのでしょうか。

市長

 自治体の財政というのは,何をもって黒字,赤字と言うか評価しにくいと思います。数字上出てきているのが4億円の黒字ということですが,そこには基金の取崩しもございますので,極めて厳しい決算状況であることに変わりはないと認識しております。そして,来年度以降さらにコロナ禍のもとで厳しくなることが予想されています。3月までは,それほど新型コロナが経済に影響を与えていなかった。これからが厳しいかと思います。

 

記者

 黒字か赤字かを指標の中で見るのは難しいですが,財政調整基金残高は令和元年度の決算でゼロであり,また公債償還基金は令和元年度末で言えば500億円以上の取り崩しが発生しています。そういう意味で,実質収支としては黒字ですが,実態としては赤字を将来の借金返済に充てる財源で補っている状況です。市の計画の中では,令和2年度に特別の財源対策からの脱却を目指すとされていますが,財政構造改革は進められたのか,進んだけれどもなかなかうまくいかなかったのか,どういう状況でしょうか。

市長

 私が市長就任時,連結で350億円の赤字でした。これは基金がどうこうを別にして,地下鉄,市バスも,国民健康保険もあらゆるものが赤字でした。それを大きく前進させ,黒字転換し,さらに市民が返済に責任を持つ市債残高も約3,500億円減らしてきている。こういう12年間であります。そんな中で,今申しましたように将来の借金の多くは,20,30年前に巨額の投資をせざるを得なかったものです。決して私は無駄な投資をされたと思いません。地下鉄東西線の開通,JR山陰線の複線高架,あるいは梅小路公園,コンサートホール,みやこめっせなどの事業をせざるを得なかった。それが京都の都市基盤,文化芸術に大きな役割を果たし,市民の京都の財産になっております。そうしたことを,総合的に見なければならない。そして,その借金を返済するために,公債償還基金を一部取り崩しておりますが,トータルとしては積立ての方が多いため,増加しております。しかし,これから人口減少社会が到来してくる。文化力,都市格は大きく向上しましたが,それらを生かした経済対策によって京都が持続可能な市民生活,市民の豊かさを根拠にした財政改革などについて,抜本的に議論していただくものですので,評価は市民の皆様にしていただきたいと思います。

 

記者

 新しい計画を作る中で,コロナ禍の影響は長期に及ぶという見方もあると思います。一方で,市の基金については,令和元年度は過去最大の取り崩しを行っており,この取り崩しペースで進めば将来の償還に支障をきたすことも考えられます。そういった中で,市の政策の見直しや検討は避けられないかと思いますが,この辺りはいかがでしょうか。

市長

 はい。見直しが必要なものと,こういう厳しい中でもより充実させなくてはならないものもあると思います。例えば,京都市は保健師が333人活躍しています。市民1万人当たりの保健師の数は2.3人と,人口100万人以上の都市で最高であります。この間,充実させてきたことが大きな役割を果たしています。消防局においても,救急搬送等も含めて大きな役割を果たしてもらっていますが,人口が同規模の福岡市は1,000人,神戸市が1,500人,京都市は1,700人を超えています。

 相対的に人件費が高いという御批判もあるかもしれませんが,必要なものであります。しかし,必要なものであっても,最も効果的に活躍しなくてはならない。そういうことも,市民の皆様の前に明らかにして議論し,改革していく。そして,魅力的な持続可能なまちづくりと財政を両立させていくことが大事だと思います。保育所の待機児童ゼロも,保育所を増やしたからできるものではなく,優れた保育士を確保する必要があります。そのために,他都市と比べて充実した認可保育園の保育士確保策を実施しています。その結果,保育士の定着率というのは,政令市の中で京都が最も高くなっております。こういった成果は市民の皆様に知ってもらう努力も必要となります。「子育てするなら京都ですよ。保育の質が違いますよ。」ということも,しっかりとアピールしていかなくてはならないと思います。

 

記者

 市バス・地下鉄について,市長就任後,黒字化に向けて取り組まれてきたとのことですが,今回の令和元年度決算について,どのように受け止めておられますか。また,今後,市として,どのような取組をお考えでしょうか。

市長

 地下鉄・市バスの財政状況は,市長就任当時の最大の懸案課題でありました。厳しい状況の中ですけども,市民の皆様の御理解のもとに「歩くまち・京都」,公共交通優先の取組,また,交通局において,徹底した経費削減,サービス向上の取組で大きく前進してきたところであります。しかし,今回,新型コロナの感染拡大のもとで,経営のことよりも,感染拡大防止を最優先する。休日は,「地下鉄・市バスでお出かけください」とキャンペーンしていたのを,「ステイホーム,家にいてください,地下鉄・市バスのお客様を8割減らします。」という運動に切り替えました。大きな役割を果たしてくれたと思います。その時々の最も市民のために大事なことをやってきたと自負しております。しかし,これからが大事であります。経営を健全化して,そして市民の足を守っていく,そのために,京都市として,交通局として,あらゆる努力をしていく。同時に地方自治体でできないことについては,国にしっかりと支援策を求めていく。そんな取組をしていきたいと思います。

 

記者

 市長が4期目就任時の公約で,環状線ネットワークについて掲げておられましたが,今は状況が大きく変わってきているかと思いますが,どうお考えでしょうか。

市長 

 より重要性が増してきていると考えております。人の移動を保障していく。そして,広域的な視点で防災,減災のためにも取り組んでいく。環状線ネットワーク構想もハードルはたくさんあり,直ちに出来るものではない。しかし,京都の未来のために,京都府と京都市が一体となって,広域的な連携をしていかなければならない。そのためには,国の支援策も必要であります。東京一極集中を打破するためにも,地方の広域的な交通ネットワークが極めて大事であります。さらに,特定の地域で密集していることも避けていかなければならない。そういう意味では,3密回避等もこれからの都市経営の大きなテーマであります。20,30年後を展望しながら,府市,経済界,さらに国の支援を得ながら,取り組んでいくことが重要であると考えております。

報告案件以外に関する質疑

(お盆の過ごし方について)

記者

 京都においても,お盆の時期に人が増えることが予想されますが,それに対する思いを教えてください。また,学生が多いまちとして,地方から集まった学生が故郷へ戻ることも予想されますが,そういった学生に対するお考えがあれば教えてください。

 

市長

 お盆というのは,御先祖さんのお墓参りをする。あるいは,大切な親や親戚と交流をする。お礼を言う,感謝する。日本人が大切にしてきたものであります。したがって,色んな考え方があるかと思いますが,それぞれの御家族で取り組んでおられる行事について,自粛を要請することは私自身考えておりません。同時に感染拡大防止が何よりも大事であります。したがって,高齢者,基礎疾患のある方に移さないことが極めて重要ですので,少しでも健康に不安のある方については,かかりつけ医の診断を受けていただき,そして外出を自粛していただく。こうした個別対応が極めて大事だと思います。大学のまち,学生のまちであります。大学による感染拡大というのもありますけど,教育活動の中で感染拡大している事例はありません。部活動の中での飲食の場というのが多くございますので,そうした場合につきましても,徹底して移らない,移さない,三密回避,社会的距離を空ける。あるいは深夜に及ぶ飲み会は控えていただく事を改めて要請していきたいと考えております。

 

(ALS患者の嘱託殺人事件について)

記者

 ALS患者の嘱託殺人事件がございましたが,安楽死について,市長の所見等をお聞かせください。

 

市長 

 現在,捜査中でありますので,事件そのものに対するコメントは差し控えます。この事件以前から,尊厳死,安楽死の問題について,医療関係者や専門家とともに,国民レベルで議論を深めなければならないということは,大きな課題になっていたところであります。そうしたことが,この事件と直接に結びつけて議論されることではないかと思いますが,さらなる議論の深まりというのは大事であると考えております。

 

記者会見資料

記者会見動画

下記URLから御視聴いただけます。

https://youtu.be/bCpg1CPcdHU外部サイトへリンクします (京都市動画情報館(YouTube))

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